陰と陽、しゅるっ と ふわっ

2018.04.26 Thursday

(2016年秋、生徒さんと一緒に武当山で五行六合功をお稽古)

 

この前、「太極拳と聞いて思い浮かぶことは?」と聞いたとき、「陰陽」と答えてくださった方がいらっしゃいました。

 

おおっ!と思いました。

 

誤解のないように言っておくと、答えは、どれが正解というものでもありません。よく返ってくる「中国の公園で、おじいちゃんがやっているあれでしょ」とか、「ゆっくり動くのでしょ」というのも、もちろんその通りです。

 

ただ、もうちょっと深く、大事なところほど知られていないと思う中、「陰陽」というのは、わりと深いところに差し掛かっています。

 

太極拳の特徴のひとつは、小さな労力で大きな力を出せることです。

 

秘訣は、てこの原理です。重いものを持ち上げたいとき、てこを使うと楽に持ち上げられますよね?人間の体は、てこの原理を応用した使い方ができます。てこを下げる力が”陰”、その影響で持ち上がる力が”陽”になります。

 

地球には重力がありますから、上げる、下げるのうち、下げる方がはるかに楽です。下げる方、つまり”陰”を作りだすことで、上に上がる”陽”が自然に発生します。

 

樹木や花も、同じですね。目立つのは地上に出ている部分、咲いている花の部分ですが、はじまりは、下に向けて伸びる根っこです。上に伸びる力を出したいのなら、まず下げる、です。

 

太極拳は、止まることがありません。見た目に止まっているように見えたとしても、実際には動いている通過点の一部でしかありません。それは、陰と陽がクルクル交代して動き続けているのです。

 

人間は普段、こういう体の使い方をしていません。慣れるためには基本の練習が大切で、それにちょうど良いのが、武当五行六合功という気功です。

 

「五行六合功をひととおり練習してから太極拳を習う」という習い方もありますし、「これだけをひたすら40年練習する」というやり方もあります。どのやり方も良いのですが、わたしの太極拳クラスでは、五行六合功の一部を練習する→それを応用して太極拳の動きを練習する、というやり方もしています。

 

このところよく取り上げるのは、”极”です。太極(中国語で极)をうまく運ぶ、というような意味です。イメージは、ボールを体の左右でくるくると回転させるものです。

 

下記の動画の4:05〜4:40あたりに出てくる動きです。

 

 

これ、腰が回って腕が体の左右のどちらかに動いたところで、上にある手が落ち、下にある手が上がります。これがボールの回転です。手が落ちるのが”陰”、上がるのが”陽”です。

 

これをよく、「しゅるっ(陰)」と「ふわっ(陽)」と、音で表現します。「しゅるっ」が、先に動き、その影響で「ふわっ」と上がります。

 

何が言いたいかというと、両手の感覚がかなり違うのです。ボールを持って、両手を均等に使って上下をひっくり返すのではありません。

 

あくまでわたしのイメージですが、「しゅるっ」と落ちる方の手のひらには粘性があって、ボールが吸い付き、最後に手がボールの下に入って支えます。「ふわっ」は文字通り、ふんわり押し上げられ、最後はボールの上にポンと乗ります。

 

お稽古では、この「しゅるっ」と「ふわっ」をひたすら繰り返します。

 

これをやってから、太極拳の套路(型)で、この動きに似ているところを練習すると、「なんだか、それっぽくなった」という感想も聞かれます。

 

「それっぽい」という感覚は、かなり良い感じです。実際にどう感じているかは本人のみ知るところですが、それでも、なんだか良い感じがします。

 

どこまでやったらゴールというのはありません。目指す方向はありますが、絶対的な正解はなく、「こんな感じ?」が続いていきます。言葉で表現できるものを超えた世界です。その過程すべてが、かけがえのないものだと思っています。

 

新しい体の使い方、新しい感覚、それができることで、毎日の生活が変わってきます。どう変わるかは人それぞれですが、体が楽になることを含めて、より健やかで明るい方向に行くと思っています。

 

5月13日(日)の午後の「みんなが知らない太極拳のひみつ」のテーマは、太極と陰陽です。しゅるっ と ふわっ ではないかもしれませんが、陰と陽のバランスや力の使い方なども、体験できます。さらにその前には、太極の意味、陰陽とは?というおはなしもありますよ。ご案内とお申込み方法は、こちらからご覧いただけます。

 

 

【特別クラスのお知らせ】

5月5日(土)14:00-16:30は「太極扇を体験しよう(第6回)」です。詳細とご応募方法はこちらから。

5月13日(日)14:00-16:30は、「みんなが知らない太極拳のひみつ(2)太極と陰陽」です。詳細とご応募方法はこちらから。

 

(武当山、南岩宮)

 

☀「陽だまり」とは

「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、キリリとした印象もあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

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いしい まゆみ(道号:静慧 / みんみん)

太極道家

体と心が目覚める太極拳(http://minminkung-fu.com/)

講座のご案内は、こちらからどうぞ

 

 


5月のお稽古

2018.04.24 Tuesday

 

2018年5月の「みんみんカンフー」お稽古予定です。どなたでも、どのクラスでもご参加いただけます。

 

お申込みは、minminkungfu★gmail.com(★を@に変えてください)、もしくは口頭やFBメッセージでお願いします。FBイベントがあるものは、参加ボタンを押していただいてもOKです。

 

☀☀☀4月のお稽古は、こちらから☀☀☀

 

 

【2018年5月】

 
 
1
 
2
 
7:30 吉祥寺
 19:30 九品仏
4
 
5 10:00青空
※14:00 太極扇
6 10:00自由が丘
 
7
 
8
 
9 19:00 
池尻大橋
10 7:30 吉祥寺
 19:30 九品仏
11
 

12 10:00都立大

 

13 10:00青空 
 ※14:00 溝の口
14
 
15
 

16

 

17 7:30 吉祥寺
 19:30 九品仏
18
 
19 10:00自由が丘
 
20 10:00青空
※14:00 太極扇
21
 
22
 
2319:00 
池尻大橋
24 7:30 吉祥寺
 19:30 九品仏
25
 
26 10:00青空
 

27 

※13:00 香取市

28
 
29
 

30 

 

31 7:30 吉祥寺
 19:30 九品仏

 

 

 

※印は、今月の特別クラスです。

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【クラスのご紹介】

☀「体と心が目覚める太極拳」自由が丘(シェア奥沢)、都立大)土日の午前中(不定期)

 

☀「青空太極拳教室」(代々木公園):屋外。土日の午前中(不定期)

 

☀「太極拳 基本功」(自由が丘・九品仏):毎週木曜日 夜 

 

☀「朝の青空太極拳」(吉祥寺):毎週木曜日 朝 

 

≪太極拳以外のクラス ≫

☀みんみんの陽だまり時間「老子のことば」(池尻大橋):水曜日(月2回) ※おはなしが中心です。軽く体をほぐしたり、瞑想する時間も設けます。

 

 

【5月の特別クラス】

※5月5日(土)14:30-16:30は「太極扇を体験しよう(第6回)」です。詳細とご応募方法はこちらから。

※5月13日(日)14:00-16:30は「みんなが知らない太極拳のひみつ」(2)です。詳細とご応募方法は、こちらから。

※5月20日(日)14:30-16:30は「太極扇を体験しよう(第7回)」です。詳細とご応募方法はこちらから。

※5月27日(日)13:00-15:00は「おためし体験〜みんなが知らない太極拳のひみつ」(千葉県香取市)詳細とご応募は、こちらから。

 

※個人レッスンもお受けしています。(1時間半、10,000円)。

 (武当64式太極拳、武当64式太極剣、武当太極扇、武当逍遥掌、形意拳、気功などのほか、体や膝に負担のかからない立ち方・歩き方も指導します。詳しくはご相談ください)

 

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【お稽古内容】

 

「体と心が目覚める太極拳」のお稽古の中心は、十三式太極拳(武当玄武派)です。太極発祥の地とも言われている道教の聖地、武当山(湖北省)で伝えられてきた伝統太極拳で、水が流れるように自然に動き、陰陽のバランスで力が生まれてくる、”太極拳のひみつ”がギュッと詰まっています。円を描いてしなやかに伸びる動きが美しく、初心者でも経験者でも、また年齢を問わず、おすすめです。そのほか、天地とつながる立ち方、歩法、呼吸法、太極拳の基本となる気功なども、お稽古します。

 

※「青空太極拳教室」は、太極拳のほかに、蹴りの練習などを加えます。

※「太極拳基本功」は、太極拳はせず、站椿功(立禅)、太極歩、気功、瞑想など、基本の動きを丁寧にお稽古します。

※「老子のことば」は、おはなしが中心です。体を動かして体感する時間もありますが、お着替えいただかなくても大丈夫です。

 

 

【お稽古時間とお稽古代】※朝活太極拳(吉祥寺)、特別クラスを除く

いずれも1時間半、回数券1回分(4回10,000円/9回20,000円、いずれも2か月間有効)、現金の場合は3,500円。

 

 

【服装】

動きやすい服装でお越しください(長袖Tシャツ、ストレッチのきいたトレーニングパンツ、靴下、底の浅い靴)

※シェア奥沢(自由が丘)は、靴下でもできます。

※九品仏は和室ですので、靴は不要です。

 

詳細は、下記をご参照ください。

 


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☀「体と心が目覚める太極拳」

 

【土曜日開催】10:00-11:30 

・5月 6日(日)シェア奥沢 (自由が丘)

・5月12日(土):都立大学駅付近の会場 ※詳細は、お申込みいただいた方にお知らせします

・5月19日(土):シェア奥沢 (自由が丘)

※15分前開場、終了後、お茶の時間があります。

 

≪シェア奥沢≫(自由が丘)

※シェア奥沢は、映画、食事、音楽、絵画など共通の”好きなこと”に人が集う、あたたかい触れ合いのある場所です。

自由が丘駅南口改札を出て、左に進み、突き当りを右に曲がります。この通りが自由通りです。緑道を越え、世田谷区の看板を過ぎると、左に入る道があります。ここを左に曲がるとき、目印として右手に赤いアルソアの看板があります。道なりを進み、3つ目の十字路の右奥の民家が、シェア奥沢です。

 

 

 

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☀「青空太極拳教室」(代々木公園)

青空の下、風や木々の香りを感じながらの太極拳です。中国でも、早朝から公園で太極拳をする姿がたくさん見られます。屋外のメリットを活かして、しっかりした体づくりのための蹴りの練習などもあります。

 

【週末クラス】

日時:  5月 5日  (土) 10:00-11:30  

         5月13日  (日)  10:00-11:30  

         5月20日  (日)  10:00-11:30  

         5月26日土) 10:00-11:30  

※雨天の場合は、静かにお休みです。ご参加予定者には、朝8時をめどに個別にご連絡します。

 

場所:代々木公園 ※待ち合わせ場所は、南門です。初めての方は、開始10分前にお越しください。南門から入って、梅の園、丘の広場の前あたりでお稽古します。

 

   

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☀「太極拳 基本功」(自由が丘/九品仏)

広々とした和室で、基本功を丁寧に練習するクラスです。站椿功、太極歩、武当五行六合功、六字訣、呼吸法、瞑想など。

(クラスについて、詳しくはこちら

 

日時:毎週木曜日 19:30-21:00 (5月3, 10, 17, 24, 31日)

   ※19時から中国茶をご用意してお待ちしています。

 

場所:自由が丘・九品仏 大広間(和室) ※九品仏駅徒歩2分、自由が丘駅徒歩9分 

   ※詳しい場所は、参加される方にお知らせします。

 

 

 

☀「朝の青空太極拳」(吉祥寺の公園)

ちょっと早起きして、ゆったり呼吸してゆっくり動き、全身を目覚めさせます。心と体を整え、1日をさわやかにはじめましょう。

 

日時:毎週木曜日 7:30-8:30  (5月3, 10, 17, 24, 31日)

   ※屋外での開催です。雨天の場合、静かにお休みです。

 

場所:吉祥寺駅付近の公園(詳しくは、ご参加希望の方にお知らせします)

 

料金:1回1,500円(特別価格)

 

 

 

☀みんみんの陽だまり時間:老子のことば 

2,000年以上前に書かれた「老子(道徳経)」は、武当功夫をする人々の間でも大切にされており、修行者たちは「読み続ければ、いつかはわかる」と信じています。そこには、生きるヒントがたくさんつまっています。

 

内容は、無理せず楽に生ること、リーダーの心得など多岐にわたり、この世をしなやかに、たくましく生きていくための知恵を、現代に伝えています。

 

毎回1〜2章ずつ取り上げていきます。わたしからのおはなしのほか、対話、内容を体感できるようなエクササイズ、静かに瞑想する時間なども、設ける予定です。(※お着替えいただく必要はありません)

 

日時:5月 9日(水)19:00-20:30

   5月23日(水)19:00-20:30   ※開場は18:45です。

 

場所:池尻大橋駅近く(和室) ※池尻大橋駅から徒歩約7分  ※詳しい場所は、参加される方にお知らせします。

 

 

みなさまのご参加をお待ちしています^^

 

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いしい まゆみ(道号:静慧)/ みんみん)

太極道家

HP: 体と心が目覚める太極拳(http://minminkung-fu.com/)

ブログ: みんみんの陽だまり太極道日記(http://blog.minminkung-fu.com/)


進化とは、困難を克服していくこと

2018.04.23 Monday

(「アニマル進化体操」のワニの上陸作戦。「獲物はここ、これを見て」と先生。前回、2017年10月に受講した時の写真です)

 

2年越しに受けている「アニマル進化体操」。

 

正式にはEWS、エボリューショナリーソマティックワーク、進化論的ボディワーク、というようです。

 

卵→さかな→ヘビ→ワニ→チーター→ゴリラ→マサイのジャンプ(人間)という進化をたどることで、本来の身体感覚をとりもどしていきます。

 

教えてくださるのは、アレクサンダー・テクニークの講師でもある田中ちさこ先生。一昨年は卵とさかな、去年はヘビ、ワニ、マサイのジャンプを体験しました。「今年は、チーターとゴリラを体験するのだ!」と思っていたら、チャンスがめぐってきました。

 

この進化は、背骨の進化でもあります。

 

ワニが上陸するとき、顔が地面にこすれないように、前方の獲物が見えるように、首のカーブができました。

 

チーターになるとき、内臓が下に落ちるのを支えるために、背骨の上の方が盛り上がり、背骨のカーブ(Cカーブ)ができました。人間になるときに、S字カーブになります。

 

今回はワニの復習からでした。ワニは、うしろ足を発達させて、陸にはいあがります。使うのは内転筋、ももの内側にある筋肉です。これを外旋(外に回す)、内旋(うちがわに回す)していきます。

 

内転筋を動かすことで、背骨、肩甲骨が連動して動き、頭が前に進むパワーがでます。骨盤を積極的に動かすわけではないのですが、結果としては動きます。

 

わたしは人間なので、つい、ワニの頃には使えなかった部分を使って動こうとします。ももの外側の筋肉を使ったり、膝を床に押し付けて前に押し出そうとしたり、膝から下の足を使おうとしたり。すると、腰、背骨、肩甲骨、頭にパワーが伝わっていきません。

 

このワークのポイントは、わざと”使えない”制約をつけることです。すると、残りの部分が協同して動き始めます。全身がつながってパワーを出すことをちょっと体感できると、「おおおっっっ!」ですよ。感動します。

 

進化の過程は、”不自由”を克服しようとした結果でもあります。

 

たとえば小さな魚が生き抜くためには、大きな魚に食べられないように注意しなければなりません。逃げる先は、海底の砂の中だったりしますが、さらに安全な場所を求めて陸に上がった、とも言えるかもしれません。それがワニへの進化です。

 

そう考えると、問題があることは、化のチャンスです。ピンチはチャンス、です。

 

そもそも、このアニマル進化体操ができたのも、ピンチからです。

 

これは医師で人類学者のレーモンド・ダート博士(1893年〜1988年)の研究成果であるダート・プロシージャーをもとにしています。ダート博士の息子さんは脊椎側弯症で、その治療方法をもとめてアレクサンダーテクニークに出会い、そこからのご縁でこのワークにつながっていったそうなのです。

 

「困った」→「どうにかしよう」が、進化につながるという話は、考えてみれば当然なのですが、困難の渦中にいるときは気づかないこともありますよね。

 

今回、印象的だった出来事があります。

 

ワニからチーターになる過程を試していたとき、「この動きでよいのか?」と確認したくなって、途中で止めてしまったときがありました。すると見ていた方から、「すごく良い感じで動いていたのに、途中で諦めちゃって、もったいない」と言われたのです

 

わたしが「頭の動く方向を確認したくなったから、それを聞きたくて」と答えたら、「それは自分の感覚だから、返事できることじゃない。」と。

 

「聞きたくて」と言いましたが、現実としては、わたしは諦めてしまったのですよ。最後までやらずに、途中で。

 

普段も、そういうときがある気がします。

 

人間になるまでには、気が遠くなるような長い年月がかかっているように、進化には時間がかかります。あせらず、ゆっくり、試行錯誤で。正解があるわけではなく、自分の感覚でいろいろ試してみることが大切です。

 

人の助けを借りることも大切ですが、その前に、「諦めない心」も大切ですよね。進化の種類にもよるかもしれませんが、自分の困難を克服する方法は、自分の中からしか生まれないのかもしれません。

 

※前回受けたときの感想は、こちらから「アニマル進化体操:卵からワニ、そしてマサイのジャンプまで」

 

 

【特別クラスのお知らせ】

5月5日(土)14:00-16:30は「太極扇を体験しよう(第6回)」です。詳細とご応募方法はこちらから。

5月13日(日)14:00-16:30は、「みんなが知らない太極拳のひみつ(2)太極と陰陽」です。詳細とご応募方法はこちらから。

 

 

(ワニの上陸作戦。内転筋を外旋させて、ここから内旋させて進もうとしているところ)

 

☀「陽だまり」とは

「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、キリリとした印象もあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

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いしい まゆみ(道号:静慧 / みんみん)

太極道家

体と心が目覚める太極拳(http://minminkung-fu.com/)

講座のご案内は、こちらからどうぞ

 


教育

2018.04.17 Tuesday

(春の代々木公園)

 

今日、SNSを見ていたら、こんな投稿がありました。小学生の国語の問題です。

 

下線を見たときの、ぞうさんの気持ちを書きだしましょう。

「森を歩いていたぞうさんは、おどろきました。大きな木がたおれていたのです。」

 

投稿にあった答えは、「うわー」でした。でも、これでは×なのだそうです。正解は、「おどろきました。」

 

わたしは子供の頃、国語が嫌いでした。なぜ答えがひとつなのか、納得できなかったのです。

 

いい大人になった今、これを読んでも、「大きな木が倒れていることに、ぞうさんは驚くのだろうか?」とか、「そもそも、わたしは人間で、ぞうじゃないし」とか、思ってしまうのです。

 

子供の頃から、本は大好きでした。それでも、国語は嫌いだったのです。

 

大人になって、外国人と交流するようになり、彼らの授業を聞いて驚くことが多くなりました。「今日は、カエルについてお話してみましょう。」という題が出ると、みんな好きな話をするのだとか。何を言っても、それで良いのだとか。

 

外国語として英語を習う授業でも、「”空”というタイトルが出ると、みんなで『青!』『広い!』『海!』とか、好きなことをどんどん言うの。楽しかったー。」なんて話もありました。

 

発言は促すけれども、それに〇×がないのです。すごく、うらやましかったです。

 

授業中に先生に断りもせず、勝手にトイレに行ってしまったり、授業終了のベルが鳴ると、授業が終わっていなくても席を立って去ってしまう生徒がいることにも、びっくりしましたけどね。

 

5年ほど前に習った最初の中国語の先生は、グループレッスンをするとき、「生徒のレベルによって宿題を変える」と言っていました。「レベルがバラバラなのに、統一するのは、誰にとってもかわいそう。できる人には多めに、難しい人には簡単に。当然でしょ。先生はちょっと大変だけど、慣れれば問題ないし。」と。お子さんがインターナショナルスクールに通っているそうで、このやり方は、そこから取り入れたのだそうです。

 

グループのとき、できない人に合わせると、できる人はたいくつします。できる人に合わせると、出来ない人は苦しくなります。真ん中をとったら、できる人もできない人も、不満になります。お互いにイライラすることも起きるでしょう。

 

宿題が違ったら、みんな自分のことに精一杯で、他の人のことをブツブツ言うこともなくなるのではないでしょうか。

 

今、自分が先生という立場になって教えるとき、大切にしようと思っているのは、ここです。中国の先生から、「教えることは、とっても個人的なこと。それぞれの特性、身体能力、耐性、覚える速さなどなど、いろんな面を見て、それぞれにあった指導をしていくことが大事。そうすればみんな、何かしら学ぶことができるからね。」と言われたことを、大切にしています。

 

あるとき生徒さんが、「先生が『どっちでもいいよ』と言ってくれるのが好き」と言っていたことがあります。

 

実際には、太極拳のように型(套路)があるものには、やり方があるので、そこから外れるものは直します。ただし、「そうじゃないよ」と言ったものでも、なぜそうしたいのかを聞いて、別の目的があって、それもありだと思う場合は、「それならいいよ」と言うこともあります。

 

冒頭の問題に戻ると、「驚いた」と答えさせたい目的は、何かあるのかもしれません。でも、「うわー」という豊かな表現力も、認めてあげたい気がします。

 

「ぱおーん」とか、「驚いたぞう」とか「すごいぞう」とかも、ありですよね。

 

教育って、大事だと思うのです。日本人の発言力が弱いと言われるのは、自由に話すことを励まされてこなかったためで、外国語を話せないのも、言葉で表現する力が磨かれていないことが、大きいと思うのです。

 

「母国語で話すのが上手な人は、外国語でも上手い」と、よく言われます。話すことは、単語や文法を知っていることではなく、話す中身がある、ということだと思うのです。

 

わたしは大学まで日本の教育を受けてきたので、その恩恵にもあずかってきました。その目的を理解しきれているわけでもなく、全部を否定したいつもりはありませんが、窮屈さを感じた部分もあります。

 

教育は大事だからこそ、もう少し自由があっても良いのに、という思いは、ずっと持っています。

 

ここに対して自分がどうしていきたいのか、今は自分が教える場面で心がけるくらいですが、もっとできること、したいことも、あるのかもしれません。

 

【特別クラスのお知らせ】

5月5日(土)14:00-16:30は「太極扇を体験しよう(第6回)」です。詳細とご応募方法はこちらから。

5月13日(日)14:00-16:30は、「みんなが知らない太極拳のひみつ(2)太極と陰陽」です。詳細とご応募方法はこちらから。

 

(那智の滝。流れる水は形を変えて、下へ下へと落ちていきます。いつまでも見ていたい光景。)

 

☀「陽だまり」とは

「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、キリリとした印象もあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

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「すみません」より、「お願いします」

2018.04.11 Wednesday

 

レストランで注文したいとき、よく「すみません」って言いませんか?

 

あるとき、なかなか店員さんが振り返ってくれないことがありました。そのとき一緒にいた方が、「こういうときは、『お願いします』と言う方がいいんだよ」と言うのです。

 

試してみたら、なんと!1回で、振り返ってもらえました。

 

またある日、別のお店で店員さんを呼ぶとき、なかなか気づいてもらえないことがありました。

 

夕方の5時半と、夕食には早めの時間でしたが、休日のためかお客さんは結構入っていました。サービスする人がひとりくらいしかいなくて、あたふたしている様子が見えます。気づいてもらえなくても仕方ないなあ、と思いつつ、先日のことは忘れて、つい「すみませーん。」と何回か連呼。

 

そうだ!「お願いしまーす。」......「はいっ!。」効果は、てきめんです。

 

「すみません」は、とても便利な言葉だと言われます。日本に来た外国人に、そんな風に教えることもありますよね。

 

でも、便利だからと乱発するのは、ちょっと待って!と思うのです。

 

この言葉の響き、ちょっと謝る感じですよね。「お手数をおかけします」的な。それがぴったりはまる場合もありますが、そうでもないときもあります。

 

わたしが好きではない表現に、「お忙しいところ、すみません」があります。

 

本当に忙しいとお互い知っている場合は別ですが、そうではないとき、こう言われると「あなたはわたしの何を知っているのだ?」とか、「暇ですけど何か?」とか、小さくひねくれたりします。あまのじゃくでしょうか。

 

もちろん悪気はなく、気づかいからきていることも、わかります。わかりますが......一瞬、ぴくっとなるのです。そしてその後、「いやいや、そんなつもりはないのだ。わたしの妄想だ。」と気を取り直します。

 

そんなとき、その当人が、「なんだかわからないけど、人を怒らせちゃうことがある。」みたいな話をしてくること、実際に何度かあるのです。この言葉の使い方が、ひとつの引き金なのかも、と思ってしまうのです。

 

店員さんを呼ぶなら、「お願い」する方が上手くいくようですし、お礼を言うなら「ありがとうございます」が、スッキリいくのではないでしょうか。

 

電車がガタンとなったときに、足を踏んでしまったりしたときは、「すみません」とか「ごめんなさい」ですけどね。

 

いろんな場面で使える言葉は便利ですが、たまには使い方を意識してみても良いかもしれません。自分の気持ちにぴったりくる言葉を選んでみる。それだけで案外、ちょっとしたことがスムーズに動き始めるかもしれない、と思います。

 

 

 

【特別クラスのお知らせ】

【満員御礼】4月14日(土)18:30-20:30は「太極扇を体験しよう(第5回)」です。詳細とご応募方法はこちらから。

【残1名さま】4月15日(日)14:00-16:30は、新講座「みんなが知らない太極拳のひみつ(1)天地とつながる立ち方」です。詳細とご応募方法はこちらから。

 

 

☀「陽だまり」とは

「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、キリリとした印象もあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

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体と心が目覚める太極拳(http://minminkung-fu.com/)

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