武当山日記:安静(an jing)

2018.09.12 Wednesday

(逍遥谷)

 

8月末から9月上旬まで、中国の武当山にお稽古に行ってきました。そのときに感じたことを、少しずつ書いていこうと思います。

 

今回、今までとは大きく変わったことがあります。学校が、お引越ししたのです。

 

「農家を改装して、学校を移す」という計画は、2年前から聞いていました。

 

今までは、南岩という場所でホテルの中にオフィスを構え、わたしたちのお部屋もホテルでした。

 

南岩は、バスの終点のひとつです。南岩宮という美しい道観(道教の寺院)をはじめ、世界遺産に指定されている古代建築物もあります。金頂と呼ばれる山頂まで歩いて登るコースの始点にもなっています。道には、お土産もの屋さんやレストラン、ホテルが並び、小さいながらもスーパーもあり、にぎわっている場所でした。

 

ちょっとしたお買いものもでき、お稽古が終われば近くのお茶屋さんに遊びに行ったり、プチ観光したりと、いろいろな楽しみも多い場所でした。でも、週末や祭日にはバスも人も溢れ、夜は宴会の大声が響き、朝は山に登る人が4時くらいから大声を出したりと、「まいったな」と思うこともありました。

 

お稽古中も、観光客に囲まれ、写真を撮られたりするような環境でした。

 

いまの場所は、南岩からバスで12キロ下がったところ、逍遥谷にあります。

 

ここも観光地ですが、南岩のように、お店やレストランはなく、ホテルもありません。

 

先生は、こういうやすらかな環境を求めていたようです。

 

(学校。オフィスのある1号棟)

 

お店もなく、不便に見えますが、食事は学校で出ますし、ミネラルウォーターも用意されているため、お買いものに行く必要も、ありません。

 

広い敷地内には、5棟が点在しています。おしゃれな言い方をすれば、コテージ風です。1号棟がオフィス、残りの2〜5号棟が、宿泊施設です。

 

それ以外の建物は、もともとのオーナーさんのお家くらいです。

 

知らない人が入ってくることもなく、部屋にも鍵をかけなかったくらいです。昔の田舎のおうち風ですね。

(2号棟。わたしの部屋の前)

 

(ピーナッツを干しているところ。でもここは、道。わたしの部屋からオフィスに向かう道です。)

 

朝も、昼も、夜も、いつでも静かです。ここでいちばん大声を出すのは、虫たちです。大きすぎて「夜、なかなか寝つけなかった」という人も。

 

スーパー行くためには、バスにのって南岩に行かなければなりません。20分くらいかかりますし、山道ですので、車酔いもします。さらに、近くのバス停から学校までは、結構な階段があるのです。出かける意欲をなくすくらいの階段なのですよ。

 

お稽古が終わった後の夜は、バスもなくなります。どこにも行けません。学校の中でおしゃべりしたり、練習することもありますが、基本はさっさと部屋に帰って寝ます。

 

敷地内は、緑がいっぱいです。景色も美しく、早朝の自主練も、気持ち良くできます。

 

(学校の敷地内からの景色)

 

こうなると、自然とひきこもりがちになります。でもそれが、とても居心地のよい、ひきこもりなのです。

 

どこかに行きたい、とか、

どこかに行かなければ、とか、

 

何かを外に求める必要はなく、いまいる場所にいるだけで、十分なのです。

 

自然の姿は、毎日変わります。時間によっても、光のさし方、風、聞こえてくる音も、どんどん変わります。同じ瞬間は、二度とありません。何もないように思えるかもしれませんが、実はとっても豊かです。

 

お稽古も、自然と集中できます。周りを見ていても、無理なく、進んでお稽古するような人が多かったように思えます。

 

その姿は、とても美しかったです。

 

(高台にある屋根付きスペース)

 

先生は、「ここは”安静”だから」とおっしゃっていました。中国語で”安静”とは、穏やかで落ち着いている、澄み渡っているようなイメージでしょうか。こんな風に、静かで平和な環境でやりたかった気持ちが、よく分かった気がします。

 

敷地内には、中型犬が2匹います。白と、黒。白い子は、脚が3本しかありません。でも、上手に歩きます。ぴょこぴょこと歩く姿は、いつも「うふっ」と嬉しがっているようで、とてもかわいかったです。

 

こちらの犬は、放し飼いです。中国では伝統的に番犬で、日本のように家族の一員という意識ではないため、関係性は、ちょっと違う気がします。

 

それでもこの山で出会う犬はみんな、優しく、かわいい顔をしています。しあわせそうに見えます。性格も、おだやかです。

 

早朝や夜中に吠える声で起こされることはありましたが、犬のいる生活は、なんとも暖かいものでした。

 

(おやつをねだりに、部屋に侵入してきたところ)

 

環境は、やっぱり大切です。

 

ここでなければダメということはないのですが、人生の中で、やはりときには、自然の中で、外からの刺激に煩わされずに過ごすことは、とても大事なことだと思います。

 

来ている人の様子が、それを語っているようでした。

 

無理せず、自然に生きることは、武当功夫(カンフー)が伝えようとしていることだと、思います。それには、無理をしない自然の環境に身を置いて、そこから自然に学ぶことが、いちばんです。

 

ここは、何もないかもしれないけれど、すべてがあります。

 

手作りのおいしいごはんをみんなで食べて、どうでもいいことで大声で笑って、助け合って、体をしっかり動かして、ぐっすり寝る。そんな毎日は、人の体と心をほぐしてくれます。

 

お部屋もね、素敵でしょ。先生は、センスが良いのです。お掃除も、きちんとされています。

 

 

 

(窓からの風景。この席は、先生もお気に入り。)

 

ただし、写真には写っていませんが、虫は出ます。大きなクモや蛾、バッタや毛虫くんなど、いろいろです。中国の家は土足ですから、外と内の境界線が曖昧なこともありますし、窓やドアの隙間も大きいこともあると思います。

 

見つけたら、速やかにでていっていただくよう促すか、スプレーで対処です。山の中ですから、そういう術は、身に着けないとね。

 

(学校から見える日没)

 

 

☀「陽だまり」とは

「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、りん、とした印象もあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

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いしい まゆみ(道号:静慧 / みんみん)

太極道家

体と心が目覚める太極拳(http://minminkung-fu.com/)

講座のご案内は、こちらからどうぞ

 


9月のお稽古

2018.08.24 Friday

 

2018年9月の「みんみんカンフー」お稽古予定です。どなたでも、どのクラスでもご参加いただけます。

 

お申込みは、minminkungfu★gmail.com(★を@に変えてください)、もしくは口頭やFBメッセージでお願いします。FBイベントがあるものは、参加ボタンを押していただいてもOKです。

 

 

【2018年9月】

 

3 1

2 

3

4

6

7

8 

9 

10
 
11
 

1219:00 
池尻大橋

13 7:30 吉祥寺
 19:30 九品仏
14
 

15 10:00自由が丘

   (シェア奥沢)

16 10:00 青空

 

1714:00 太極扇 18
 

19

 

20 7:30 吉祥寺
 19:30 九品仏
21
 

22 10:00自由が丘

   (シェア奥沢)

23 10:00 青空

 

24

 

25

 

2619:00 
池尻大橋

27 7:30 吉祥寺
 19:30 九品仏

28

 

29 10:00 奥沢

 

30 13:00 香取市

 

☆印は特別クラスです。

 

☀夏休みのお知らせ☀

8月27日から9月11日は、中国でのお稽古のため、お休みです。お休み明けの最初のクラスは、9月12日(水)です。

 

 

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【クラスのご紹介】

☀「体と心が目覚める太極拳」

シェア奥沢(自由が丘)第3・4土曜日の午前中

・奥沢(九品仏駅から徒歩3分の会場。自由が丘駅からも歩けます)             

 

☀「青空太極拳教室」(代々木公園):屋外。日曜日(不定期)

 

☀「太極拳 基本功」(自由が丘・九品仏):毎週木曜日 夜 

 

☀「朝の青空太極拳」(吉祥寺):毎週木曜日 朝 

 

≪太極拳以外のクラス ≫

☀「タオを生きることば」(池尻大橋):水曜日(月2回) ※老子「道徳経」を1章ずつ読みながら、タオのあり方を体感していきます。後半は体を動かしますが、お着替えいただく必要はありません。

 

 

【9月の特別クラス】

9月17日(月・祝)14:00-16:30は「太極扇を体験しよう(第13回)」です。詳細とご応募方法はこちらから。

9月30日(日)13:00-15:00は「麗屋 弘鈴庵の『立って、歩いて、太極拳」千葉県香取市・月1回開催)です。詳細とご応募はこちらから。

 

 

※個人レッスンもお受けしています。1時間半、10,000円)。

 (武当64式太極拳、武当64式太極剣、武当太極扇、武当逍遥掌、形意拳、気功などのほか、体や膝に負担のかからない立ち方・歩き方も指導します。詳しくはご相談ください)

 

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【お稽古内容】

「体と心が目覚める太極拳」のお稽古の中心は、十三式太極拳(武当玄武派)です。太極発祥の地とも言われている道教の聖地、武当山(湖北省)で伝えられてきた伝統太極拳で、水が流れるように自然に動き、陰陽のバランスで力が生まれてくる、”太極拳のひみつ”がギュッと詰まっています。円を描いてしなやかに伸びる動きが美しく、初心者でも経験者でも、また年齢を問わず、おすすめです。そのほか、天地とつながる立ち方、歩法、呼吸法、太極拳の基本となる気功なども、お稽古します。

 

※「青空太極拳教室」は、太極拳のほかに、蹴りの練習などを加えます。

※「太極拳基本功」は、太極拳はせず、站椿功(立禅)、太極歩、気功、瞑想など、基本の動きを丁寧にお稽古します。

※「タオを生きることば」は、おはなしと体感する時間があります。軽く動きますが、お着替えいただかなくても大丈夫です。

 

 

【お稽古時間とお稽古代】※朝活太極拳(吉祥寺)、特別クラスを除く

いずれも1時間半、回数券1回分(4回10,000円/9回20,000円、いずれも2か月間有効)、現金の場合は3,500円。

 

 

【服装】

動きやすい服装でお越しください(長袖Tシャツ、ストレッチのきいたトレーニングパンツ、靴下、底の浅い靴)

※シェア奥沢(自由が丘)は、靴下でもできます。

※九品仏は和室ですので、靴は不要です。

 

詳細は、下記をご参照ください。

 


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☀「体と心が目覚める太極拳」

 

【土曜開催】10:00-11:30 

9月 15日(土):シェア奥沢 (自由が丘)

・9月 22日(土):シェア奥沢 (自由が丘)

・9月 29日(土):奥沢 第2会議室

※シェア奥沢は15分前開場、終了後にお茶の時間があります。奥沢は、30分前開場、開始前にお茶を入れます。

 

≪シェア奥沢≫(自由が丘)

※シェア奥沢は、映画、食事、音楽、絵画など共通の”好きなこと”に人が集う、あたたかい触れ合いのある場所です。

自由が丘駅南口改札を出て、左に進み、突き当りを右に曲がります。この通りが自由通りです。緑道を越え、世田谷区の看板を過ぎると、左に入る道があります。ここを左に曲がるとき、目印として右手に赤いアルソアの看板があります。道なりを進み、3つ目の十字路の右奥の民家が、シェア奥沢です。

 

≪奥沢≫奥沢地区会館

東京都世田谷区奥沢7-36-9

東急大井町線九品仏駅から、徒歩約3分。

 

(シェア奥沢)

 

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☀「青空太極拳教室」(代々木公園)

青空の下、風や木々の香りを感じながらの太極拳です。中国でも、早朝から公園で太極拳をする姿がたくさん見られます。屋外のメリットを活かして、しっかりした体づくりのための蹴りの練習などもあります。

 

【週末クラス】10:00-11:30  

     9月 16日  (日)  

         9月 23日  (日)  

※雨天の場合は、静かにお休みです。ご参加予定者には、朝8時をめどに個別にご連絡します。

 

場所:代々木公園 ※待ち合わせ場所は、南門です。初めての方は、開始10分前にお越しください。南門から入って、梅の園、丘の広場の前あたりでお稽古します。

 

   

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☀「太極拳 基本功」(自由が丘/九品仏)

広々とした和室で、基本功を丁寧に練習するクラスです。站椿功、太極歩、武当五行六合功、六字訣、呼吸法、瞑想など。

(クラスについて、詳しくはこちら

 

日時:毎週木曜日 19:30-21:00 (9月13, 20, 27日)

   ※19時から中国茶をご用意してお待ちしています。

 

場所:九品仏地区会館 大広間(和室) ※九品仏駅徒歩2分、自由が丘駅徒歩9分 

   東京都世田谷区奥沢7-34-3

 

 

 

☀「朝の青空太極拳」(吉祥寺の公園)

ちょっと早起きして、ゆったり呼吸してゆっくり動き、全身を目覚めさせます。心と体を整え、1日をさわやかにはじめましょう。

 

日時:毎週木曜日 7:30-8:30  (9月13, 20, 27日)

   ※屋外での開催です。雨天の場合、静かにお休みです。

 

場所:吉祥寺駅付近の公園(詳しくは、ご参加希望の方にお知らせします)

 

料金:1回1,500円(特別価格)

 

 

 

☀タオを生きることば 

2,000年以上前に書かれた「老子(道徳経)」は、武当功夫をする人たちを含むタオイスト(道士)の間でも大切にされており、修行者たちは「読み続ければ、いつかはわかる」と信じています。そこには、しあわせに生きるヒントがたくさんつまっています。

 

毎回1〜2章ずつ取り上げます。前半はお話と対話、後半は体感できるようなワークを、太極拳・気功・基本功・瞑想から選んでやってみます。(※お着替えいただく必要はありません。)

 

日時:9月 12日(水)19:00-20:30

   9月 26日(水)19:00-20:30   ※開場は18:45です。

 

場所:池尻地区会館(和室) ※池尻大橋駅から徒歩約7分 

   東京都世田谷区池尻2-3-11

 

 

みなさまのご参加をお待ちしています^^

 

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いしい まゆみ(道号:静慧)/ みんみん)

太極道家

HP: 体と心が目覚める太極拳(http://minminkung-fu.com/)

ブログ: みんみんの陽だまり太極道日記(http://blog.minminkung-fu.com/)


強い絆と深い絆

2018.08.17 Friday

 

4年前、2014年に参加した講演会の感想が、Facebookで上がってきました。

 

「あるがままの自分を生きていく インディアンの教え(大和書房 2013年)」の著者である、松木正さんの講演会です。

 

”心の残ったこと、その2。「関係性」”とありました。

 

ロープの端をふたりでつかんで、ぴんっと張っている状態は、「強い絆」。いつもロープの先に相手を感じています。片方がロープを動かすと、もう一人はついていきます。同じ意見、同じ行動に、安心を覚えます。どちらもひとりで立っているのではなく、相手に振り回されます。

 

ロープが垂れ下がった状態は、「深い絆」。お互いに自由に動きます。相手の動きはわかりませんが、つながっています。自立しているから、対立もします。対立するのは、切れないという信頼感、安心、愛情があるからこそです。子供の反抗期も、これにあたるそうです。

 

わたしにも、強い絆から、深い絆にしようと試みたときがありました。大人になってからの、親ではない相手への反抗期です。

 

相手にNOと言って、自分に正直に、自分の考えを伝えようとしました。信頼しているからこそでしたが、ただわたしが反抗しているだけと受け取られたようでした。

 

わたしがロープを緩めると、相手はロープを引っ張ります。どんどん強くなっていき、ついに苦しくなって、わたしはロープを離しました。

 

相手は、ロープをぴんと張っていないと不安だったのかもしれません。それをわかっていながら、わたしがロープを緩めたのは、誰に属するのでもない、「自分」を生きたかったからだと思います。

 

今、振り返ると、わたしは相手にNOと言う勇気はあったけれども、相手が言うNOを受け入れることはできていなかったと思います。

 

だからわたしはロープを緩めたけれども、相手がピンとロープを引っ張ろうとしたら、わたしもぴんっと張りかえしたのだと思います。緩めることは、できませんでした。

 

「嫌だったら嫌だと言っていいよ」を、大切にしたいのに、いざ自分が言われると、それを受け入れることができませんでした。中途半端だったと思います。

 

この講演会を聞いたときは、ロープを離してから半年くらいたっていたと思います。

 

そして今、その人との間には、強い絆も、深い絆も、ありません。

 

あの頃は、「どうしてロープを持ち続けられなかったのだろう」という後悔を、たくさん持っていました。

 

人には、自由意思があります。将来をみるとき、自由意思は希望になりますが、過去を振り返ったときには、後悔にもなります。あのときのわたしのように、「どうしてできなかったのだろう」と思うからです。

 

状況から離れて、起きたことが過去になると、そのときの状況や精神状態、いろいろなものが薄れます。自分ができなかった、ということだけがクローズアップされがちです。

 

でもあの状況では、できなかったのです。

 

他人から見て、それがわたしの未熟さゆえだったりしたとしても、当時の自分には、そうとしかできなかったのです。

 

そんな過去の出来事については、「あれは運命で、どうしようもなかったのだ」としてしまうほうが、楽なこともあります。

 

大切なのは、そんな経験をした自分が、今、どう生きるかだと思います。

 

そうは言っても、そんなに大げさなことではなく、今日の空はきれいだな、とか、風が気持ちいいな、とか、ごはんがおいしく食べられてうれしな、とか、息ができていることに感謝だな、とかで、十分だと思うのですけれどもね。

 

小さくて大きなものを感じながら、深い絆を育てていけたらいいな、と思います。

 

......しかし、その2ということは、その1があるのですよね。なんだったのでしょう。ま、いいですかね。自分のどこかには、残っているはずですから。

 

 

(参考:過去のとらえ方について、わたしが感銘を受けた本はこちら:「マチネの終わりに」平野啓一郎 著 毎日新聞出版

 

 

【特別クラスのお知らせ】

8月19日(日)14:00-16:30は「みんなが知らない太極拳のひみつ」(5)です。詳細とご応募方法は、こちらから。

 

 

☀「陽だまり」とは

「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、りん、とした印象もあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

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いしい まゆみ(道号:静慧 / みんみん)

太極道家

体と心が目覚める太極拳(http://minminkung-fu.com/)

講座のご案内は、こちらからどうぞ

 

 


尾白川渓谷のトレッキングと 太極拳と 修行

2018.08.14 Tuesday

 

先日、尾白川渓谷にキャンプに行きました。南アルプス天然水の、名水の地です。

 

川にはいったり、翡翠色の滝壺にドボンと入って泳いだり、夏を満喫した翌日は、渓谷道のトレッキングです。途中、滝の絶景ポイントがあり、滝のしぶきをめいっぱいに浴びる所もありました。頂上では遠くに3段の滝が見えるという、めずらしく美しい景色に出会えるコースです。

 

しかしこの道、ところどころに「滑落注意。死亡事故あり」と、看板が立っています。鎖やロープを頼りにして歩いたり、地面に張り巡らされたような木の根っこをつかんで急な坂を登るなど、アップダウンも激しいコースです。道は整備されていますが、幅が細く、片側は渓谷にすっぱりと落ち込んでいて、それはそれは、落ちたらキケンでしょう。

 

「死亡事故あり」なんて見てしまうと、怖いですよね。これを「慎重に」というアドバイスとして受け取ればよいのですが、文言にとらわれて怖くなると、体は緊張して硬くなります。貴重な情報に感謝して、心を落ち着けます。深い呼吸を意識することも、役立ちます。

 

過信は禁物です。「普段、鍛錬しているから、できるはず」なんて思いすぎると、逆に体が硬くなることは、過去に体験済みです。

 

歩くときは、一歩ずつ。落ち込む崖など見過ぎると、怖くなってしまうため、次の一歩を大切にして歩きます。

 

こんなとき、ふだん太極拳でやってきたことが、とても役に立った気がします。心の落ちつけ方、体の使い方、目の使い方などです。

 

慎重さは大事ですが、あまりに集中しすぎると、精神的にどんどん疲労していきそうです。こんなときには、太極拳の目の使い方です。「木を見て、森もみる」という、視界は開けているけれど、細かくも見えている状態です。これだとエネルギーを使いすぎることも、ありません。

 

体も、できるだけ筋力を使わないで済むように、楽な方法を探ります。段差がある下りは、膝を痛めないように、膝に体重がかからないで行ける方法で。腕を使うときも、腕力頼みにならないように。

 

「どんなところも大丈夫!」という自信があるわけではありません。「軽んじたらあぶない」と思いながら、歩きました。でも、そんな中で良かったのは、自分の体との信頼関係があったことです。今、自分がどのくらい緊張しているか、楽な状態か、無理をしようとしているか、などが、おそらくそこそこ正確に把握できていたと思います。その上で、無理しないよう、心がけました。

 

2時間くらい歩いたでしょうか。無事に頂上までたどり着き、遠くの滝をぼんやり眺めて休憩です。下りは比較的広めの道で、のんびりと歩けました。

 

慎重に、丁寧に、でしたが、どうやって歩くかなど、その行程自体も楽しみながら、歩けました。滝はもちろんですが、途中、風穴があったり、水がちょろちょろ流れていたり、小さな発見もたくさんです。

 

おかげで筋肉痛も出ず、太極拳をやっていて良かったなあ、と思いました。

 

 

話は変りますが、「毎日、どのくらい練習するのですか?」と聞かれることがあります。

 

5年くらい前までは、「1日、2時間」と決めていました。まだ会社員だった頃の毎日は、ほぼ、仕事とお稽古しかしていなかったときもあります。あの頃は、そうしたかったのですね。

 

中国の武当山にお稽古に行くときも、1週間ほどの短い滞在を有効活用したくて、お休み日(学校によりますが、週に1.5〜2日はお休みです)にも、お願いしてお稽古してもらっていました。

 

「もっとやりたい」という向上心とか、

「誰よりも上手くなりたい」という競争心も、あったと思いますが、

「これをやり続ければ何かある」という漠然とした、理由のない理由も、あったと思います。

 

でも続けていくうちに、そんな向き合い方も、ずいぶんと変わってきました。

 

中国にお稽古に行っているとき、お稽古時間の中で、ときどき、サッカーや鬼ごっこ、馬跳びや棒とびなど、遊びの時間が入ってくることもあります。お稽古時間だからといって、いわゆる”お稽古”だけではなく、ゆるーく、アバウトなのです。

 

最初の頃は、「ずっとここにいる人たちと違って、わたしは短い期間しかいないから、この時間が貴重なのに」と思うことも、ありました。

 

でも、そんな遊ぶ時間は、いつもすごく楽しい時間です。そして、みんなで大笑いした後の、いわゆる”お稽古”は、びっくりするほど楽で、調子がいいのです。

 

そんな経験は、わたしにいちばん足りなかったものを、教えてくれました。

 

太極拳とは、カンフーとは、生きていくことです。太極拳の套路(型)を練習している時間だけではありません。日々の生活の中で、自分の体や心のあり方、動き、他人との関係などなど、すべてがお稽古であり、それが修行もあります。

 

その意味では、今回のようなトレッキングは、とってもよいお稽古でした。

 

修行とは、楽しいものなのだと思います。今回のように。

 

(川辺で朝ごはん)

 

【特別クラスのお知らせ】

8月19日(日)14:00-16:30は「みんなが知らない太極拳のひみつ」(5)です。詳細とご応募方法は、こちらから。

 

 

☀「陽だまり」とは

「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、りん、とした印象もあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

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より良くしたいという願い

2018.08.01 Wednesday

 

「誰にでも、より良くしたいという願いがある」と、信じています。

 

これを実感したのは、10年くらい前のことです。そのとき、人事や組織のコンサルタントをしていて、プロジェクトの最初には、多くの人にインタビュー(面談)していました。

 

この話をすると、「みんな本当のことなんて、話さないでしょ」と疑う人が、けっこういます。

 

実際には、そんなことありませんでした。みなさん、話にくいであろうことも、話してくださいました(と、思っています)。

 

「どうやって聞き出すの?」と聞かれれば、手法として、「インタビューの目的や守秘義務などをお話してから、名前、部署、社歴、などなど、考える必要のない質問から始め、質問して答える、というリズムを作ります」みたいな説明をします。

 

でも、それは手順としては必要でも、本当に大切なことではないと、思っています。

 

きっと、人は誰でも、自分のいる場所を、よりよい状況にしたいと願っているからだと思うのです。

 

それを信じること、そして自分はその手助けのためにいるのだと理解していることの方が、大切だと思っています。

 

批判だらけでも、文句ばかりでも、その中には真実や課題もあります。

 

よく考えてみれば、当然です。自分がいる場所が、居心地の悪いままでいいと思っている人は、いないですよね。

 

組織であれば、自分がいる場所をよりよくしたい、人であれば、よりよく生きたい、ということになるでしょうか。

 

言葉にすると薄っぺらい表現しかできませんが、頭での理解ではなく、実感できたことは、とても大きなことでした。ありがたいです。その仕事を離れた今でも、人に関わるときの根底には、これがあります(ときどき忘れて、きーっっ、となりますが。)

 

体験に、勝るものなし、です。

 

そして「みんな言うわけないでしょ」という話も、当たっているとは言えませんよね。

 

案ずるより産むが易し、かしらね。

 

どんな仕事にも意味はあります。あの仕事から、今、太極拳を教えていると言うと、不思議に感じる方もいるようですが、あのときは、あの経験がしたかったのでしょう。そしてそれは、みんな生きています。

 

これからも、自分で感じることを大切にして、自分が大事にしたいことを大事にして、目の前のことをコツコツと、やっていきたいと思います。

 

 

【特別クラスのお知らせ】

8月5日(日) /11日(土)14:30-16:30は「太極扇を体験しよう」です。詳細とご応募方法はこちらから。

8月19日(日)14:00-16:30は「みんなが知らない太極拳のひみつ」(5)です。詳細とご応募方法は、こちらから。

 

 

☀「陽だまり」とは

「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、りん、とした印象もあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

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いしい まゆみ(道号:静慧 / みんみん)

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