武当山日記:形意拳で学ぶ勁法

2019.06.20 Thursday

(右が先生、明月師父(武当玄武派第十六代伝人)

 

5月下旬に武当山にお稽古に行っていたときの、早朝練習メニューは、形意拳でした。

 

形意拳とは、内家拳(太極拳、形意拳、八卦掌)のひとつであり、先生いわく「勁法を学ぶのによい」のです。

 

「勁」とは、中国武術特有の用語です。ざっくり言うと「力」とも言えるのですが、一般に思う「力」とは異なります。

 

「力」とは、もともとの筋力、そして筋力強化のトレーニングによって生み出されるもので、

「勁」とは、全身の合理的な協調運動によって生み出される力、少ない労力で合理的、かつ最大限に発揮する力、です。

 

この「勁」の説明は、どうにもわたしに言葉にできる力が足りず、上手く伝わらないかもしれません。力づくではなく、筋力頼りではない、と言えば、少し伝わるでしょうか。

 

形意拳は、見た目にはハードです。直線的に進み、打法も早いスピードで繰り出されます。ときどき、太極拳と対比され、

 

太極拳は、見た目には柔らかいけれども、中身は強く、

形意拳は、見た目にはハードだけれども、中身は柔らかい、と表現されます。

 

つまり、形意拳で大切なことは、緩んでいることなのです。

 

習いたてのころは、「力」でやろうとしがちですが、力むと緊張が生まれるため、スピードも遅くなり、威力も出ません。そもそも、体が持ちません。「これでは、やっていられない、どうにかしないと」と、だんだん無駄な力みに気づいては抜いて、を繰り返していきます。

 

そのうち、少しずつコツがつかめてきて、体の中は柔かいまま、動けるようになってきます。

 

形意拳を最初に習ったのは、2011年の春のことです。1か月半の間、ひたすら三体式という站椿功と、五行拳という基本を繰り返しました。基本練習ですので、演武のように披露できるものではありませんが、これが自分の体を作ってくれたと思っています。

 

そして、おぼろげながら「勁」というものに触れて、感じ始めたのも、このおかげです。

 

太極拳は、上に書いたとおり、見た目には柔らかいのですが、体の内部には力があります。でも、見た目の柔らかさにまどわされて、内部まで柔らかいままの場合があります。

 

それは、違うのです。

 

太極拳をある程度やってきて、なんとなく行き詰っている方には、形意拳をやっていみるといいかもしれません。

 

 

三体式という站椿功は、形意拳の基本練習で、手の形は「劈拳(ピーチュアン)」という、上から打ち下ろす形を使います。

 

下記の写真は、2011年に初めて習ったときのものです。ピヨピヨの頃で、まだ力などなかった頃のものですが、形として一番わかりやすかったので、載せてみました。

 

(三体式の站椿功。三体とは、宇宙の三宝、天、地、人のこと)

 

簡単に、やり方をご紹介します。

 

体重は、後ろ足7:前足3です。後ろ足は外向きに45度開き、前足はちょっとだけ内向きにします。後ろ足の踵と、前足のつま先が、同じ直線上にくるようにします。

 

立つときには、後ろ足でぐっと前に押してから、前足をぐっと押して、この形を作ります。ただ足を地面に乗せている(体重を乗せる)のではなく、両足で地面を押すことで、逆向きの力が上に向かいます。

 

後ろの手は、そけい部の前に置き、腕は丸く、手のひらで押し続けるようにします。

 

おへその裏の命門は後ろに開き、前の腕の肩関節は、隙間が空いていくようにします。

 

前の手の人差し指が遠くに向かうイメージで、中指・薬指・小指はちょっと何かをつかむような感じにします。親指は、人差し指との間を丸く自然に開けます。

 

前の手の人差し指、前足のつま先、鼻先を結ぶと、三角形ができるようにします。

 

あごは軽くひいて、首の後ろが伸びるようにします。

 

力のバランスとしては、縦に伸びる力(足で地面を押して頭が天に向かう)が働いている中で、命門を後ろに開いて(引っ張って)指先が前方に向かうという横に伸びる力を出す、という感じです。天地とつながり、力が四方八方に広がり始めます。

 

この姿勢で立ち続けます。最初は5分から。足と手を交代して、両方で10分です。

 

けっこう大変なので、楽にできる方法やバランスを、あれこれ探ります。その間にあれこれと感覚がやってきます。ここは言葉にはなりませんが、これがいろいろ、いいのです。

 

 

武当山で一緒に三体式をやっていた10代の少年たちは、最初は「腕が痛い、辛い」と言い、5分続けられませんでした。

 

隣になった人の腕が下がったときに「がんばれ」と声をかけると、持ち直し、それがもう一回あって、ちゃんと最後までやり遂げたこともありました。最初は、根性も必要です。

 

そのうち、だんだんと、そのまま5分続くようになりました。

 

こういうものは、最初からひとりでするのは、大変かもしれません。みんな一緒だと、頑張りやすいですよね。

 

形意拳は、太極拳とは違って、見た目には「ザ・武術」というハードさがあり、おののく方もいらっしゃるかもしれませんが、実際には女性にもおすすめです。しなやかで、頼れる体を育ててくれます。

 

どこかのタイミングで、はじめての形意拳クラスも開催してみようと思っています。

 

 

(形意拳には12の動物の形、十二拳があります。これはそれを組み合わせた套路で、馬の部分を習っているところ。2年前です。)

 

 

【これからの特別クラス】

6月30日(日)14:00-16:30「−20歳のカラダほんとにはじめての武当太極拳」初心者から、太極拳のお稽古に悩んでいる方、武当太極拳を体験してみたい方に。詳細とお申込み方法はこちら

 

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☀「陽だまり」とは

「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、りん、とした印象もあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

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月のパワー

2019.06.19 Wednesday

(5月19日、武当山で見た満月)

 

7月17日(月)は満月でしたね。

 

ストロベリームーンと言うロマンチックな名前は、アメリカの先住民たちが、イチゴの収穫時期であることから、つけたようです。実際には、現実的なのですね。

 

インターネットでもたくさんの方が、満月を楽しんだり、きれいな写真を投稿されていました。

 

わたしはというと、ものすごく眠くて、ぐったりぐっすり寝ていました。

 

もともと月の満ち欠けには影響を受けやすいようで、新月はひたすら眠く、満月は、オカミが吠えるように”沸き立つ”感じになります。

 

月の満ち欠けは、海の潮の満ち引きに関係していると思うと、満月のときは、海が引っ張られるように、体の中の血もひっぱられているのかもしれないな、と感じますが、

 

本当のところは理由などはどうでもよく、自分の感覚の方が大切だと思っています。

 

今回は満月にもかかわらず、ものすごく眠く、月を愛でる気分にもならず、ぐうぐう寝ていました。

 

眠いとき、ぐったりしているときは、眠るに限りますす。

 

ぐったりしてしまうと、体調管理ができていないとか、自分を”ぐうたら”だと思ったり、責めてしまったりしませんか?

 

見渡せば、はつらつと活動している人がいるのに、どうして自分は動けないのだろうと、サボっているように感じるかもしれません。

 

でも、しっかり休むことは、動くためには必要です。陰陽から見ても、「動く(陽)ためには、しっかり休む(陰)」ですしね。

 

植物だって、種の間じっとしているからこそ、時期がくれば、ぐんぐんと成長し始めます。

 

クマだって、冬眠します。エサが少なくて体温が下がる冬を乗り越えるために、代謝を下げて省エネモードにするのです。

 

それぞれの生物には、それぞれのリズムがあります。

 

人間の場合、もともとが自然のリズムから離れやすいためか、四季のリズムや昼夜のリズムからの影響だけではなく、個体差が出やすいかもしれません。

 

ですから自分のことは、自分にしかわかりません。

 

昔、わたしが会社を休職したとき、上司が「職務上の立場はとりあえず置いておいて、自分が休まなければ、と思ったときは、そうすべきだ。なぜなら、何かあったとき、会社は何もできないからだ。」と言ってくださいました。

 

制度としての補償はあっても、それで病を負った人が治るとは限りません。大変なのは、本人です。おそらく、そんな例をたくさん見てきたであろう上司の言葉は、今でもしっかり覚えています。

 

子供の場合、電池が切れたようにパタッと寝るなど、自然な反応をしますが、大人は理性とか責任感とか世間体とか、いろいろなものがあって、休むためには勇気が必要なこともあります。

 

そんな勇気、本当は、おかしいですけれどもね。

 

太極拳をはじめてから得た大きなことのひとつは、「休むこと、無理をしないこと」です。

 

自分はそんなに強くないし、強くなくてもいい。なんでも完璧にできるわけでもないし、できなくてもいい。

 

疲労に気づくことも大切です。周りが元気でも、自分がくたびれていることは、あるでしょう。自分の体調を、周りと比較しても意味がありません。

 

自分を見ても、他の方を見ていても、意外と”頑張る”ことは得意なのです。

 

お稽古でもやりすぎていることもあり(こういう場合、充実感があります(笑))、そんなときはよく、「もっと楽に、力を抜いて」と言われます。

 

すると、「こんなのでいいの?」くらい軽く、サボっているような感覚にさえなるのですが、「そうそう!それ」と声がかかります。

 

がんばっている感じ、充実感が満載のときは、やりすぎている可能性も高いのです。

 

そんなことの繰り返しで、わたしはだんだん、”やりすぎないこと”を覚えてきた気がします。

 

やりすぎなくても、何もやっていない感じでも、実は充分できているのです。

 

そして何もやっていない感じのほうがよく動けますし、ちゃんと休んだ後のほうがよく動けます。

 

中国の武当山でも、わたしの先生は、いつでも元気ハツラツなわけではありません。「今日は具合が悪いから、明日教えるね」と言われることも、あります。

 

ダメなときはダメだと言える正直さも、いいなあと思うのです。

 

今でも覚えているのは、2011年の春、先生が結婚されたときのことです。結婚式が終わってしばらくしてから、学校に戻ってきた先生(その頃はまだ、その上の先生の学校のコーチでした)は、1週間くらい、ぼーっと、していたのです。

 

ぼんやり庭を歩いて、草木をぼーっと眺めていたり、という日々が続いて、みんなで「どうしちゃったのか、魂が抜けてしまったようだ」と話していました。

 

そんなある日の夕方、突然、「今日はキック練習をしたい気分だ」と言い出し、弟弟子にミット(防具です)をつけてもらい、次々とキック、パンチをし始めました。それはそれはものすごい勢いで、翌日から、通常通り教える仕事にも戻っていました。

 

結婚式、家族も巻き込む一大イベントですからね。あのぼーっとする時間は、必要な時間だったのかもしれません。

 

大事なのは、自分に正直であること、嘘をつかないこと、かしらね。

 

翌日、火曜日には大きな地震がありましたね。不安な状態、気持ちで過ごされた方も、多いことでしょう。自然災害の前には、なすすべはありませんが、昨日は直後からいっせいに津波への注意が呼び掛けられ続けていて、今の時代だからこそできることは、あるのだとも感じました。

 

被災された方、心配された方、お仕事で働いてくださった方、どなたも、必要なだけ、少しでもゆっくり休めますように。

 

 

 

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気功:撑字訣

2019.06.15 Saturday

 

撑字訣(チェンズジュエ)は、先月武当山に行ったときに習った気功です。

 

「撑」とは、伸びるという意味です。気功や站椿功、太極拳の力の出かたを表現する言葉のひとつ、「力撑八面」にも使われています。

 

「力撑八面」とは、力が四方八方に伸びる・広がる、という意味です。風船が膨らんでいく感じ、と言えばわかるでしょうか。力が全方向に広がるため、どこから押されても倒れにくい体になります。

 

撑字訣は、文字どおり、体が伸びていきます。無理やり伸ばすのとは違って、体が開いていく、という方が合っているかもしれません。

 

さらに、膝に負担のかからない体の使い方(詳しくは「武当山日記:ひざを守る」)、てこの原理で楽に力を出す方法、緊張を作らないコツなど、基本的な要素もたくさん入っています。

 

体が伸びてスペースが生まれれば、めぐりも良くなります。血がめぐれば、体温もあがります。体温があることは、生命力があることでもあります。

 

緊張もとれて、体もほぐれやすくなります。ほぐれることは、とっても大切です。ほぐれていたら、必要なときに必要な部位が動いてくれるようになります。しかも、部分的にではなく、全身の一部として、です。

 

帰国してからしばらく、通常クラスでは、この気功を丁寧に練習しています。みなさんの様子を見ていると、おおむねとっても良い感じです。

 

太極拳でも気功でも、意念が動作を誘導します。動きではなく、どういう意識を持つかが大切です。お稽古中は、その意識があるときと、ないときの差を感じられるような確認もします。こういう実感を得ていくことが、とっても大切です。

 

実感なく、動きだけを追ってしまうと、力がなく、押されるとよろけてしまったりします。それではせっかくのお稽古が積み重なっていかないですし、一生懸命やればやるほど、体を痛めてしまいかねません。

 

気功の良いところのひとつは、なんといっても動きが単純で、短いことです。

 

太極拳のように、「次、なんだっけ?」とか、「ああ、覚えれない」とは、なりにくいのです。

 

初心者でも馴染みやすく、自分の体と感覚に意識を向けやすくなります。

 

何度も繰り返し練習できるため、微妙な感覚の違いに気づきやすかったりしますし、基本的な要素の練習も、しっかりできます。

 

これだけでも十分なのですが、さらに太極拳の練習をする場合でも、撑字訣で得た感覚を応用できます。すると、それまでさらっとやっていた部分が、またひときわ奥深く感じられたりするのです。

 

教える方と教わる方に、「共通言語」ができる良さも、あります。「撑字訣の、この部分ね」と言えば、それが意味する動きや感覚を、思い出しやすくなります。

 

こういう単純なものほど、やる度の変化を感じやすいのです。だから、ひとつ覚えたら一生ものです。初心者でも馴染みやすい、と書きましたが、長年されている方にも、十分やる価値があります。

 

クラスで一緒にやっていると、みなさんのいろいろな気づきや質問も出てきます。それが、またいいのです。そこからみんなの気づきにつながることも、ありますしね。

 

感覚が大切ですので、「わからない」とか、「ぴんとこない」というのも、正直に声にするのも、ありです。日常で、頭で考えてわかったつもりなっていることもある中で、”わかっていないとわかること”は、大事なことだと思います。

 

みなさんが、自分のペースで、いい感じに日常に取り入れていけるものになったらいいな、と思っています。

 

 

6月30日(日)14:00-16:30「−20歳のカラダほんとにはじめての武当太極拳」でも、撑字訣を取り入れようと思っています。この特別クラスは、基本的な体の使い方を体験できます。初心者から、太極拳のお稽古に悩んでいる方、武当太極拳を体験してみたい方に。詳細とお申込み方法はこちら

 

 

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「そして、バトンは渡された」

2019.06.14 Friday

 

5月後半に中国の武当山に行ったときに、読んだ本のひとつが、瀬尾まいこさんの「そして、バトンは渡された」でした。

 

本屋大賞を受賞したこの本は、あちこちの本屋さんで平積みにされていて、なによりも装丁の美しさに魅かれました。

 

本の装丁や、文字のフォント、大きさとか余白、紙の感じなど、その本の周辺のあれこれは、大事だと思うのです。一つひとつ分析することはなくても、その本の「たたずまい」から、感じるものも多いのですよね。この本を旅のお伴にしようと思ったのも、そんなことからでした。

 

これから読む方のために、できるだけネタバレはしたくないのですが、設定は、とても破天荒です。

 

「優子さん」という主人公には、母親が2人、父親が3人います。17歳の時点の苗字は4つ目(もちろん、主人公が結婚する前です)、その間に家族の形態は7回変わっています。

 

この境遇に、主人公に対して周りの大人たちは、「どれだけつらいでしょうに」という思いを向けます。

 

でも当の本人は、「困った。全然不幸ではないのだ。少しでも厄介なことや困難を抱えていればいいのだけど、適当なものは見当たらない。いつものことながら、この状況に申し訳なくなってしまう。」(第1章の書き出し部分から)

 

なのです。

 

家族形態が7回も変れば、慣れるのにひと苦労したり、血の繋がらない大人と暮らすには気を使うこともあったり、いろいろと大変なことも書かれています。

 

それでも、ある学校の先生から「あなたみたいに親にたくさんの愛情を注がれている人はなかなかいない」と言われるほど、

 

親たちは、血のつながりの有無に関係なく、主人公に愛情を注ぎます。それはもう、ものすごく愛に溢れています。

 

その愛情は、ときどき行き過ぎた行為になってしまうこともありますが、それに対する主人公の反応も、愛情にあふれています。それが、とてもいい。

 

「こんな奇抜な設定、ありえない」と、一瞬思ってしまいそうですが、この本を読んでいると、「あるかも」と思ってしまうほど、ストーリーは自然に流れていきます。

 

実際、現実の方がよほど奇抜です。

 

自然界を見ても、ありえない色の動植物が存在したりしますよね。もしその色の布を見たら「自然(ナチュラル)ではないよね」と言ってしまいそうな蛍光色の花や虫も、実際に目にすることもあります。

 

自然、という言葉にはいろいろな面があって、もともとの「自ずと然り」という意味もあれば、「自然色(ナチュラルカラー

」のような使い方をされることもあります。

 

「自然」の意味を、誤解しそうになる面を、よく表している使い方だと思います。

 

「ふつう」の意味も、これに似ていますよね。何が「ふつう」かは、自分のこれまでの人生を基準にしているかもしれません。良いことも、悪いことも、自分なりのモノの見方になりがちです。

 

もちろん、それも間違いではありませんが、だからと言って、それが世の中のすべてだとは限りません。

 

どんなに生きてきても、現実の世界のほんの少しのことしか、体験できないのですから。

 

なによりも、この本を読んで感じたのは、作者の瀬尾まいこさんの世の中への、暖かく優しい視線です。

 

いろいろと悲しいことや悲惨なことも多く、現実を冷静に見ることも大切だと思っていますが、それでもどこかで、暖かい目で希望を持って見ることを忘れたくないと思っています。それで救われるものも、あるのではないかしらね。

 

救われるのは、誰よりも、自分かもしれませんが。

 

「そして、バトンは渡された」瀬尾まいこ著 文藝春秋社刊 出版社の紹介サイトは、こちらからどうぞ。

 

そういえば、しあわせとは、〇があるからしあわせなのではなく、現実をどう感じて受け止めるか(しあわせを見つける、という言い方もするようですが)だ、という話もありますね。これも、そのひとつなのかもしれません。

 

 

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6月 30日(日)14:00-16:30「−20歳のカラダほんとにはじめての武当太極拳」

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武当山日記:ひざを守る

2019.06.04 Tuesday

画像に含まれている可能性があるもの:2人、立ってる(複数の人)、屋外

 

今回、武当山に初めて訪れた中国人のグループと一緒になりました。

 

一緒にお稽古する機会もありました。こういうとき、先生は大切なポイントを説明しながらお稽古してくださるので、とってもためになります。

 

一緒にお稽古したのは「撑字訣」という気功です。「撑」とは、伸びるという意味で、「力撑八面(力が四方八方に伸びる・広がる)」という太極拳の動きを表現する言葉の中にも使われます。

 

ひととおりで3分。グループの中には、体が硬くて前屈もなかなかできない方もいらっしゃいましたが、先生は「これを毎日2回やると、柔かくなるよ。6分でできるしね」と、おっしゃっていました。

 

体が伸びて、開いていく感じが気もちよいのですが、やりかたにはコツがあります。

 

それは、功夫(カンフー)をする上で、太極拳をする上でも、とても大切なポイントです。

 

動くときに、どんな意図をもって動くかが大切です。それが自分の体を守ることにもなり、養生にもなるのです。

 

特に丁寧に説明していたのは、膝です。

 

日本でも中国でも、太極拳をやって膝を痛めてしまう人は、多いのです。

 

実際、「健康になりたいと思って太極拳を始めたのに、膝を痛めてしまった」という方に、何人もお会いしたことがあります。

 

そうならないために、膝に体重がかからないやり方を練習していきます。

 

まっすぐ立っているときも、腰を落として低い姿勢になっているときも、どちらでも大切なのは、縦に伸びる力(竖劲 shu jing)です。

 

足で大地を押して、頭が天に向かってぐんっと伸びる感じです。体がばねのようになっていて、立っているときも、低い姿勢のときも、上に伸びる力があります。

 

低いときには、ばねがきゅっと縮んでいるイメージです。縮めば、びゅんっと上に伸びる力がありますよね。低い姿勢がよい、とされるのは、この力がある分、強いからだと思っています。

 

このとき、膝を折り曲げてしまうと、ばねが縮んだ形にはなりません。

 

膝は曲がるようにできていますが、曲げてしまうと固まってしまい、ばねにはならないのです。

 

では、どうするか、です。

 

お腹を収め(収腹)、おへその裏、背中側にある命門(めいもん)が、後ろにひっぱられて開いていくような感じにします。

 

この命門が開いていること、詰まっていないこと(緊張して閉じていないこと)は、太極拳をするときにも大切です。

 

命の門が開く、というと、それだけでもよさそうなイメージじゃありませんか?

 

その後、「座る」という動作で、お尻が下がり、上半身が起き上がります(命門を後ろにひっぱったときには、上半身は少し前に倒れています)。丸く円を描きながらお尻が下がっていくような感じです。

 

このとき、膝には角度がつきます。でも、膝を前に出して曲げるのとは違いますし、膝を積極的に曲げたりはしません。

 

横から見ると、椅子に座っているような形になります。

 

「座る」という表現は、勘違いされやすいかもしれません。実際に椅子に座るときとは、様子が違うからです。

 

普通に椅子に座る場合、どっしり腰を下ろすと、ばねの力、上に向かって伸びる力はありませんよね。

 

ここで言う「座る」は、ばねが効いたまま、上に向かって伸びる力を持ち続けます。

 

文字だけで読むと、ちんぷんかんぷんかもしれませんね。実際にやってみても、はじめての場合は、ちんぷんかんぷんです。

 

初心者に、最初からこれを教えるのは、厳しそうにも見えますが、ここはとても大切です。やってみると、違いは、明らかです。

 

どっしり腰を下ろすような座り方で腰を落とすと、その姿勢をキープするのは大変です。我慢くべか、拷問か、になります。膝にはどしっと体重がかかります。これが、膝を痛める原因にもなります。

 

でも、命門を後ろに開き、「座る」という動作で低い姿勢になった場合、そのままキープするのは簡単です。膝には体重が乗りません。ばねが効いていますからね。

 

誰でも最初は、簡単にはいきません。でもこれがなかったら、養生にはならないのです。

 

そして、誰でもやっていれば、少しずつできるようになってきます。ここを頑張ることで、その後の心身への負担は、確実に軽くなります。お稽古を続けるにしても、数年、数十年にわたるお稽古は、ずっとずっと実りあるものになります。

 

ときどき、それなりに長くお稽古を続けていらした方で、どうしたらいいか、わらかなくなっているにお会いします。わたしもそうでした。

 

あのときのわたしは、形にとらわれていたような気がします。本当は、形は意図をもって動いた結果の現れでしかないのに、です。

 

その意図の部分を理解しながらお稽古を重ねていくと、怪我もしにくく(なんといっても養生ですから)、お稽古に迷い続けるようなことも、起きにくいのではないでしょうか。

 

一生懸命にやっている人が、怪我をしたり、どうしていいかわからなくなるようなことは、避けたいと思っています。せつないですよね。

 

 

最初はコツがつかめず、大変かもしれません。でもみんな、少しずつ、です。ちょっとでもいい方向に行くと、先生は「そうそう!」とすごく誉めてくださいます。

 

完璧など目指す必要はありませんし、そもそも何が完璧かなど、わかりませんしね。

 

その中で、ちょっとでも「あ、これかも!」と気づいくときは、楽しくて嬉しいものです。

 

 

 

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6月 9日(日)14:00-16:30「内なる自然に還る旅:魚からの進化をたどって若返ろう!」 〜より高く、自由な手を ゴリラ〜詳細とお申込み方法はこちら

 

6月16日(日)14:00-16:30  「たのしい太極扇」 詳細とお申込み方法はこちら

 

6月 30日(日)14:00-16:30「−20歳のカラダほんとにはじめての武当太極拳」

 全くの初心者、もしくは太極拳のお稽古に悩んでいる方に。太極拳とは?というお話から、基本的な体の使い方を体験できます。

 詳細とお申込み方法はこちら

 

7月28 日(日)14:00-16:30「やさしい站椿功」 詳細とご申込み方法はこちら

 

 

☀「陽だまり」とは

「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、りん、とした印象もあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

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いしい まゆみ(道号:静慧)/ みんみん)

太極道家

講座のご案内は、こちらからどうぞ

 

体と心が目覚める太極拳(http://minminkung-fu.com/)

ブログ: みんみんの陽だまり太極道日記(http://blog.minminkung-fu.com/)

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