「太極扇を体験してみよう」を開催しました

2017.11.29 Wednesday

 

先日の日曜日、太極扇の体験クラスを開催しました。

 

はじめて扇を手にする方、「開閉ができない」という方、すでに個人レッスンで套路を教えた方、様々なレベルの方が参加されました。

 

レベルが違う人たちでも、一緒にお稽古できるのです。はじめての人も、経験者も、みんなそれぞれのレベルで「もうちょっと」を目指すところが、太極拳の良いところです。

 

その中で「扇のお稽古は、太極拳をひととおり習ってからの方が良いのでしょうか?」というご質問がありました。

 

わたしが習ったときは「武器を持つ前に太極拳を習ってから」と言われましたが、今はどっちでも良いと思っています。

 

確かに、手に武器を持つ場合、持っているものに気を取られすぎることがあります。ぶんぶん振り回してしまったり、逆に振り回されたり、モノと自分が別々に動いてしまいます。

 

基本的な体の使い方、立ち方、歩法、全身がつながって動くことなどに、意識が回らなくなります。

 

「最初に太極拳を習ってから」というのは、上記のようにならないために、何も持たないところから始めた方が良いということです。

 

でも太極拳の套路(型)をひとつ覚えたといっても、「基本的な体の使い方ができる」という保証には、なりません。習得度は、人それぞれです。それなら、やりたいのなら、同時にやっていけばよいと思っています。

 

武器は、剣であっても、扇であっても、腕の延長です。

 

武器にも重さがあります。扇は軽いですが、それでも重さがあります。その重さを尊重することは、その存在、命を尊重するような感覚があります。

 

力で無理やり動かしたり、無駄な緊張があると、そのものの動きがとまり、命を止めてしまいます。

 

武器を持つことのメリットのひとつは、自分が力まかせに動いたり、無駄な緊張があることを、武器の様子が教えてくれることです。

 

お互いを尊重するというプロセスは、自分と外部とのつながりのはじまりでもあります。それは、「すべてのものはひとつ、大いなる源」という太極につながる道でもあり、意識の拡大にも、つながります。

 

こんな理由で、扇を習うのは、初心者でも構わないと思っています。ただし、習っていく先の過程では、個人によって、何をすべきかが変わってきます。

 

初心者が習うときも、扇だけ習うのではなく、同時に基本的な体の使い方を習うことは必要です。その進み具合によっては、しばらく基本練習に集中するほうがよいこともあります。基本が育っていかないと、型をひととおり覚えたとしても、そこからの進歩は望めないからです。

 

太極拳は、ここまでやったら終わり、というのはありません。ひととおり形を覚えたという段階はありますが、ひとつの節目でしかありません。覚えた段階での修得具合は、人によって違います。型をなぞるだけの人から、見えないところまで理解して動ける人まで、様々です。良い悪いではなく、そこから「もうちょっと」を進めて行けばよいのです。

 

真剣にお稽古することを、大切にしています。でも同時に、楽しくお稽古することも大切です。参加された方々が、「楽しい〜」と最後に言ってくださったことは、何よりもうれしいです。

 

「太極扇を体験してみよう」、次回は、新年1月14日(日)の午後、自由が丘で開催します。今回参加された方も、はじめての方も、みなさんいらしてくださいね。

 

☀日時:2018年1月14日(日)14:00-16:00 (13:30開場)

        ※終了後30分程度、中国茶のお時間があります(16:30終了予定)。

 

☀場所:自由が丘・九品仏駅近くの会場の和室(詳細は、お申込みいただいた方にお知らせします)

 

☀内容:武当太極扇

   ・扇の開き方、基本の扱い方

   ・武当太極扇の套路の練習

 

☀費用:4,000円(チケットご利用の方は、1チケット+1500円でもご参加いただけます)

    ※当日、お支払ください。

 

☀服装と持ち物:ストレッチのきいたパンツ、Tシャツ(長袖、半袖)、靴下(和室ですので、靴は不要です)、

    太極拳用の扇、タオル、飲み物

    ※お着替えいただけるスペースもあります。

    ※扇の貸し出し(おひとり500円)もあります。数には限りがあります。ご希望の方は、お申込み時にお知らせください。

 

☀お申込み方法:minminkungfu☆gmail.com(☆を@に変えてください)あてに、お名前、ご連絡先(お電話番号、メールアドレス)をメールでお送りください。口頭やメッセージなどで、直接お申込みいただくことも可能です。

 

 

【こんな方におすすめです】

・太極扇をやってみたい方

・扇を開くとき、バラバラと音が出てしまう方

・手で扇を開いてしまう方

・体と扇の一体感が感じられない方

・太極拳に行き詰まりを感じている方

※11月のクラスに参加された方も、はじめての方も、ご参加いただけます。

 

 

 

【12月の特別クラスのご案内】

12月17日(日)の午後は、Bouquet(逗子・葉山)身体とこころのその先へ 〜本当の思いに触れに行く太極拳〜」(第4回:みんなが知らない太極拳ひみつ4 陰陽五行にみる体と心のつながり)です。詳細とご応募はこちらから。

 

12月23日(土)14:00-16:30は「みんみんの陽だまり時間:オレンジポマンダーを作ろう!」(自由が丘・九品仏)です。参加費は、おひとり3,500円(材料費込、ハーブティー&おやつ付)。詳細と応募方法はこちらから。(太極拳クラスではありません)

 

 

☀「陽だまり」とは

ブログタイトル「みんみんの陽だまり太極道日記」の「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると素晴らしく居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、どことなくキリリとした印象もあります。太極拳を通して、こんな時間と空間を創っていきたい、陽だまりにつつまれて暮らす人、心身ともにゆとりある人を増やしたい、と思っています。

 

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いしい まゆみ(道号:静慧 / みんみん)

太極道家

体と心が目覚める太極拳(http://minminkung-fu.com/)

講座のご案内は、こちらからどうぞ

 


大切な指針「自分も、見る人も気持ちよいのが、良い太極拳」

2017.11.12 Sunday

(Photo by Hirohisa Tajima)

 

どのクラスでも、よくする練習として、太極拳の基本功、と呼んでいるものがあります。

 

短くて単純な構成で、太極拳の大切な要素がたくさん入っており、体ものびのび、スペースが広がっていきます。

 

いきなり太極拳の套路(型)を全部覚えるのは大変ですが、これならだいぶハードルは下がります。それでもやっぱり「覚えられない」という声も、よく聞きます。

 

わたしが習う環境とはずいぶん違うので、覚えられないのも無理ないな、と思うのです。

 

わたしが習うときは、中国で、毎日やるのです。一度に10回とか15回、繰り返します。覚えよう、という意志は持ちますが、覚えやすいのは当然ですよね。

 

今日も、「覚えられない」と生徒さんがおっしゃるので、「ビデオを撮りますか?」という話になりました。限られた時間の中で習うときには、こんな工夫も必要です。何よりも、「おうちでやろう」という気持ちを、大切にしたいと思っています。

 

撮り終わった後、「体が伸びていくのを見ていると、一緒に自分も伸びていくよう。」というような感想を話してくださいました。

 

嬉しかったです。

 

太極拳をするときに、いくつか大切にしている指針があります。習う中で、先生からの言葉として聞いたことばかりです。その中のひとつに、”自分も気持ち良く、見ている人も気持ち良いのが、良い太極拳”があります。

 

太極拳には表演と呼ばれるように、人前でショーのように見せるものもあります。大会もあります。

 

一方で、「太極拳は、自分のためにするもので、人に見せるものではない」と言う人もいます。中国にも「本物は、6つの耳で聞くものではない」(「法不传六耳」)ということわざがあり、本当に伝えようとするときは、師匠と弟子の1対1、ふたりきりで部屋にこもり、誰にも見せずにお稽古する、という話もあります。

 

どれがあっているとか、間違っているという話ではなく、自分がどうやっていきたいか、だと思うのです。

 

4-5年前、当時、日本で習っていた先生に、「あなたもそろそろ、自分がどうやっていきたいかを決めるときです。」と言われたことがあります。

 

すぐに答を見つけられるものではありませんが、このときに問いをいただいたことは、とってもありがたいことだったと思います。

 

今のわたしにとっては、先生の言葉でもある、「自分も気持ちよく、見る人も気持ち良いのが、良い太極拳」という言葉が、しっくりきます。

 

太極拳をするときは、内だけに意識をむけるのではなく、外だけに意識をむけるのでもありません。内と外という境界線が、だんだんと曖昧になってくる感覚があります。内を大切にしながら、外にも意識が広がっていく感じです。

 

内と外も含めたいろいろな”バランス”の先に、”ひとつ”、という感覚にもつながります。

 

人に見せるためのものとは言えませんが、外に向かうエネルギーを人に感じてもらわないのは、もったいないと思うのです。これは、言葉とは違う形の、コミュニケーションだと思っています。

 

人はみんな、自分なりの表現をして生きています。わたしは、この表現方法が、好きです。

 

見ている人もそうですが、見ていない人にも、自然界の生きるものすべてに、波動で伝わっていくと思っています。それは、しあわせなことですよね。

 

 

【11月の特別クラスのご案内】

11月19日(日)14:00-17:00

Bouquet(逗子・葉山)「身体とこころのその先へ 〜本当の思いに触れに行く太極拳〜」(第3回:みんなが知らない太極拳ひみつ3 自然に学ぶ)です。詳細とご応募はこちらから。

 

11月26日 14:00〜16:30

特別クラス「太極扇を体験してみよう」(自由が丘・九品仏)です。詳細はこちらから

 

 

☀「陽だまり」とは

ブログタイトル「みんみんの陽だまり太極道日記」の「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると素晴らしく居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、どことなくキリリとした印象もあります。太極拳を通して、こんな時間と空間を創っていきたい、陽だまりにつつまれて暮らす人、心身ともにゆとりある人を増やしたい、と思っています。

 

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いしい まゆみ(道号:静慧 / みんみん)

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ひと手間を惜しまない

2017.11.11 Saturday

 

 

太極拳を習ってきて、教えていて、大切だと感じることのひとつに、「楽をするためには、ひと手間を惜しまないこと」があります。

 

例として、もしお時間があれば下記の動画をちょっと見てください。これは先日の自由が丘FMTVの番組の録画で、中国の中国武術大会に出たときの話をしたときのものです。終わり近くで、大会での太極扇の演武ビデオを流しています。演武は50分46秒あたりから始まり、見てほしいところは、51分27秒から31秒のところです。

 

https://www.youtube.com/watch?v=wm-LloKc5LM

 

 

足を2歩、後ろに出しながら、腕をくるくると回して、片足で立つポーズにつながるところです。体がくるくる、まわっていますよね。

 

足を見ると、2歩ですが、足の位置は5回変えています。

 

開いている扇を閉じながら

1.右足つま先を内側に

2.左足を後ろに出す

3.右足のつま先の向きを内側に

4.左足のつま先を外側に

5.右足を後ろに出す

 

です。この後に、右手上で扇を開いて、左足を上げて右足で立ちます。

 

つま先を動かすときに、重心が主にその足に主に乗っていると動かしにくくなるため、体重移動も細かくしていきます。

 

こうやって細かく足の位置を変えて、体重移動をすることで、体が安定したまま、くるくる回ることができます。そうすると、腕も軽く、くるくると回せます。できると、とっても楽しいです。

 

この細かい足の踏み変えをせず、2歩後ろに下がるだけだと、体の安定は失われ、動きは遅くなります。

 

ひと手間を省くことで、体の楽さは失われ、体も緊張するのです。

 

積極的に省いているわけではないでしょう。ここで、もうひとつの問題が露見します。自分が何をやっているかに気づいていないことです。

 

数十年、一緒に生きてきた体でも、意外に自分の体は意識したとおりに動きません。例えばご挨拶の手の形を教えるとき、「親指と中指でOリングを作ってね」と言うと、半分以上、もしかしたら8割くらいの方が、親指と人差し指でOリングを作ります。「それは人差し指ですよ。」と言うと、「えっ?」

 

(見えませんが、左手は親指と中指でOリングを作っています。これは女性用で、男性は左右逆になります)

 

自分の意識と体が、つながっていないのでしょう。

 

自分が緊張していることに気づいていないのは、めずらしい話ではありません。お稽古は、その緊張を一つひとつ認識していくことから初めて、次にはそれを緩めた楽な感覚を体験していく時間でもあります。

 

続けているうちに、だんだんと体がどうなっているのか、微細な変化も捉えることができるようになります。

 

太極拳の套路(型)は、昔の人の智慧であり、贈り物だと思っています。それを真似していくことで、楽に体を使えるようになります。

 

ちょっと話は逸れますが、以前、岩がごろごろしている道を数人のグループで歩いたとき、行きは、その場所を知っている人が先頭に立ってくれました。でも帰りは、「じゃあ、近い人から下りて行ってくださいね。わたしは最後を歩きますから。」

 

帰り道に一番近いところにいた人を見ると、動きだす気配がありません。気が進まないのに先頭に立つ必要はないですよね。じゃあ、と、わたしが先に歩きはじめました。しばらく歩いた後、後ろからその方が、「みんみんの後は安心するなー。」と言うのです。

 

誰かが先に歩いてくれると、その足の置き場所やコースが参考になるので、安心して歩きやすいことも多いですよね。套路は、こんなふうに、最初はここ、次はここ、と、楽な道順を示してくれているようなものだと思うのです。

 

真似すれば、誰でも、楽な方法にたどり着きやすいでしょう。そして慣れてくれば、自分でもうちょっと楽な方法も、見つけられるようになってきます。同じ套路でも、やる人によって違う場合があるのは、そのためでしょう。

 

急がば、まわれ、ですね。ビデオの動きのように、くるくる早く体と腕をまわしたいなら、丁寧に足の踏み変えをする方法を習うこと、です。

 

これを意識して練習していくことで、日常生活でも気づけることが多くなると、感じています。

 

丁寧に生きるとは、そこにあるのだと思っています。

 

 

11月26日(日)に開催する特別クラス「太極扇を体験してみよう」では、この足の踏み変え部分も入れようかと考えています。扇をバサッと開いてみたい方、安定してクルクル回ってみたい方、なんだかやってみたい方、などなど、ご興味のある方、お待ちしています。初心者、経験者、どちらも大歓迎ですよ。(「太極扇を体験してみよう」のご案内は、こちらから)

 

 

☀「陽だまり」とは

ブログタイトル「みんみんの陽だまり太極道日記」の「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると素晴らしく居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、どことなくキリリとした印象もあります。太極拳を通して、こんな時間と空間を創っていきたい、陽だまりにつつまれて暮らす人、心身ともにゆとりある人を増やしたい、と思っています。

 

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いしい まゆみ(道号:静慧 / みんみん)

太極道家

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一瞬で痩せる

2017.11.07 Tuesday

(太極拳の最初のところ。縦に伸びる力を存分に働かせているところ)

 

「痩せたくて.....」という方が、太極拳の講座にいらっしゃることがあります。そんな方には、「一瞬で痩せます。」と、お答えします。

 

体重が変わるわけではありません。どういうことでしょうか?

 

”縦に伸びる力”を働かせているだけです。足裏から大地を押すように踏むと、上に向かって伸びる力が働きます。自分の中心軸を作るやり方で、これによって背骨や首の頸椎の関節の隙間が空いていきます。

 

洋服に例えてみます。床の上に丸めておいた洋服を見ると、もっさりしていますよね。でも、ハンガーにかけてつるした洋服は、すっきりしています。

 

床の上に丸めた洋服が、何もしていない状態。ハンガーにかけてつるした洋服の状態が、”縦に伸びる力”を使っている状態です。

 

ただし、洋服は人間とちがって自分で立てないので、縦に伸ばすためにしていることは、違います。

 

人間の場合も、上から吊るせば伸びるのだと思いますが、大地に足をつけて生活する人間にとって、その状態は、非日常的です。もっと現実的な方法でやろうとすると、大地を踏んで上に伸びる力を働かせる、ということになります。

 

”縦の伸びる力”を働かせて、体の中に隙間(スペース)ができることで、体の中の交通渋滞が緩和されるようなイメージで、血が流れるのを応援してくれます。血が流れれば、体温は上がります。体温がある、ということは、赤ちゃんを想像してもわかるように、生命力の象徴です。冷え症の赤ちゃんは、いないですよね。

 

縦に伸びる力を使って自分の中心軸ができれば、腕はぶらりとそこから下げることができます。肩は、本来の位置まで下がります。腕の力が抜けるように、他の部位も、緊張させて引き上げなくてもよくなるため、体の無駄な緊張は取れやすくなります。そうなると、横隔膜も呼吸に応じて上下しやすくなり、それが適度に内臓のマッサージをしてくれて、内臓機能がきちんと働くことを応援してくれます。長期的に見ても、良さそうなことが、いっぱいです。

 

太極拳とは、体の関節の隙間を開いていくものでもあります。

 

立つときには、まず、上に書いた”縦に伸びる力”を働かせて、縦のラインの関節の隙間を開きます。それから、最初の動作、腕を横から開いて上にあげていく動作では、肩〜ひじ〜手首の関節の隙間も開いていきます。

(横に伸びる力を働かせて、肩、ひじ、手首の関節、指の関節の隙間を開けていくところ)

 

人の体は、そのままにしておくと、硬くなる方にと進んでいきます。生まれたときから、死に向かって生きることを考えると、日々、体が硬くなるのは、当然のことのように思います。でも、当然だからと言ってそのままにしておくと、老化がどんどん進み、硬く、縮んでいきます。

 

それを日々、自分の意志で、緩めて、スペースを開けていくわけです。

 

「太極拳をやっている人は、20年後も同じ体」ということがあるのは、こんなところからもきていると思います。

 

太極拳は、縦にも横にも、四方八方に、力が広がっていきます。少しずつ、途切れず、広がり続けます。わたしが見ていて「いいな」、と思う人の太極拳は、この”のび”があります。そうでない人に比べて、もしかしたらほんの数ミリなのかもしれませんが、ちょっと先までのびていくのです。

 

体という物体には限界があるため、際限なく伸び続けることは、実際にはできません。でも、例えば立つとき、意識としては、限界なく、ずっと伸びていくのです。その意識があることで、他の人が見たときに、縦にスッと伸びていくものを感じさせられるのかもしれないと思っています。

 

男女問わず、これをしている人の立ち姿は、美しいです。天地をつないぐ人、”天地人”という一体性を感じるからかもしれません。

 

この立ち方、新たな体の使い方と意識の持ち方を必要としますが、誰でもできる素養はあります。これを身に着けることで、腰も膝も痛めにくくなるのですよ。

 

最後に、先日開催したBouquetでの講座「身体とこころのその先へ〜本当の思いに触れにいく太極拳 第2回:太極と陰陽」から、太極拳の最初の部分のビデオをご紹介します。このはじまりのところ、意味的にも、からだ的にも、とっても大切で、とっても好きなところなのですよ。(ビデオは、こちらから

 

 

☀特別イベントのご案内

※「身体とこころのその先へ〜本当の思いに触れにいく太極拳 第3回:自然に学ぶ」(11月19日(日))のご案内は、こちら

 

※「太極扇を体験してみよう」(11月26日(日))のご案内は、こちら

 

 

☀「陽だまり」とは

ブログタイトル「みんみんの陽だまり太極道日記」の「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると素晴らしく居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、どことなくキリリとした印象もあります。太極拳を通して、こんな時間と空間を創っていきたい、陽だまりにつつまれて暮らす人、心身ともにゆとりある人を増やしたい、と思っています。

 

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らくちん静功:体は内から膨らみ、心は深く静かに

2017.10.15 Sunday

(武当山の雨の日に。太子洞にて)

 

雨の日に、雨音を聞くことが好きです。

 

雨は苦手で、体が重く、眠気も強くなりがちです。外出、億劫になります。

 

それでも、雨の音を聞いていると、とっても落ち着くのです。好きだな、と感じるようになったのは、ここ1〜2年だと思います。

 

水に関する言葉をみても、「みずみずしい」「うるおっている」「しっとりした」という表現は、肌の状態にも使いますが、人の在り方や、心の様子にも使われることもあります。どちらも、良い感じがしますよね。

 

人間の体の6-7割は、水です。雨音を聞くと、自分の体の中に、水分が満ちていくような、そんな気分にもなります。

 

今朝、雨音を聞きながら、武当山で教えていただいた静功をしてみました。とっても気持ち良かったです。やり方をご紹介しますね。

 

これは、とっても楽な”静功”です。苦しいことは、何一つありません。

 

まず、座ります。あぐらでも、足を前に投げ出しても、椅子に座っても、どれでも大丈夫です。自分が楽だと感じるものが、一番です。

 

今朝は、あぐらにしました。腕は力を抜いてダラリとたらします。手のひらをひざ頭に置いたり、膝の内側に置いてもよいです。このときに脇を締めてしまうと肺がつぶされて、空気が入りにくくなりますので、脇は体側から少し離れているようにします。

 

ポイントは、お腹と頭です。

 

お腹は、収めます。これは太極拳で立つときと同じで、腰の反りを消すためにお腹を後ろ側に収めていきます。お腹に力を入れてはいけません。力を入れて表面だけ引っ込めると、腰(ウェストの裏側)は動かず、それでは違います。お腹を収めるとは、お腹が後ろにいくと、おへその裏のツボの命門(めいもん)が後ろに膨らんでいくような感じになります。

 

おへその下あたりに手の指を突き刺すようにして、お腹をゆっくり押していったときに、じゅぶじゅぶと、いくらでも入っていく(沈んでいく)ような感じといえば、わかるでしょうか?

 

もうひとつのポイント、頭です。あごを少しずつ引いていくと、頭のてっぺんが天に向かって伸びていきます。あごと頭のてっぺんが連動する感じです。これで腰から頭のてっぺんに向かう中心軸を作ります。

 

あごをいきなりキュッと引くと、緊張してしまいます。逆にあごが出ていると、中心軸が、首のあたりで途切れてしまいます。

 

あごを引く意識は、終わりがあるわけではなく、ずっと続けます。表に現れる動きとして止まっているように見えても、自分の意識ではずっと、少しずつ引き続けます。

 

あごを引き続けて頭のてっぺんが天に向かうことで、体(上半身)がつぶれず、ゆとりを保つことができます。頭が下に落ちると、上半身が押しつぶされるようになり、内部のゆとりも押しつぶされます。

 

間違いやすいところは、背中の形状です。静功(ここでは坐禅や瞑想も含めています)をするとき、背中を板のようにまっすぐ立てる方がいらっしゃいますが、先生いわく「それではくたびれて続けられない」のです。背中の上の方、胸の裏側あたりは、少し丸みをおびているほうが、楽です。背骨の後ろ側を伸ばしていくような感じです。

 

目は、閉じても開けたままでも、楽な方を選びます。開ける場合、視線は鼻先が見えるくらい、凝視するのではなく、ぼんやり、広い視野をキープします。

 

口は閉じて、鼻呼吸です。舌は、上あごの下につけます。自分なりに楽なリズムで呼吸を続けます。

 

お手本になるような写真を探してみたところ、兄弟子の写真によさそうなものがありました。下記です。

 

(2016年の春、夕方、雷神洞でお茶を飲んだとき。このときの兄弟子の姿のようなイメージです。)

 

これが、”放松”と呼ばれる状態です。”松”は、中国語で緊張と逆の意味で、緩める、抜くという意味です。体のこわばりをなくして、ゆっくり伸びて内側から膨らんでいくような感じです。

 

元気な人を見ると、内側から柔かく膨らんでハリがあるように見えませんか?そんなイメージです。

 

呼吸をつづけながら、耳を外に大きく開くと、まず雨の音が入ってきます。そしてだんだんと、耳は外に広く開きながら、自分の心の音を聞くようにします。

 

心が落ち着いてリラックスしている状態は、中国語で”静”とも表現されます。だんだん深い落ち着きに入っていくことを、”入静”とも言います。

 

これ、とっても気持ち良いのですよ。

 

自分が平和で、それを見る人にも平和な気持ちが広がるようなものが良いな、と思います。

 

今朝は、目を開けたままやっていたのですが、途中でサッと何かが変わったというか、クリーンになったような感覚がありました。ちょっと小波がざわついていたのが、落ち着いて明鏡止水のようになった、といえばわかるでしょうか。

 

言葉の説明だけだと、わかりにくいかもしれません。頭、お腹の使い方は間違えやすいですし、背中については、普段から胸をはりがちな方は、「こんな猫背で良いの?」と、心配になるかもしれません。こういう場合でも、横から写真を撮ると、猫背ではないのですよ。

 

これ、雨の日限定ではありません。晴れでも曇りでも、いつでもやり方は同じです。

 

静功は、陰気を育てると言います。太極拳や気功などの動功は、陽気を育てます。陰のないところに陽は育たないため、静功は基盤を充実させたり、熟成させることでもあります。これがしっかりしていれば、陽気を育みやすくなりなす。陽気は、生きていくためのエネルギーです。

 

やってみてわからなかったら、お会いしたときに聞いていただくか、メッセージをくださいね。

 

(武当山、逍遥谷)

 

☀「陽だまり」とは

ブログタイトル「みんみんの陽だまり太極道日記」の「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると素晴らしく居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、どことなくキリリとした印象もあります。太極拳を通して、こんな時間と空間を創っていきたい、陽だまりにつつまれて暮らす人、心身ともにゆとりある人を増やしたい、と思っています。

 

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