夏越の大祓:カタチは大事

2018.06.28 Thursday

 

今年も半分が過ぎようとしています。”夏越(なごし)の大祓”の時期ですね。

 

神社に行くと、大きな輪っかが出現していたりしませんか?あれは茅の輪(ちのわ)といい、左、右、左と回って、この半年の罪・穢を祓うのです。

 

穢れを祓う=気枯れを祓う

清める=気をよみがえらせる

 

半年間に、無意識にしてしまった罪と穢れを祓って、元気を取り戻すのですが、”無意識に”、がポイントです。

 

意識できる”罪”は、自分で十分に反省するとして、無意識なところでも、きっと何かをやっています。

 

例えば、混んでいる電車でヒジテツをしてしまった、とか、欲しいものを取ろうとして前の人を押してしまった、とか、他の人が欲しいと思っていた最後のスイカを先に買ってしまった、とか。

 

その他にも、自分の体を大切にせず、無理をかけてしまったことも、入ると思います。

 

そんなつもりもない言葉が、他人を傷つけていたり、とか。気をつけていても、ありそうですよね。

 

悪気はなくても、人は何かとやってしまうものだなあ、という意識を持つと、それなりに謙虚になれそうな気がします。

 

大祓の神事は、6月30日と大晦日に行われます。今年は参加できないため、代わりに大祓詞の写経をしてみました。

 

750文字。所要時間の目安は2−3時間と聞いて、ひるみましたが、「せっかくですから、時間がおありなら、ぜひ」とすすめられ、そのとおりに。

 

実際、緑のきれいなお庭の見える静かな和室で、じっくりと文字と向き合う時間は、とってもよかったです。長くもあり、あっという間でもありました。

 

写経は、経験された方はご存知だと思いますが、見本が下に敷いてあります。この見本のとおりに書くのです。

 

”字を書く”にもいろいろあります。わたしが年初にやっている書初めは、自由に書くことを奨励されます。お手本通りに書くのではなく、自分の創意工夫で、好きに書くのです。それはそれで、楽しい時間です。

 

写経は、やり方を教わったわけではないのですが、今回は、とにかくお手本通りを心がけました。

 

普段の自分の書きグセは封印です。頭を働かせることなく、ただひたすら、その通りに写します。それが、無心、もしくは無心に近い状態になるのに、ちょうどよい気がします。

 

終わった後の心地よさは、”自分”を出さないゆえかもしれません。

 

カタチは、大事だなぁ、と常々思います。

 

去年の年末に大祓詞の話をお聞きする機会があり、神主さんから意味の説明をしていただきました。ひととおり終わった後、「あれこれ説明してきましたが、本当は意味など考える必要はなく、ただそのまま唱えればいいのです」とおっしゃるのです。

 

神さまのことばである大祓詞は、それ自体に力があるので、ただ唱えされすればいいのだそうです。それを人間の理屈でああだ、こうだと理解しようとするなんて、とんでもない、と。

 

理屈(へりくつも含めて)が減ったら、もっと日本は平和になるのではないでしょうか?という言葉が、とっても印象的でした。

 

大祓詞を唱えるときも、写経をするときも、そこに理屈などありません。でも、カタチがあることで、それをなぞることができます。

 

いいですよね。

 

カタチは時に、人を制限しますし、不自由さも感じさせますが、カタチがあるから広まりやすく、それによって恩恵を受けることもあるわけです。

 

そして、太極拳というカタチがあるものをやっているわたしは、自由さとは、カタチを超えたときに出てくる、と感じています。超えようとするのではなく、超えるときが、自然にやってくるのかもしれません。

 

カタチは大事だけれども、でも本当に大事なのはカタチではなく、でもそこに行くためにカタチを大切にする、という感じです。言葉にすると、わかりにくいですよね。

 

何事も、体験してはじめて、わかります。それには、カタチも大切ですね。

 

 

【特別クラスのお知らせ】

7月8日(日)14:30-16:30は「太極扇を体験しよう(第9回)」です。詳細とご応募方法はこちらから。

7月11日/25日(水)19:00-20:30は「タオを生きることば」です。詳しくはこちらの講座案内からご覧ください。

7月15日(日)14:00-16:30は「みんなが知らない太極拳のひみつ」(4)です。詳細とご応募方法は、こちらから。

7月29日(日)13:00-15:0は「立って、歩いて、太極拳」(千葉県香取市)です。詳細とご応募方法は、こちらから。

 

 

 

☀「陽だまり」とは

「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、りん、とした印象もあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

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いしい まゆみ(道号:静慧 / みんみん)

太極道家

体と心が目覚める太極拳(http://minminkung-fu.com/)

講座のご案内は、こちらからどうぞ

 


太極拳は、健康のため、自分を守るため、人を守るため

2018.06.25 Monday

 

 

千葉県の香取市で、新しいクラスを始めました。

 

月1回、2時間ずつの開催です。「立って、歩いて、太極拳」と名付けたとおり、立つ、歩く、という基本をしっかり押さえながら、武当十三式太極拳をお稽古していこうと思っています。

 

昨日、第1回目を開催しました。そのとき、最初にみなさんにお伝えした言葉があります。

 

「太極拳には、3つ目的があります。1.健康のため、2.自分を守るため、3.人を守るためです。これからお稽古を通じて、この言葉の意味を、自分なりに探して、体感していってくださいね。」

 

この3つの目的は、2011年、中国の武当山で、先生(田理陽師父、第十五代武当玄武派伝人)が話してくださった言葉です。シンプルなことばですが、わかるような、わからないような、ですよね。

 

それから7年、わたし自身も、この言葉の意味を探し続けてきました。

 

最初に聞いたとき、1の”健康のため”と、2の”自分を守るため”は、なんとなく理解できましたが、3の”人を守るため”は、さっぱりわかりませんでした。

 

今は3つとも、自分なりの答えはあります(でも、みんなに探していってほしいので、ここではいいませんよ。)でも、これで完成ではなく、これからまた新たな気づきがあったり、変っていくだろうと思います。そこがまた、よいところです。

 

この問いがある意味は、大きいと感じます。

 

話は変わって、先日、別のお稽古で生徒さんが「太極拳は、究極の養生だと聞いた」という話題を出してきました。

 

”養生”とは、生命を養って長生をはかることで、中国語でも同じ言葉があります。狭い意味では、上の健康のためが、該当しそうですよね。

 

”究極の”については、世の中すべてを比較できるわけもなく、わかりませんし、興味もありません。でもあえて、その表現を使った思いをくんでみるならば、それを自分を守るため、人を守るためと、広い範囲でとらえるならば、”究極”と言っても良いのかな、と感じます。

 

そして太極拳が目指すものが和(調和)であるならば、円満ならすべてよし、じゃないかしらね。

 

他のものと比較して秀でている、と言いたいわけではありません。つまり、究極の養生は、別にもあっていいと思います。

 

言葉は便利ですが、落とし穴もあります。

 

「太極拳って、究極の養生なんだって」「へえ、そうなんだ」で会話が終わり、理解できたと思ってしまうことも、あるでしょう。

 

もしくは「究極のって、何?」「他のものと、どうやって比べるわけ?」という議論や批判に発展していったり。

 

それよりは、その表現に対して、自分なりに感じてきたことを、一生懸命に言葉にして伝えるほうが、ずっと健全です。わたしはそうしたいですし、そもそも、それしかできませんしね。

 

脳は五感をフル活用して理解する、と聞いたことがあります。見る、聞く、触る、味、香り、全部がそろって初めて「理解した」と安心するのだそうです。

 

でも今のようなインターネットの時代では、「見る」と、せいぜい「聞く」で「理解した」と思ってしまいがちです。でもこの状態では、脳は本当には理解していないため、それがストレスになるそうです。わかっているつもりで、本当はわかっていないという、自分の表層意識とのギャップは、苦しいかもしれませんよね。

 

だからこそ、ちゃんと体験して、それを言葉にすることを、大切にしたいと思っています。

 

それはそうと......え?太極拳の味と香り?と思われたかもしれませんね。思い出は、味や香りとともにあります。先生が、この話をしてくださったときの雨の香り、お稽古の途中で食べたスイカの味も、理解を深めるために、役だっているはずです。たぶん。

 

※次回の「立って、歩いて、太極拳」(千葉葉県香取市)は、7月29日(日)13−15時です。詳しくはこちらから。

 

 

【特別クラスのお知らせ】

7月8日(日)14:30-16:30は「太極扇を体験しよう(第9回)」です。詳細とご応募方法はこちらから。

7月11日/25日(水)19:00-20:30は「タオを生きることば」です。詳しくはこちらの講座案内からご覧ください。

7月15日(日)14:00-16:30は「みんなが知らない太極拳のひみつ」(4)です。詳細とご応募方法は、こちらから。

7月29日(日)13:00-15:0は「立って、歩いて、太極拳」(千葉県香取市)です。詳細とご応募方法は、こちらから。

 

☀「陽だまり」とは

「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、りん、とした印象もあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

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いしい まゆみ(道号:静慧 / みんみん)

太極道家

体と心が目覚める太極拳(http://minminkung-fu.com/)

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7月のお稽古

2018.06.22 Friday

 

2018年7月の「みんみんカンフー」お稽古予定です。どなたでも、どのクラスでもご参加いただけます。

 

お申込みは、minminkungfu★gmail.com(★を@に変えてください)、もしくは口頭やFBメッセージでお願いします。FBイベントがあるものは、参加ボタンを押していただいてもOKです。

 

 

【2018年7月】

 
 

 

 
 
 

 

1 10:00青空

 

2

 

3
 

 

5 7:30 吉祥寺
 19:30 九品仏
6
 

7 10:00自由が丘
  (シェア奥沢)

8 10:00青空 
 ☆14:00 太極扇
9
 
10
 

1119:00 
池尻大橋

12 7:30 吉祥寺
 19:30 九品仏
13
 

1410:00青空

 

15 10:00青空
14:00 溝の口
16
 
17
 

18

 

19 7:30 吉祥寺
 19:30 九品仏
20
 
21 10:00自由が丘

   (シェア奥沢)

22 10:00青空

☆14:00 太極扇

23
 
24
 

2519:00 
池尻大橋

26 7:30 吉祥寺
 19:30 九品仏
27
 
2810:00青空
 

29

13:00香取市

30 31

☆印は特別クラスです。

 

 

 

【2018年8月】

 
 

 
1
 

 7:30 吉祥寺
 19:30 九品仏


 
10:00 池尻
 

5 10:00 池尻

14:00 太極扇

6

 

7
 

19:00 
池尻大橋

 

9 7:30 吉祥寺
 19:30 九品仏

 

10
 

11 10:00自由が丘
  (シェア奥沢)

14:00 太極扇

12 10:00 奥沢 
 

 

13
 
14
 

15

 

16 7:30 吉祥寺
 19:30 九品仏
17
 

18 10:00自由が丘

   (シェア奥沢)

19 10:00 池尻
14:00 溝の口
20
 
21
 

2219:00 
池尻大橋

23 7:30 吉祥寺
 19:30 九品仏
24
 

25 10:00 奥沢

 

26 

 

27 28

29

30 

31

 

☆印は特別クラスです。

 

☀夏休みのお知らせ☀

8月27日から9月11日は、中国でのお稽古のため、お休みです。お休み前の最終グループレッスンは8月25日(土)、お休み明けの最初は9月12日(水)です。

 

 

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【クラスのご紹介】

☀「体と心が目覚める太極拳」自由が丘・シェア奥沢)土曜日の午前中(不定期)

 

☀「青空太極拳教室」(代々木公園):屋外。土日の午前中(不定期)

 

☀「太極拳 基本功」(自由が丘・九品仏):毎週木曜日 夜 

 

☀「朝の青空太極拳」(吉祥寺):毎週木曜日 朝 

 

≪太極拳以外のクラス ≫

☀「タオを生きることば」(池尻大橋):水曜日(月2回) ※老子「道徳経」を1章ずつ読みながら、タオのあり方を体感していきます。後半は体を動かしますが、お着替えいただく必要はありません。

 

 

【7月の特別クラス】

7月8日(日)/ 22日(日)14:00-16:30は「太極扇を体験しよう(第9・10回)」です。詳細とご応募方法はこちらから。

7月15日(日)14:00-16:30は「みんなが知らない太極拳のひみつ」(4)です。詳細とご応募方法は、こちらから。

7月29日(日)13:00-15:00は「麗屋 弘鈴庵の『立って、歩いて、太極拳」千葉県香取市・月1回開催)です。詳細とご応募はこちらから。

 

※個人レッスンもお受けしています。1時間半、10,000円)。

 (武当64式太極拳、武当64式太極剣、武当太極扇、武当逍遥掌、形意拳、気功などのほか、体や膝に負担のかからない立ち方・歩き方も指導します。詳しくはご相談ください)

 

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【お稽古内容】

 

「体と心が目覚める太極拳」のお稽古の中心は、十三式太極拳(武当玄武派)です。太極発祥の地とも言われている道教の聖地、武当山(湖北省)で伝えられてきた伝統太極拳で、水が流れるように自然に動き、陰陽のバランスで力が生まれてくる、”太極拳のひみつ”がギュッと詰まっています。円を描いてしなやかに伸びる動きが美しく、初心者でも経験者でも、また年齢を問わず、おすすめです。そのほか、天地とつながる立ち方、歩法、呼吸法、太極拳の基本となる気功なども、お稽古します。

 

※「青空太極拳教室」は、太極拳のほかに、蹴りの練習などを加えます。

※「太極拳基本功」は、太極拳はせず、站椿功(立禅)、太極歩、気功、瞑想など、基本の動きを丁寧にお稽古します。

※「タオを生きることば」は、おはなしと体感する時間があります。軽く動きますが、お着替えいただかなくても大丈夫です。

 

 

【お稽古時間とお稽古代】※朝活太極拳(吉祥寺)、特別クラスを除く

いずれも1時間半、回数券1回分(4回10,000円/9回20,000円、いずれも2か月間有効)、現金の場合は3,500円。

 

 

【服装】

動きやすい服装でお越しください(長袖Tシャツ、ストレッチのきいたトレーニングパンツ、靴下、底の浅い靴)

※シェア奥沢(自由が丘)は、靴下でもできます。

※九品仏は和室ですので、靴は不要です。

 

詳細は、下記をご参照ください。

 


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☀「体と心が目覚める太極拳」

 

【土曜日開催】10:00-11:30 

・7月 7日(土):シェア奥沢 (自由が丘)

・7月21日(土):シェア奥沢 (自由が丘)

※15分前開場、終了後、お茶の時間があります。

 

≪シェア奥沢≫(自由が丘)

※シェア奥沢は、映画、食事、音楽、絵画など共通の”好きなこと”に人が集う、あたたかい触れ合いのある場所です。

自由が丘駅南口改札を出て、左に進み、突き当りを右に曲がります。この通りが自由通りです。緑道を越え、世田谷区の看板を過ぎると、左に入る道があります。ここを左に曲がるとき、目印として右手に赤いアルソアの看板があります。道なりを進み、3つ目の十字路の右奥の民家が、シェア奥沢です。

 

 

 

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☀「青空太極拳教室」(代々木公園)

青空の下、風や木々の香りを感じながらの太極拳です。中国でも、早朝から公園で太極拳をする姿がたくさん見られます。屋外のメリットを活かして、しっかりした体づくりのための蹴りの練習などもあります。

 

【週末クラス】10:00-11:30  

     7月 1日  (日)  

         7月 8日  (日)  

         7月14日 (土)

         7月15日 (日) 

         7月22日 (日) 

         7月28日  (土) 

※雨天の場合は、静かにお休みです。ご参加予定者には、朝8時をめどに個別にご連絡します。

 

場所:代々木公園 ※待ち合わせ場所は、南門です。初めての方は、開始10分前にお越しください。南門から入って、梅の園、丘の広場の前あたりでお稽古します。

 

   

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☀「太極拳 基本功」(自由が丘/九品仏)

広々とした和室で、基本功を丁寧に練習するクラスです。站椿功、太極歩、武当五行六合功、六字訣、呼吸法、瞑想など。

(クラスについて、詳しくはこちら

 

日時:毎週木曜日 19:30-21:00 (7月5, 12, 19, 26日)

   ※19時から中国茶をご用意してお待ちしています。

 

場所:自由が丘・九品仏 大広間(和室) ※九品仏駅徒歩2分、自由が丘駅徒歩9分 

   ※詳しい場所は、参加される方にお知らせします。

 

 

 

☀「朝の青空太極拳」(吉祥寺の公園)

ちょっと早起きして、ゆったり呼吸してゆっくり動き、全身を目覚めさせます。心と体を整え、1日をさわやかにはじめましょう。

 

日時:毎週木曜日 7:30-8:30  (7月5, 12, 19, 26日)

   ※屋外での開催です。雨天の場合、静かにお休みです。

 

場所:吉祥寺駅付近の公園(詳しくは、ご参加希望の方にお知らせします)

 

料金:1回1,500円(特別価格)

 

 

 

☀タオを生きることば 

2,000年以上前に書かれた「老子(道徳経)」は、武当功夫をする人たちを含むタオイスト(道士)の間でも大切にされており、修行者たちは「読み続ければ、いつかはわかる」と信じています。そこには、しあわせに生きるヒントがたくさんつまっています。

 

毎回1〜2章ずつ取り上げます。前半はお話と対話、後半は体感できるようなワークを、太極拳・気功・基本功・瞑想から選んでやってみます。(※お着替えいただく必要はありません。)

 

日時:7月 11日(水)19:00-20:30

   7月 25日(水)19:00-20:30   ※開場は18:45です。

 

場所:池尻大橋駅近く(和室) ※池尻大橋駅から徒歩約7分  ※詳しい場所は、参加される方にお知らせします。

 

 

みなさまのご参加をお待ちしています^^

 

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いしい まゆみ(道号:静慧)/ みんみん)

太極道家

HP: 体と心が目覚める太極拳(http://minminkung-fu.com/)

ブログ: みんみんの陽だまり太極道日記(http://blog.minminkung-fu.com/)


タオの生き方:不老不死

2018.06.20 Wednesday

(中国、武当山の逍遥谷。老子の像)

 

タオイスト(道士)とは、狭い意味では、道教の修行者(修行僧)のことで、広い意味では、それに準じた生き方を選ぶ人だと思っています。

 

道教とは、中国古来の宗教的な諸観念をもとにして形成された中国土着の宗教で、不老不死を得て「道」と合一することを究極の理想としています。

 

道教の「道」は、道家思想の「道」。道家思想とは、老子、荘子の思想です。

 

道教は、道家思想、神仙思想、陰陽五行思想、民間信仰など、長い時間をかけて多くの要素を吸収して成立しています。老子を神格化し、その著書である「道徳経」は、聖典として扱われています。

 

道教の特徴をあげるならば、以前、気功を教えていただいていた中医師の先生から、「一生をかけて、青春を追い求める」と教えてもらったことがあります。「世界中に、こんな宗教はない。」と。

 

この言葉が、とっても好きです。

 

太極拳をすることを、「20年たっても同じ体」と表現されることがあります。

 

実際に、それは「関節の隙間を開けていくもの」と、中国の先生に教わりました。放っておけば、縮こまってカタくなり、曲がってくる体を、毎日、自分の意識と体の使い方で、関節に隙間を空けていくのです。

 

ゆとりがあれば、血が流れ、血が流れれば、体温は上がります。体温があるということは、若々しさ、生命力があることの証拠でもあります。冷え症の赤ちゃんは、いませんものね。

 

そして、体のゆとりは、心のゆとりともつながっています。

 

さて、この青春を追い求めることですが、道教関連の文献にはよく、「不老不死をめざす」と書いてあります。人間としての肉体は死ぬため、わたしはこれまで、これを「不老長寿」と読み替えてきました。

 

でも最近、そうではなくて、やはり「不老不死」なのだと思うようになりました。

 

老子の「道徳経」は、世界中でいろいろな方が翻訳したり、解釈したり(中国国内も含む)している難解な書です。そのひとつ、黒澤一樹さんの「ラブ、安堵、ピース」に、こんな文章があります。

 

人間の視点から世界を見れば、この世は「死生」という残酷なスクラップ・アンド・ビルドが延々と繰り返される世界のように見える。

でもね、そう見える「解釈の世界」の向こうにある、「あるがままの世界」では、命は一度も絶えることなく、脈々と生き続けているんだ。

 

「解釈の世界」に生きる人は、物事を分離してとらえているからこそ、「人の内に命がある」と言う。人に限らず、生物の個体それぞれに、個別の命が宿っていると思っている。

 

「あるがままの世界」に生きる人は、存在すべてのつながりをとらえているからこそ、「命のうちに人がある」ことを知っている。

個別の命があるのではなく、無限に広がるたったひとつの「命」という空間の中に、すべての存在の躍動があるんだ。だから、そこに見えるのは、「個々の死生の繰り返し」ではなく、「絶え間ない宇宙の呼吸(全体における躍動)」。そこには、奪われる命も、与えられる命もない。

 

ね、常軌を逸した話だろう?

 

だからもし、「あるがままの世界」に気づいたとしても、あまりしゃべらないほうがいいかもね。

 

「解釈の世界」には、「解釈の世界」なりの真実や秩序がある。それはそれとして認めながら、「あるがまま」については、そっと胸の中に留めておくのがいいと思うよ。

 

(「ラブ、安堵、ピース」第5章より。黒澤一樹、アウルズ・エージェンシー、2016年)

 

これを読んだとき、「命の内に人がある」から、不老不死なのだと、ようやく腑に落ちました。ここで言う「あるがままの世界」は道の世界。「解釈の世界」は、現実に生きている世界で、人は、いろんなものに名前をつけて、解釈をつけて生きています。

 

太極拳の套路のひとつ、十三式武当太極拳の第一式は「開太極」、最後の第十三式は「合太極」という名前がついています。「太極」と「道」は、ほぼ同じと理解してよいと思います。太極を開くと、陰と陽が出現し、動き始めます。陰陽の転換で動きが続き、その動作は攻防をなぞっています。最後は、太極に合一して終わります。

 

太極拳の套路は、陰陽のあるこの世に生まれてから死ぬまでの、一生を表しています。人の一生でもあり、宇宙の一生でもあるかもしれません。

 

生きている間には、いろいろな攻防があり、その中でバランスを取ること、和を作りだすことを学びます。最後は、生まれてくる前にいたところに還ります。この世から体は消えても、なくなるわけではありません。

 

書いていると、確かに「常軌を逸した話」のように思えますが、これを胸の中に留めて生きるかどうかで、世の中の見え方が変わってくる気がするのです。

 

それを知った人は、肉体ありきの「不老長寿」ではなく、「不老不死」を目指すのではないでしょうか。

 

話は変りますが、糸井重里さんが、こんな文章を書いていました。

 

じぶんが生まれてくる前にも、世界はあったし、

じぶんが死んでしまった後にも、世界はある。

そのことが、なんだかさみしくてしょうがない。

(「思えば、孤独は美しい。」糸井重里 ほぼ日、2017年)

 

このさみしさについて、糸井さんは、「そのさみしさというやつのことを、ぼくは嫌がっているのではなくて、おそらく、そこに浸ってじわぁっと快感を感じているのだ。」「この「さみしさ」というのが、すべての生きものの生きる動機であるような気さえする。それを「あはれ」と言ってもいいんだけど。」と書いています。

 

これ、似たようなことを言っている気がするのです。全く同じではなくても、どこかで交差している、と言ったらいいでしょうか。

 

タオイストの目指す「不老不死」というと、ちょっと精悍で、優等生的な感じがしますが、「あはれ」とか「さみしさをじわぁっと味わう」というと、ちょっと身近になってきませんか?「あはれ」は日本の言葉だからかしらね。

 

 

【特別クラスのお知らせ】

6月20日(水)19:00-20:30は「タオを生きることば」です。詳しくはこちらの講座案内からご覧ください。

7月8日(日)14:30-16:30は「太極扇を体験しよう(第9回)」です。詳細とご応募方法はこちらから。

7月15日(日)14:00-16:30は「みんなが知らない太極拳のひみつ」(4)です。詳細とご応募方法は、こちらから。

 

(美しい装丁は、ヒグチユウコさん。「思えば、孤独は美しい。」)

 

 

☀「陽だまり」とは

「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、りん、とした印象もあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

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体と心が目覚める太極拳(http://minminkung-fu.com/)

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下手で、いい

2018.06.15 Friday

 

映画「モリのいる場所」を観ました。

 

画家の熊谷守一(くまがいもりかず)さん(=モリ)の、晩年の1日を描いたものです。モリは30年間、自宅の庭から出なかったそうです。

 

「庭は広すぎる」から。

 

ゆたかな生態系の庭には、さまざまな植物、虫、鳥たちが集います。それらをひたすら”みる”、モリ。映像では、小さな虫たちの日常の活動が映し出されていて、それらがなんともユニークで可愛らしく、思わず笑ってしまいます。モリは、こんな目で見ていたのかもしれません。

 

そんなモリに、「こどもの絵を見てください。才能があるんじゃないか、と思って。それなら教育を考え直そうかと。」と頼む人が出てきます。モリはじっと見てから、「下手だ。」

 

そして、下手でいい、上手には限界があるから、というような話をしていました。

 

いいことばだな、と思います。

 

自分をふりかえってみると、とかく、体を使うことに関しては、始めたときは「下手だなあ」と、よく思いました。例えばバレエも、水泳も、テニスも、太極拳も、です。でも下手だけど好きで、上手くなりたくて、練習します。練習することが楽しいから、苦にならずに続きます。人から見て大変そうに見えたとしても、自分にとっては、どうってことなかったりします。

 

下手+好き=続ける力、なのかもしれません。

 

では、やったらうまくなるのでしょうか?始めたころの自分と比べたら、そうかもしれませんが、たとえば太極拳にしても、今でも「上手い」という表現はピンときません。

 

ただ、続けてきた積み重ねがあるだけです。

 

続けてくるとわかることが、いくつかあります。

 

ひとつは、いつでも今のベストでやることです。教えるときは、今わかっている全てで、教えます。

もうひとつは、今のベストは将来のベストではないことです。3か月前、半年前とは、今のベストは違います。

 

今のベストを尽くすため、今に不満はありません。でも一方で、まだまだ知らないことだらけなことも、わかっています。だから楽しみがあります。

 

「下手の横好き」ということばがありますよね。音の響きに、ふっと頬がゆるんでしまいませんか?そんな自分でいられたらいいな、と思います。

 

これまで、「上手くなきゃ!」「これだけやってきたから、これも出来て当然」と思ったことが、ないわけではありません。でも、そう思ったときは、必ず失敗するのです。人生、上手くできています(笑)。

 

やったことは、なくなりません。頭では忘れても、体の経験としては残っています。それを「これだけやったから、上手くなきゃ!」と頭で考えてしまうと、逆に自分にプレッシャーをかけることになり、体を緊張させます。緩んでいなければ、上手くいくわけがありません。

 

頭で考えた自信は、重荷になるだけです。

 

「できるかどうかはわからないけど、やってみよう、やってみたい」というくらいが、わたしには、ちょうどよいみたいです。

 

映画のモリは、晩年で、すでにとっても有名な画家であり、書家でした。でも名誉には興味がなく、「大先生」という気張りもなく、どこかユーモラスです。そんなモリに、周りの人が魅かれて巻き込まれていく様子は、とっても見ごたえがあります。

 

モリ役は山崎勉さん、奥様には樹木希林さん。ポスターに書かれたコピーは、「文句はあるけど、いつまでもふたりで」。そのことばどおりの、結婚52年目のふたりの間の、ほんわかとした関係にも、ぐっときます。

 

熊谷守一さんは名のある芸術家ですが、そうでなくても、人はみんな、自分を表現して生きたい、と思っているような気がします。表現方法は、作品である必要はなく、いろいろです。

 

それぞれが、こんな風に「好き」な姿を表現していったら、映画のように、優しく暖かく、平和な世界が広がるような気がします。それぞれの「好き」に、みんなの頬が緩むような世界です。

 

「モリのいる場所」は、映像も音も美しく、温かくて優しい映画です。お勧めです。特に、樹木希林さんの美しさは、格別です。

 

 

【特別クラスのお知らせ】

6月17日(日)14:30-16:30は「太極扇を体験しよう(第8回)」です。詳細とご応募方法はこちらから。

6月20日(水)19:00-20:30は「タオを生きることば」です。詳しくはこちらの講座案内からご覧ください。

7月15日(日)14:00-16:30は「みんなが知らない太極拳のひみつ」(4)です。詳細とご応募方法は、こちらから。

 

 

☀「陽だまり」とは

「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、りん、とした印象もあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

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いしい まゆみ(道号:静慧 / みんみん)

太極道家

体と心が目覚める太極拳(http://minminkung-fu.com/)

講座のご案内は、こちらからどうぞ

 



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