武当山での1日

2016.02.09 Tuesday


(中国、武当山。宿舎の敷地内でのお稽古)

定例のお稽古のため、4月中旬から武当山に行こうと思っています。

今日は、武当山での1日や衣食住の様子をご紹介しようと思います。
というのは、一緒に行きたい!という生徒さんが、
そこそこ過酷な状況を妄想していたことがわかったからです(笑)。

そんなに劣悪な環境ではありません。清潔ですし、食事もおいしく、居心地は良いです。

まずは行き方です。


直行便がないため、北京や上海で経由して襄阳(シャンヤン)空港まで行きます。
そこから武当山のふもとまで、車で約2時間です。
以前は長距離バスで移動したこともありますが、中国人の薬膳料理の先生に「だめ!」と
怒られて以来、安全のため、必ず学校にお迎えをお願いしています。

武当山にはカンフー学校がたくさんありますが、今の学校は山の中腹にあり、
バスで40分くらいです。山は車の入場制限があり、観光バスか、業者さんの軽トラックか、
スモークガラスのVIP車しか走っていません。

日本からは、丸1日、乗り継ぎによっては1泊2日かかります。

(武当山の山門。ここからバスで上ります。)


(武当山の中腹、南岩。ホテルやお店、レストランが並びます)


(南岩。こんな景色が、いつも見られます)

今の学校、武当玄武功夫館のお稽古は、1週間に5.5日です。
今のところ月曜の午後と火曜日がお休みです。
短期で行く場合、休日にもお願いしてお稽古してもらうこともあります。

1日のスケジュールは、

6時〜7時:朝練(自主練。ジョギング、站椿功など)

7時半:朝食

8時半〜11時:午前中のお稽古(途中、休憩あり)
・ジョギングと準備運動
・キックなどの基本功(ここまでで1時間くらい)
・それぞれのお稽古(太極拳、太極剣、気功、八卦掌、形意拳など)

12時:昼食
 その後、お昼寝

14時半〜17時:午後のお稽古(休憩、あり)
・站功(站椿功)と、放松(ファンソン)というリラックスする練習(1時間くらい)
・それぞれのお稽古

18時:夕食

時間は季節によって前後します。暑い夏は暑さを避けて昼休みが長く、日が短い冬は逆になります。


(午前中の個人のお稽古。武当太極拳。バス停の横の広場で、休日は
観光客がたくさん通ります。)


(站功。午後のお稽古。宿舎のお庭です)

食事は、中国人の生徒さんや先生たちが作ってくれます。
朝食は、おかゆ(白粥、豆粥、カボチャ粥など)、麺、パンケーキなど。
昼食と夕食は、ごはんとおかず4種類、スープなど。
お肉は少な目ですが、野菜はたっぷりで栄養もちゃんと取れます。
衛生面について言えば、食材は調理するまえにキレイに洗っていますし、
キッチンもお料理後にきれいにお掃除しています。基本、清潔です。















宿泊は、ホテルを宿舎にしています。
看板には、☆が3つ、ついています(と、言っておきます)。
一人一部屋で、トイレとシャワー付き。
お掃除は、その辺にあるモップやほうきを取ってきて自分でしますし、
シーツは頼まないと変えてくれませんが、こちらも基本、清潔です。
お洗濯も自分でします。ホテルの屋上の一部には、物干し場もあります。


(宿舎のホテル)


(中庭。ホテル内に、学校のオフィスもあります)


(お部屋の例)

(トイレとシャワーの例。先生が、娘さんを洗ってあげているところ)

武当山は歴史建造物(お寺)が世界遺産に指定されていることもあって、観光地なので、
お掃除はいきとどどいています。道路も、外の公共トイレも、わたしが普段行くところはみんな、
きれいにお掃除されています。

中国は、あまりきれいではないイメージがありがちかもしれませんが、
みんな自分が住むところは、きれいに掃除して、気持ちよく暮らしているのですよ。

何より、きれいにすることも、礼儀も、きちんと丁寧に暮らすことも、お稽古のうちです。
カンフーは、アクロバティックな動きをする場合もありますが、アクションではなく、
生きることそのものだと、わたしは思っています。



大好きな、魂のふるさと、武当山。

武当山の南岩

2015.06.14 Sunday


(南岩。自分のお部屋から見える景色)

わたしがお稽古に行く南岩は、武当山の中腹にあり、玄武大帝(道教の神様のひとり)
が、ここから天に向かって飛んだという説もある、聖なる地です。36の岩のうち、
もっとも美しいと言われています。

わたしにとってはホームのような、愛しい場所です。

ここには南岩宮という道教のお寺が、崖に建っています。
















(崖に建つ南岩宮)















(南岩宮)

ここで有名なのが、龙头香(龍頭香)です。
金頂(武当山の頂上)に向かって伸びる龍の頭の先に香台があります。

















龙头香を横から見たところ。下はけわしい崖です)



龙头香を手前からみたところ)

映画「ベストキッド2」で、師匠に連れられて修業のために山に行く場面が
ありますが、そこが武当山です。この場所も、映画に出てきました。

この龍の頭の大きさは、2.9m x 0.3mです。この先にお香の台があるため、

かつて道士たちは、ここを歩いてお香をあげていましたが、足を滑らせて落ちて
お亡くなりになる人も多かったそうです。あまりの惨事に、現在はこの上を歩くことは
禁止され、香台も手前に設けられています。

奥にはこんな場所もあります。


穴の開いた通貨の奥に、鐘があります。
手前には柵があり、ここからコインを投げて、通貨の穴を通して鐘に当たれば
願いが叶うと言われています。一度、見事に当たったことがあるのですが、
投げる前にお願いごとをしていませんでした。
「それでは意味ないよ」と笑われましたが、
結局、わたしには無欲が一番、と思っています(笑)。

南岩は、山の中でも比較的にぎやかな場所です。
ここに泊まって、朝の4時半くらいに金頂に向けて出発する人もいるため、
おみやげやさんやホテルも立ち並びます。
祭日は、バスの台数も、観光客の数も、多くなり、
山頂の向かう山道は長蛇の列になるとも聞きます。
















(おみやげやさんがならぶ通り。このだらだら登り坂、
わたしにとっては、早朝、ときどき駆け上がるランニングコース)

でも、普段は静かなところです。
毎日、違う景色を見せてくれますし、
朝、昼、夕方、夜と、変わる姿は、本当に美しいです。

南岩には、ほかにも小さなお寺などもあります。
そのご紹介は、また次の機会に。

(いつものお散歩コースから撮影した写真)
 

武当山の山が教えてくれたこと

2015.03.20 Friday

武当山は、中国 湖北省にあります。
今は、山の中腹にある南岩に、毎年お稽古に行きます。

山は、毎日、その一瞬一瞬、違う表情を見せます。
すべてがびっくりするほど、美しいのです。

この山に守られて、育まれてきたこと、
この山に愛されて、愛していること、
そこから、教えられてきたこと、
言葉にできず、涙がでるばかりです。

この地球に生まれてきたこと、ここに生きていることに、感謝します。






































































































































































































すべてはここから、はじまります。
 

武当山の伝説‐太極拳発祥の地

2015.02.23 Monday













武当山には、太極拳発祥の地という伝説があります。

武当山で修業した道士、張三豊(ちょうさんぽう)が、
庭先で鶴と蛇が争っているのを目撃したときのことです。
鶴は羽を広げて旋回しながら円形の動きを取り、
蛇はそのしっぽを、首の動きに合わせて攻防していました。
そのときの鶴の羽ばたく姿と、蛇のからみつくように動く形から、
柔が剛を制し静が動を制する原理を悟り、その後、太極拳を編み出したと言われています。


(張三豊)

太極拳の特徴は、「調和」です。
人と自然、人と人との間の調和を大切にしています。

わたしが太極拳を好きな理由は、背景にあるこうした哲学にあると思います。
武当山で伝わる武当拳には、太極拳のほかに、形意拳、八卦掌がありますが、
いずれも道教哲学とともに成り立っています。

下は、わたしがお稽古をした学校にあったついたてです。
わたしに大きな影響を与えた言葉が書かれています。


武当の技。
道士から武術は生まれた。
(今は)武術を通して道教の思想を表現できる。
すると中国全土(世界)に福がおりてくる。

この言葉のそばで練習できたことは、調和やまぁるい穏やかな心を大切にする、
という今のわたしの思いを育てたと思っています。

武当拳は、体と心の両方に働きかけます。
血流を良くし、無駄な筋肉の緊張を取り、呼吸を安定させ、五臓を育て、
体と心を再構築します。
穏やかな心を保つことも大切です。
太極拳を始めるときには、まず自分自身のバランス(調和)をとり、
そして自分と天地、前後左右のスペースとも調和をとることを、大切にしています。

そして、武術とは戦いを止めるためのものなのです。
武術の武は、戈を止める、と書きます。
一番良いのは、戦わないこと、戦いを起こさないことです。
時代が変わって、環境が変わっても、昔も今も、この精神は大切だと思います。

わたしが武当拳を続けることが、まわりまわって平和にもつながると信じて。


(上の白い道着の方は、今の先生の明月師父。出会ったときはこの
学校の先生でしたが、現在は独立しています)。



 

武当山の仙人

2015.02.19 Thursday



武当山には、洞穴に住む仙人と呼ばれている人がいます。名前は、贾(Jia)さん
山の中腹、太子洞に住む道士(道教の修行者)です。


(太子洞。中は洞穴です。すごく気持ちが良いところです。)

有名人で、海外のテレビでも紹介されています。
TBSの世界遺産でも、取材されていました。
http://www.tbs.co.jp/heritage/archive/20120909/

はじめての出会いは、6年前です。最初に行ったカンフー学校の師父(先生)に連れて行っていただきました。
「ここは、武当山でもすごく気が良いところなんだよ」と説明されたのを覚えています。

2度目の出会いは、4年前です。2か月間、武当山の学校でお稽古していたときです。
今度はひとりで、2年前にいただいたお守りを持って会いに行きました。

中国語は話せなかったし、一人だったから、漢字の筆談と身振り手振りで
「2年前にこれをいただいて、すごくうれしかった。だから、
今日はお礼に来ました」と一生懸命に伝えました。

それから、武当山に行ったときには、いつも訪ねていきます。
つらいとき、ここに行ってひたすら泣いていたこともあります。
「ごはん食べた?」と、ごちそうしていただいたり、
「お金はちゃんと持っているの?」という心配までしていただいたことも。

仙人のおじいちゃんは、いつもここにいらっしゃるのです。
誰が来ても、温かく迎えてくださるのです。
みんな突然訪問するにも関わらず、です。

いつでも、変わらず、そこにいる、ということに、
すごく励まされてきました。

おじいちゃんとの話をしたときに、「君は仙人の優しさを利用している」と指摘されたこともあります。
(本人に、ではありませんよ)。わたしにも、甘えがあったかもしれません。
でもおじいちゃんは、それもわかっていたような気がするのです。
わかっていて許してくれたような気がします。勝手な想像かもしれませんが。
そのことに、今でもすごく感謝しています。

おじいちゃんは、いつでも変わらず、そこにいて、受け入れてくれる存在です。
おじいちゃんの在り方をずっと見てきて、私もこんな人でいたい、と思うようになりました。
ぶれずに、いつもそこに変わらずいることが、
他の人の勇気や希望につながることもある、と思うのです。
一人だとしても、一人ではないのです。

日本のテレビでも「仙人」と呼ばれていましたが、
「仙人は、山の人と書く。私なんてまだまだ」と答えていました。
洞穴とは言っても、上の写真のようにただの洞窟ではありませんし、
中は夏は涼しく、冬もそこそこ温かいです。
プロパンガスもあってお料理もできます。そこそこ普通の暮しぶりです。


(ごはんを作ってくださっているところ)

80歳を過ぎているはずですが、腰もまっすぐです。
顔もツヤツヤ、ピカピカ。お元気です。
これからも、ずっと元気でいてほしいです。













(カメラを向けられるのは、あまり得意そうではありません。。。
私が撮る写真は、わりとニコニコ。一緒の写真は、いつもこんなお顔。)


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