武当山の山が教えてくれたこと

2015.03.20 Friday

武当山は、中国 湖北省にあります。
今は、山の中腹にある南岩に、毎年お稽古に行きます。

山は、毎日、その一瞬一瞬、違う表情を見せます。
すべてがびっくりするほど、美しいのです。

この山に守られて、育まれてきたこと、
この山に愛されて、愛していること、
そこから、教えられてきたこと、
言葉にできず、涙がでるばかりです。

この地球に生まれてきたこと、ここに生きていることに、感謝します。






































































































































































































すべてはここから、はじまります。
 

武当山の伝説‐太極拳発祥の地

2015.02.23 Monday













武当山には、太極拳発祥の地という伝説があります。

武当山で修業した道士、張三豊(ちょうさんぽう)が、
庭先で鶴と蛇が争っているのを目撃したときのことです。
鶴は羽を広げて旋回しながら円形の動きを取り、
蛇はそのしっぽを、首の動きに合わせて攻防していました。
そのときの鶴の羽ばたく姿と、蛇のからみつくように動く形から、
柔が剛を制し静が動を制する原理を悟り、その後、太極拳を編み出したと言われています。


(張三豊)

太極拳の特徴は、「調和」です。
人と自然、人と人との間の調和を大切にしています。

わたしが太極拳を好きな理由は、背景にあるこうした哲学にあると思います。
武当山で伝わる武当拳には、太極拳のほかに、形意拳、八卦掌がありますが、
いずれも道教哲学とともに成り立っています。

下は、わたしがお稽古をした学校にあったついたてです。
わたしに大きな影響を与えた言葉が書かれています。


武当の技。
道士から武術は生まれた。
(今は)武術を通して道教の思想を表現できる。
すると中国全土(世界)に福がおりてくる。

この言葉のそばで練習できたことは、調和やまぁるい穏やかな心を大切にする、
という今のわたしの思いを育てたと思っています。

武当拳は、体と心の両方に働きかけます。
血流を良くし、無駄な筋肉の緊張を取り、呼吸を安定させ、五臓を育て、
体と心を再構築します。
穏やかな心を保つことも大切です。
太極拳を始めるときには、まず自分自身のバランス(調和)をとり、
そして自分と天地、前後左右のスペースとも調和をとることを、大切にしています。

そして、武術とは戦いを止めるためのものなのです。
武術の武は、戈を止める、と書きます。
一番良いのは、戦わないこと、戦いを起こさないことです。
時代が変わって、環境が変わっても、昔も今も、この精神は大切だと思います。

わたしが武当拳を続けることが、まわりまわって平和にもつながると信じて。


(上の白い道着の方は、今の先生の明月師父。出会ったときはこの
学校の先生でしたが、現在は独立しています)。



 

武当山の仙人

2015.02.19 Thursday



武当山には、洞穴に住む仙人と呼ばれている人がいます。名前は、贾(Jia)さん
山の中腹、太子洞に住む道士(道教の修行者)です。


(太子洞。中は洞穴です。すごく気持ちが良いところです。)

有名人で、海外のテレビでも紹介されています。
TBSの世界遺産でも、取材されていました。
http://www.tbs.co.jp/heritage/archive/20120909/

はじめての出会いは、6年前です。最初に行ったカンフー学校の師父(先生)に連れて行っていただきました。
「ここは、武当山でもすごく気が良いところなんだよ」と説明されたのを覚えています。

2度目の出会いは、4年前です。2か月間、武当山の学校でお稽古していたときです。
今度はひとりで、2年前にいただいたお守りを持って会いに行きました。

中国語は話せなかったし、一人だったから、漢字の筆談と身振り手振りで
「2年前にこれをいただいて、すごくうれしかった。だから、
今日はお礼に来ました」と一生懸命に伝えました。

それから、武当山に行ったときには、いつも訪ねていきます。
つらいとき、ここに行ってひたすら泣いていたこともあります。
「ごはん食べた?」と、ごちそうしていただいたり、
「お金はちゃんと持っているの?」という心配までしていただいたことも。

仙人のおじいちゃんは、いつもここにいらっしゃるのです。
誰が来ても、温かく迎えてくださるのです。
みんな突然訪問するにも関わらず、です。

いつでも、変わらず、そこにいる、ということに、
すごく励まされてきました。

おじいちゃんとの話をしたときに、「君は仙人の優しさを利用している」と指摘されたこともあります。
(本人に、ではありませんよ)。わたしにも、甘えがあったかもしれません。
でもおじいちゃんは、それもわかっていたような気がするのです。
わかっていて許してくれたような気がします。勝手な想像かもしれませんが。
そのことに、今でもすごく感謝しています。

おじいちゃんは、いつでも変わらず、そこにいて、受け入れてくれる存在です。
おじいちゃんの在り方をずっと見てきて、私もこんな人でいたい、と思うようになりました。
ぶれずに、いつもそこに変わらずいることが、
他の人の勇気や希望につながることもある、と思うのです。
一人だとしても、一人ではないのです。

日本のテレビでも「仙人」と呼ばれていましたが、
「仙人は、山の人と書く。私なんてまだまだ」と答えていました。
洞穴とは言っても、上の写真のようにただの洞窟ではありませんし、
中は夏は涼しく、冬もそこそこ温かいです。
プロパンガスもあってお料理もできます。そこそこ普通の暮しぶりです。


(ごはんを作ってくださっているところ)

80歳を過ぎているはずですが、腰もまっすぐです。
顔もツヤツヤ、ピカピカ。お元気です。
これからも、ずっと元気でいてほしいです。













(カメラを向けられるのは、あまり得意そうではありません。。。
私が撮る写真は、わりとニコニコ。一緒の写真は、いつもこんなお顔。)

大好きな心のふるさと、武当山

2015.02.17 Tuesday











毎年お稽古に通っている、武当山。
道教の聖地のひとつであり、世界遺産に登録された寺院が点在する山は、
伝説では太極拳発祥の地とも言われています。
今回は私の心のふるさとでもある武当山を、ご紹介します。

武当山は、中国、湖北省にあります。
日本からの行き方はいろいろですが、私は北京経由で行くことが多いです。
北京から国内線に乗り換えて2時間。そこから車で2時間行くと、山門に到着します。













(現在の山門)

72の峰が連なるこの山は、昔から道士(道教の修行者)たちの修業の場とされてきました。
雄大な自然の中に33の道教寺院(道観)が点在しています。
この古代建築群は、1994年に世界文化遺産に登録されています。
赤い壁と緑の屋根を特徴とするこれらの建物が自然に調和している姿は、とても美しいです。


(紫霄宮)

現在の形になるように大がかりな再建が進められたのは、明の時代のことです。
度重なる戦乱で焼失したり傷んだりしていた寺を、1412年、明の永楽帝が再建しました。

永楽帝はこのとき「北の紫禁城(現在の故宮)、南の武当」と言い、
同じデザイナー(Kuai Xiang)により北京に故宮を、武当山に寺を建築させています。
再建には13年を要し、30万人もの労働者が従事したと言われています。

なぜ永楽帝は武当山に莫大な投資をしたのでしょうか?
永楽帝は、武当山で修業して昇天したという神、真武大帝(玄天上帝)を深く信仰しており、
真武大帝は明朝の護国神であったそうです。

真武大帝には、興味深い逸話が伝えられています。
真武が武当山で修業していた頃、一時、山から下りて俗世間に戻ろうとしたことがあります。
「磨針井」のあたりまで下ると、一人の老婦人が太い鉄の棒を研いでいるのを見かけました。
不思議に思った真武は、何をしているのかと老婦人に質問します。
すると、「縫い針を作るためだよ」と。
真武はこんなに太い棒で縫い針ができるものかと不思議がっていると、
老婦人は「鉄の棒を止めずに研ぎ続ければ縫い針は必ずできる」と答えます。
これを聞いて悟った真武は、すぐに山に戻って修業を続け、やがて仙人になった
と言われています。

英語では中国武術の意味で使われている「功夫(カンフー、kung-fu)」のもともとの意味は、
時間をかける人、時間をかけて熟練する人、です。上の逸話は、それにぴったりですね。

この武当山は、8億年以上前に海からせりあがって山ができたと言われています。
頂上は1612メートル。航空写真で上から見ると、亀の形をしています。



「航空写真を撮ることができるようになるずっと前から、武当山に住む人たちは、
それを知っていたんだよ」と、武当山の学校の人に教えてもらったことがあります。

伝説では太極拳発祥の地とも言われているここには、今でもたくさんの道士たちが
武当拳(太極拳、形意拳、八卦掌)の稽古に励んでいます。
私のように外国から稽古に来る人も多く、欧米人もたくさんいます。

太極拳発祥の地という伝説や、そこで大切にされている哲学については、長くなるのでまた次に。







 


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