感じる体と心を育てる

2020.03.18 Wednesday

 

(36式武当太極拳)Photo by Xie Okajima

 

太極拳といえば、健康促進、すこやかな体、という印象が強いと思います。

 

そのとおりだと思いますが、そのために欠かせないことがあります。

 

感覚を、育てていくことです。

 

今、自分がどういう状態なのか、そのまま感じることです。最初は、違和感を感じることからはじまる気がします。

 

「いい感じ」は、そのままにしておけばいいですしね。違和感を感じたら、なくしていけば「いい感じ」が増えます。すると、もしかしたらいままで「いい感じ」だと思ってきたなかにも、違和感を感じることがあるかもしれません。

 

意外と「こうしたら、いい感じになるよね」と、頭で考えていることを、”感じている”と誤解してしまうこと、あるのです。

 

たとえば、海や山や森に行ったら、「マイナスイオンを浴びて、すっきり解放される」という思考に、そのまま乗って「はーっ、きもちいいっ」となってしまうことも、ありえます。

 

区別がつかないときは、それはそれでいいのですけどね。

 

太極拳には、套路と呼ばれる一連の動きの型があります。

 

この型があることで、よくも悪くも、好きなようにはできません。

 

套路は、「こうやって、こうやって、それからこうやる」というように、それぞれ工程というのか、プロセスがちゃんとあって、その結果が表に見えるカタチになります。

 

あれこれ複雑な動きがあるように見えても、大切なことは、シンプルです。

 

・足で地面を押して、頭が天に向かって伸びる バネのように縦に伸びる力が働き続けること

・陰と陽の調和(バランス)を取り続けて、風船のように全方向に膨らみ続けること

・陰が極まって陽になり、陽が極まって陰になるように、動きが止まらないこと

・体の中に、無駄な緊張や滞りがないこと

・心が静かに落ち着いていること

 

それを実現させるためには、やり方があり、それを学んでいくのがお稽古です。

 

気功のように、単純なフォームでの練習も有効ですが、套路のように、複雑な動きになったときにも、同じように大切なことを守れるようにするのも、大事です。

 

動きが増えると、見た目に騙されやすくなります。大切なことを大切にするより、カタチを追いがちになります。

 

人生も、いろいろですよね。大切なことことを、大切にするために、複雑な中で練習することに意味があると思っています。応用力をつける感じかしらね。

 

カタチができることは、上に書いた大切なことを守った結果であってこそだと、思っています。

 

そうでなければ、足が高く上がっても、低い姿勢が取れても、それをしたい人は自由にどうぞとは思いますが、わたしが大切にしていて、みんなに知ってほしいと思っている太極拳ではありません。

 

太極拳は、人によってとらえ方が違って、それをすべて許容するくらい、懐が深いものだと思っていますが、わたしは「運動」ではないと、とらえています。太極拳をする人は、アスリートではありません。

 

アスリートを否定しているわけではなく、その姿勢や生き方や動きからは、大きな感動をもらうことも多いです。見ているのも、すごく好きだったりします。ただ、すこやかさという面から見た場合、アスリートは、命を削るように練習していたりします。そのために、トレーナーさんがついていて、毎日の疲労をマッサージやあれこれで、回復させる必要もありますよね。

 

アスリートではない人たちは、一晩眠ったら回復する、というペースがよいと思っています。だいたいの日常は自分で様子を管理して、たまに「これはちょっと」となったら、整体に行ったり、病院に行ったり、他の人の助けを借りる、というくらいだと思います。

 

ちゃんと不調を感じることで、自分を振り返り、「昨日やったあれは、負担がかかりすぎるんだな」とわかってきます。もちろん、やりすぎがだめなわけではなく、楽しくてそれがしたいときは、それでいいと思うのです。ときどき負荷がかかるくらいなら、なんとかできますものね。

 

アスリートではない太極拳は、やればやるほど、上達します。年齢が上がったらできないというものではなく、どんどん進歩します。太極拳は、年齢が高い人の方がいいというのは、そういうことです。

 

自分でやっていても、3か月とか、半年とかで、けっこう変化していきます。生徒さんがわたしのビデオを見て、「2年前と今と、動きの印象が全然違う」と驚いていたことがありました。その方はダンスをずっとされているので、たくさんの人を見てきているのですが、2年くらいで印象が変わる人は見たことがないそうなのです。

 

でも、わたしの先生たちも、兄弟子たちも、ちょっと会わない間に、どんどん変わります。

 

”変わる”ことが自然の理なので、そういうものだと思うのですけれどもね。

 

足が高く上がるとか、低い姿勢が取れるとかは、大会などでは評価の基準になるかもしれませんが、本質的には、本人に合った足の高さとか、姿勢の高さの方が大切です。

 

足が高く上がること、低い姿勢を取れることを、否定するわけではないのです。足が高くあがることは、体に滞りがなく、関節もよく動いて、体が柔軟であることの現れだったりしますし、低い姿勢が取れることも、バネが効いて、上にぷんっと戻る強い力を内包していることの現れだったりします。それは、大切なことが守られていて、発達した結果でもあると思っています。

 

クラスでお稽古していると、ときどき生徒さんが「これはやりにくい」とか、「これはひざが痛い」とか、「ここがキツイ」とか、言ってくることがあります。

 

すごくいいなあ、と思います。

 

そういう違和感は、どんどん言ってくれたいいと思っています。

 

なぜなら違和感があるときは、套路というカタチを作るための工程の、どこかが抜けていたり、違うことをしている可能性があるからです。

 

工程が違うと、違う結果になり、それはカタチにも現れます。最後のカタチは一緒でも、ほんのちょっと、動くタイミングが違っているとか、細かいところにも現れます。わたしはそれを見て、指摘していくのですが、

 

複数の人の、すべてを全部みることはできません。

 

カタチを優先させてしまうと、違和感を無視して、やり続けてしまうかもしれませんよね。それを頑張るのがいいのだ、と誤解してしまうこともあるかもしれません。

 

きつくても、乗り越えていくことに達成感を感じること、日常でもそんなこと、あるかもしれません。

 

でも、すこやかに生きたいのであれば、違和感を感じたら、「止まる」です。軌道修正が必要です。

 

違和感を伝えてくれれば、もうちょっと細かく、その人に足りていないところを説明できます。それは、他の人の役にも立ちます。

 

これは、自分の練習でも、同じことです。動きながら、違和感を感じるところがあったら、どうやったら流れがよくなるか、いろいろ試してみます。

 

試すとは言っても、基本を応用していくだけなのですが。

 

進んでいくと、今まで「これでいい」と思っていたところにも、違和感を覚えはじめることも、よくあります。

 

「これ、なんだかなあ」と思っていた動きが、ある日突然、「これだ!」と気づくこともあります。数年越し、とかも、いくつもあります。

 

違和感は、解決できればそれでいいですし、そうでなければ、そのまま持っていればいいと思います。いいタイミングがきたら、何かやってくることがありますから。

 

そして違和感は、最初は体の違和感ですが、心がきゅっとなっていることで、体に違和感が出ることも多くあります。

 

心の緊張は、体の緊張として現れます。心はわかりにくいですが、体はいつも、正直です。

 

そんなとき、「今、自分に無理がかかっているな」とわかったりします。いい状態じゃない、ということも、わかります。

 

そんな状態で何か大事な決断をするのは、よくないですよね。「落ち着いて、自分を取り戻してから、どうするか決めよう」と、できることもあります。

 

違和感に気づいていくことは、体と心が目覚めていくことだと思っています。

 

無理がかかっているところに気づいて、それを取り去っていくことで、素のままの自分が そのまま現れます。

 

その自分は、他の誰とも違います。そここそ、型のように、何かにはまるわけでもありません。

 

そうやってありのままの自分で生きていくことが、すこやかさじゃないのかな、と思っています。

 

すこやかさは、今のように緊張があるときに生き抜くためにも、力になってくれます。すこやかな人がいることで、周りの人が救われることもあります。

 

わたしが「体と心が目覚める太極拳」というタイトルをホームページにつけたとき、尊敬している方から「目覚めたい人は、そんなに多いわけではない」と言われたことがあります。

 

目覚めを「悟り」のようにとらえたら、そういうこともあるのかもしれませんが、わたしは大げさなことを求めているわけではないですし、多くの人が目覚めて生きる可能性を、あきらめていません。

 

あきらめが肝心なこともありますし、そう感じたときには、すっぱりあきらめることもありますが、

ここは、まだまだあきらめたくないところです。

 

人の可能性を信じているから、です。

 

 

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いしい まゆみ(道号:静慧)/ みんみん)

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アート

2020.03.12 Thursday

(武当丹剣 Photo by Xie Okajima)

 

平野啓一郎さんの小説が、好きです。

 

「ある男」は、事故で亡くなった夫が、まったくの別人だったことがわかり、その人は誰かを探っていく話で、

「空白を満たしなさい」は、自殺をテーマにしています。

 

どちらも、世の中には、おそらく結構ある状況だと思うのですが、繊細な話題だけに、おおっぴらに話すこともあまりなく、それだけに、悩みや苦しみを閉じ込めて生きている人たちも、たくさんいるのではないか、と思います。

 

その状況にいない人たちは、そのことを思いやるには、あまりに知らなさすぎで、もしもそんな人たちに会った場合、どうしたらよいのかわからず、はれものに触るようになってしまうかもしれません。そしてそれは、相手の傷をさらにえぐってしまうかもしれません。

 

小説のよさのひとつは、当事者に近い状況にいる人、その状況にいない人、どちらにとっても、この話題へのハードルを下げてくれることだと思います。

 

日々の生活の中で、さらっと本を取ってページをめくるだけで、繊細で触れることを恐れてしまいそうな話題に、するっと入っていけます。

 

専門家しか知らない話を、ストーリーの中に入れることで、全然知らなかった面が、見えてくることもあります。

 

状況的には関係ない話であっても、どこか自分とつながる部分を感じられることもあります。

 

生きている人が書いているものは、どれも「生きること」がテーマになっています。だから、それは当然のことなのかもしれません。

 

もうひとつ、平野さんの本を、いいな、と思うのは、愛を感じるからです。登場人物を見ている視線が、とても暖かくて、優しい感じがします。

 

登場人物、そしてその先にある、そんな状況にいる人たちの命を、尊重して、大切にしながら書いている感じがします。

 

何をするにも、やっぱり「愛」がなくちゃね。

 

 

わたしが文学部の大学生だったとき、恩師から言われたことばがあります。

 

「文学は、社会の役に立たない。その役に立たないものをやる意味を、考えなさい。」

 

役に立たない、という意味は、実学ではないという意味です。実学とは、実生活に役立たせることを趣旨とした学問のことで、工学・医学・薬学・農学・法学・経済学・教育学などを指すようです。

 

当時のわたしに意味はわからず、でも、それはきっとそうなのだと思い、そのことばを心の片隅に置いてきました。

 

わからないけれども、「そんな気がする」ことは、一緒に過ごしていくことで、少しずつわかってくることがあります。

 

大学での勉強が楽しかったので、もっと続けたくなり、イギリスの大学院に行きました。最初の頃は授業もありましたが、後半は、すべて自由時間で、ひたすら本を読み、考えて書き、提出してみてもらう、という作業が続きます。

 

書けないという生みの苦しみもありましたが、したいことだけすればいい時間は、すごくしあわせでした。

 

ひとつの単語の意味や、書かれていることばに、ぐぐっと心を揺さぶられて、ひとりでじーんと感動したり。”生きる”ことを、文学を通して、いろんな面から知り、経験して、啓発されました。

 

そのまま学問の道を進むよりも、実社会に出よう(という言い方が正しいのかどうか、わかりませんが)と思い、研究生活は終わらせましたが、

 

そのころテーマとして扱っていたことは、今でもとても大切にしていることで、結局、人は何をやっても、自分にとって大切なところに還ってくるのだなあ、と思います。

 

当時、滞在していた寮は、広い芝生に囲まれた建物で、部屋の窓からは、その季節の色が見えました。

 

芝生と空、それだけの景色ですが、

夏は緑が濃く、秋は枯れた色が混ざり、空気が澄む冬は色がぱっきりして、春になると若々しい黄緑色になり、

同じ場所が、驚くほど違う様子を見せてくれることを、このときに知りました。

 

自然とのつながりを思い出し始めたのは、この経験からかもしれません。

 

イギリスの大学院には、いろいろな人がやってきます。わたしのように、大学を卒業してすぐ来る人もいれば、10年くらい社会人として働いてからやってくる人もいますし、パートタイムといって、1年のうち数か月だけ学生になる人もいました。オープンユニバーシティーという制度を利用して卒業した人も、いました。

 

いろいろ、自由なんだなあ、と思いました。

 

修了するとき、その後を迷っていたわたしに、40歳になって大学に戻ってきた同級生が、「急ぐ必要はない。わたしは、この年になって、どうしても戻りたかったから来た。戻りたくなったら、いつでもできる。」と話してくれました。

 

自分がしたいことは、いくつになっても自由に選べる、と思えるようになったのも、このおかげかもしれません。

 

 

社会の役に立たない文学を学ぶ意味は、それが心を震わせてくれるからだと思います。

 

心というのか、魂というのか。

 

それは直接的に今日のごはんをもたらしてくれるわけではないかもしれませんが、

希望とか、生きる力を与えてくれます。

 

それがなかったら、わたしの心は閉じてしまい、死んでしまうかもしれません。

心が死んでしまったら、体も死んでしまうかもしれません。

 

文学だけではなく、アート(芸術)とは、みんなそういうものだと思っています。

 

 

アートとは、この世にある大切な、見えないもの、みんなが忘れてしまっているもの、隠されてしまっていることを、

 

曇りのない眼で見て、濁りのない耳で聞いて、透明な心で感じて、

 

それをそのまま、それぞれの方法で表現してくことかな、と思っています。

 

曇りのない眼を持つことも、濁りのない眼で聞くことも、透明な心で感じることも、それなりに鍛錬が必要で、

 

それを表現していくための技も、必要ではないか、と感じます。

 

それは、子供の純粋さを持ち続けることでもあると思いますが、

 

子供が、その純粋さを持ち続けるのは、なかなか難しかったりします。わかってもらえなかったり、周りから浮いてしまったり、多くの人が良しとすることに強い反発を覚えたり、狭い子供の世界では、自分の居場所がない苦しさを感じることもありましたし、

 

自分の大切な思いを隠して生きたことも、あったと思います。

 

それはそれで、社会の中で生きることを学ぶという以外にも、いろんな人がいて、いろんな考えがあることを知るためには、通るべき道でもあると思いますが、

 

大人になることは、その子供の純粋さを取り戻せるときだと思います。

 

生きる場所は、自分の選択で広げられますし、多くの人が良しとすることにも、反発するよりも「あなたはそれが大事なんだね」と理解を示せるようになります。「でもわたしは、これを大事にしたいんだよね」と自分の大切なものを大切にする強さも、持てるようになります。

 

子供もいいけれど、

大人になることも、いいですよね。

 

 

武道である太極拳も、アートだと思っています。それはわたしなりの表現方法で、大切なものを大切にする方法で、人に伝える方法でもあります。

 

小説や映画や音楽から、生きる希望や勇気をもらえるように、

太極拳からも、生きる力をもらっています。

 

 

生きることは、それだけで、すばらしいです。

 

そして、誰でもみんな、愛されていることを、忘れずにいられますように。

 

 

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太極拳が教えてくれる 人生の流れに乗るコツ

2020.03.11 Wednesday

 

(熊野 那智の滝)

 

太極拳は、体を動かしてすこやかにしたり、心を静めて穏やかにするだけではなく、

生きることを教えてくれます。  

 

「人生の流れに乗る」という言い方がありますよね。

 

自分でせっせとボートを漕がなくても、流れにのってスイスイと、良い方向に進んで行く感じです。

 

流れに乗るのと、流されるのとは、違います。「自分の軸を持って、流れにのる」(2019年9月13日)では、太極拳の立ち方から、流れに乗る方法を書きましたが、最近は、これに加えて大事だと思っていることがあります。

 

頑張るところ、行動するところと、

放っておくところ、流れに任せるところを、区別することです。

 

生徒さんを見ていて思うのですが、実はみんな、頑張ることは得意です。

「頑張っていない」と言う方も、十分、頑張っています。

逆に不得意なのは、放っておくことです。

 

太極拳では、足は”実”と”虚”に分かれます。

ざっくり言うと、体重が乗っている足が”実”、体重がかかっていない足が”虚”です。

 

気をつけたいのは、「体重が乗っている」というと、下に沈みこむように乗せてしまう人も多く、

これではひざに体重がかかってしまい、痛める原因にもなりかねません。

 

地面を押している足が”実”、押していない足が”虚”、と言う方がいいかもしれません。

 

体重が乗っている、もしくは地面を押している”実”の足には、力があります。

 

たとえば下の図の場合、”虚”の足を前に出して、”実”の足のかかとを、ぐっと斜めに地面を押すことで、前に移動します。

大切なのは、”虚”の足が緩んでいることです。

 

”虚”の前足のひざの形が変わっていくのが、わかるでしょうか。

 

 

 

 

(All photos by Xie Okajima)

 

前足を出したら、ひざは緩めておきます。

このときのひざは、水の性質を強く持っていると思っています。抵抗せず、状況に応じて自由に形を変えていきます。

後ろ足のかかとを押すと、それに応じて前足のひざの形は、受け身的に変わっていきます。

 

頑張るのは後ろ足で、放っておくのは前足です。

これで、足から体を通って力が伝わり、左腕が前に膨らむ力が出ます。

 

でも、このとき、多くの人がひざを固めてしまいます。

 

お稽古では、わたしが「前足を出して、ひざを緩めて」と言うためか、ひざは、ちょっと緩みます。問題は、その後です。

 

ひとつのパターンは、前ひざを積極的に動かしてしまうことです。自分で動かすと、フレキシブルな水の性質は失われます。

 

もうひとつのパターンは、その緩みのまま、ひざを固めてしまうことです。すると前足が突っ張って、後ろ足を押した力がうまく伝わらず、股関節のあたりで折れてしまいます(骨盤が横にずれる、と言えばわかるでしょうか。わずかですが、体がくの字に曲がります。)

 

それでは、腕に力は生まれません。

 

つまり頑張った成果が出ないのです。体に無駄な緊張も出るため、全身の巡りも疎外されます。

 

関節は曲がるようにできていますが、自分で曲げると、緊張を呼んでしまいます。

緩めておいて、いつでも必要なときに曲がるように、水のような性質を持ち続けることが、ひざの特性を活かすコツで、成果を出す(力が出る)コツでもあると思っています。

 

やってみると、いろんな発見があるかもしれません。

 

「つい、すべてやろうとしてしまう」とか

「放っておくことが、できない。自然と動くと、信じていない」とか

「前足に体重が乗ってくるのに、しっかりしないと支えられない不安がある」とか

 

感想から、自分の生きクセも、見えてくるかもしれません。

 

もしそれをやめたいなら、まず気づくことです。太極拳で人生の疑似体験をしておくと、役に立つこともあるかもしれません。

 

お稽古中こんな話をしていたら、生徒さんが「太極拳だと、頑張るところ、放っておくところは区別できるかもしれないけれど、人生ではどうやって区別したらいいのかわからない」と、言いました。

 

今、わたしが区別するヒントになるかな、と思っているのは、辛さや苦しさです。

 

自分のことを振り返ってみると、流れに逆らっているときは、とにかく辛く、苦しかったからです。無理なものを、なんとかしようとして動けば動くほど、苦しさが増します。執着ですよね。

 

もちろん、なんでもやればうまくいくわけでもないですし、大変なこともありますが、

 

「大変なことはあっても、やりたいからやるし、楽しい」という状態と、

「一生懸命やっているけれど、辛くて苦しい」とでは、だいぶ違います。やりたくて始めたことでも、後者の場合、やる気を失ってしまうこともあります。

 

人は、行動する生き物です。

 

自分軸をしっかり立てて、周りに振り回されないことも大切ですし、その自分で「こうしよう」と選択して、行動していくことも大切です。

 

そのとき、全部を自分が動かさなくても、最初の押し出す力を受けて、うまく動き始めることもあるのだとわかっていると、いいかもしれません。

 

何か停滞しているとき、「とにかく動いてみる」という考え方もあります。その行動が、直接成果を生まなくてもいい、と言います。

 

それもきっと、その行動がきっかけで、何かが触発されて、うまく自然に動き始めることもあるからかもしれませんよね。行動したことが直接、成果につながらなくてもいい、と思うと、ホッとしませんか?

 

人間関係でも、あります。

 

自分が動くと、それに影響されて「わたしもやってみる」と、他の人が動き始めること、ありますよね。

 

誰かを動かそうと尽力することも、必要なときもあるかもしれませんが、

自分がすべきことをするだけで、周りが勝手に動き始めるのは、いいと思いませんか?

 

放っておくほうが、うまく動きだすこともあります。

 

頑張っているのに、辛かったり、もやもやが続いたりしている人は、無理にやりすぎてしまっているのかもしれません。

そうしたいときも、あるのですけどね。

 

 

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体温をあげよう

2020.03.05 Thursday

 

(中国 湖北省 武当山)

 

毎日、新型コロナウィルス感染症のニュースでもちきりですね。

 

状況は刻々と変わりますし、必要な情報は取るべきだと思いますが、あまりにすぎると、起きていないことへの恐怖にとらわれて、不安が不安を呼んでしまうこともありますよね。

 

絶対に自分はかからないわけではありませんが、

絶対に自分はかかるわけでもありません。

 

状況を見ると、インフルエンザにプラスされているため、今年は病気リスクが高そうですので、わたしは普段よりも警戒レベルを上げて、しっかり予防をするようにしています。

 

警戒レベルを上げるとは言っても、外国旅行に出たときのような感じです。日本にいるより、スリなどの被害にあう確率が高くなりますし、ぼんやりしていると知らずに危険な場所に入り込んでしまうこともあります。中国では交通事故にあっても、道行く人たちが救急車を呼んでくれないことも多い(なぜなら、犯人にされてしまうから)ため、「自分の身は、自分で守る」という意識をより強く持ちます。その程度です。

 

栄養を取る、よく休む、水分を取る、手洗いとうがいをしっかりする、軽く運動する、など、できる予防をして、あとは心やすらかに、淡々と暮らすのがよいと思っています。

 

インフルエンザもそうですが、菌に触れても、本人の免疫力が強かったりすると、発症しないで済むこともあるでしょう。

 

菌は存在しているのですし、もちろんそれを駆除すべく、あれこれ手を打ち、収束していくことが望ましいですが、

 

それはそれとして、普段から免疫力を上げておいたら、リスクは減らせますよね。

 

免疫力の目安になるのは、体温です。

 

以前、中医学の先生から「黄帝内経」を習っていたときに、教わったことを、かいつまんで書いてみようと思います。黄帝内経とは、中国最古の医学書、養生書です。

 

 

健康体温、ご存じでしょうか?

 

36.5〜37℃です。

 

「えっ!」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。今は平熱が36℃ない人も、かなりいるようです。生活習慣のせいでしょう。

 

平熱が健康体温よりも低い場合は、低体温です。低体温は危険で、さまざまな病気を呼んでしまいます。

 

低体温と冷え性は違うのです。冷え性では死にませんが、低体温では、死ぬこともあります。

 

体温と免疫力の関係でみると、

 

体温が1℃下がると、免疫力が30%下がります。血流が悪くなり、新陳代謝が悪くなり、さまざまな障害が生じ、病気を引き起こします。

 

ガンは、低体温の35℃だいだと発生しやすいそうです。また血栓も、体温が正常なら起きにくいそうなのですが、体が冷えてしまうと、できやすくなるそうです。

 

逆に、体温が1℃上がると、免疫力が5−6倍に高まります。もともと人に備わっている、病原体を発見して、正常に戻ろうとする力が働きます。

 

 

冷える原因としては、次のようなものがあります。

・衣服

・食生活の乱れ

・室内環境(暖房と冷房)

・運動不足による筋力の低下(筋力量不足)

・シャワー

 

衣服

寒い冬に、お腹を丸出しにしていると、冷えますよね。手のひらをお腹の素肌に当ててみて、お腹の方が冷たかったら、冷えています。簡単な改善方法としては、腹巻です。むかーし、わたしもお腹の方が冷たかったとき、絹の腹巻をしていたら、短期間で改善しました。

 

絹の腹巻は、冬だけではなく、夏も、冷房で冷えている場所などで活躍してくれます。

 

お腹を冷やさないために、パジャマの上着のすそをズボンに入れるのも、おすすめです。子供みたいですが、大丈夫、誰も見ていません。

 

背中を冷やさないことも、大切です。首の付け根と両肩を結んだ横のラインから、腰を結んだ逆三角形のエリアは、冬には絶対に温かくしておきたいところです。首にもマフラーやスカーフを巻いて、温めます。

 

 

食生活

水分をしっかりとり、栄養を取ることです。

 

通常の風邪でもそうですが、熱を出したら、とにかく水をたくさん飲みます。水が、すぐれた解熱剤になってくれます。

 

インフルエンザや感染症の場合、殺菌作用のある菊花茶も、おすすめです。ちょっと怪しいと思ったら、大量に飲んで、おふとんをかぶって、汗もどんどん出してしまえば、発症せず済むこともあります。

 

冷えるとトイレに行きたくなりますよね。あれは水を出して熱を守ろうとしているからだそうです。体は、今この瞬間を守ろうと働くことはできますが、それによって先にどうなるかまで、予測して働くことは難しいようです。冷えないようにしながら、水分もちゃんと、こまめにとりましょう。「のどが渇いた」と思ってから飲むのでは遅い、と言う話もありますので、渇く前に飲む習慣いしたいですよね。

 

朝起きたときに、温かいお湯を飲むのもおすすめです。睡眠中、血液から発汗して、血はドロドロになります。粘っこくなった血液は、心臓や肺に負担をかけてしまいます。流れが悪いと、血管壁に圧もかかりやすく、動脈硬化にもなりやすくなりますよね。このとき、冷たいお水よりは、ぜひ温かいお湯にしましょう。

 

お湯は外出時も、おすすめです。「冷えたな」と思ったとき、温かいお湯を飲むと、体の中からぽっこり温まります。外から(衣服)だけでなく、中からも温めること、大事です。

 

食事も、大切です。冷やさないためには、冬にとれるものを食べます。トマトやキュウリなどの夏野菜は、しゅーっと体を冷やします。

 

朝食も大切です。中国に行ったとき、「お腹すいていないから、いい」と、朝食をパスしようとしたら、気づいたら朝ごはん屋さんに連れていかれていました。「朝ごはんを食べないのは、体に悪い。」と。

 

胃に食べ物を入れない時間があるとよいという考えもありますし、自分なりのリズムもあるかもしれません。それらを否定するわけではありませんが、ここでは、朝食を食べる大切さを、書きます。

 

3食の中で、いちばん人の体に影響するのは、朝食です。10時間以上食べておらず(通常であれば、睡眠中ですから)、寝ている間も1000キロカロリー以上、失っているそうです。生きていくために最も重要なエネルギーを、補給しなければなりません。

 

これから活動していく朝は、しっかり炭水化物を取って、備えることが必要です。

 

長い間、朝食を取らない場合、脳に影響が出たり、消化器系統に影響が出たりすることもあるようです。

 

大脳は、全体重の2−3%と小さいのですが、どこよりも大量の血液(800CC/分)と酸素が必要です。低血糖になると、胃腸から補給することになり、胃腸に負担がかかってしまいます。

 

子供の場合、低血糖が長引くと、大脳の重さや形態の発育に影響が出る、とも聞きました。

 

大人でも、脳は使いますよね。脳の機能が低下すると、全身の機能が低下します。

 

消化器系統への影響は、というと、正常なら前の晩に食べたものは、6時間で消化・吸収され、胃が空っぽになります。朝になると「これから食べてくれるよね」という期待のもと、胃酸が分泌されて、食欲をもたらします。胃腸のぜん動運動も始まります。

 

胃酸が出ているにも関わらず、何も食べなかったら、胃酸が胃の粘膜を溶かしてしまいます。それが胃炎や胃潰瘍を引き起こすこともあります。リズムどおりに食べることで、胃酸から胃袋を守るシステムが働いているのですが、そのシステムが壊れてしまいます。

 

胃腸を損なうことは、老化につながります。

 

なお、ご参考まで、寝る前の夕食は、炭水化物は不要です。夕食に炭水化物を食べると、消化に時間がかかり、目覚めるときに、まだお腹がすかなかったりします。実際わたしは、夜の炭水化物を抜く方が、朝、お腹がすいて起きられるようです。

 

「お腹すいたっ!」と起きる=健康、です。

 

 

室内環境(暖房と冷房)

暑い夏には冷房が必要ですし、寒い冬には暖房が必要です。ただし、冬のあっためすぎ、夏の冷えすぎは、禁物です。たとえば冬は「寒い」と感じることも、自律神経を正常に働かせるためには必要です。

 

中国にお稽古に行くと、どの季節も外でお稽古します。(ただし夏は、太陽が高くなる正午から午後4時くらいまでは、お稽古しません。)冬は、セーター、ダウン、マフラー、手ぶくろ、帽子など、もこもこ着て、外に出ます。薄着に見えると、「寒いんじゃない?着たら?」と言われます。

 

動くと暑くなるので、こまめに上着を脱ぎ着して調節することが大切です。

 

わたしは、寒いな、と思っても、「ま、いいか」とそのままにしてしまうこともあるのですが、兄弟子を見ていたら、かなりまめに着たり、脱いだりをしていました。

 

わたしより、ずっと若く、ずっと健康そうな人が、こまめに脱ぎ着しているのです。わが身を振り返り、ものすごく反省しました。

 

面倒がっては、いけません。「ま、いいか」というのも、自分の危機管理能力、感覚の鈍さですよね。鈍いからこそ気づかないのですが、それなら、なおさら、まめを心がけないと、ですね。

 

 

適度な運動

血が巡れば、体温は上がります。そのためには、筋肉も大切です。

 

心臓は、だいぶ上の位置にありますよね。立っている人間で、そこまで血液を上げていかなければならないのは、大変です。もちろん心臓はポンプの動きで、血液を押し出しますが、ひとりでは無理です。

 

足の筋肉は、血液を上に送る役割をする、と聞いたことありませんか?

 

心臓は、筋肉の助けも借りる前提で、働いています。筋肉がなくて、助けてくれないなんて「聞いてないし」ですよね。心臓だけで頑張りすぎると、血管壁に圧がかかりすぎて、動脈硬化を起こしかねません。

 

足を鍛えることは、大事です。

 

站椿功(立禅)とか太極拳は、足の必要な筋肉を鍛えてくれますし、体の無駄な緊張を取り去ることで、全身に血液が巡ることを応援してくれます。

 

健康とは、毛細血管まできれいな血液がいきわたっていること、とお医者さんが言っていたことがあります。毛細血管まで血液がいかないと、その毛細血管が機能しなくなるようなので、常日頃から、はじっこまで巡らせることが大切です。

 

動くと、すっきりする、というのもありますしね。うつうつとした悩みや、頭のぐるぐるも、お休みできます。

 

 

お風呂に入る

面倒で、もしくは苦手で、シャワーで済ませる方もいらっしゃいますが、お風呂に入ることも大事です。

 

お風呂に入って、発熱することで、体温が上昇します。

 

適温は38℃〜41℃くらいです。このくらいだと、副交感神経が刺激されて、リラックスすることができ、明日の元気を引き出してくれます。

 

42℃以上だと、交感神経刺激されて、身体の活性化にはなりますが、心臓や肺、脳に問題のある人は、逆効果になります。問題がある人は、お医者さんに相談してください。

 

お風呂の良さは、水圧がかかることです。水圧がリンパ、血管を刺激して、働きを活性化してくれます。リンパも血管も、拡張すれば(広がれば)、苦労せずにすみずみまで届きやすくなります。

 

お風呂には、溶解性もあり、血栓を溶かす作用もあるようです。血栓は、誰にでもあるそうですが、温熱で大きな血栓を小さくすることで、浄化作用が働きます。

 

さらにお風呂に入ると免疫作用が働いて、白血球の強化にもなり、病気になりにくい体になります。

 

体の中にある汚れも、外に出せますしね。

 

 

こう見てみると、そんなに大それたことは、ひとつもありませんよね。

 

人の機能を正常に働かせるためのことに、そんなに大変なことがあるわけはありません。

 

この機会に、もし知らなければ平熱を計ってみてくださいね。低い人は「免疫力が落ちている」と、ぜひ認識してください。日頃から免疫を上げておくことで、今のようにリスクが高くなっているときでも、慌てずに淡々と過ごしやすくなるのではないでしょうか。

 

すべては日ごろのケアから、です。

 

これまでにやっていない人も、今からぜひ、です。

 

 

【3月の特別クラス】

3月8日(日)15:00-17:00「はじめての形意拳」(九品仏)詳細とお申込方法はこちら

 

3月15日(日)14:00-16:30「たのしい太極扇」(池尻大橋)詳細とお申込み方法はこちら

 

3月28日(土)14:00-16:30 「ホントにはじめての武当太極拳・気功(池尻大橋)詳細とお申込方法はこちら

 

3月29日(日)14:00-16:30  「やさしい站椿功」(池尻大橋)詳細とお申込み方法はこちら

 

 

「陽だまり」とは

「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、りん、とした印象もあります。人が集って、一緒にお茶でも飲んでなにげない話をして、ほっとする場所でもあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

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いしい まゆみ(道号:静慧)/ みんみん)

太極道家

講座のご案内は、こちらから


3/8(日)・4/26(日)【特別クラス】はじめての形意拳

2020.03.04 Wednesday

 

形意拳とは、内家拳である武当功夫(太極拳、形意拳、八卦掌)のひとつです。

 

見た目にはハードで、直線的に進み、打法も早いスピードで繰り出されます。これは、「勁」を学ぶために、体得するために有効です。

 

「勁」とは、中国武術特有の用語で、ざっくり言うと「力」とも言えるのですが、一般に思う「力」とは異なります。

 

「力」とは、もともとの筋力、そして筋力強化のトレーニングによって生み出されるもので、

「勁」とは、全身の合理的な協調運動によって生み出される力、少ない労力で合理的、かつ最大限に発揮する力、です。

 

形意拳を習いたてのころは、「力づく」でやろうとしがちです。でも力むと緊張が生まれるため、スピードも遅くなり、威力も出ません。そもそも、体が持ちません。「これでは、やっていられない、どうにかしないと」と、だんだん無駄な力みに気づいては抜いて、を繰り返していきます。

 

そのうち、少しずつコツがつかめてきて、楽に動けるようになってきます。

 

形意拳の練習は、太極拳にも役立ちます。このふたつは、次のように対比されることがあるのです。

 

太極拳は、見た目には柔らかいけれども、中身は強く、

形意拳は、見た目にはハードだけれども、中身は柔らかい。

 

太極拳は、見た目がゆっくりで柔かいためか、中の強さがないまま、練習されている場合が見受けられます。また、中の強さがないために、外側が緊張して硬くなる場合もあるようです。

 

形意拳を、体の内側が柔かいまま、スピードのある直線的な強い動きができるようになると、

太極拳は、体の内に強さを持ち、見た目はゆったり柔かい動きができるようになります。

 

さらには、形意拳の体の使い方は、中国語で「阻力」という、武当功夫特有の力の出し方の練習にもなります。「阻力」とは、直訳するなら抵抗力ですが、わたしの感覚では、反発力です。

 

形意拳には、三体式という站椿功(静功)、基本の五行拳、そして12の動物の形の套路があります。このクラスでは、基本の五行拳のひとつと、三体式、そして基本の歩法を練習していきます。

 

初心者でも、経験者でも、どなたでも大歓迎です。みなさまのご参加、お待ちしています。

 

【こんな方におすすめです】

・形意拳やってみたい方

・太極拳の練習に行き詰っている方

・爆発力のような力の出し方に、触れてみたい方

・体の緊張やこわばりに悩んでいる方

・体をスパッと動かして、すっきりしたい方

・しなやかで強い体に憧れる方

 

≪参考ブログ≫

※形意拳に関するブログは、こちらから(太極十年不出門、形意一年打死人)

※今年の5月に武当山にお稽古に行ったとき、早朝の練習は形意拳でした。そのお話は、こちらから。

 

 

日時と場所

・3月 8日(日)15-17:00

 東急大井町線 九品仏駅から徒歩約3分(詳細は申し込まれた方にお知らせします)

・4月 26日(日)14:30-16:30 

 京王井の頭線 池ノ上駅から徒歩約7分(詳細は申し込まれた方にお知らせします)

 

内容:形意拳の基本クラス

   ・三体式(形意拳の基本練習・站椿功)

   ・五行拳(5つの基本形)

   ・歩法 など

 

費用:4,000円(チケットご利用の方は、1チケット+1500円でもご参加いただけます)

    ※当日、お支払ください。

 

服装と持ち物:ストレッチのきいたパンツ、Tシャツ(長袖、半袖)、靴下、室内履き、タオル、飲み物

 

お申込み方法:minminkungfu☆gmail.com(☆を@に変えてください)あてに、お名前、ご連絡先(お電話番号、メールアドレス)をメールでお送りください。口頭やメッセージなどで、直接お申込みいただくことも可能です。

 

 

 

☀「陽だまり」とは

「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、りん、とした印象もあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

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いしい まゆみ(道号:静慧)/ みんみん)

太極道家

講座のご案内は、こちらからどうぞ

 

体と心が目覚める太極拳(http://minminkung-fu.com/)

ブログ: みんみんの陽だまり太極道日記(http://blog.minminkung-fu.com/)

日々の好きなものを投稿するInstagram:Instagram(@mayuminmin927)



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