映画「プラネタリー」の上映会を開催します(6月17日)

2017.05.17 Wednesday

 

「プラネタリー(Planetary)という映画があります。初めて観たとき、ここにはわたしが忘れたくないこと、自分の中心に持っていたいことが、たくさんつまっていると、感じました。

 

だから、たくさんの方に観ていただきたいと思い、6月17日に上映会を開催します。日本語字幕製作チームの塚田康盛さんをお迎えし、上映後には、映画で感じたことを深めていく対話のお時間も用意しています。

 

映画は、1968年、アポロ8号に乗って月に向かった宇宙飛行士たちが、初めて地球を目にしたところから始まります。青く美しく丸い星はもちろん、宇宙飛行士たちと、地球から見守るたくさんの人々の表情も、とても印象的です。

 

毎日の生活の中での自分の視点をミクロとすると、青い地球を見ているのはマクロの視点です。それは、普段の生活では忘れがちなことを思い出させてくれます。

 

生態系は、毎日100〜300の種が絶滅しています。種の絶滅は、生態系のバランスを崩していきます。この先の子孫の世代が、今と同じように地球に住めかどうかは、わかりません。

 

映画では、危機に瀕しているのは生態系だけではなく、人々の”物語”も危機に瀕している、と言っています。

 

わたしは誰で、地球と、どう関係しているのか。

 

人は地球の”上”に立ち、他の生物の”上”に位置づけてきました。人を中心にして、資源を生成できるスピードよりも早く、多く、消費しているのも、そのひとつの現れでしょう。それは地球と人、他の生物と人、人と人が分断されている感覚につながり、”個”を育て、競争を生みます。これは社会の経済的発展を支えてきたものでもありますが、同時に”孤独”も育ててきました。現代の都会に暮らす人の大きな問題は、分断されていること、孤独であることです。

 

でもマクロの視点から見ると、人は地球という進化し続ける惑星の、変化し続けるシステムの一部で、その流れにくみこまれています。人が主導権を握っているわけではありません。すべてはひとつにつながっています。その”つながり”を思い出すことが、危機に瀕している今の方向性を変えていく鍵になるのだと思うのです。今までの物語は幻想なのだと知り、その夢から覚めていくときです。

 

地球規模のさまざまな困難や危機的状況を知れば知るほど、あまりのスケールに、自分ひとりの行動では変わらないだろうと思ってしまうかもしれません。

 

でも、ベルリンの壁の崩壊や、アパルトヘイトの解放など、過去には想像を超えた現実がいくつも起きています。はじまりはひとりかもしれませんが、同じように行動する人が増えたときには、一気に動きだします。ちょうど、コップに一滴ずつ水がたまっていくときのように、です。少しずつしかたまっていきませんが、あふれるときは一気に、遠くまで流れ出します。

 

この映画は、”ひとり”がひとりではないことを思い出し、”つながり”を取り戻す、ひとつのきっかけになると思っています。

 

映画を観た後にお話をする時間も、きっと味わい深い時間になると思います。まだ観ていない方はぜひ、すでにご覧になった方もぜひ、どうぞ。みなさまのお越しをお待ちしています。



プラネタリー予告編:https://youtu.be/ MVphbThqQcg...
プラネタリーWEBサイト:https:// planetary.localinfo.jp/

 



☆日時:2017年6月17日(土)18:30〜21:30 (15分前開場)

☆場所:森のスタジオ(溝の口、フィオーレの森)
神奈川県川崎市高津区久本1-16-30 メゾン・ド・リラ2F  MAP

☆内容:

 ・ご挨拶
・「プラネタリー」上映会(80分)
・対話のお時間(60分)

☆参加費:無料
※当映画の日本語版の普及のための寄附をお願いしており ます。上映後に寄付を頂けますと有り難いです。

☆参加申し込み: Facebookイベントページの参加ボタンを押すか、こちらから「プラネタリー上映会参加希望」とお書きいただき、ご連絡ください。

 

☆定員:35名さま

☆ご案内する人:
塚田 康盛 さん
NPO法人セブン・ジェネレーションズ前代表理事
1951年兵庫県西宮市生 2006年家業の経営から隠 退。
2009年より、持続可能で公正な社会を築く活動を開始
2011年3月、NPO法人セブン・ジェネレーションズ を仲間と共に設立。
2014年まで代表理事 現在も同法人の運営に携わる。
2016年「プラネタリー」の日本語字幕版を同映画の制 作者の許可を得て制作、上映会を日本各地で開催中

NPO法人セブン・ジェネレーションズWEBサイト:http:// www.sevengenerations.or.jp/

 


☆主催:
いしい まゆみ

 

 

 

☀「陽だまり」とは

ブログタイトル「みんみんの陽だまり太極道日記」の「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると素晴らしく居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、どことなくキリリとした印象もあります。太極拳を通して、こんな時間と空間を創っていきたい、陽だまりにつつまれて暮らす人、心身ともにゆとりある人を増やしたい、と思っています。

 

........................

いしい まゆみ(道号:静慧 / みんみん)

太極道家

体と心が目覚める太極拳(http://minminkung-fu.com/)

講座のご案内は、こちらからどうぞ

 

このエントリーをはてなブックマークに追加

 


「陽だまりの人」小杉瑞穂さんのインタビューを終えて

2017.05.10 Wednesday

 

 

陽だまりの人Vol.2 小杉瑞穂さんのインタビューは、こちらからどうぞ。

 

曹洞宗の僧侶であり、小杉瑞穂さん(こーさん)主催の「坐禅の会」にはじめて参加したのは、2年半前のことです。昔懐かしい縁側のある民家で行われた会は、みんなでお掃除することからはじめ、食事を作り、いただき、坐禅をする、という流れでした。

 

お掃除の最中、こーさんが繰り返し言っていた言葉があります。「頑張りすぎないように。」その言葉が聞こえるたびに、ふっと緩むのを感じました。言い続けないと、人はつい、頑張ってしまうのですよ。

 

こーさんは、通常は僧侶の卵のみなさんの先生をされていますが、それ以外に、柔かく穏やかな坐禅を広める活動をされています。わたしが参加した会も、そのひとつでした。

 

この会の印象は、”なんでもあり”です。「寝てしまったら、それでもいいのですよ。」疲労しているときにゆっくり眠れたなら、それが一番でしょう、と。

 

体の使い方や、心の在り方など、わたしが大切にしている太極拳にも通じるものがあるように感じて、「一緒にやりましょう」という話になり、昨年の冬に1回目を、今年の春に2回目を開催しました。

 

坐禅は、こーさんが言うように、目的や意味を持たせるものではありません。「こう坐るのです」と説明したら、それで終わりで、あとはただやるだけです。こんな境地になる、という説明もしません。それを「外から何かを付けるというよりも、皮をむいたら中で光っているものに気づいた、というイメージがある」と話していたことがあります。

 

世の中には、「これをやったらこんな効果がある」という説明で溢れています。それを先に示すことで、やってみようかという興味がわくこともあります。忙しい毎日、”選択”して生きる中では、より有効な選択をしたいという気持ちも働くかもしれません。そのための判断材料が欲しいと思うのは、当然のことかもしれません。

 

でもわたしも太極拳をやっていて、明確な達成目標を掲げて目指すのは、何か違う、とよく思うのです。

 

理屈ではなく、何を得るとかそういうことでもなく、それをすることを通じて、「あぁ、いい時間だったなあ」と思ったり、そのときに感じた心地よさが、生きていくうえでのベースになるような気がするのです。そしてそれは「これで終わり」という達成点はありません。一生、続きます。修行とは、そういうものなのでしょう。

 

明快な目標があるわけではないため、一般的にはとっつきにくいという点は、坐禅も太極拳も、共通していると思います。そのままでは、やってみる人は限られてしまいます。もっと広く多くの人に体験してもらいたい、坐禅の未経験者がいないようにしたいという気持ちが、こーさんのこんな活動につながっているのは、とても共感できます。知ってもらう工夫をすることは、それをやっている人の、とても大切な役割なのかもしれないと思っています。

 

そしてその根底にあるのは、「坐禅は、よい」という信念のような信頼、想いのように、感じます。

 

ここで言う「よい」は、「良い、悪い」の良いではなく、自分がやったらよかったから、みんなやったらいいのに、というようなもので、言葉ではうまく表現できません。理屈ではなくて、よいからやってみようよ、というのが近いかもしれません。

 

何を習うかとは別に、誰に習うかも、大きなポイントだと思っています。わたしの場合は、「何」よりも「誰」の比重の方が、はるかに大きい気がします。そのときには、「○○に良いから」という効果ではなく、それをやってきたその人の経験や体験からにじみ出てくるようなものを、どこかで感じているのかもしれない、と思います。

 

インタビューでは、こーさんの坐禅に対する見方の変化や、身体の探究の話も出てきます。でもそれを一つひとつ聞かせてもらわなくても、目の前にいるこーさんの存在から感じることは、たくさんあります。

 

こんな交流は、とっても素敵です。

 

インタビュー中、最初のヨガインストラクターとのコラボでは「坐禅前の体をほぐす時間をヨガでやってもらえるなら、それはとても都合がいい」とおっしゃっていますが、この春、一緒に開催した「青空坐禅と太極拳の会」では、こーさんに体をほぐす時間を担当していただきました。

 

第1回目は、「体をほぐしてからのほうがいいから、太極拳が先ですね」と、太極拳→坐禅という順番でしたが、2回目は、「やってみたことがない順番でやってみたら面白いかも」という話になりました。わたしとしては、ほぐすパートも、こーさんにやっていただけるなら、とっても都合がいい(笑)と思ったのです。コラボならではの特典?です。

 

そんな新たな試みも含めて、楽しく、心地よい時間でした。

 

「今日はよかったな、楽しかったな」とか「またやってみたいな」とか、そんなことをもっと多くの方に感じてもらえるように、またご一緒できたらうれしいです。また次回は、新しい何かが生まれるかもしれません(し、生まれないかもしれません。どっちでも、良いのです。なんでもあり、ですからね。

 

感謝をこめて。

(こーさんのリードで、みなさんが体をほぐしているところ ^^)

 

☀「陽だまり」とは

ブログタイトル「みんみんの陽だまり太極道日記」の「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると素晴らしく居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、どことなくキリリとした印象もあります。太極拳を通して、こんな時間と空間を創っていきたい、陽だまりにつつまれて暮らす人、心身ともにゆとりある人を増やしたい、と思っています。

 

........................

いしい まゆみ(道号:静慧)/ みんみん)

太極道家

体と心が目覚める太極拳(http://minminkung-fu.com/)

講座のご案内は、こちらからどうぞ

このエントリーをはてなブックマークに追加

 


「葉山の海辺でこどもに還って遊ぼう!」開催しました(bouquetプレオープンイベント)

2017.05.10 Wednesday

 

5月5日のこどもの日、よく晴れた中、葉山に新しく誕生するbouquet(ブーケ)のプレオープンイベント「自分に還り、自分を生きる葉山の休日」が開催されました。

 

ブーケを立ち上げるのは、株式会社LIBERA seeds代表の吉川美有紀さんです。花の種は、お日様を浴び、水分を吸収してぐんぐん成長し、準備ができたら自分の花を咲かせます。人も、そんな自然の力を備えています。葉山という自然あふれる地で、太陽と海と木々の恵みを存分に受け取って、自分の花を咲かせていく人がたくさん増えていってほしいという願いを、カタチにしようとしています。

 

イベントは5日、6日の2日間で、わたしが担当した「海辺でこどもに還って遊ぼう!」のほかにも、”自分に還る”をテーマに、トークショーや対話会、ヨガの時間などがありました。これからブーケが作っていきたい"場”を、ゆったりじっくり体感していただくような時間になったと思います。

 

この日のために、どんなことをする?という相談を受けたとき、思い浮かんだのは、「思いっきり、こどものように遊ぶ!」でした。こどもの頃は誰でもやっていたはずの、大きな声を出したて走り回ることも、大人になると、なかなか機会がないかもしれません。でも、この日はこどもの日、思う存分、遊びます!

 

最初は体と心をほぐす時間です。ガイコツ体操(別名、ぶらぶら体操)で手足をほぐし、全身軽く動かしてから、”あずきバック投げ”です。あずきが入った布バックを投げて、キャッチしてもらうのですが、このとき「バシッ!」という音が出ないように、柔かくキャッチします。「あずきバックとケンカしないように、優しく受け取ってね。」投げるときも、腕をぐるぐると回したりして、力を入れずにぽーんと投げます。

 

みなさん、すぐに慣れて、投げるのも受け取るのも、とっても上手。人がいないところに投げて「ごめんなさい」と、大人な発言をされる方もいらっしゃいましたが、いえいえ、いいのですよ。遊びですから。

 

体が温まったところで、次は中国式の鬼ごっこです。なかなか手ごわかったのは、ルール説明です。言葉で説明したところ、「わかりません!」という大きな声。それではと、わかった方たちにお手伝いいただいてデモをしたところ.....「わかりません!デモやってください!」という大きな声(笑)。「えっと......これがデモなのですが.....」いえいえ、わかりました、何度でもわかるまで説明しますよ。わからないと素直に言えることは、こどもらしさのひとつです。良い傾向ではありませんか!

 

(説明中)

 

ようやくスタートです。鬼ごっこなので、走る、走る!いつ自分が逃げる番になるか、ドキドキ感も満載です。(注:鬼ひとり、逃げる人ひとり、というゲームです。)反射神経も必要です。鬼がタッチして安心していると、次の鬼にタッチしかえされて、また鬼になってしまうことも。鬼と逃げる人の駆け引きも面白かったです。みなさん、よく笑い、よく走りました。

 

次は、海に向かってラインダンスです!

 

 

みんなで肩を組み、右足10回上げ→左足10回上げを、2セット。もちろん笑顔でやります。ちょっとハードな挑戦も、みんな一緒に笑顔でやれば、乗り切れます。これ、脚の後ろ側を柔かくする効果もあるのです。終わった後の前屈は、最初よりスムーズでした。

 

だいぶ遊んで心と体がほぐれたところで、心と体を感じてつながる”立つ”ワークです。大地に根をはり、天に向かっ真っすぐ伸び、

自分軸を作って、地球の上に立つ安心感を感じていきます。先ほどまでとはガラッと変わり、静かに自分を感じ、自然を感じ、地球を、そしてつながりを感じていきます。

 

最後は、陰陽の理論で動く体験として、太極拳の基本功の体験です。水が上から下に流れるように自然に動けば、無駄な力を使わずに済みます。そしてシーソーの片方を下げれば、もう片方が自然に上がるように、下げる(陰)を作れば、上がる(陽)は自発的に発生します。これが少ないエネルギーで大きな力を出すコツです。

 

シンプルな動きを、陰と陽を意識しながら動きます。そして意識も、大きくひろげていきます。自分の動きで体の周りに球体を作りだしていき、海と山に囲まれた葉山に、そしてもっと広く海の向こうにまで、その球体が広がっていくことも感じてみます。

 

 

遊んだら、お腹がすきました ^^

 

ご参加くださったみなさまからの感想から、一部をご紹介します。

 

楽しかった〜。お天気も良くて身体が軽くなりました。

 

大自然の中で身体をいっぱい使った鬼ごっこや地球を感じる太極拳を体験できて、本当に自然に還ることが出来ました。

 

普段やったことがないことを、みんなで笑いながら楽しくすごせて、お天気にも恵まれ、子どもに還ることが出来ました。

 

鬼ごっこがけっこうハードで面白かったです。地球に立っている感覚がして心が落ち着きました。

 

中医学や陰陽のエネルギーについてもっと知りたいと思っていた時だったので、とても貴重なお話と体験でした。

 

 

このときの”陰陽”の話が、その日の午後のトークイベントにも、つながっていきました。そんな打ち合わせはしていなかったのですが、自然の流れとは面白いものです。

 

プレオープンイベントのテーマでもある「自分に還る」については、午後にもたっぷり感じて話す時間がありました。わたしにとっての「自分に還る」は、笑顔で楽しければ、それでOKです。いつもこんな自分でいられたら満足で、ここからすべてが始まりますし、すべてはここに還ってくるような気がします。

 

葉山の自然とみなさんのおかげで、そんな楽しい経験ができて、とても幸せでした。

 

「楽しい」は、最強です。

 

☀「陽だまり」とは

ブログタイトル「みんみんの陽だまり太極道日記」の「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると素晴らしく居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、どことなくキリリとした印象もあります。太極拳を通して、こんな時間と空間を創っていきたい、陽だまりにつつまれて暮らす人、心身ともにゆとりある人を増やしたい、と思っています。

 

........................

いしい まゆみ(道号:静慧)/ みんみん)

太極道家

体と心が目覚める太極拳(http://minminkung-fu.com/)

講座のご案内は、こちらからどうぞ

このエントリーをはてなブックマークに追加


陽だまりの人 Vol.2: 小杉 瑞穂さん(曹洞宗僧侶)

2017.05.09 Tuesday

(小杉瑞穂さん)

 

インタビュー「陽だまりの人」シリーズ。わたしが目指している”陽だまり”な世界観を感じる方のお話を伺っていきます。

 

第2回目は、曹洞宗の僧侶である小杉瑞穂さん。小杉さんは、坐禅の”つらい、きびしい、難しい”といったイメージを払拭し、柔かく穏やかな坐禅をより多くの人に体験してもらうためにも活動されています。先日は、わたしと一緒に太極拳とのコラボイベントも開催していただきました。

..........................................................

 

☀普段のお仕事

曹洞宗は全国に15,000ほどのお寺(宗教法人)があります。統括している本部が都内にあり、現在はその1部門である総合研究センターに在籍しています。全国から試験を受けて集まった25〜35歳前後、15〜20名の僧侶の卵のみなさんを3年間お引き受けして、禅の教えをどのように伝えていくかなどの学習と実習を積んでもらっています。先生、と呼ばれていますね。

 

 

☀ここ数年の坐禅を取り巻く状況の変化

駒澤大学内の坐禅堂で研修生が坐禅教室を開いているのですが、この5年でずいぶん参加者が増えました。25年前は1回に10人ほどでしたが、一時は90人ほどに増えました。現在は30〜40人で、熱がおさまったというより、坐禅をできる場所が他にも増えたために、分散しているとみています。

 

 

☀自分にとっての坐禅の変化

若い頃の私の坐禅観は、僧侶であるからやらねばならない義務のようなもので、それゆえ、きつくて辛いと感じることが多かったのです。トラウマになっている僧侶も多いのではないかと思います。私も最初はそうだったのですが、その中で「坐禅っていいな」と自然に感じる体験ができたことは大きかったですね。

 

1つ目は、大学生の時にやっていた児童教育部の活動でのことです。活動はハードで、毎週、都内のお寺で日曜学校を開催し、夏休みは長い時で3週間続けて地方を巡回し、子供たちを相手に人形劇やレクリエーションゲームをやる毎日でした。常に誰かと一緒にいる生活にストレスを感じていた中、ふと時間が空いて、お寺の縁側にぼーっと足を組んで坐り、外を見ていたことがありました。誰もいない、風そよぐ、静寂な時間。その時の清々しさ、心地よさが忘れられない体験となったのです。

 

2つ目は、總持寺(曹洞宗大本山總持寺)で、10か月修行したときです。厳しい指導で、最初の3か月は生活や作法をひたすら叩き込まれます。半年たって生活にも慣れ、ゆるやかに感じられてきたある日、夜の坐禅の時間に「今日は自由にしていい」と言われました。やってもやらなくても良いというのです。のんびりお風呂に入った後、修行仲間と自然に「坐禅する?」という流れになりました。それまでの坐禅は、寝ているところを見つかると、警策(きょうさく)で肩を打たれて強制的に起こされるのが当然なことだったのですが、そのときはもちろん監視などなく、すごく自由でした。開始も終わりも自由、自分で決められます。そのときに「坐禅っていいな」と思ったのです。

 

大切なのは「自分が選んでやっている」ことなのでしょう。させられる坐禅から自覚的な坐禅に、見方が大きく変わりました。

 

その2つの体験の後、スタッフとして参加した坐禅会で、自分も坐る機会がありました。そのとき何かの本に書いてあった「慈悲の瞑想」を思い出したのです。

 

「自分が幸せでありますように」から始め、「近くにいる人が幸せでありますように」と範囲を広げていくことで、自分の感覚が広がっていきます。イメージなら、地球規模まで広げることは簡単です。そのときに「そうなのか〜!」という発見がありました。それは「つながっていないものは、ない」という全存在での気づきでした。

 

 

☀「坐禅会」の変化のはじまり

坐禅は、目的や意味を持たせるものではありません。段階論ではなく、「こう坐るのです」と説明したら、それで終わりです。あとはただやるだけです。こんな境地になる、という説明もしません。そのため、一般の方にはとっつきにくいものに感じられてしまいがちです。

 

一般の方は修行僧とは違うので、坐禅を伝える方法や説明にも、もう少し工夫があってもよいと思うのですが、曹洞宗は「型」を伝える方法を大切にしてきており、誰に対しても僧侶と同じような坐禅指導法でやってきました。

 

そんな中、6年前に研修センターのプロジェクトで、30〜40代の女性をコアターゲットにした”朝活禅”の企画がスタートしました。コアターゲットの設定というマーケティング的なことを土台として始めたことが、まず画期的でした。そして内容も「また参加したい」と思ってもらえるような、新しいカタチを考えていったのです。そのひとつはカルチャーセンターのような連続講座です。より丁寧に坐禅作法をお伝えすることができるため、身につきやすく続けやすくなります。もうひとつは禅の食事作法でお粥をいただいたり、写経の時間や掃除を組み合わせて、変化を持たせたものです。今までにないものにしたい、という思いが強かったですね。

 

 

☀藤田一照さんとの出会い:身体論からの坐禅

その頃、現在では曹洞宗の国際センターの所長をされている藤田一照さんに出会いました。アメリカで長く坐禅を指導されていた方で、1時間ほどゆっくりストレッチしてから坐禅する会を開かれていたのです。藤田さんは「どうやったら体の落ち着きを見出せるのか」という身体論から坐禅をとらえていらっしゃいました。実際に来ていただいて教えていただいたのですが、そのとき「骨盤を立てて坐るのですよ」と言われたときには、まさに目からうろこでした。それまでは足を組むところから坐禅が始まると思っていて、骨盤がどうなっているかなど考えたこともありませんでした。じゃあ足はどうするのか?というと、足を組むことは骨盤を楽に立てるひとつの方法なのだ、とわかってきたのです。酌んだ足がもう片方の足を押すという、最初は苦痛にしか感じられなかったことが、実はどれだけ体に安定感をもたらしていたのかも、わかってきたのです。うわー、面白い!と思いました。

 

そこから俄然、興味がわいて、坐禅における身体の研究をはじめました。いろいろなボディワークをネットで検索したり、本を読んだり、体験したり、そのひとつとして太極拳もやってみました。太極拳はキツくないですし、自分を見つめるものなので、親和性があると思っています。いろんなことをやってみましたが、やったことすべてが今につながっていると思います。

 

 

☀坐禅会への思い

コラボイベントをするようになったきっかけは、人と交流する中で、わたしが坐禅をすごく楽しそうに話していたのが大きいようです。自然に「一緒にやりましょうか?」という流れになりました。最初はヨガのインストラクターの方と一緒にやったのですが、坐禅する前に体をほぐすことは必要なので、ヨガでほぐしてもらえるなら、それはとても都合がいいじゃないか(笑)と。

 

私が行っている坐禅イベントの目的は、「坐禅未経験者を減らす」ことです。コンセプトは「もう一度やりたくなる坐禅」です。だからこそ、なるべくゆるやかに、おだやかな場づくりをしています。

 

坐禅は、初回にすべてが入っています。足りないものは、ありません。私は自分も楽しみながら、その”初回”を提供したいのです。実際は100回目でも、毎回が”初回”ですけどね(笑)。同じ経験は、2度とありません。

 

私の坐禅の会にいらしてくださる方の中には「坐禅は興味があるけれども、お寺は敷居が高すぎて」とおっしゃる方も多くいらっしゃいます。どうも近寄りにくいようなので、こちらから出かけていってお寺ではないところ(カフェ・古民家・公園・市民会館など)で坐禅の場を開いていたのは、正解だったのですね。

 

坐禅は、私が坐っているのではなく、坐らせてもらっているのです。床があって、「地球ごと坐っている」と感じています。そう思うと、ものすごい安定感じゃないですか?

 

(4月に開催した「青空坐禅と太極拳の会」)

 

(文責:いしい まゆみ)

 

.......................................................................

☀プロフィール

小杉 瑞穂さん

曹洞宗僧侶。曹洞宗大本山總持寺にて修業。現在、曹洞宗総合研究センターにて、若手僧侶の育成に携わり、現代における禅の普及方法について研究。特に坐禅のつらい、きびしい、難しいといったイメージを払拭し、柔かく穏やかな坐禅をより多くの人に体験してもらうために活動している。

 

イベントこーさん&みんみん 青空坐禅と太極拳」の開催報告は、こちらからご覧いただけます。

 

≪みんみんのインタビュー後記は、こちらからご覧いただけます≫

 

 

 

☀「陽だまり」とは

ブログタイトル「みんみんの陽だまり太極道日記」の「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると素晴らしく居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、どことなくキリリとした印象もあります。太極拳を通して、こんな時間と空間を創っていきたい、陽だまりにつつまれて暮らす人、心身ともにゆとりある人を増やしたい、と思っています。

 

........................

いしい まゆみ(道号:静慧)/ みんみん)

太極道家

体と心が目覚める太極拳(http://minminkung-fu.com/)

講座のご案内は、こちらからどうぞ

このエントリーをはてなブックマークに追加


ちょこっとワーク(3)自分をいたわる(なでるワーク)

2017.05.02 Tuesday

 

隙間時間にできるちょこっとワーク。今回は、「自分をいたわる、優しくなでる」です。

 

これは簡単です。手のひらで全身を撫でていくだけです。

 

あまり自覚できていないかもしれませんが、「人は自分の存在を感じることができていない」と言われます。

 

そのため、外側の肩書きや「○○を達成する」などで、自分の存在を証明しようとします。ついやりすぎてしまうことがあるのも、「やっている感」で自分を感じたいからだったりします。ときには、痛みで自分を感じようとすることもあります(詳しくは、「ここにいて、いいんだよ」

 

そんなときの体は、常に緊張しています。自分をいたわり、優しくなでることで、自分の存在を感じ、リラックスさせていくことができます。

 

これは、子供を抱いてあげると良いのと同じです。子供は、触ってあげることで存在を感じやすくなります。同じように、大人も触ってあげることで、自分の存在を確認して、安心することができます。

 

他人に気遣いのできる人でも、意外と自分が置いてきぼりになっていることもあります。自分と対話するひとつの方法として、まずは「お疲れ様」と、自分を丁寧に撫でてあげましょう。

 

☀簡単バージョン

まず、両方の手のひらを50回ほどこすり合わせて、温めます。それから片腕ずつ、上から下まで、逆の手で丁寧に撫でていきます。外側、内側、横側、なで残しがないように、丁寧に。片腕がおわったら、逆の腕も。

 

なで終わった腕は、リラックスして重くなります。近くに人がいたら、片腕が終わったところで、他の人に両腕も持ってもらい、比べてみましょう。

 

☀全身バージョン

両手のひらをこすり合わせるところまでは一緒です。この先、頭の上から足まで、丁寧になでていきます。

 

顔:両手のひら、鼻の横から噴水を描くように、額に向かってこすります。

 

 

頭:指を櫛にみたてて、額近くから後ろにむかって、くしけずるように動かします。

耳:上、横、下、丁寧に撫でながら、かるく引っ張ります。

後頭部:耳を手のひらで覆い(肘は横にはります)、指を後頭部に置きます。人差し指と中指を重ねて、パチンとはじくようにして叩いていきます。

 

以下、順番に丁寧にさすります。

肩から腕

胸からお腹

背中、腰、

脚(前側、後ろ側、横)

足の指、裏

 

 

お試しくださいね。

 

☀「陽だまり」とは

ブログタイトル「みんみんの陽だまり太極道日記」の「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると素晴らしく居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、どことなくキリリとした印象もあります。太極拳を通して、こんな時間と空間を創っていきたい、陽だまりにつつまれて暮らす人、心身ともにゆとりある人を増やしたい、と思っています。

 

........................

いしい まゆみ(道号:静慧)/ みんみん)

太極道家

体と心が目覚める太極拳(http://minminkung-fu.com/)

講座のご案内は、こちらからどうぞ

 

イベント:5月5日こどもの日は、葉山の海辺でこどもに還って遊ぼう!のご案内は、こちらからどうぞ

 

このエントリーをはてなブックマークに追加



calendar

S M T W T F S
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< May 2017 >>

selected entries

categories

archives

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM