謙虚であることと、自分を褒めること

2020.08.25 Tuesday

 

(Photo by Xie Okajima)

 

大学生の夏休み、イギリスに短期留学しました。

 

英語のクラス分けのテストがあって、上から2番目のクラスに入りました。

 

同じクラスになったイタリア人の女の子が、にっこり笑って「I am proud of myself (わたしは自分を誇りに思う)」と言ったとき、堂々としていて、いいなあ、と思いました。

 

日本人は、へりくだる文化があって、「つまらないものですが」とか、「お口汚しに」とか、ふつうに言いますよね。若い世代は、あまり言わないかもしれませんが。(わたしも、あまり言いませんが。)

 

謙虚さは、奥ゆかしさでもあり、つつましさでもあります。

 

でもわたしは、それが子どもの頃から肌に合わず、「どうしてそのまま言わないんだろう」と、居心地悪く感じていました。

 

自分が好きなものだったら、「大好きだから」とおすすめすればいいし、頑張ったら、頑張ったと言えばいいし、やっていなければ、やっていないと言えばいいのに、です。(大好きなものをおすすめしても、みんなが好きなわけでもなく、「好きじゃない」と言われることも、もちろんあります。でもそれは、へりくだることとは、また別のことです。)

 

大学院に進もうと思ったとき、海外しか考えなかったのは、思ったことをストレートに表現する環境で過ごしたかったことも、大きかったと思います。

 

そうは言っても、実際に身を置いてみると、あまりに自己主張の強い人たちの中で、まごまご、もごもごすることもありましたし、

 

裏では噂話が飛び交うことも多く、狭い世界でドロドロするのは同じだな、と思ったりしましたが、

 

好きなことを堂々と好きと言い、没頭できる時間は、とてもしあわせな時間でした。

 

それでも長い間、自己評価は低かったように思います。わたしの場合、一見、自分なりのこだわりもあり、好きなようにやっているように見えたと思いますが、

 

人の気持ちを先読みするようなところもあって、遠慮して言えないことも、結構ありました。

 

「あなたは自分のことが好きじゃない」と言われたのも、それですよね。でも言われていたときは、どうすればいいのか、本当にわからなかったのですよ。わかれば、やっていますよね。

 

このころは、自分の生かし方がわかっていなかったと思います。自分がわからないから、生かし方もわからない、活かされ方もわからない、みたいな感じです。

 

だから、自分に自信はないですし、自分の行動の結果は、人の評価で判断するしかなかったのだと思います。

 

 

太極拳を始めるようになって、自分の体と向き合うようになって、少しずつ、自分のことを知っていきました。

 

今は、何をするときでも、教えるときでも、ブログを書くときでも、人と話すときでも、大きく見せることもなく、卑下することもなく、等身大で正直に、素直でいたいと思っています。

 

自分に正直に、素直であることは、人の意見には耳を傾けますが、全部を取り入れるわけではありません。「なるほど」と思ったものは取り入れ、そのときにぴんと来ないものはスルーします。

 

それでも、時間が経つと、「あれ、やってみよう」と思うこともありますので、どんな意見でもありがたいですし、オープンでいるのは大切だと思っています。

 

さて、そんな「これはやる」「これはしない」という選択をするとき、自分が素直な状態かどうかの目安は、わたしの場合は体の様子です。

 

素直さから外れるときは、体のどこかが緊張したり、硬くなったりします。過小評価するときも、同じです。

 

心が、内にも外にも、ふわっと開いて、広がっているときは、ありのまま、正直なときです。

 

硬さに気づいても、そのまま緩められないときもありますが、そのとき緩めたくないなら、仕方ありません。

 

ただ、そんなどうしようもないときを除いては、心がふんわり広がるような、おおらかな方が、居心地がよく、好きです。

 

 

そして、正直に、素直に、とは言っても、思ったことを全部言うわけでもありません。人には、受け取れるタイミングがあると思っています。

 

その場の空気を読むこともありますが、それだけではありません。「今、自分がこのことを言いたい気がしない」というときは、止めておきます。これは、カンでしかないのですが。

 

それを伝えるのは、将来の自分かもしれませんし、全く別の人かもしれません。こういうことは、いいタイミングで、いちばんふさわしい人の口からでるものだと信じています。無理は禁物、自分に緊張が起きるときは、止めておきます。

 

 

太極拳をしていると、どうやっても謙虚になるしかありません。

 

あっという間に変わっていくからです。わたしの例で言うと、同じ套路(型)は、2、3か月経つと、結構、変わります。

 

お稽古しているうちに、「これは、こういうやる方がいい」と、気づいては、変わっていきます。

 

これを何度も繰り返していると、「これで完成」はなく、常に「まだ先がある」としか思えません。先は、まだ到達していないので、そこに何があるのか、わかっていないのですけどね。

 

つまり、何ひとつとして完成したものはありませんが、だからと言って、今の自分をダメだと思っているわけでもありません。

 

今のように、自分でお稽古しながら、気づいて変わっていけるのは、それだけ積み重ねてきたものがあるからです。先生のおかげでもありますが、自分でもよく頑張ったと思います。

 

昔は、どうやって練習したらいいのかわからず、ひたすら繰り返すだけでした。あのときは、そういう時期でしたし、それでよかったと思いますけどね。

 

習得するには方法があり、言葉で説明することもできますが、あるところを超えると、他人から教わることができないものがあるように、感じます。

 

映画「カンフーパンダ」で、主人公のパンダのポーが、奥義を書いた巻物を手に入れて開いたとき、それが白紙だったのは、言葉で伝えられるものではないからだと、思っています。

 

先生は、言葉を尽くして教えますが、その言葉をどうとらえるか、どう体現するかは、自分の感覚です。やりすぎでも、やらなさすぎでもうまく行かず、自分で繊細に調整していくしかないと思っています。

 

できることは、今の時点でのベストを尽くすことで、それができれば「満足」です。でも同時に、もっとまだ知らない先があると、わかっています。

 

 

ゴールを設定して、それを達成するのは、わかりやすく、満足感を与えてくれますが、

ゴールを設定できない未知のものに向けて努力することは、自分に期待し続けることでもあります。

 

わたしのお稽古のほとんどは、「これをやったら何になるのか」よくわかっていなかったりします。もちろん、体をしっかりさせるとか、動きがスムーズになるとか、具体的な目標もありあますが、結果として現れるものは、そういう予測できるものだけではありません。

 

実際、続けてきたことで、思ってもいなかった未知のことを、たくさん経験させてくれました。

 

宇宙の大きさの前では、知っていることなんて、ほんのわずかで、できることなんてほんのちょっとです。

 

でも、そのほんの少ししか知らず、ほんのちょっとしかできない小さな自分を、今、この瞬間に、満喫して生きることはできます。

 

謙虚に、でも、自分をほめることって、そういうことじゃないかしらね。

 

そしてそれが、自分を生かすことであり、宇宙の中で、自分を活かしてもらうことでもあると思います。

 

そして、そんな自分を、好きだと思えます。今は。

 

 

【9月1日スタートの オンライン新企画

21日間チャレンジ!やさしく立てたら、やさしくなれる♪体を緩めて、立ってみよう(立禅・站椿功)のご案内は、こちらから。

 

 

【9月の特別クラス】

 

 9月  5日(土)13:00-15:00 「麗屋 弘鈴庵の 立って、歩いて、太極拳(千葉県香取市)詳細とお申込方法はちら

 

 9月  6日(日)14:00-16:30  「やさしい站椿功」(池尻大橋)詳細とお申込み方法はこちら

 

 9月20日(日)14:00-16:30「たのしい太極扇」池尻大橋)詳細とお申込み方法はこちら

 

 9月21日(月・祝)14:00-16:30 ホントにはじめての武当太極拳・気功(池尻大橋) 詳細とお申込方法はこちら

 

 9月22日(火・祝)14:30-16:30はじめての形意 拳」(池ノ上)詳細とお申込方法はこちら

 

【おうちで過ごそう!応援企画】

すきま時間にできる、カンタン体操を動画でご紹介しています。リフレッシュにも。こちらから。

 

オンラインでの動画レッスン始めました。
 
≪入門編≫
     立ち方、歩き方の≪基本編 ≫と、太極拳の動作の練習としてもおすすめの≪武当五行六合功編≫のセットです。詳しくは
こちら
 
≪武当太極拳編≫
     武当三十六式太極拳をいくつかに分けてご紹介します。「その1」は、
     第1式〜第10式です。詳しくは
こちら
 
≪立ち方編≫
     地に足をつけて、自分らしく生きるための基盤を作ります。≪入門編≫の「基本編」第1講の単発講座。太極拳をしない方にも。詳しくは
こちら

 

「陽だまり」とは

「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、りん、とした印象もあります。人が集って、一緒にお茶でも飲んでなにげない話をして、ほっとする場所でもあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

..☆...☆...☆...☆...☆...☆...☆...☆...☆...

 

いしい まゆみ(道号:静慧)/ みんみん)

太極道家

講座のご案内は、こちらから

 


0
    コメント
    コメントする








       

    calendar

    S M T W T F S
      12345
    6789101112
    13141516171819
    20212223242526
    27282930   
    << September 2020 >>

    selected entries

    categories

    archives

    links

    profile

    search this site.

    others

    mobile

    qrcode

    powered

    無料ブログ作成サービス JUGEM