龍のように:渦を生み出す背骨の動き

2020.05.18 Monday

(武当三十六式太極拳 第十二式 黒虎巡山)Photo by Xie Okajima

 

太極拳の特徴のひとつは、背骨が柔らかく動くことです。

 

天高く昇る龍のように、背骨がうねうね、ねじねじして、それが体の動きを作り出します。

 

見た目にはわかりくいですし、実際、ほとんど知られていない気がします。

 

以前、「中国武術は、骨盤まで砂に埋められても、体を左右に回転させることができる」と言った人がいました。

 

実際には、左右に回転する力は、足で地面を押すことから生み出されるため、砂に埋まった状態は、ちょっと違うのですが、動く場所の説明としては、わかりやすいです。

 

でも、たいていの人の背骨は動いていません。関節のない、鉄の棒のようです。

 

「え?体、左右に回るよ?」と思う方もいらっしゃると思いますが、骨盤から回している方が多く、それでは背骨は雑巾絞りのようにねじれてはいません。

 

背骨には、関節がたくさんあります。上から、頚椎7(首の部分)、胸椎12(胸の部分)、腰椎5(腰の部分)、仙骨、尾骨です。

 

もし棒でよいのであれば、進化の過程で関節はひとつにつながったかもしれません。実際、2足歩行になったとき、体を立たせるために、大きな骨が必要だったためか、背骨を5つくらいつなげて仙骨にした、と聞いたことがあります。

 

背骨に関節がたくさんあることは、バラバラに使う前提なのだと思いますが、宝の持ち腐れの方も多いようです。

 

使っていないと、硬くなります。錆びついてしまい、老化にもつながります。

 

「老化は、仕方ないよね」と思うかもしれませんが、もともとの体の能力に対して、老化のスピードが速すぎる気がします。

 

何もせずに諦めては、だめです。本当は、みんなもっと若々しくいられます。そのために太極拳は、関節の隙間を空けながら、動かしていきます。

 

今回、例にあげたのは、背骨が下からスクリューのようにねじれて、上がってくる動きです。

 

こんな回転が中心に起きたら、まわりには渦が生まれますよね。これが、円運動につながります。

 

 

動画のひとつ目は、武当五行六合功の「随波従流」です。意味は、波に従い、流れに乗る、です。海岸に、波が打ち寄せては引いていくイメージですが、バランス(調和)を取るために、打ち寄せる(陽:前に上がっていく手)と引く(陰:後ろに下がっていく手)が同時に起きています。

 

立ち姿勢で、腕が動いているだけに見えますが、実際は全身運動です。

 

足で地面を押すことで、上に向かう力が生まれ、背骨に到達したときに背骨がねじのように回りながら、上に上がっていきます。時計回りの回転なら、左腕が上がります。反時計回りのときは、右腕が上がります。

 

ふたつ目は、武当三十六式太極拳の第十二式「黒虎巡山」です。黒い虎が山をめぐる、という意味です。足を踏み出して両手を前に押し出す動作は、虎の動作のひとつです。

 

最初の部分の背骨の動きを解説すると、次のようになります。

 

1.右足と右手を前に出す(左手は上がる)

 

2.左足(後ろの足)で地面を押して、前足に重心が移動しながら、上に向かう力が生まれ、

  背骨が下からくるくる回りながら回転が上がっていく。

  その渦に乗るように、腕が動く

 

動画の、55〜58秒あたりは、背骨が回っている動きが、少しわかるかもしれません。

 

背骨がくるくる回らなくても、外見的な動きを作ることはできると思いますが、体の中で起きていることは、全然違います。

 

背骨がくるくる回って渦が生み出されると、体の奥の深いところから動きます。全身が連動して動き、外には渦のような強い力が生まれます。

 

背骨が回らない場合、体の中は動かず、逆に無駄な緊張を生み出してしまいます。それでは、養生になりません。

 

背骨が回ると言っても、くるくる回転もするわけはなく、ほんの少ししか回りません。でも、この少しの回転があるか、ないかで、大きく違います。

 

せっかく太極拳をするなら、これを体験しないのは、いろんな意味で、もったいないです。

 

健康、若々しさ、楽しさ、力強さ、しなやかさ、体力、心のゆとり、みんな違ってきます。

 

背骨が使えることは、まだ眠っている身体能力を引き出すことでもあります。

 

カンフーをする人は「20年たってっも同じ体」と言われます。その違いは、こういうところにあると思っています。

 

日々、関節の隙間を空けて、動かすことで、体の深いところから動かしていき、スペースのある体にしておく人たちと、

 

日々、関節の隙間が縮んで硬くなっていき、老化が進んでいく人たちと、

 

年数がたったとき、大きく違っていても、不思議ではありません。

 

あと2〜30年したら、それを自分で証明できるかもしれないな、と思っています。楽しみです。

 

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「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、りん、とした印象もあります。人が集って、一緒にお茶でも飲んでなにげない話をして、ほっとする場所でもあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

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いしい まゆみ(道号:静慧)/ みんみん)

太極道家

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