太極拳が教えてくれる 人生の流れに乗るコツ

2020.03.11 Wednesday

 

(熊野 那智の滝)

 

太極拳は、体を動かしてすこやかにしたり、心を静めて穏やかにするだけではなく、

生きることを教えてくれます。  

 

「人生の流れに乗る」という言い方がありますよね。

 

自分でせっせとボートを漕がなくても、流れにのってスイスイと、良い方向に進んで行く感じです。

 

流れに乗るのと、流されるのとは、違います。「自分の軸を持って、流れにのる」(2019年9月13日)では、太極拳の立ち方から、流れに乗る方法を書きましたが、最近は、これに加えて大事だと思っていることがあります。

 

頑張るところ、行動するところと、

放っておくところ、流れに任せるところを、区別することです。

 

生徒さんを見ていて思うのですが、実はみんな、頑張ることは得意です。

「頑張っていない」と言う方も、十分、頑張っています。

逆に不得意なのは、放っておくことです。

 

太極拳では、足は”実”と”虚”に分かれます。

ざっくり言うと、体重が乗っている足が”実”、体重がかかっていない足が”虚”です。

 

気をつけたいのは、「体重が乗っている」というと、下に沈みこむように乗せてしまう人も多く、

これではひざに体重がかかってしまい、痛める原因にもなりかねません。

 

地面を押している足が”実”、押していない足が”虚”、と言う方がいいかもしれません。

 

体重が乗っている、もしくは地面を押している”実”の足には、力があります。

 

たとえば下の図の場合、”虚”の足を前に出して、”実”の足のかかとを、ぐっと斜めに地面を押すことで、前に移動します。

大切なのは、”虚”の足が緩んでいることです。

 

”虚”の前足のひざの形が変わっていくのが、わかるでしょうか。

 

 

 

 

(All photos by Xie Okajima)

 

前足を出したら、ひざは緩めておきます。

このときのひざは、水の性質を強く持っていると思っています。抵抗せず、状況に応じて自由に形を変えていきます。

後ろ足のかかとを押すと、それに応じて前足のひざの形は、受け身的に変わっていきます。

 

頑張るのは後ろ足で、放っておくのは前足です。

これで、足から体を通って力が伝わり、左腕が前に膨らむ力が出ます。

 

でも、このとき、多くの人がひざを固めてしまいます。

 

お稽古では、わたしが「前足を出して、ひざを緩めて」と言うためか、ひざは、ちょっと緩みます。問題は、その後です。

 

ひとつのパターンは、前ひざを積極的に動かしてしまうことです。自分で動かすと、フレキシブルな水の性質は失われます。

 

もうひとつのパターンは、その緩みのまま、ひざを固めてしまうことです。すると前足が突っ張って、後ろ足を押した力がうまく伝わらず、股関節のあたりで折れてしまいます(骨盤が横にずれる、と言えばわかるでしょうか。わずかですが、体がくの字に曲がります。)

 

それでは、腕に力は生まれません。

 

つまり頑張った成果が出ないのです。体に無駄な緊張も出るため、全身の巡りも疎外されます。

 

関節は曲がるようにできていますが、自分で曲げると、緊張を呼んでしまいます。

緩めておいて、いつでも必要なときに曲がるように、水のような性質を持ち続けることが、ひざの特性を活かすコツで、成果を出す(力が出る)コツでもあると思っています。

 

やってみると、いろんな発見があるかもしれません。

 

「つい、すべてやろうとしてしまう」とか

「放っておくことが、できない。自然と動くと、信じていない」とか

「前足に体重が乗ってくるのに、しっかりしないと支えられない不安がある」とか

 

感想から、自分の生きクセも、見えてくるかもしれません。

 

もしそれをやめたいなら、まず気づくことです。太極拳で人生の疑似体験をしておくと、役に立つこともあるかもしれません。

 

お稽古中こんな話をしていたら、生徒さんが「太極拳だと、頑張るところ、放っておくところは区別できるかもしれないけれど、人生ではどうやって区別したらいいのかわからない」と、言いました。

 

今、わたしが区別するヒントになるかな、と思っているのは、辛さや苦しさです。

 

自分のことを振り返ってみると、流れに逆らっているときは、とにかく辛く、苦しかったからです。無理なものを、なんとかしようとして動けば動くほど、苦しさが増します。執着ですよね。

 

もちろん、なんでもやればうまくいくわけでもないですし、大変なこともありますが、

 

「大変なことはあっても、やりたいからやるし、楽しい」という状態と、

「一生懸命やっているけれど、辛くて苦しい」とでは、だいぶ違います。やりたくて始めたことでも、後者の場合、やる気を失ってしまうこともあります。

 

人は、行動する生き物です。

 

自分軸をしっかり立てて、周りに振り回されないことも大切ですし、その自分で「こうしよう」と選択して、行動していくことも大切です。

 

そのとき、全部を自分が動かさなくても、最初の押し出す力を受けて、うまく動き始めることもあるのだとわかっていると、いいかもしれません。

 

何か停滞しているとき、「とにかく動いてみる」という考え方もあります。その行動が、直接成果を生まなくてもいい、と言います。

 

それもきっと、その行動がきっかけで、何かが触発されて、うまく自然に動き始めることもあるからかもしれませんよね。行動したことが直接、成果につながらなくてもいい、と思うと、ホッとしませんか?

 

人間関係でも、あります。

 

自分が動くと、それに影響されて「わたしもやってみる」と、他の人が動き始めること、ありますよね。

 

誰かを動かそうと尽力することも、必要なときもあるかもしれませんが、

自分がすべきことをするだけで、周りが勝手に動き始めるのは、いいと思いませんか?

 

放っておくほうが、うまく動きだすこともあります。

 

頑張っているのに、辛かったり、もやもやが続いたりしている人は、無理にやりすぎてしまっているのかもしれません。

そうしたいときも、あるのですけどね。

 

 

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「陽だまり」とは

「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、りん、とした印象もあります。人が集って、一緒にお茶でも飲んでなにげない話をして、ほっとする場所でもあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

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いしい まゆみ(道号:静慧)/ みんみん)

太極道家

講座のご案内は、こちらから

 


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