やさしい人が作る野菜は、やわらかい

2020.02.04 Tuesday

(photo by Xie Okajima)

 

毎月、出張お稽古に行っている、千葉県小見川の麗屋 弘鈴庵は、素敵なものと、おいしいごはんや、おやつのあるお店です。

 

おなかいっぱいになってしまうと、午後1時からのお稽古ができなくなるため、残念ながらごはんを食べる機会はまだなく、

 

いつもおいしいコーヒーかチャイになってしまうのですが、

 

先日、お隣でおいしそうなごはんを食べている方がいらっしゃいました。

 

「これ、やわらかくておいしい。何?」と言っていたのは、サンチュの芽。まだ大きくなる前のサンチュを、お知り合いから仕入れているのだそうです。

 

「これを作っている人、すごく優しい人なの。だからこのサンチュは、すごく柔らかくておいしい。」と話してくれました。

 

続いて、こんなエピソードも話してくれました。「きちっとして、とーっても真面目な人がいてね、その人も野菜を作っているのだけれど、この人の野菜は、やられてしまうほど強い(笑)。葉っぱものなのに、他とブレンドしないときつい。」

 

人柄が、作ったものに現れることは、他にもあります。

 

以前、公園の風景写真をSNSにあげたときのことです。それを見た人から、「あのとき、いい時間だったのね。それが伝わってきて、よかったなあ、と思っていた。」と言われたことがあります。

 

わたしも写真を見るとき、同じように感じることがあります。れいな景色の写真を見ると、なんとなく、それを見ている人、つまり撮影した人が「いい時間を過ごしたんだな、よかったな」と感じることがあります。

 

一方、「きれいな写真だな」と思っても、その言葉が棒読みになるくらい、奥行きが感じられない写真もある気がします。

 

そんな話をしたら「写真は、撮る人の心が写るよね」という話になりました。

 

剣という武器を使う太極剣も同じです。剣は、自分の心が現れます。心が落ち着かないとき、無理やりなんとかしようとすると、剣はすんなり動きません。

 

剣の重さを命として尊重しながら、自分とのつながり持ち、一体感を感じながら動いていくとき、剣はスムーズに動き始めます。

 

自然やモノは、圧倒的に素直です。それを扱う人の心を、そのまま映しだす鏡のような存在です。

 

剣も、野菜も、写真も、心をそのままあらわします。

 

「いいな」と感じるとき、それは心が素直で透明だということでもありますが、もうちょっと言うなら、「そこに愛はあるのか」じゃないかな、と思います。

 

愛という言葉のイメージも人それぞれで、ふわっと温かいものから、ドロドロと粘っこいものまであるような気がしますが、ここで感じる愛は、大切に思う心、です。

 

フランシスコ・ザビエルが日本にやってきて、愛を伝えようとしたときに、ちょうどよいことばがなく、「大切にすること」と表現したと、聞いたこととがあります。

 

ちょうど、そんなイメージです。

 

野菜を作る人は、その命を大切に育てているかどうか、

写真を撮る人は、そのとき、その時間、一緒にいる人、いる場所を、大切に感じているかどうか、

剣を扱う場合は、剣を尊重して大切に扱っているかどうか、じゃないかしら。

 

もちろん大切にする心だけでは、おいしい野菜は作れず、きれいな写真も撮れず、剣はスムーズに動いてくれるわけではなく、その心を活かすための技や基礎力は必要です。

 

写真の場合、今はスマートフォンのカメラ機能が向上しているため、技術はサポートしてもらえているでしょうが、

野菜は、具体的に何をどうするかという知識や工夫は必要でしょうし、

剣の場合、剣の扱いもそうですが、それを扱う人の体も、鍛錬を積まない限り、うまくいきません。

 

でも、技や基礎力がなくても、瞬間的にうまくいってしまうことも、あるような気がします。

 

わたしが2010年に中国で開かれた大会で金メダルを取ったとき、当時の先生は「大会とは、審査員の人たちが、『この人に何かをあげたい』と思うかどうかで、きみの場合は、それがあった。」と言っていました。

 

今から見ると、技術力も基礎力も、ダメダメです。でもそれとは別に、心が伝わってくるようで、それは今見ても、いいな、と思えます。

 

でもこれは、運良く、心がそのまま現れた、と思っています。

 

それを単なる運ではなくするためには、基礎力と技術をつけることです。

 

いつでも、その心が素直に現れるように、余計なことをしない、必要なことだけ自然にするためには、絶対的に必要なものだと思っています。

 

いいな、と思う人は、気負いがなく、さらっといいものを作ったり、見せてくれます。

 

そういう人を天才を呼ぶこともありますが、努力なしに、天の才を表現することはできないような気がします。

 

楽しく努力できる人は、しあわせです。

 

小さくても、大きなことでも、楽しく努力し続けたいし、

 

目の前にいる人、存在に、愛をもって大切にしながら生きていきたいと思っています。

 

 

【2月の特別クラス】

2月 8日(土)14:00-16:30  「やさしい站椿功」(池尻大橋)詳細とお申込み方法はこちら

 

2月 9日(日)14:30-16:30「はじめての形意拳」(池尻大橋)詳細とお申込方法はこちら

 

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2月23日(土)14:00-16:30 「ホントにはじめての武当太極拳・気功(池尻大橋)詳細とお申込方法はこちら

 

「陽だまり」とは

「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、りん、とした印象もあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

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いしい まゆみ(道号:静慧)/ みんみん)

太極道家

講座のご案内は、こちらから

 


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