大きいものに、ゆだねてみる

2020.01.22 Wednesday

(武当山)

 

この前、久々にお稽古に来てくださった方がいらっしゃいました。

 

「先生に会いたくなって」と言ってくださり、うれしかったです。

 

普段はお家のお近くで習っているものがあるそうで、そのお話をしてくだいました。トラの形というのをやっているそうで、その手は、手首、手の甲はまっすぐなまま、指の第2関節を曲げる形をするのだそうです。(注:すべての中国武術で、トラがそういう形をするわけではありません。)

 

「なかなか手の甲がまっすぐにならなくて、難しくって」とおっしゃるので、

 

「体の端を終わりだと思わず、外まで続くイメージでやってみたら?」と言ってみました。この場合は、指の第2関節の先につながっていく感じです。

 

たとえば、この手の形のまま腕を横に、肩の高さに水平に上げます。指の第2関節の先が、左右遠く、お部屋にいるなら壁に届くように、公園にいるなら遠くの木にさくっと届くようにイメージします。

 

関節の力が抜けて、手首も、手の甲も、腕もきれいに伸びます。

 

難しい、とおっしゃっていた方も、きれいにできていました。

 

たいていの場合、体を動かすときに、見えている自分の体だけで動こうとすると思います。

 

そんなの当たり前じゃないの、と思うかもしれませんが、

 

これは自分の外側に枠をつくり、その中で何とかしようとすることになります。窮屈そうですよね。

 

見えている体には限界がありますが、意識は、体よりもずっと遠くまで届きます。

 

「あの人、元気にしているかな」という思いは届くと言いますし、虫の知らせみたいなものを、体験したことがある方も少なくないでしょう。

 

その意識に体をのせていくと、体には限界が生まれず、のびのび、ひろがりはじめます。

 

イメージは、こんな感じです。

 

 

左がのびのび、広がっていくイメージ、

右が、見えている自分の体の範囲でなんとかしようと、悪戦苦闘しているイメージです。

 

左の人の外側は、ぷくっと膨らんでいます。これが表面張力のような、適度な張り感です。

右の人の外側は、ガタガタですよね、これは、滞りを作る緊張です。

 

左のイメージでいると、体の関節の隙間は空いていきます。体の中にゆとりが生まれ、緩みも生まれます。

 

ゆとりある体の中では、血も流れやすくなります。内臓もゆったりと収まりそうですよね。

 

血が流れれば、気が流れ、気が流れれば、血が流れるのを応援する、というように、めぐりが良くなると、さびない体になります。流れる水は腐らないのと、同じです。

 

指をまっすぐ、腕を伸ばす場合も、上でも、横でも、わたしは「指先に意識を向けて、それが遠くに届くように」とお話しています。

 

そのとき、腰やひざなど、緊張で固まっている場合は、右のようになってしまいますが、

 

体に緊張がない場合は、指先は限界なく、ぐんぐんと伸び続ける感じがします。

 

実際に外から見たら、見た目には限界があるでしょう。でも自分の感覚としては、どこまでも伸び続ける感じがします。小さなわたし(身長155僂らいなのです)も、どんどん巨人になっていく感じです。

 

さらに、こうして伸びている腕には、力があります。右のように緊張した体で、筋力で腕を上げていくよりも、はるかに楽に、強い力が生まれます。

 

いいことしかありません。

 

コツは、見えている体の小ささに、惑わされず、もっと大きなものにゆだねることです。

 

 

站椿功も、同じです。

 

阪神淡路大震災から25年がたつという日、そのことや、その後の数々の災害で被害にあった人や場所のことを思いながら、やってみようと思いました。

 

息を吸うときに、地中深くから吸って、自分を通って天まで届き、吐くときには天から降りてきたものが自分を通って、地に下りるようなイメージです。

 

巡らせるとき、自分だけではなく、自分の外側も一緒に巡らせていきます。

 

すると、息を吸うときに、いつもよりも自分がふわっと上がる感じがして、楽に続けられました。通常は30分なのですが、この日はできるところまでやろうと思って、結局1時間になりました。

 

そのときの感覚は、うまく言葉では表現できないのですが、痛みとか、悲しみとかも感じましたが、ひとりではない感覚とか、大きなものと共にいる感じとか、「大丈夫」という感覚も、ありました。

 

自分をきれいにするときに、周りも一緒にきれいにする、というのは、わたしにとって、太極拳をするときの、大切な基本です。

 

すると、実はいろいろ、うまくいきます。

 

人は、社会で生きていくうちに、自分を無視して外ばかりに気を取られてしまうことがあります。外のルールに合わせようとして我慢したり、外の評価を自分の価値だと思ったり、そのうち自分が誰なのか、わからなくなることもあります。

 

そういうとき、まずは自分の内側に意識を向けることは、大切です。体を感じることです。

 

最初はわからないことも多いでしょうが、感覚は、必ず育ちます。感覚は、多くの人の場合、まだまだ育っていないと思っています。

 

自分の内側の居心地悪さ、良さに気づけるようになってきたら、自分の外だと思っている世界と、まったく違う関係でつながることができると思ってます。

 

それが、大きなものに、ゆだねる感覚です。一緒に動く、と言うほうがいいかもしれませんが。

 

そうなったときに見えてくる世界は、それまでとは違っていると思いますよ。

 

 

 

【1月の 特別クラス】

1月25日(土)14:00-16:30  「やさしい站椿功」(池尻大橋)詳細とお申込み方法はこちら


1月26日(土)14:00-16:30 「ホントにはじめての武当太極拳・気功(九品仏/自由が丘)詳細とお申込方法はこちら

 

 

「陽だまり」とは

「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、りん、とした印象もあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

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いしい まゆみ(道号:静慧)/ みんみん)

太極道家

講座のご案内は、こちらから

 



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