動作を分解して、つなげていく

2019.12.26 Thursday

 

(武当山の南岩宮)

 

ひとつの動作を、どのくらいに分解できますか?

 

たとえば横歩きのとき、両足で立つのを0として、横に進んでまた両足が揃うまで、いくつに分解できるでしょうか?

 

いちばん少ないのは、2でしょうか。

左に歩くとすると、

0:両足で立つ

1:左足を横に出す

2:右足を左足の横に運んで立つ

 

この横歩きは、わたしに「あなたの動きは、外見はきれいだけれども、中が悪すぎる。緊張が強すぎるから、それではだめだ」と指摘されたときに、最初に教わったものです。

 

ひたすら横に歩くだけですので、とても地味です。でも、この感覚がつかめると、太極拳は難しくなくなります。

 

さて、今のわたしの横歩きは、7段階です。

0:両足で立つ

1:右足を実にする(右足だけで立つ。左足は虚という状態で、体重がかかっていない)

2:左足を真横に出してつま先を地面につける

3:お腹を収めて(すると腰が低くなります)、左足のかかとが地面につく

4:左足のひざを緩める

5:右足で右斜め下方向に地面を押すと、体重が左に移動する(このとき、腰の高さが変わらないように)

6:左足で真下に地面を押す。右足のかかとが地面から浮く。

7:右足のつま先が地面から離れて、左足の横に、つま先、かかとの順でつく

 

(注:別の方法として、2:お腹を収める 3:左足を真横に出して、つま先、かかとの順につける、というやり方もあります)

 

7段階とは言っても、7つの動作ではありません。2つの動作が、ひとつに入っているところもあります。

 

今まで「2」で歩いていた人が、いきなり「7で歩け」と言われると、混乱しますよね。ほぼパニックです。

 

太極拳は、見た目の印象よりも、動作が多いのです。

 

動作が多いほど、体に無駄な緊張を作らずに動いていくことができます。横歩きは「2」よりも「7」の方が、体はずっと楽で、しっかりします。

 

「2」で歩いている場合、どんなことが起きているでしょうか?

 

まず、横に転びながら歩いている状態になります。軸が天地を結ぶようにまっすぐ立たず、ななめに傾きながら動いていきます。

 

体重は、足が横に出るときに、倒れ掛かるように横に移動します。倒れ掛かって「おおっ」となり、着地した足でぐっと支えて「セーフ」みたいな感じです。

 

危なそうじゃありませんか?膝にも悪そうでしょう。この状態でどこかから押されたら、簡単に倒れます。

 

ほとんどの人は、自分がこういう不安定な状態で動いていることに気づいていません。そして、その不安定な体を支えるために、どれだけ無駄な力を使っているのかにも、気づいていません。

 

その無駄に気づいて、止めるために、細かく分解された動作があります。

 

「7」段階の中には、足で地面を押して頭が天に向かって伸びるコツや、膝に負担をかけずに腰を落とすコツも、含まれています。

 

そして、ほとんどの人ができていない、足で地面を押すことで横に移動する力を得ることも、学べます。

 

太極拳の大事な点をすべて、とは言いませんが、かなり含まれています。すごいでしょ。横歩き。

 

押されても倒れにくいのですが、バネが効いているために、ふわんふわんと浮くような動きになります。お水の中を歩いているようで、気持ち良いですし、膝には負担がかかりません。

 

さらに片足になるときも、浮力が効いているために、上がっている足の滞空時間は自然と長くなります。

 

太極拳は、ゆっくり動くというよりは、これだけ分解して動けばゆっくりになるし、浮力が効いているので、足が着地するときもふんわり着くのです。

 

「猫が足をつけるように」という表現も見たことがあります。猫は、どすどす歩かず、優雅にふんわり歩きますよね。

 

「そんな風にできたら、素敵」と、ちょっと思いませんか?

 

最初は、自分が「2」で動いていることが認識できず、苦労する方もいらっしゃいます。でも続けていけば、ちゃんと分解して動けるようになってきます。

 

「7」に分解しているとは言っても、連続して起きるため、カクカクせず、丸い動きになります。このとき、たとえば、2段階目が終わっていないのに3段階目に移ろうとか、焦ってはいけません。連続しても、混ざるわけではないのです。

 

ここまで読んで、「うわー、大変そう」と思うかもしれません。

 

でも動作を分解できることは、それをたどれば誰でもできることでもあります。

 

一部の限られた人だけしかできないわけでは、ありません。朗報でしょ。

 

そして、常に体が安定して動ければ、心も自然と安心できます。

 

太極拳も、横歩きと同じように、動作を細かく分解することができます。すると、体は不思議なほど楽に上手く動いてくれます。

 

そして、たとえば横歩きを「2」でする人、「7」でする人、どちらの方が、早く動けるかというと、「7」の人です。無駄な緊張がなければ、動きをブロックするものがないことでもあるからです。

 

急がばまわれ、ウサギよりも亀、ですよ。

 

 

☀「陽だまり」とは

「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、りん、とした印象もあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

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いしい まゆみ(道号:静慧)/ みんみん)

太極道家

講座のご案内は、こちらからどうぞ。

 

 


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