点がつながって線になる

2019.12.12 Thursday

(武当山にて。2013年頃、動きがカクカクしていた頃。手前が先生、太極拳を習っています)

 

「点がつながって線になる」とき、点が細かく打たれないと、線にはならないですよね。

 

1センチごとに打たれていたら、線にはなりません。無理やりつないでも、カクカクした線にしかなりません。

 

この点の間隔は、太極拳をはじめたばかりの人と、鍛錬を積んだ人の違いに現れるような気がしています。

 

この前、太極拳を習い始めて2年目くらいの自分の動きを見ました。

心は落ち着いていたし(これはとても大事です)、よく覚えたなあ、とは思いますが、動きはカタく、ぎくしゃくしていました。

 

動作のつなぎが弱く(もしくは、なく)まさに点を1センチごとに打って、無理やりそれをつないだような感じです。

 

カクカクの要因は、いろいろあります。

 

まずひとつは、体をバネのように使えていないことです。

 

バネ(縦に伸びる力)が働いていないと、腰を落としたときに、ゴーンと体重が下に落ちてしまいます。

 

当時も「ゆっくり、ふわんとしながら沈む」イメージは持っていましたが、具体的な方法やコツを知りませんでした。作為的に、筋力で支えるようにして急激に落ちるのを抑えるのでは、体は大変ですし、緊張を引き起こすだけです。

 

バネのように縦に伸びる力は、足で地面を押して、頭が天に向かってぐんぐん伸びていきます。体には無駄な緊張がなく、全身がつながっています。バネって、そういうものですよね。腰を落とすときも、バネを縮めるように、頭が上に向かう力が保たれます。だから、低い姿勢になったときは、パワーがあるのです。

 

水の中にいるように、体はふわりと浮き、軽やかに動きます。歩くときも、腰を落とすときも、自然とスローモーションになります。筋力で制御しなくても、バネが効いているので大丈夫です。これ、とっても気持ちよいのですよ。

(※詳しくは、「空間で、ふわりと浮くように、立って動く」(2019年11月22日のブログ))

 

動きがカクカクしてしまう要因に戻ります。もうひとつは、感覚の発達が関係している気がします。

 

感覚って、なんでしょうね。瞬間をとらえる力と、それに反応する力、みたいなものではないでしょうか。

 

ここで言う力は、「力づく」ではないため、「能力」と言った方がよさそうです。

 

太極拳は、反復練習の結果、動きを習得してスムーズになる、というよりは、瞬間をとらえて反応する力が、より細かくなっていくものだと感じます。

 

つまり、準備して出来るのではなく、瞬間芸です。常に「今」をとらえて、反応します。

 

まさに「今を生きる」ですよね。

 

その「今」の捉え方が、より細かくなっていくのが、鍛錬の成果でもあると思っています。

 

最初の点の打ち方のたとえで言うなら、習い始めた頃は、1センチごとに捉えて、それに反応していたものが、

 

鍛錬が進むにつれて、1ミリごと、0.1ミリごとに捉えて反応していけるようになる感じです。現状をとらえて、反応するまでのタイムラグもなくなってきます。

 

わたしの先生(武当玄武派第十六代伝人 明月師父)は、この前、太極拳を習ったとき、「準備をしたら、準備ができていない」と表現されていました。ちょうどそんな感じです。

 

「準備する」ことは、今、この瞬間に反応しているわけではないですものね。

 

「今」この瞬間に捉えるものは、自分の体の様子です。全身に無駄な緊張がないか、バランスが取れているかなどを、とらえていきます。バランスが取れていないと、無駄な緊張を生みますし、体のめぐりは悪くなります。

 

ゆっくり動くのは、感覚が育っていないうちに早く動くと、雑になったり、ごまかしてしまったり、勢いで押し通してしまいがちだからでもあります。

 

感覚が育っていけば、捉える点の細かさも増し、雑にならずに速く動くこともできるようになります。ですから、誰よりもゆっくり動ける人は、誰もよりも速く動ける、とも言えます。

 

これは、「自分を知る」よい方法でもあります。

 

心の緊張も、体の緊張として現れます。体がきゅっと縮こまったとき、それは、何かしら心が動いた現れでもあります。何か嫌だったり、大切なものが雑に扱われていたり、などです。

 

感覚を育てていくときにも、套路(型)があることは、役立ちます。

 

套路は、それ自体が体の無駄な緊張をなくしていく要素が含まれていたり、なんだかとっても上手くできていると思っています。わたしは、その良さを全てことばで表現できるわけではなく、まだまだ知らないことがあると思っていますが、これが何にいいのかわかりきっていなくても、昔の人の智慧の恩恵を受けられるところが、よいところです。

 

そして、型があることは、自分の変化の「ものさし」があるようなものでもあります。

 

この動作をするときに、これだとキツイけれど、これだとスムーズにできる、とか、

これはぎくしゃくするけれど、これは心地よい、とか、

 

変化を感じやすくなります。

 

套路は、広大な草原に踏み石を置いて「こっちに行けば、もっと楽だよ」と、道案内をしてくれるものでもあり、

同じ道を通ることで、見えてくる景色の変化や、細かい違いにも気付けるものでもあります。

 

型があると、「覚えなきゃ」と窮屈なイメージもあるかもしれませんが、そうではありません。

 

感覚を育て、自分を解放し、より自由にしてくれるものだと思っています。

 

そしてだんだん点がつながって、しなやかな線になっていきます。それって、なんだか、すてきじゃありませんか?

 

 

 

【これからの特別クラス】

12月14日(土)14:00-16:30 「ホントにはじめての武当太極拳・気功(自由が丘)詳細とお申込方法はこちら

 

12月15日(日)15:00-17:30「たのしい太極扇」(池ノ上)詳細とお申込み方法はこちら

 

12月22日(日)14:00-16:30  「やさしい站椿功」(自由が丘)詳細とお申込み方法はこちら

 

 

☀「陽だまり」とは

「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、りん、とした印象もあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

...☆...☆...☆...☆...☆...☆...☆...☆...☆...

 

いしい まゆみ(道号:静慧)/ みんみん)

太極道家

講座のご案内は、こちらからどうぞ。

 


コメント
コメントする








   

calendar

S M T W T F S
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930  
<< April 2020 >>

selected entries

categories

archives

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM