空間

2019.11.05 Tuesday

 

(站椿功)

 

空間は、とっても大切です。

 

空っぽの間、英語で言うとスペース。宇宙とも訳せるところが、また素敵なところです。

 

何もないようで、すごくある、という感覚です。

 

ブログのタイトルに入れている「陽だまり」も、そのイメージは、縁側の空間です。お日様が柔かく照らし、モノも置かれずスッキリしていて、空間があることに意味のある場所。座ったり、寝っころがることもできますし、内と外をつなぐ場所でもあります。

 

あそび、ゆとり、という言葉も、ぴったりきます。

 

きちきちに詰まった場所や、スケジュールは、効率はいいかもしれませんが、息もつまります。ちょっと空を見上げたり、深呼吸したり、息抜きをする時間も、必要ですよね。

 

体にも、空間は大切です。

 

太極拳の体の使い方は、(太極拳だけではないと思いますが)、空間を持ち続けることでもあります。

 

まず、自分の体の中の空間を広げます。

 

足裏で大地を踏み、頭が天に向かって伸びると、体がバネのように縦に伸びていきます。背骨やその他の関節の隙間が、開いていきます。

 

硬く縮こまっていた背中も、ゆったりと広がり、呼吸も楽になります。

 

この縦に伸びる力を元にして、空間は、四方八方に広がります。風船がぷんっと膨らむイメージですが、もっとしなやかで強い感じです。自分の内側だけではなく、外にも広がっていきます。

 

冒頭の写真は、站椿功のひとつの形です。このままひたすら、5分、10分、30分、1時間と経ち続けます。腕で木を抱えるように、前に上げ続けるこの形は、力が四方八方に広がっていく感覚を身につけるには、ぴったりです。

 

見た目は、腕が前に上がっているだけですが、前だけでは成り立ちません。陰陽のバランスを考えたら、前に行くものがあるなら、その前に後ろに向かうものが必要です。

 

目立ちませんが、後ろに向かっているのは、命門(めいもん)です。おへその裏側、背中側にあるツボですね。これが、後ろに引っ張られて、後ろに向かう力になります。

 

命門を後ろに引き続けることで、腕が前に上がり、手の甲は、前へ前へと向かいます。肩の関節の隙間は、空いていきます。体と腕の間の空間も、広がっていきます。

 

腕を下ろしてまっすぐ立つタイプの站椿功は、主に縦に伸びる力を養いますが、この腕を前にあげるタイプは、さらに空間を広げて、パワーをつけるという感覚です。

 

血が巡って体が温かくなったり、ぷんっと広がる空間の力を感じます。

 

太極拳は、この空間を保ったまま、動いていきます。

 

よくクラスで試してみる、面白い実験があります。

 

ペアになり、Aさんはこの站椿功の姿勢を取り、中心軸は動かさず、左右に動いてもらいます。Bさんは、回ってくる方の腕を、外から両腕で押します。

 

何も考えずにやってもらうと、押されたAさんは、腕と体の間の空間がつぶれ、力づく、筋力勝負になってしまいます。腕に意識が行ってしまったり、押してくるBさんをどうにかしようと思いすぎると、こうなってしまいがちです。

 

では、空間を保ったまま動くとは、具体的にどうするかというと、後ろに引っぱられている(膨らんでいる)命門を、左右に動かします。腕を右に動かしたいなら、命門を左に動かします。

 

見えていない後ろ(命門)を、ぐるっと動かせば、前(腕)も、ぐるっと動きます。てこの原理を働かせます。すると、自分の体と腕の間の空間がつぶれることなく、押してきた相手も簡単に動かすことができます。

 

もうひとつ、面白いことがあります。押しているBさんの感覚の違いです。

 

Aさんに空間がない場合、Bさんはもっと押したくなったり、意地になってきたりします。逆に、「もうやめたい」と、辛くなってしまう方もいるようです。

 

Aさんに空間がある場合、Bさんは素直に押されていきます。抵抗する気は起きません。押されていくのですが、不思議に嫌な感じもしません。

 

前者は、ふたりとも力を出しあい、意地を張りあい、摩擦・軋轢が生まれています。

後者は、ふたりの間にストレスはありません。

 

太極拳とは和を求めるもので、それは、もともとある和に還るためのものです。

 

争いが起きないことがいちばんですが、何かの具合で緊張が起こり(戦争や争いが起きるとき、緊張が高まる、と言ったりしますよね)、争いが起きてしまったときに、それをストレスなく終わらせるための方法でもあります。

 

よく、相手は変えられない、と言いますよね。その通りだと思いますが、この場合は、相手が自分で気づいて、本来の姿、緊張のない状態に還っていくだけです。

 

そのためには、自分が空間を保ち続けることが大切です。自分のバランスを崩さなければ、相手がバランスを取り戻すきっかけにもなります。

 

こんな経験を体でしておくと、実生活で摩擦が起きたときに、お互いにストレスをかけず、丸く収める方法をとれるようになるのかもしれないな、と思います。

 

それって、ちょっといいと思いませんか?

 

 

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☀「陽だまり」とは

「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、りん、とした印象もあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

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いしい まゆみ(道号:静慧)/ みんみん)

太極道家

講座のご案内は、こちらからどうぞ。

 

 


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