「あなたの動きは、外見はきれいだけれども、中が悪すぎる」

2019.10.24 Thursday

 

「あなたの動きは、外見はきれいだけれど、中が悪すぎる」とは、2012年の5月、今から7年前に指摘されたことです。

 

「中が悪すぎる」とは、体の中に強い緊張がある、という意味です。現在の先生(武当玄武派第十六代伝人 明月師父)の兄弟弟子、虚谷師父に教えてもらうことになったとき、真っ先に言われたことです。

 

そこから、緊張を取るためのお稽古が始まりました。

 

あのときの指摘と教えには、とても感謝しています。大きな転機のひとつでした。

 

そのときに言われた「外から見た形が美しければ良い、というのではありません。心をからっぽにして、何も整えず、自然な呼吸に従うこと。樹木のように、根をしっかり張り、伸びる枝のように体はのびのびとすること。体には弾力性がある。まず、これができてから、外から見える形や動きを学ぶんだよ。」という言葉を、

 

7年経った今、より実感を持って、読み返しています。

 

この話は、以前站椿していたインターネットテレビの番組(自由が丘FMTV「みんみんの陽だまり太極道)」)でもしたことがあり、最近、お稽古にいらしてくださった方が「それを観た」と、話してくださいました。

 

それがきっかけで、わたしも今のタイミングで、振り返ることができました。

 

「体の緊張があるのです」と、その方は話してくださいました。それもあって、気に留まったのかもしれません。

 

当時のわたしに比べれば、(比べるものではありませんが、あえてしてみるならば)、体の緊張に気づいている分、ずっと、進んでいます。

 

あの頃のわたしは、まったく気づいていませんでした。何が緊張を生んでいるかもわからず、緊張にも気づかず、緊張を取る方法も知りませんでした。

 

お稽古の仕方も、主に外からの形で動いていたと思います。あのまま続けていたら、膝や腰を痛めていたかもしれません。

 

冒頭の先生は、指摘するだけではなく、解決方法の手ほどきもしてくださいました。それは先日、武当山にお稽古に行ったときに感じた、「型はあるけど、型ではない」にも、つながっています。

 

大切なのは、まず、縦に伸びる力が働いていることです。腰を落とした低い姿勢をするときでも、頭を上から押したときに、上に向かう力がしっかりあることです。

 

樹木が伸びるように、のびのびとして、弾力性のある体、です。バネの効いた体とも言えます。

 

イメージも大切です。でもそれだけではなく、いくつか実現するためのコツがあります。縦に伸びる力を出すには、足で地面を押して、頭が天に向かうようにします。そしてバネが途中で切れないように、滞り(緊張)がないこと、特に腰(ウェストライン)、膝、首あたりは要注意です。

 

伸びることで、体に空間(スペース)が生まれます。立っているだけだと、空間は縦に伸びるだけですが、これをもとにして、前後左右、四方八方に風船が広がるように伸びる力が働いていきます。

 

どの方向から押しても、ぱつんと張るような弾力性があります。

 

空間が前後左右に広がっていくときに大切なのは、陰と陽のバランスです。

 

前に動くとき、通常は前を気にしますよね。このとき後ろから押されたら、簡単に前に倒れてしまいます。

 

太極拳の動きは、そうではありません。前に動くなら(陽)、まず後ろへの動きを意識します(陰)。陰が後ろに動くことで、前への動きがバランスを取るように自然に生まれます。このとき、前後に空間が広がります。

 

この”前の動き(陽)が自然に生まれる”のも、大切なポイントです。

 

陽の動き(上、前)は、陰(下、後ろ)に比べて、目立ちます。そのため、陽の動きを”作りにいってしまう”場合が、ほとんどでしょう。

 

でも、水は下から上に流れないように、前に進むだけ、上に上がるだけだと、ポンプを使って水を上げるように、力が必要です。

 

自然の流れは、上から下に流れることで、逆らわないことです。

 

上にあげたいものがある場合、てこの原理を使い、まず一方を下げることで、対になる方が自然と上がります。

 

大切なのは、外から見たときの形ではなく、どうバランスが取れているか、どういう方向に力が生まれているか、という中身です。それが、「型はあるけれど、型ではない」という感想にもつながります。

 

それでも、型があることには意味があります。

 

縦に伸びる力を働かせて、陰陽のバランスで動けば、動きを作るのではなく、動きが作られていくときの感覚が、違いとしてわかります。力の出方の違いも体感できます。

 

それを通して「こういうやり方は不自然ね」と学んでいくことができます。

 

緊張が不自然を生むとも言いますが、不自然さが緊張を生むとも言えます。

 

不自然さに気づくことで、自然と緊張を手放していくこともできるようになります。

 

基本は、のびのび伸びて、弾力性があるような体であるこです。そこには必ず、空間(スペース)が広がります。上下に、前後左右に、四方八方に、です。

 

ここまでは体の話ですが、冒頭の文に「心をからっぽにして、何も整えず」とあるように、心のスペースも必要です。

 

「人に見せるから、美しくやろう」とか、無駄なわけですよね。もうちょっと言うと、「気持ちよーく」みたいに思うことも、整えること(無駄なこと)に入ってしまいます。

 

体も心も、スペースがないこと、緊張があること、無駄があることは、自分のエゴでもあると思います。

 

太極拳を続けていくことは、エゴに気づいて、離れていく体験でもあります。ですから、だんだん軽くなります。でも、外から押されても倒れず、どっしりと大地に根を張って、天に向かってぐんぐん伸びる樹木のようでもあります。

 

軽くて、重いのです。

 

先日、先生は、「準備をしたら、準備ができていない」という表現をされました。

 

たとえば誰かが向かってくるとき、それに構えたり、先回りして何かをしたり、動きを”作る”ことは、無駄な緊張を生んでしまう、という意味です。

 

誰かが向かってきたら、「ひゃっ」と緊張するのは一般的な反応ですが、この一瞬の緊張(しかも、結構強いです)に気づけるようになっていくと、少しずつ、また変ってくることがあります。

 

こうやって、だんだん軽くなって、自然に還っていけることが、単純に「いいな」と思えます。

 

緊張には、理由があります。

 

体の面から、心の面から、いろいろ理由はありますが、どれも多くの場合(もしくはすべての場合)、自分を守るためだったりします。

 

怖いから、緊張という鎧を体に着せることもあるでしょうし、自分の体が不安定だから(構造どおり楽に立っていないから)、本当は要らない筋肉を固めて、骨のようにして支えていることもあります。

 

臆病で、心がカタくなり、それが体の緊張に反映されていることもあります。

 

まじめで責任感が強く、「わたしが頑張らないと!」と思っていることが、緊張を生んでいることもあります。

 

人それぞれです。

 

それが必要だと思っているときは、手放せないでしょう。

 

そんなときに無理やりはがしてしまうと、もっと強い鎧を着るようになりますよね。ですから、不要なものを手放すには、タイミングもあると思っています。

 

そんなに必死に身を守らなくても大丈夫なのだと、自然と思えたら、ひとつずつ、自然に緊張がなくなっていくような気がします。

 

エゴがない(少ない)状態でもありますが、それでも自分が消えてなくなってしまうわけではありません。

 

自分も含めて、緊張を手放して、自然に生きる人が増えたら、より自然で優しい世の中になっていくような気がします。そのためのコツを、さらにわかりやすく伝えて体験してもらえるようにしていきたいな、と思います。

 

 

※「あなたの動きは、外見はきれいだけれども、中が悪すぎる」と指摘された話は、ブログ「先生との出会い」(2015年8月)に書いています。

 

 

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☀「陽だまり」とは

「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、りん、とした印象もあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

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いしい まゆみ(道号:静慧)/ みんみん)

太極道家

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