果報は寝て待て

2019.09.02 Monday

(武当山)

 

海外に行くときは、普段よりも慎重になります。

 

バッグは常に手から離さない(お店に入って座ったときも、腕にかけておきます)とか、お財布は人目につくところで開けないとか、日常的な動作の警戒レベルが自然と上がります。

 

スケジュールにも余裕を持たせて計画を立てますが、それでも、何か起きるときは、起きます。

 

2013年に中国の武当山にお稽古に行った帰りのことです。

 

当時、いちばん近い空港は襄陽(シャンヤン)空港でした。山門からは、車で高速を使って2時間ほどかかります。

 

余裕を見て3時間、飛行機が出る1時間前に着くとして、出発時間の4時間前に武当山を出発しました。

 

車は学校にお願いして手配してもらうため、運転手さんは先生のお知り合いです。これだけでも、安心度が上がります。

 

午前中の便だったので、早朝にお迎えに来てもらいました。無事に会えると、まずほっとします。あとは座っているだけですし、帰るという感傷にひたりながら、しんみり、外の景色を見ていました。

 

いつも乗る高速の入り口に来ると、封鎖されていて、入れません。下の道路を走って、次の入り口に来ても、入れません。その次も...と続き、どうやら今日は、高速にのれないようです。

 

高速を使わずに行ったことがないため、何時間かかるのか、わかりません。

 

運転手さんには、飛行機の出発時間は伝えてもらっていたのですが、あらためて「○○時に出発で、〇時〇分までに空港に着かなければならない。急いでください」と、つたない中国語で、必死に伝えます。

 

ときどき現れる「〇〇まで〇キロ」という標識を見るたびに、焦ります。時速〇キロで見積もるとあと〇時間...、ギリギリか、乗れないか...

 

今日、中国を出発できなければ...国内便も、国際便も、飛行機は買い直しです。経由地を変えて今日帰ることができるのか、1日ずらすのか...1日ずらすと、ビザなしで滞在できる期間(15日)を超えてしまいます。その手続きが必要になるのだろうか...とか、ぐるぐる、いろんなことが巡ります。

 

のんびり走っているように見える運転手さんに、この事態を本当にわかっているのだろうかという不安を抱きながら、「お願いだから急いでください」と必死の懇願をし、他にできることは、と考えて、航空会社に電話してみました。

 

「到着がギリギリになりそうなのです」と言ってみると、その電話で、チェックインしてもらえました。親切な対応に、ほっとしましたが、「到着は何時になりそうですか?チェックインはできていても、ご本人が〇分までにいらっしゃらなければ、飛行機は出てしまいます。わたしたちにはどうすることもできません。」と、当然のことをおっしゃいます。

 

「...あと1時間くらいです...」ウソです。わかりませんもの。でも、ギリギリに間に合いそうな時間を言っておくしかありません。

 

電話を切って、外を見れば、「〇〇まで〇キロ」の残酷な表示が目に入ります。焦りは募るばかりですが、どう考えても、もうわたしにできることは、ありません。運転できるわけでもありませんし、運転手さんが急いだとしても、速度には限界もあります。

 

ああ、どんなに焦っても、もう何もできないのだ、と思ったら、

 

............いつのまにか寝てしまっていました。

 

バッグについていた鈴がチリンと音を立てて目が覚めて、時計を見たら30分くらい経っていました。

 

「え?寝てた?」

 

朝、早かったから、眠かったとはいえ、この状況で寝てしまうとは...

 

空港にはだいぶ近づいていましたが、最後の最後、道に迷ったようで、運転手さんは窓を開けては道を聞いている様子です。

 

でもやっぱり、わたしにできることはありません。じっと待つだけです。

 

なんとか到着し、カウンターに走って荷物を預け、「急いで!」と言われて搭乗口まで走りました。運転手さんも一緒に走ってくださり、中に入るまで見届けてくださいました。

 

運転手さんも、心配してくれていたのだと、わかりました。

 

そして空港に到着してから10分後、飛行機のドアが閉まりました。小さな地方空港とは言え、人生で最速です。

 

「果報は寝て待て」ということわざがあります。

 

運というものは人の力ではどうにもできないものだから、あせらずに時機を待つのが良い、とか、人事を尽くしたら、あとは気長に良い知らせを待つしかない、という意味です。

 

まさかこのタイミングで、本当に自分が寝てしまうとは思いませんでしたが、おかげで休めましたし、不安な気持ちからも逃れられました。

 

今から思うと、運転手さんにしても、不安そうな顔でソワソワしていられるよりも、すやすや寝てくれた方が、安心して運転できたかもしれません。

 

自分の力なんてちっぽけで、どんなに準備したとしても、そのとおりになるわけでもありません。それ以上、何もできないこともあります。

 

それなら、寝てしまって、体力や気力を温存するというのも、いい方法なのかもしれませんよね。もちろん、そんなことを考えたわけでもありませんが。

 

間に合ったことは、運転手さんが安全運転でベストを尽くしてくれたり、電話でチェックインさせてもらえたり、道路が混んでいたわけではなかったり、いろいろなことが重なってのことですが、

 

運がよかった、としか言いようがありません。

 

その運は、わたしが何かをしたからではありません。ほんと、ありがたいです。

 

 

 

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☀「陽だまり」とは

「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、りん、とした印象もあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

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いしい まゆみ(道号:静慧)/ みんみん)

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