未知の国、モンゴルでの夏休み

2019.07.23 Tuesday

 

7月、早目の夏休みに、モンゴルに旅しました。

 

わたしの人生に突然、現れたこの国は、友人の親族が駐在しており、誘っていただいたのです。

 

ご縁がなければ、自分から「行こう」と思わなかった場所です。ご縁とは、びっくりするような展開をもたらしてくれますね。ありがたいです。

 

さて、どんなところなのかしらと、ガイドブックで調べようとしたところ......ない。わたしが確認したところでは、「地球の歩き方」しかありません。しかも「ここに行ったらいいよ」とお勧めされたところは、まったく出ていません。

 

幸い、「少ない情報で旅のプランを決めるのは大変でしょうから」と、現地にいらっしゃる友人のご親族が、旅の案を提案してくださいました。

 

モンゴル、ほんとうに未知の国だったのですよ。それだけに、行って驚くことも、たくさんでした。

 

モンゴルの国土は日本の約4倍ですが、人口は、約300万人です。びっくりしました。300万人といったら、日本では茨城県や広島県くらいです(ちょっと足りませんが)。うち約140万人が、首都のウランバートルに住んでいます。

 

ウランバートルは、50万人を想定して作られた都市なのだとか。地方から仕事を求めて移り住む人が多いようで、あちこち、しょっちゅう工事をしていたり、何かとパンク状態なのかな、と感じる光景を見ることもありました。

 

聞いた話では、15年くらい前は街中に牛が歩いていることもあったようです。今は高いビルも建っており、すっかり都会の顔です。ここ数年で、特に大きく発展したようです。都市部の生活は、便利で快適でした。

(ウランバートルにあるボグド・ハーン宮殿博物館。ビルも立ち並びますが、仏教寺院やこのような歴史建造物もあります)

 

モンゴルまでは、毎日1便、直行便が飛んでおり、約5時間ほどで到着します。行きの飛行機の中で読んでいたのは、司馬遼太郎の「モンゴル紀行:街道を行く」です。少ない中、見つけたモンゴル情報でした。ガイドブックとしては古すぎですが、この国を知るためは、とてもいい本でした。面白かったです。

 

司馬遼太郎は、1973年の秋に、モンゴルに旅しています。ソ連(当時)経由で、新潟(1泊)→海路でハバロフスク(1泊)→イルクーツク(1泊)ここでモンゴル領事館でビザを貰う→ようやくモンゴルへ、という気の遠くなるような行程でした。途中で関所も通らねばならず、到着するだけでも一苦労だったのですね。

 

本の中で司馬遼太郎は、「モンゴルへは、おそらく今後もじかにゆけることはあるまい。ソ連を通らねばならな」と書いています。直行便の中で読むと、なかなか感慨深いものがありました。今は、短期の旅行ならビザなしで行けます。50年とは、想像できない変化をもたらすものですね。

 

到着したのは、ウランバートルのチンギス・ハーン空港です。偉大なる英雄、チンギス・ハーンに似合わず(ごめんなさい)、こじんまりしていて、入国の列も、モンゴル人、外国人とも、それぞれのレーンに4〜5人と、あっという間でした。搭乗ゲートも、ひとつしかないのですよ。今、別の場所に新しい国際空港を建設中のようです。

 

荷物を取って外に出てみると、なんだか体がふんわりします。めまいを起こすほどではありませんが、その手前くらいの感じで、ふわんふわんするのです。

 

「どうしたのかしら?くたびれているのかしら?」と思いながら、そのままお迎えに来ていただいた方の車に乗り込みました。

 

泊めていただくお宅は4階で、あいにくエレベーターが故障中でした。4階ならイケると思って登り始めたのですが......なんだか体が妙に重く、ちょっぴり息切れも。4階って、こんなに大変だったかしら?心なしか、息も浅い感じです。

 

これはちょっと気をつけないと......無理はできないな、と思っていたら、

 

原因は、どうやら標高です。ウランバートルの平均標高は、約1350mです。高いですよね。現地の方が「くたびれやすいですよ」と説明してくださいました。

 

そのせいか、旅行中に電車や車で地方に旅したときには、道中ぐうぐう寝ていました。「あんなに寝たら夜、寝られなくなるのでは」と心配されるほどでしたが、夜もぐっすり眠りました。わたしなりの本能的な対処法だったのかしらね。

 

帰る頃には、少し楽に階段を登れるようになり、「赤血球の数が増えてきたのでしょうね」と言われました。思いがけず、軽く高地トレーニングができたかしら(そこまで高くはありません)。

 

通貨はトゥグルク(Tg)で、だいたい1円=24Tgでした。銀行や両替所で日本円から換金できますが、コインがなく、すべて紙幣です。5千円で12万Tg、ちょっと多めに換金すると、すごい札束になります。「厚い札束を持っていると狙われるから、少額ずつ換金するように」と注意されました。

 

ただし、街中ではカードが使えます。現地通貨が必要なのは、地方に行くとき、それからザハと呼ばれる市場(といっても、買い付けに来るところでもあります)で買い物をするときくらいです。ウランバートルでは、ほぼキャッシュレスです。便利ですね。

 

気候は、1年を通して乾燥しており、シャンプーしても、洗濯しても、すぐ乾きます。夏の時期の気温は30℃以上に上がり、暑かったです。ちょっと歩くと汗がダラダラ、直射日光もキツく、サングラスは必須で、洋服も袖があるほうが、肌を日差しから守れて快適でした。

 

夏は雨の季節でもあり、今回も博物館にいる間に、滝のような雨が降り、雷も聞こえました。博物館内も雨漏りしていて、職員さんたちが慌てふためいていた様子を見ると、よくあることではないようですね。雨は1時間くらいでやみましたが、道路は水はけが悪く、車がものすごい水しぶきを上げながら走っていました。

 

あまり雨が降るところではないので、たまの雨のための水はけまで、整備しきれていないのかしらね。

 

道路を歩く人はあまり多くなく、たいてい車です。なんと、プリウスが多いのです。ただし中古車です。日本では車検に通らないかも、と思うような車もバンバン走っています。

 

プリウスは、日本ではけっこう良い車と認識されていると思うのですが、どうやらモンゴルでは違うようです。

 

「こちらでは、外見で判断されるから、車や服装が大事。プリウスだと信用がない」とか。プリウス、とほほですね。

 

ついでに外見の話をすると、スーパーでお買いものしていても、きれいなドレスに装飾品を身に着けた女性たちに出会いました。会社の食事会のようなとき、女性は一度帰宅して、きれいに着飾ってからやってくるのだそうです。

 

女性が華やかなのは、勢いがある証拠でもありますけどね。モンゴルと言えば、素朴な感じを勝手に想像していたのですが、全然違いました。こんな風に、旅の間は、いかに勝手な先入観を持っているか、思い知らされるような日々でした。

 

ウランバートルでは、日中は暑く、朝晩は少し気温が下がりますが、それほど冷え込みませんでした。クーラーは使わず、窓を開ければ、気持ち良い風邪が入ってきます。夏は空気がきれいなので、問題なく窓を開けられるようです。

 

7、8月を過ぎるとぐっと冷え込むようになり、大気汚染の問題もひどくなってくるようです。冬では−30℃にもなり、寒さしのぎのために、ウランバートルは街中にセントラルヒーティングを供給する施設があります。有料で、モンゴル人は安価に、外国人はそれなりの価格だそうです。格差を考えると、妥当ですね。聞いた話では、たとえばお医者さんで月収が2万円くらい(日本円換算)なのだとか。

 

地方では寒さしのぎのために、古タイヤを燃やし、それが大気汚染の原因になっているようです。一応、禁止されているようなのですが、とにかく寒いとなったら、背に腹は代えられないのでしょう。なかなか解決しにくい問題かもしれません。

 

ちなみに、ガソリンは輸入ですので、値段は高めです。日本とあまり変わらないくらいでした。

 

産業が乏しいため、スーパーに行くと、ほとんど輸入品です。これが日本なら、ちょっと高級なスーパーのように見えてしまいますが、事情が違います。海外製品が贅沢品なのではなく、国内産がないから、外国モノが並ぶ、ということですね。

 

夏の名物は、ナーダムという祭典です。ウランバートルでは国家記念日である7月11日〜13日に開催され、これに合わせて日本からツアーでやってくる観光客も多いようです。モンゴル相撲や競馬、弓射が三種競技です。

 

わたしが到着したのは12日の夜で、主要な競技はすでに終わっていたのですが、テレビでちょっと見ることができました。今では外国人が参加できるものもあり、鳥を模したような衣装を身に着け、羽ばたきながら入場し、草原のあちらこちらで相撲を取る、というような、なかなか面白い光景でした。どの国でも、おまつりはいいですね。

 

ナーダム目当ての方は、11日の開会式に間に合うように、10日までに到着されたらいいですね。

 

ナーダムは地方でも開催され、開催日は土地によって様々です。夏を通して、あちこちで楽しめるようです。(と言っても、広いので、ちょっと見に行こう!とはならないかもしれませんが。)

 

そして、モンゴルといえば、特筆すべきは遊牧民です。牛や馬、羊やヤギ、ラクダやヤクを飼い、時期によって草原を移動して生活します。

 

特定の居住地を持たず、ゲルという移動式の円筒状の天幕で生活します。ゲルとは、モンゴル語で「家」を意味するそうで、今は遊牧民の住む家をさすようです。パオ(包)とも言いますが、中国語ですね。

 

このゲル、解体するとラクダ1頭で運べる量になるのだそうです。組み立てにかかる所要時間は約30分。もちろん、遊牧民のように慣れている人ならば、です。

 

(ゲル)

 

このゲル、地方の牧草地にも見られますが、ウランバートルでも見られます。

 

遊牧民は、特定の住所を持たず、定住していません。家畜を連れて移動するため、移動先に自由にゲルを建てることができます。

 

一方、モンゴルにも土地の所有はあります。このため、ウランバートルや自治体が管理しているところでは、自由にゲルを建てることはできず、使用料などを支払う必要があるようです。

 

なんといっても驚いたのは、360°見渡せることです。遠く低い(といっても、ベースが高いですけどね)山が連なり、どこにいってもぐるっと見渡すことができる経験は、ほかではちょっとないです。

 

ひたすら広い大地、ひたすら広い空、ときには迷子になりそうですが、モンゴルに住む人々は、山で方向を見分けて、ちゃんと目的地に到着するのだとか。

 

わたしには、あちらもこちらも同じように見えてしまいましたが(苦笑)。

 

広いところに育った人々だからなのか、とにかく目がいいです。司馬遼太郎の「モンゴル紀行」では、現地の人が「〇〇がやってくる」と言ってから5分とか10分後、豆粒のようなものがうっすら見えてくる、というようなくだりがあったのですが、それも納得できるようでした。

 

モンゴルの人々は、おおむね親切でした。ただ、ニコニコするというよりは、どちらかというと無表情でそっけないので、一見、ちょっととっつきにくい感じもあります。でも実際には、親切です。無駄に笑わない、という感じなのかしらね。

 

旅行中は、ウランバートルを拠点に、ちょっと東南のサインシャンドへの寝台列車の旅と、ちょっと西のハラホリンとツェツェルグへの車への旅と、あちこち移動もありました。

 

サインシャンドはガイドブックに出ていないのですが、パワースポットとしては人気の場所です。寝台列車で、片道10時間くらいです。

 

ハラホリンは、かつてモンゴル帝国の首都がおかれていた場所で、カラコルムと呼ばれていました。日本人も協力して、遺跡もたくさん発掘されており、日本のJICAの援助で建てた博物館は、小さいながらも素晴らしい内容でした。世界文化遺産のエルデニ・ゾーという仏教寺院もあります。

 

ハラホリンから車で2時間くらい行くツェツェルグは、なんと温泉地です。西洋人にも人気のようでした。

 

実は、モンゴル人は「お風呂に入る」習慣がないため(みんなシャワーです)、温泉といっても興味を示さないらしいのですけれどもね。ただ、いちど経験すると、その気持ちよさにはまる人もたくさんいるそうです。

 

東と西の土地の違い、気候の違い、生活の違いなども、いろいろと感じられる豊かな時間になりました。

 

ゲルと遊牧民、そして美術や書の美しさ、食など、印象深かったことがたくさんです。それはまた、順に書いていこうと思います。

 

”モンゴル、よいとこ、いちどはおいで。”

 

(360°ぐるっと見渡すことが、普通の国)

 

 

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いしい まゆみ(道号:静慧)/ みんみん)

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