武当山日記:形意拳で学ぶ勁法

2019.06.20 Thursday

(右が先生、明月師父(武当玄武派第十六代伝人)

 

5月下旬に武当山にお稽古に行っていたときの、早朝練習メニューは、形意拳でした。

 

形意拳とは、内家拳(太極拳、形意拳、八卦掌)のひとつであり、先生いわく「勁法を学ぶのによい」のです。

 

「勁」とは、中国武術特有の用語です。ざっくり言うと「力」とも言えるのですが、一般に思う「力」とは異なります。

 

「力」とは、もともとの筋力、そして筋力強化のトレーニングによって生み出されるもので、

「勁」とは、全身の合理的な協調運動によって生み出される力、少ない労力で合理的、かつ最大限に発揮する力、です。

 

この「勁」の説明は、どうにもわたしに言葉にできる力が足りず、上手く伝わらないかもしれません。力づくではなく、筋力頼りではない、と言えば、少し伝わるでしょうか。

 

形意拳は、見た目にはハードです。直線的に進み、打法も早いスピードで繰り出されます。ときどき、太極拳と対比され、

 

太極拳は、見た目には柔らかいけれども、中身は強く、

形意拳は、見た目にはハードだけれども、中身は柔らかい、と表現されます。

 

つまり、形意拳で大切なことは、緩んでいることなのです。

 

習いたてのころは、「力」でやろうとしがちですが、力むと緊張が生まれるため、スピードも遅くなり、威力も出ません。そもそも、体が持ちません。「これでは、やっていられない、どうにかしないと」と、だんだん無駄な力みに気づいては抜いて、を繰り返していきます。

 

そのうち、少しずつコツがつかめてきて、体の中は柔かいまま、動けるようになってきます。

 

形意拳を最初に習ったのは、2011年の春のことです。1か月半の間、ひたすら三体式という站椿功と、五行拳という基本を繰り返しました。基本練習ですので、演武のように披露できるものではありませんが、これが自分の体を作ってくれたと思っています。

 

そして、おぼろげながら「勁」というものに触れて、感じ始めたのも、このおかげです。

 

太極拳は、上に書いたとおり、見た目には柔らかいのですが、体の内部には力があります。でも、見た目の柔らかさにまどわされて、内部まで柔らかいままの場合があります。

 

それは、違うのです。

 

太極拳をある程度やってきて、なんとなく行き詰っている方には、形意拳をやっていみるといいかもしれません。

 

 

三体式という站椿功は、形意拳の基本練習で、手の形は「劈拳(ピーチュアン)」という、上から打ち下ろす形を使います。

 

下記の写真は、2011年に初めて習ったときのものです。ピヨピヨの頃で、まだ力などなかった頃のものですが、形として一番わかりやすかったので、載せてみました。

 

(三体式の站椿功。三体とは、宇宙の三宝、天、地、人のこと)

 

簡単に、やり方をご紹介します。

 

体重は、後ろ足7:前足3です。後ろ足は外向きに45度開き、前足はちょっとだけ内向きにします。後ろ足の踵と、前足のつま先が、同じ直線上にくるようにします。

 

立つときには、後ろ足でぐっと前に押してから、前足をぐっと押して、この形を作ります。ただ足を地面に乗せている(体重を乗せる)のではなく、両足で地面を押すことで、逆向きの力が上に向かいます。

 

後ろの手は、そけい部の前に置き、腕は丸く、手のひらで押し続けるようにします。

 

おへその裏の命門は後ろに開き、前の腕の肩関節は、隙間が空いていくようにします。

 

前の手の人差し指が遠くに向かうイメージで、中指・薬指・小指はちょっと何かをつかむような感じにします。親指は、人差し指との間を丸く自然に開けます。

 

前の手の人差し指、前足のつま先、鼻先を結ぶと、三角形ができるようにします。

 

あごは軽くひいて、首の後ろが伸びるようにします。

 

力のバランスとしては、縦に伸びる力(足で地面を押して頭が天に向かう)が働いている中で、命門を後ろに開いて(引っ張って)指先が前方に向かうという横に伸びる力を出す、という感じです。天地とつながり、力が四方八方に広がり始めます。

 

この姿勢で立ち続けます。最初は5分から。足と手を交代して、両方で10分です。

 

けっこう大変なので、楽にできる方法やバランスを、あれこれ探ります。その間にあれこれと感覚がやってきます。ここは言葉にはなりませんが、これがいろいろ、いいのです。

 

 

武当山で一緒に三体式をやっていた10代の少年たちは、最初は「腕が痛い、辛い」と言い、5分続けられませんでした。

 

隣になった人の腕が下がったときに「がんばれ」と声をかけると、持ち直し、それがもう一回あって、ちゃんと最後までやり遂げたこともありました。最初は、根性も必要です。

 

そのうち、だんだんと、そのまま5分続くようになりました。

 

こういうものは、最初からひとりでするのは、大変かもしれません。みんな一緒だと、頑張りやすいですよね。

 

形意拳は、太極拳とは違って、見た目には「ザ・武術」というハードさがあり、おののく方もいらっしゃるかもしれませんが、実際には女性にもおすすめです。しなやかで、頼れる体を育ててくれます。

 

どこかのタイミングで、はじめての形意拳クラスも開催してみようと思っています。

 

 

(形意拳には12の動物の形、十二拳があります。これはそれを組み合わせた套路で、馬の部分を習っているところ。2年前です。)

 

 

【これからの特別クラス】

6月30日(日)14:00-16:30「−20歳のカラダほんとにはじめての武当太極拳」初心者から、太極拳のお稽古に悩んでいる方、武当太極拳を体験してみたい方に。詳細とお申込み方法はこちら

 

7月7日(日)14:00-16:30  「たのしい太極扇」 詳細とお申込み方法はこちら

 

7月21日(日)14:00-16:30「内なる自然に還る旅:魚からの進化をたどって若返ろう!」 〜最終回は、ぴょーん、ぴょーんと跳ね上がるマサイのジャンプを体験します。詳細とお申込み方法はこちら

 

7月28 日(日)14:00-16:30「やさしい站椿功」 詳細とご申込み方法はこちら

 

 

☀「陽だまり」とは

「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、りん、とした印象もあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

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いしい まゆみ(道号:静慧)/ みんみん)

太極道家

講座のご案内は、こちらからどうぞ

 

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