「そして、バトンは渡された」

2019.06.14 Friday

 

5月後半に中国の武当山に行ったときに、読んだ本のひとつが、瀬尾まいこさんの「そして、バトンは渡された」でした。

 

本屋大賞を受賞したこの本は、あちこちの本屋さんで平積みにされていて、なによりも装丁の美しさに魅かれました。

 

本の装丁や、文字のフォント、大きさとか余白、紙の感じなど、その本の周辺のあれこれは、大事だと思うのです。一つひとつ分析することはなくても、その本の「たたずまい」から、感じるものも多いのですよね。この本を旅のお伴にしようと思ったのも、そんなことからでした。

 

これから読む方のために、できるだけネタバレはしたくないのですが、設定は、とても破天荒です。

 

「優子さん」という主人公には、母親が2人、父親が3人います。17歳の時点の苗字は4つ目(もちろん、主人公が結婚する前です)、その間に家族の形態は7回変わっています。

 

この境遇に、主人公に対して周りの大人たちは、「どれだけつらいでしょうに」という思いを向けます。

 

でも当の本人は、「困った。全然不幸ではないのだ。少しでも厄介なことや困難を抱えていればいいのだけど、適当なものは見当たらない。いつものことながら、この状況に申し訳なくなってしまう。」(第1章の書き出し部分から)

 

なのです。

 

家族形態が7回も変れば、慣れるのにひと苦労したり、血の繋がらない大人と暮らすには気を使うこともあったり、いろいろと大変なことも書かれています。

 

それでも、ある学校の先生から「あなたみたいに親にたくさんの愛情を注がれている人はなかなかいない」と言われるほど、

 

親たちは、血のつながりの有無に関係なく、主人公に愛情を注ぎます。それはもう、ものすごく愛に溢れています。

 

その愛情は、ときどき行き過ぎた行為になってしまうこともありますが、それに対する主人公の反応も、愛情にあふれています。それが、とてもいい。

 

「こんな奇抜な設定、ありえない」と、一瞬思ってしまいそうですが、この本を読んでいると、「あるかも」と思ってしまうほど、ストーリーは自然に流れていきます。

 

実際、現実の方がよほど奇抜です。

 

自然界を見ても、ありえない色の動植物が存在したりしますよね。もしその色の布を見たら「自然(ナチュラル)ではないよね」と言ってしまいそうな蛍光色の花や虫も、実際に目にすることもあります。

 

自然、という言葉にはいろいろな面があって、もともとの「自ずと然り」という意味もあれば、「自然色(ナチュラルカラー

」のような使い方をされることもあります。

 

「自然」の意味を、誤解しそうになる面を、よく表している使い方だと思います。

 

「ふつう」の意味も、これに似ていますよね。何が「ふつう」かは、自分のこれまでの人生を基準にしているかもしれません。良いことも、悪いことも、自分なりのモノの見方になりがちです。

 

もちろん、それも間違いではありませんが、だからと言って、それが世の中のすべてだとは限りません。

 

どんなに生きてきても、現実の世界のほんの少しのことしか、体験できないのですから。

 

なによりも、この本を読んで感じたのは、作者の瀬尾まいこさんの世の中への、暖かく優しい視線です。

 

いろいろと悲しいことや悲惨なことも多く、現実を冷静に見ることも大切だと思っていますが、それでもどこかで、暖かい目で希望を持って見ることを忘れたくないと思っています。それで救われるものも、あるのではないかしらね。

 

救われるのは、誰よりも、自分かもしれませんが。

 

「そして、バトンは渡された」瀬尾まいこ著 文藝春秋社刊 出版社の紹介サイトは、こちらからどうぞ。

 

そういえば、しあわせとは、〇があるからしあわせなのではなく、現実をどう感じて受け止めるか(しあわせを見つける、という言い方もするようですが)だ、という話もありますね。これも、そのひとつなのかもしれません。

 

 

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「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、りん、とした印象もあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

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いしい まゆみ(道号:静慧)/ みんみん)

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