映画「グリーンブック」を観て感じたこと

2019.03.14 Thursday

 

アカデミー賞 作品賞、助演男優賞、脚本賞を受賞した映画「グリーンブック」。

 

1960年代、制度として黒人差別があった時代の実話をもとにした、白人と黒人、ふたりのおじさんの物語です。

 

黒人のドクター・シャーリー(ドク)は、幼いころから音楽の才能を発揮し、9歳でレニングラード音楽院の生徒となり、18歳でデビュー。カーネギーホールの上のマンションで暮らす、著名なピアニストです。

 

白人のトニー・バレロンガは、イタリア系アメリカ人。ナイトクラブで働いていましたが、改装のために職を失ったとき、縁あって、ドクの2か月にわたる演奏旅行の運転手として雇われます。

 

演奏の行先は、南部。黒人差別が、色濃く残る地域です。

 

各地を転々とする中で起こる出来事、ふたりを中心とする人々の関係などが描かれていますが、詳しくは映画を観ていただくとして、この映画を観て感じたことを、書いてみようと思います。

 

自分のアイデンティティです。

 

海外で生活して、海外の人との交流が日常になってくると、好む好まないにかかわらず、「自分は日本人である」ことを感じる機会が多くなるのは、わたしだけではないと思います。

 

日本のことを知りたくなったり、文化の素晴らしさを再確認するというのも、よく聞く話です。

 

でもそれだけではなく、差別や批判の対象になることもあります。

 

たとえば12月8日(アメリカは7日)、「今日は真珠湾攻撃の日だね。まゆみが戦闘機に乗ってやってくるよー。」とニコニコと言われたり、(どう反応していいかわからずにおどおどしていると、「冗談だよー。ごめんね」と。)、

 

アメリカ人同志で「ジャップが......」と話しているところに、わたしが姿を現したときは、「あ、ごめんね。いつも言っていたから、つい」と言われたり(話題は、わたしとは関係ないことです)、

 

日常にふつうにあらわれる、小さくて大きな出来事に、チクチクと心が痛みました。

 

個人的に意地悪されたわけではありません。困ったことがあれば、いつでも助けてくれました。

 

わたしという個人への感情と、日本という国への感情とのギャップを感じるたびに、戸惑うこともありました。

 

差別もあれば、逆のやっかみもあります。そしてこういうことは、海外だけでなく、国内でも起こります。

 

わたしが所属している〇〇は気に入らないけれども、わたし個人にそういう感情はないらしい、と感じたこともありました。

 

太極拳を始めて、中国に行くようになっても、同じです。

 

仲のよい友人たちが、SNSで「今日は対日勝戦記念〇周年!めでたい!」と投稿しているのを見るたびに、複雑な思いになることもありました。(その後、これには理由があるとわかりました。気になる人は、会ったときに聞いてください。)

 

あるとき兄弟子のひとりが、秦の王のことばを載せていました。ざっくり覚えている限りで書くと、日本人は日和見主義で、主張がなく、わけのわからない人々だ、というような、少なくともほめ言葉ではなかったと思います。

 

それを読んで、また複雑な気持ちになり、「?」という絵文字をコメント欄に入れてみたところ、すぐに返事がきました。「きみのことじゃないよ!」

 

このとき、気づいたことがあります。個人としてのわたしと、日本人としてのアイデンティティを、ごちゃまぜにしていたのは、わたしです。

 

日本人は、と非難じみたことを言われると、自分が言われたような気になって、過剰に反応していただけです。妄想ですよね。「そんなことは、もうやめよう、わたしはわたしでしかないのだから」と思うようになりました。

 

 

映画の話に戻ると、個人として成功しているピアニストへの振る舞いと、制度として差別がある南部の習慣としての黒人への振る舞いとのギャップなども、たくさん描かれています。

 

差別が公然と認められている中での出来事は、理不尽に思えることもあり、胸がぎゅっとなります。それでも、そんな場面での人としての暖かさや、ユーモア―、冷静さ、情熱、そして前を向こうとする姿に、救われる思いがしました。

 

あの時代、あの環境の中で、こんな風に生きたひとたちがいたという、ひとつの実話を伝えてくれています。そして個人のつながりは、制度の壁を飛び越える力がある、と感じさせてくれます。

 

 

この映画は、父(トニー)から伝えられた話を、息子さん(ニック・バレロンガ)が50年間あたためてきたものが元になっています。今回、その息子さんは共同脚本という役割で、アカデミー賞も受賞されています。そんな背景もすてきだな、と感じさせてくれます。

 

涙もありますが、全体としては「クスッ」と笑えるコメディですので、楽しく観られます。おすすめです。

 

 

アートは、壁を超えます。映画も、音楽も、太極拳も、ね。

 

 

映画「グリーンブック」公式サイトは、こちらから

 

〜グリーンブックとは〜

1936年から1966年まで、ニューヨーク出身のアフリカ系アメリカ人、ヴィクター・H・グリーンにより毎年作成・出版されていた、黒人旅行者を対象としたガイドブック。黒人が利用できる宿や店、黒人の日没後の外出を禁止する、いわゆる「サンダウン・タウン」などの情報がまとめてあり、彼らが差別、暴力や逮捕を避け、車で移動するための欠かせないツールとなっていた。ジム・クロウ法(主に黒人の、一般公共施設の利用を制限した法律の総称)の適用が郡や州によって異なるアメリカ南部で特に重宝された。

(映画パンフレットの説明より)

 

 

≪特別クラスのご案内≫

3月17日(日)14:00-16:00は「ー5歳のハッピーウォーク」です。詳細とご応募方法はこちら

 

3月24日(日)13:00-15:00は、千葉県香取市(小見川)の「立って、歩いて、太極拳」です。詳細とご応募はこちら

 

3月 31日(日)14:00-16:30は「たのしい太極扇(第19回)」です。詳細とご応募方法はこちら

 

4月7日(日)14:00-16:30は「やさしい站椿功:しあわせを呼ぶ7つのステップ第6回)」です。詳細とご応募方法はこちら

 

4月14日(日)14:00-16:30「内なる自然に還る旅:魚からの進化をたどって若返ろう!」 第3回 ワニの上陸 です。詳細とご応募方法はこちら

 

 

☀「陽だまり」とは

「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、りん、とした印象もあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

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いしい まゆみ(道号:静慧)/ みんみん)

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