子どもの頃、なりたいものなんて、わからなかった

2019.03.08 Friday

(8歳くらいの頃)

 

小学生の頃とか、よく聞かれませんでしたか?「将来、何になりたい?」

 

まわりを見渡せば、「保母さん!」とか、みんなどんどん答えたり、書いたりしていました。わたしはこういうとき、いつも困っていたのです。なりたいものなんて、さっぱりわかりませんでした。

 

お絵かき好き、ピアノも好き、お外で遊ぶのも好き、水泳も、バレエも好き、本を読むのも好き、と、いろいろ好きなことはありましたし、毎日楽しく暮らしていたと思うのですが、

 

将来なりたいものになると、思い浮かびません。

 

10歳くらいの子どものわたしは、なりたいものには出会っていなかったのだと思います。

 

あの頃のわたしに、今の自分を見せたら、きっと驚きますね。太極拳なんて知らないし、こんな生き方もあるということも、知りませんでした。

 

 

でもそれよりも、わたしにとって、自由であることが、とても大事なのです。

 

長時間、おとなしく座っていることも苦手で、2時間の映画は、限界ギリギリラインです。

 

とあるワークショップに参加したとき、輪になって椅子に座るのですが、椅子の上であぐらをかいたり、片足を椅子にあげたり、ちょっと横向きになってみたり、と、あれこれするわたしに、

 

「なに、これ?これって、ありなんだ......」と、衝撃を受けた人がいたと、後から聞きました(もちゃもちゃ動く人は、わたしだけではないはずですが。)

 

 

日本の教育も、生意気を承知でいうならば、窮屈だと感じていました。進学するときにイギリスを選んだのは、「この窮屈さから、抜け出したい」と思ったことも、大きかったと思います。

 

違う文化に住むことは戸惑いもありますが、知らない間に当たり前になっていた枠を、たくさん取り払ってくれました。

 

たとえば授業中、無言でトイレに行ってしまう生徒がいる、とか、(学生のころ、授業中は、我慢するものだと思っていました)、

 

終業のチャイムがなって、まだ先生が熱弁をふるっていても、さっさと席を立って退出してしまう生徒がいる、とか、

 

最初は、「な、な、な、なんで出てっちゃうの?」と目を丸くしていました。

 

大学で学ぶことも、大きく違います。日本にも社会人大学生という制度はありますが、わたしの学生時代は、今ほどではなかったように思います。大学院に行く場合、ほとんどが大学を卒業してすぐに進学していたと思います。

 

でもイギリスでは、30代、40代の同級生も、たくさんいました。学部によっては、仕事の関係で派遣されてくる人もいますが、わたしがいた文学や歴史の学部だと、そいういう人は、ほとんどいませんでした。

 

40歳くらいの同級生が「働いたり、いろいろやって、今、学びたいと思ったから学校に来たの」と嬉しそうに話していたり、「子供が大きくなってきたから、勉強したくて」と言う人がいたりと、いろいろで、「學校は、いつでもやりたいときに戻ればいいんだ」と気づかせてくれました。

 

パートタイム学生とかも、あるのですよ。この時期は学校、この時期は仕事、と、できるわけです。制度自体が、とっても柔軟ですよね。

 

こんなことも、ありました。タイから来ていた学生は、自国で奨学金をもらっていたのですが、半年くらいで生活費が足りなくなりました。「イギリスの大学から生活費としてこのくらいかかる、と言われた金額を申請してもらって来たのだけど、実際には全然足りなかった。だから、今度はこの大学に、あなたの言った金額では足りなかったから、こちらで奨学金をくださいって、申請するんだ。」と、ニコニコと話すのです。

 

状況は気の毒だと思いつつ、「いやぁ、それは無理じゃないか」と思ってしまいました。でも、数週間後、この友人は「取れたよー」と満面の笑みで報告してくれたのです。びっくりです。諦めることはないのだ、と学びました。

 

今思うと、そのプロセスを最初から最後まで、ニコニコとやってのけた友人にも、びっくりします。ストレスもあったかもしれませんが、見た目には悲壮感ゼロ、怒りゼロ、です。「笑う門には、福来たる」とは、このことでしょうか。

 

そのほか、車が壊れたら「時間があるときに、自分で直す」という人々にびっくりしたり、

なみなみと注がれた紅茶がソーサーにこぼれたら、カップにじゃーっと戻し入れて飲むとか、

ハンカチは、鼻を噛んで、袖の中にしまうとか、小さな悲鳴を上げたいような衝撃もありましたが、

 

裸足で芝生の上にシートを敷いて、お茶やお菓子も用意して、ピクニックするように勉強したりと、自由の幅は、広がりました。

 

帰国した後、当然のことながら、同期という存在もなく、ちょっぴりさみしさもありましたが、それよりも、ほっとしたほうが大きかったかもしれません。

 

「もう、誰とも比べられなくて済むのだ」と、思ったからです。

 

実際には、その後も、人からの評価を気にしたり、人との比較を気にしたりと、まだまだ囚われることも多くありましたが、そういう経験をするたびに、「本当は自由でいたいのだ」と、自分の大切にしたいことを、あらためて感じてきたように思います。

 

競争は、気づかない間に、そんなつもりもなく、してしまうものです。そして、自分を追い詰めていきます。それがわかったのも、この経験があってこそです。

 

無駄な経験って、ありませんね。

 

今は、太極拳を教えることをしていますが、職業として「太極拳講師」と書くのも、ぴんと来ません。

 

ちょっと勇気を出してSNSで意見を聞いてみたら、ありがたいことに、いろいろ意見もらえました。聞いてみるものですね。「〇〇家、というのは、好きでやっている感じがしていい」とか、その中に太極道、ということばも出ていたように思います。それで、太極道家という肩書きを、作ってつけました(勝手に、です)。

 

太極拳を教えることは、ちゃんとその中に入っていますが、そこに限定されないわけです。その余白があるところが、いいのですよ。

 

ついつい、今でも生真面目になってしまうときもありますが、わたしの本分は、とにかく自由であることです。今はこれをしよう!と思うことしかわからず、来年はどうなっているのか、わかりません。

 

もちろん太極拳が大切なものであることは確かで、それは人生を生きることでもありますが、現実にどうやっていくかは、また別のことです。

 

今日は今日、明日は明日の風が吹く、ですよ。

 

そして、太極拳のように型(套路)があるものは、自由とは真逆のように見えるかもしれませんが、この型は、より自由になるための型なのだと、今は思っています。のびのび、自由に生きていいと教えてくれたのも、太極拳です。

 

最初の話に戻ると、10歳のわたしが「太極拳を教える人」という選択肢を持っていたとしても、結局、「将来なりたいものなんて、わからない」と言うと思います。

 

そして、聞かれるたびに、ちょっとした苦痛を感じることも、同じだろうと思います。でもその苦痛は違和感でもあり、「何かが違う」と気づくための1歩だったのかもしれないと思うと、これもやっぱり、無駄な経験ではないですよね。

 

自分なりに自由に生きて、人に「そんなの、あり?」と呆れられたり、驚かれたりしながら、「それでも生きていけるんだ、ありなんだ」と、ちょっと思ってくれる人がいたら、本望だと思っています。

 

 

≪特別クラスのご案内≫

3月10日(日)14:00-16:30「内なる自然に還る旅:魚からの進化をたどって若返ろう!」 第2回 人体の中にある魚 です。詳細とご応募方法はこちら

 

3月17日(日)14:00-16:00は「ー5歳のハッピーウォーク」です。詳細とご応募方法はこちら

 

3月24日(日)13:00-15:00は、千葉県香取市(小見川)の「立って、歩いて、太極拳」です。詳細とご応募はこちら

 

3月 31日(日)14:00-16:30は「たのしい太極扇(第19回)」です。詳細とご応募方法はこちら

 

4月7日(日)14:00-16:30は「やさしい站椿功:しあわせを呼ぶ7つのステップ第6回)」です。詳細とご応募方法はこちら

 

 

 

☀「陽だまり」とは

「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、りん、とした印象もあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

...☆...☆...☆...☆...☆...☆...☆...☆...☆...

 

いしい まゆみ(道号:静慧)/ みんみん)

太極道家

講座のご案内は、こちらからどうぞ

 

体と心が目覚める太極拳(http://minminkung-fu.com/)

ブログ: みんみんの陽だまり太極道日記(http://blog.minminkung-fu.com/)

「太極拳、あるある、ないない話」Facebookページで毎日更新:こちらから

「すきなもの」Instagramでほぼ毎日更新:Instagram(@mayuminmin927)

 


コメント
コメントする








   

calendar

S M T W T F S
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< July 2019 >>

selected entries

categories

archives

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM