進化は、背骨に現れる

2019.02.12 Tuesday

 

先日、「内なる自然に還る旅:魚からの進化をたどって若返ろう!」の第1回目を開催しました。

 

今回は初回のため、進化の歴史と背骨に現れる変化、背骨の役割などについても、お話しました。それを、かいつまんで書いてみます。

 

人の背骨はS字カーブを描いていますよね。首のカーブ(頸前湾)、胸のカーブ(胸後湾)、腰のカーブ(腰前湾)、3か所のカーブがあります。それぞれ、その時期、その環境に適応するためにできたものです。

 

地球に生命が発生したのは、30億年以上前、海の無脊椎動物でした。

 

脊椎動物、つまり背骨を持つ生き物が出現したのは、5億年ほど前のことです。

 

魚の一種ですが、最初は、ひれを持たず、あごのない丸い口を開いたまま、海底を這うように進んでいたそうです。自然に流れ込む海水を、1本のまっすぐな消化管でろ過して、中に含まれる小さな食物を取り込んでいました。

 

この頃は、積極的に獲物を捕らえるような行動は、無かったのですね。

 

次に、ひれと顎のある魚が出現します。

 

その頃、陸が優勢になる時期と、海が優勢になる時期が、周期的に繰り返されました(造山運動)。同じ場所でも、海が優勢になると海底沈み、陸が優勢になれば陸になることが、繰り返し起きます。

 

その環境に適するように出現したのが、肺魚(はいぎょ)です。肺を持ち、水陸両方の呼吸に備える魚です。

 

その中から陸の生活に入っていくものがいました。この間、約1億年ほどかけて、行くか、行くまいかと逡巡するような。時期があったそうです。それが両生類、爬虫類へと進化していきます。

 

さて、ここまで、魚の背骨はまっすぐです。

 

上陸したときに、1番目の変化が生まれます。

 

陸に上陸すると、顎が地面に接したままでは、口が開きませんよね。頭を上げるしかありません。ここで、首のカーブができます。

 

2番目の変化は、四つ足になるときです。

 

ワニのような両生類は、足が胴体の横についていますよね。体が地面についているので、比較的安定していると言えるかもしれません。

 

それが、チーターのように四つ足になると、足が胴体の下に入り、胴体が地面から離れます。内臓が下に落ちます。それを支えるために胸のカーブができたようです。

 

人間でいうと、四つん這いの格好ですよね。ちょっと四つん這いになってみてください。背中がぺったんこだと、肩のあたりがキツく、体重を支えにくいのですが、ちょっと胸のカーブをつける(アーチ型)と、肩に力がかからず、楽に体を支えられます。

 

なお、四つ足と言いますが、前足と後ろ足の役割は、違います。後ろ足は蹴る足ですが、前足は衝撃を吸収したり、獲物を捕まえたりします。後ろ足で獲物を捕らえているチーターとかライオンとか、映像でも見たことありませんよね。

 

その前後の足役割が、もっと明確になってきたのが、ゴリラです。後ろ足だけで立つようになり、手が自由になります。でもゴリラの立ち姿は、人間のような直立ではありませんよね。

 

3番目の変化は、人間になるときです。直立するために、腰のカーブができます。

 

数億年をかけて、背骨の3つのカーブができあがり、今のわたしたちの体になっています。

 

進化は、こうして進んできました。でも、運動能力としては、人間よりも魚の方が、すごいのです。

 

たとえばマグロは、2メートルの巨体で、海中を時速100キロで泳ぎます。150キロ、という説もあるそうです。

 

チーターも時速100キロですが、わずか十数秒しか持ちません。でも走り始めて1秒で、時速70キロに到達します。獲物を捕らえるためには、最適な能力ですよね。

 

四つ足動物から爬虫類に戻って、かつてTVCMで大人気になったエリマキトカゲも、すごい運動能力です。足は人の親指と人差し指を開いたくらいしかないそうなのですが、なんと、時速27キロなのだとか。

 

魚は、頭と背骨(と肋骨)しかありません。尾びれや胸ひれは、背骨についていません。泳ぐときは背骨の力だけ、体幹だけで泳ぎます。

 

一気にスピードを上げるチーターも、基本は背骨で走ります。足は、背骨の動く力、動力を伝える拡大伝達器官です。

 

背骨、すごいです。

 

チーターのように四つ足で走るようになっても、魚が背骨で泳いでいたときの力がそのまま引き継がれているように、進化によって構造が変わっても、背骨の能力は、そのまま引き継がれています。

 

つまり、人間にも、魚の頃からの能力が、そのまま引き継がれています。

 

それを証明できることがあります。赤ちゃんです。

 

赤ちゃんは、生まれたとき、S字カーブは完全に育っていません。生まれてから1年〜1年半をかけて、作り上げられます。

 

オギャーと生まれたとき、背骨は一様に後ろにカーブしているそうです。3か月から半年、首がすわってお座りができるようになると、首のカーブができます。肺魚が意を決して上陸し、両生類になっていったときですね。進化の歴史では1億年かけましたが、赤ちゃんは3か月〜半年でやりきります。

 

寝返りをし始め、ハイハイをし始めると、チーターのように四つ足で歩くようになりますよね。胸のカーブも、ゆっくり進んでいくのは、このときでしょうか。

 

そして1歳から一歳半になると、立って歩きはじめます。このとき、腰のカーブができます。

 

数億年をかけて進化してきたものを、赤ちゃんは、わずか1年とか1年半で成し遂げます。

 

みんな、これをやり遂げて、大人になっているのです。

 

しかも赤ちゃんは、「さあ、こうやって呼吸しましょう」とか、「こうやって寝返りをうちましょう」とか、「立ち方教室」みたいなものは、ありません。能力は、誰にでも内包されています。

 

人には、人類の祖先が経験した多くが、DNAや構造に、残されています。

 

大人になると、いろいろな理由で(それは自分を守るためだったりしますが)、体が硬くなり、背中も1枚板のようになっている人も多いです。

 

本当は誰でも、体が組織通りに分化して、骨は骨、筋肉は筋肉として使えはずです。もっとしなやかに、力強く、大海原をぐんぐん泳ぐような力が、備わっています。

 

「内なる自然に還る旅:魚からの進化をたどって若返ろう!」は、背骨を使うことを忘れてしまった体に、もう一度、思い出してもらうクラスです。眠っている力が、内側から湧き上ってきます。外に何かを求めて身につけていくのではなく、内側にある自然の力を呼び起こします。それは、自らの内なる自然に還る旅です。

 

1回目の卵は、じっくりと、背骨の関節ひとつずつを、ゆっくりじっくり感じながら、動きました。動きは小さいのですが、しっかり体を動かした感じがします。

 

お話を聞いてから、体をほぐしてから始めたからか、みなさん、とってもよい感じに、丁寧に動いていました。途中、「ああ、無理っ」という声も聞こえたりして、まさに、進むか、還るか、逡巡した”あの頃”のようなことが、起きているかもしれませんね。

 

どれも、いい経験です。

 

なにしろ何億年も費やした進化ですから、クラスでも、焦らず、ゆっくり時間をかけて、ちょっとだけ進んでいきます。

 

1回目の卵に続き、2回目はいよいよ、魚です。ゆらゆら、背骨だけで泳ぎます。単発参加もできますので、タイミングの合う方、ぜひお越しください。
 

3月10日(日)14:00-16:30「内なる自然に還る旅:魚からの進化をたどって若返ろう!」第2回 人体の中にある魚

 詳細とご応募方法は、こちら

 

 

≪参考図書≫

「究極の身体」高岡英夫著 講談社+α文庫

「胎児の世界 人類の生命記憶」三木成夫著 中公新書

「『退化』の進化学 ヒトに残る進化の足跡」犬塚則久著 講談社 

 

 

【特別クラスのご案内】

2月16日(土)14:00-16:00 は「しあわせひきよせ ハッピーウォーク」です。詳細とご応募はこちら

2月17日(日)14:00-16:30は「たのしい太極扇(第18回)」です。詳細とご応募方法はこちら

3月  3日(日)14:00-16:30は「やさしい站椿功第5回)」です。詳細とご応募方法はこちら

 

 

☀「陽だまり」とは

「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、りん、とした印象もあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

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いしい まゆみ(道号:静慧)/ みんみん)

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