教えるときの、よりどころ

2018.05.03 Thursday

 

先日、ちょっぴり遠くからお稽古に来てくださった方が、いらっしゃいました。

 

太極拳歴はわたしよりも長く、先生なのだそうです。ブログを読んでくださって、参考にしてくださっているのだとか。

 

こんな話を聞くと、嬉しくってたまりません。ネットのおかげで、遠く離れたところに住んでいる方とか、以前では考えられなかったつながりができることは、本当にありがたいです。

 

お稽古が終わった後、「もっと自分のために習いたい、と思いました」とおっしゃいました。それを聞いて、「あぁ、いいな」と思ったのです。

 

この方のように、先生と呼ばれる方が、お稽古に参加されることもあります。なかには、教えることの悩みを抱えている方も、いらっしゃいます。

 

教えるときに大事なこと、あるような気がします。”よりどころ”です。

 

以前、気功を教えていただいていた先生は、中医学の先生でした。わたしが教えられるようになりたいと思っていることを、ご存知でした。先生のクラスを閉じることになったとき、「支えがあることは、とても大事。中国に中医学を勉強しに行くなら、紹介しますよ」と言ってくださいました。

 

長く教えてこられた先生にとっての”よりどころ”は、中医学の知識・経験です。もちろん、通常のお稽古をすることに加えて、です。

 

それまで1年近く、先生から「黄帝内経」という中国最古の医学書を、少しずつ習ってきました。ほんのちょっとの知識ではありましたが、教え始めたときには、わたしの”よりどころ”になってくれていました。

 

先生のお心は、とても嬉しかったです。勉強したい気持ちもありました。でも「中国語の学習、専門用語の学習、中医大学で合計5年」という現実を前に、やめました。

 

先生にそう伝えると、「そうですか。今が20代だったらね。」とおっしゃいました。

 

20代なら、行ったかもしれません。先生が言った意味とは違うかもしれませんが、まだ何も成し遂げていないからです。わたしが太極拳を始めたのは30代後半です。でも太極拳とは縁がなかったその時代に、たくさんの経験をしています。

 

「わたしなりの先生になれれば、それでよい」と思ったのです。

 

もちろん、理論や知識は大切です。幸い、わたしは習う過程で、理論や説明をとても重視する先生方に恵まれました。30代から70代までばらばらですが、いくつになっても、こどものように好奇心旺盛、好きで続けてきた姿に、憧れました。

 

うれしそうで、楽しそうな人のそばにいるのって、よいですよね?

 

もちろん、問題が起きることもあります。そんなときでも、誰かのせいにせず、真摯に向き合っている姿にも、じん、ときました。じん、と、ですよ。

 

基本は、自分の「もっと」だと思うのです。今がダメなのではなく、今はそれでよし、でも、未来の”今”では、「もっと」です。

 

体を使うお稽古でも「もっと」ですが、疑問を解明したくて、体の構造を教えてもらったり、整体の先生やボディワークをやっている先生に習ったり、理論の本を読んだり、自分の体で試したり、いろいろとやってきました。

 

やってこられたのは、この方向の「もっと」が、好きなのだと思います。

 

きっと誰にでも、自分が「もっと」と思えることが、あります。なぜかわからないけど、やりたいこと、強制されなくてもやってしまうこと、です。

 

最近読んだ太極拳の理論の本に、「理論がわかれば、迷子にならずにすむ」というようなことが、書かれていました。

 

確かに、ずっと前は「こう?それともこう?」と迷っていたことも、今は「たぶん、こう」と思えることが、多くなりました。絶対の正解ではなく、今のベストな答です。やってみて不具合があるなら、再調整します。だから”仮”です。ここにも、「もっと」があります。

 

教えるときの”よりどころ”があるとすれば、それは自分にあります。

 

違う言い方をすれば、諦めかもしれません。自分ではない、ものすごい先生であろうとすることを諦める、とか。別の人になろうとすることを諦める、とか。

 

諦めも、肝心。それはがっかりではなく、もうちょっと、清々しい諦めです。(ときどき、悶絶したりしますけどね。)

 

 

【特別クラスのお知らせ】

5月5日(土)14:00-16:30は「太極扇を体験しよう(第6回)」です。詳細とご応募方法はこちらから。

5月13日(日)14:00-16:30は、「みんなが知らない太極拳のひみつ(2)太極と陰陽」です。詳細とご応募方法はこちらから。

 

 

☀「陽だまり」とは

「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、キリリとした印象もあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

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いしい まゆみ(道号:静慧 / みんみん)

太極道家

体と心が目覚める太極拳(http://minminkung-fu.com/)

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