気とは?(3):站椿功で感じる”気”

2018.03.09 Friday

(站椿功)

 

これまで「気とは?」について、思うところを書いてみました。

 

(過去の記事はこちら: 「気とは?」(2017年12月22日)/ 「気とは?(2):中医学から見る”気”」(2018年3月8日))

 

続いて今日は、站椿功で感じる”気”です。

 

太極拳では、「気を練ることが大切」と言います。それを”内功”と言ったり、気をためて循環させる、と言ったりします。

 

でもわたし自身は、お稽古のときに「気を練りましょう」とは言いません。練りましょう、と言われたら、「さて、どうやって練ればいいのかしら?」となりませんか?

 

それよりは体の使い方、意識の持ち方、自分の心の状態など、具体的に”すること”を、お伝えします。それをやっていけば、結果として気はめぐります。

 

それでもひとつだけ、はっきり、「これだ」とわかるときがあります。それが、站椿功です。

 

2009年に中国の武当山に行ったとき、師父(先生)が、太子洞という場所に連れて行ってくださいました。洞窟の中に御堂(と言っていいのかどうかわかりませんが)があり、道士(道教の修行僧)がその場所を守っています。

 

ご挨拶した後、そこから少し下ったところで師父が、「ここは、武当山の中でも、すごく気がいいところだよ」と言い、その場で站椿功を練習することになりました。

 

冒頭の写真のように、腕で木を抱えるようにする型をつくり、そのまましばらくじっとしています。このように動かないものを、静功と言います。

 

そのときに師父が、わたしの腕の内側に手を入れて、「気は、この内側をこういう風に回るんだよ」と教えてくれました。左回りでした。

 

そのときは、「そうなんだ」という知識だけで、実感はありませんでした。

 

その後、2011年になる頃、集中的に站椿功をやり始めたときがあります。「なんとなく、それをやるときだと思う」というだけの理由で、誰かに言われたわけでもなく、やり方を教えてもらったわけでもなく、ただひたすら腕を上げて、30分そのままじっとすることをやってみました。

 

当時は会社員だったため、仕事から帰ってから近所の公園に行き、良さげな樹の前に立ってやっていました。始めたばかりだと、腕や背中、肩のあたりは痛くなり、苦しいのですが、アラームをセットして、とにかく頑張ります。

 

体の使い方が”よい具合”にならないと、どうやっても痛くて苦しいだけです。站椿功は、よく30分など、それなりの時間続けなさいと言われますがその理由は、楽に続けられる”よい具合”のポジションを探るためでもある、と思っています。

 

根性、そしてたぶん、「これをやり続けるしかない」という、わけのわからない信念だけでやっていたある日、腕の内側でぐるんぐるん、まわるものを感じました。

 

洗濯機の中の水が、ぐるぐる回って洗濯器の壁に当たるような感じです。一定の圧ではなく、強弱があって、ためて押し出されて、ためて押し出されて、を繰り返しながら、腕の内側をぐるぐるとまわります。

 

「けっこう、重いんだな」と、感じました。

 

力が外に押し出されて腕の内側に当たる感覚が、ぐっと、しっかりくるからです。

 

これ、時計回りと逆の、左回りなのですよ。2009年に教えてもらった通りでした。

 

站椿功を練習するとき、ときどき、この”気”が回る話をするのですが、そのときに「なぜ左回り?」と聞かれたことがあります。わかりません。わかっていたのは、とにかく「時計まわりではない」、というだけでした。

 

最近、生徒さんが「台風は、左回りですよね」と話すのを聞いて、「あれ?站椿功と同じ?」と気づいたのです。台風は、中心から外に向けて力を広げますよね。站椿功も、同じです。

 

腕は「樹を抱えるように」と言いますが、実際には外から内に抱えるのではなく、内から外に向かって膨らんでいくのです。手の甲は、外へと向かい、肩やお腹は、後ろへ下がる形で、中心から外側に向かって風船が膨らみ続けるような感じです。

 

太極拳も、同じです。中心から、外に向かって風船が膨らむように広がっていくのです。体も、そして意識も。

 

外向きに拡大するものは、左回りなのかしらね。逆に、内側に押し込むもの、例えば、ビンの蓋を閉めるときや、ネジを締めるときは、時計まわり(右回り)です。

 

なお、このぐるぐる、毎回感じられるものでもありません。わたしは、あればよし、なければダメ、とは思っていなくて、「そういうこともある」くらいに捉えています。最初に言ったように、ぐるぐるも、ひとつの結果です。それよりも大切にしているのは、何をするか、何を意識するか、どんな心の状態にするか、です。

 

ちなみに、台風が左回りなのは、北半球の話らしいです。中国も日本も北半球ですが、南半球で站椿功をやってみたら、どうなるのでしょうね。

 

もうひとつ、「”気”がまわったことが証拠として目に見える」、と教えてもらった現象があります。これは中医師(中医学の医師)でもある気功の先生に教えてもらいました。

 

「(気功や太極拳をした後は)血がめぐるから手のひらが赤くなるでしょう。そこに、白い斑がぼつぼつと浮かんできたら、それが気がめぐった証拠だよ。」

 

終わった直後に見ると、白い斑模様がぼつぼつ浮かんでいるとき、確かにあります。(ただし、すぐに消えます)。

 

「練功(お稽古)終わって、ちらっと見て、これが出ていたら、自分で「よし」。ちょっとした自己満足だね。」出ていたらよし、出ていなかったらダメ、という判断基準ではなく、ちょっとした自己満足、というところがポイントです。

 

大切なのは、結果ではなくて、プロセスだなあ、と思います。そこで何を意図するか、です。その経緯をじっくり味わった後に、何かの結果が出ます。結果はその後の参考にはなりますし、大事でないわけではありませんが、太極拳や站椿功をやっていると、一番好きなのは、その経過過程だな、と思います。

 

でもね、こんな結果が出ることもあるよ、という情報は、あってもいいですよね。特に、一般的には目に見えない”気”のようなものに感しては。

 

 

【3月の特別クラスのお知らせ】

3月11日(日)14:00-16:30は「太極扇を体験しよう(第3回)」です。詳細とご応募方法はこちらから。

 

 

(上の站椿功の形になる直前の動き。ここから、肩、胸、お腹は後ろに膨らみ、手の甲は外に向かって広がります)

 

 

☀「陽だまり」とは

「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、キリリとした印象もあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

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いしい まゆみ(道号:静慧 / みんみん)

太極道家

体と心が目覚める太極拳(http://minminkung-fu.com/)

講座のご案内は、こちらからどうぞ



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