神主体験

2018.02.10 Saturday

 

1月15日、ご縁あって、神主体験をさせていただきました。

 

きっかけは、某生命保険会社さんのプロジェクト、Life2.0です。10月頃、偶然SNS上で見つけたキャンペーンで、質問に答えていくと、「あなたにおすすめの仕事は〇〇です」と、出てくるのです。ゲーム感覚ですよね。

 

やってみました。結果は、「神主です。」

 

ほう。へええ。

 

この企画、さらに、「その仕事体験、応募できます」というプレゼント付きでした。場所は川崎、せっかくだから応募して、そのまますっかり忘れていました。

 

12月のとある日、メールが届き、「おめでとうございます。当選です!」

 

そんな経緯で、1か月後、川崎の稲毛神社で、神主体験をすることになりました。巫女さんでもなく、いきなり?神主。いつも外から見ているだけの世界の体験、とっても楽しみでした。

 

 

さて当日。体験時間は、朝の7時から午後3時、8時間です。なぜこんなに早いかというと、朝の祭に参列するためでした。

 

祭というと、縁日のようなイメージでしたが、神主さんは「毎日が祭です」と言うのです。祭には、大小あり、その中の御日供祭(おにっくさい)と呼ばれるものは、毎日のものだそうです。

 

体験者はわたしともうひとり、合計2名でした。上下白の袴姿に着替えて開始です。

 

御日供祭に参列した後、社殿の構造、お供えものの話、お祓いについて、説明してくださいました。

 

社殿は、手前(一般の人がお参りするところ)から見て、「拝殿(はいでん)」「幣殿(へいでん)」「本殿」となります。ご祈祷していただく場合などに一般の人が入るところが拝殿、その先の幣殿は神主だけが入れるところ、そしてご神体が祀られている本殿となります。

 

神道では、ご神体が岩だったり、滝、山、というような場合もあるため、その場合は、社殿には”本殿がない”構造になるそうです。

 

印象的だったのが、お祓いです。大麻(おおぬさ)と呼ばれる、白木に紙垂(しで)とよばれる白い紙と、大麻をつけたものを、左、右、左に振って、罪穢れを祓います。神主さん自身、その場、参列者、そしてお参りに来る方、神社のある地域から、日本、世界に向けて、お祓いをするのだそうです。

 

この、住んでいる地域から、その先遠くまで思いをはせてお祓いすることが、すごくいいな、と思いました。誰も見ていないところで、(誰か見ているかもしれませんが)、こうやってお祓いをしている方々がいるのは、ありがたいですよね。

 

ここから、この日の体験は、朝食、月次祭(毎月15日にする祭)参列、お掃除、昼食、お話、紙垂づくり、記念撮影、と進んでいきました。

 

お話は、神社の現状、神主になるには?、祭、古事記の説明などなど、盛りだくさんでした。最初にいきなり「神主になりたいですか?」と聞かれ、「若い男性の場合、やめておいたほうがいいと思うのですよ」という、なんとも生々しい話から始まりました。

 

「サラリーマンになった後に、神主になろうとすると、お給料水準の問題があって、耐えられないと感じることが多い。これから家族をもって、家も用意して、と思うと、かなり大変。お勧めしません。」と。

 

向いているのは、「女性は比較的、どの年齢でもOK。理由は、午後は早く帰るなどの融通が利くから。男性は、退職した後の選択としては、あり。あとはサラリーマンを経験せずに、最初から神主になる場合は、スタートがスタートだけに、耐えられます。」実感がこもったお話に、「この方はきっと、最初からそうだったのだな」と想像したとおり、その神社の宮司さまの息子さんでした。つまりご実家が神社、ということですね。

 

体験に来るのは、わたしのようにキャンペーンで当たったから、という人ばかりではありません(むしろ、わたしは例外的です)。本気で志している方もいらっしゃるはずですので、こういう話も大切ですよね。

 

神社は、全国に8万社ほどあるそうですが、神主の数は2万人だそうです。つまり、圧倒的に人手不足です。90%の神社には神主さんが不在で、宮司さまが掛け持ちして担当しているのが現状です。そいういえば誰もいない神社、けっこうありますよね。

 

体験した中で、印象的だったことが2つあります。

 

ひとつは、お掃除です。掃除は、神事(お祓い)のひとつとして、大切にされています。今回の体験でも、お掃除のお手伝いをしました。この体験で、ひとつ、意識が変わりました。

 

お掃除は大事だと思ってきました。自分の部屋は、自分の心を表すという言葉もありますし、水回りはきれいにしておきたいですし。でも、一か所だけ「不毛だ」と思ってきたところがあります。玄関先の掃除、外の掃き掃除です。秋の枯葉が落ちる時期は特に、やってもやってもたまります。「やってもやっても、不毛な気がする」と思いながら、やっていたところなのです。

 

でも、掃除は、知らず知らずの間にためてしまった罪穢れを祓い、浄めること、と捉えることで、不毛な気持ちがなくなりました。

 

穢れは、「気が枯れること」。つまり、元気がなくなることです。浄めることは、「気をよみがえられること」と、以前、宮司さまに教えていただいたことがあります。キレイにして、元気を取り戻す、ということですよね。そのために、神社では半年に一度、6月と12月の末日に、大祓の行事を行っています。

 

もうひとつは、古事記に出てくるお話です。日本は神道では、やおよろずの神の国ですので、神様がたくさん現れます。古事記の説明をいろいろしてくださったのですが、その中で、「何もしていない神様、いるのですよ。」とおっしゃるのです。「でも、そういう神様は、存在することに意味がある、と捉えています。」

 

わたしが大切にしたいことのひとつに、「いるだけで良い」というものがあります。ついつい、何かを成し遂げる自分でなければ価値がないと感じてしまいがちですが、そうではなく、存在するだけで、まずは充分なのだとわかることが、大切なベースになると思っています。

 

そんな中、「何もしなかった神様がいる」というのは、なんとも心強いではないですか。神様がそうなら、その子孫であるわたしたちも、存在することに意味がある、と教えてもらっているようなものです。

 

もうひとつ、古事記の最初は、こんな出だしです。

 

「そのとき天と地はいまだ分かれず、まじり合っている状態が無限に広がっていた。やがて天と地とが分かれたとき、天のとても高いところ、高天原(たかまのはら)と呼ばれる天上界に、次々と神が立ち現われた。」

(眠れないほど面白い「古事記」由良弥生 王様文庫)

 

この出だし、無極から太極、そこから陰陽が生まれたという流れにも重なるなぁ、と思いました。神主さんは、「古事記は宇宙の誕生、ビッグバンからの流れで読むこともできます。昔の人の感じる力は、すごいですよね」というような話をされていました。国が違っても、どこか共通するものを感じられるとき、やっぱりもともと、すべてはひとつなのだと感じます。

 

神主体験の最後は、着替えて写真撮影です。ご一緒した方が着ている白い装束は、狩衣(かりぎぬ)。白と色のものがあり、平安時代の公家の普段着だそうです。祭の種類によって、着るものを変えています。頭には烏帽子、足は浅沓(あさぐつ)、手には笏(しゃく)を持ちます。

 

わたしが着ているのは、正服。大きな祭で着るものです。頭には冠をつけるのですが、女性の場合、なぜか前にお花がぴにょーん、とついています。このお花が「ちょっと......」と、遠慮される方も多いそうなのですが、「せっかくなので、ぜひ体験を」という声に押されて、着てみました。正絹で色も美しく、とても貴重な体験でした。この御神社には女性の神主さんがいらして、その方のものを貸していただきました。ありがとうございます。

 

体験して、いろいろ感じるものはありましたが、なかなか言葉にならず、1か月たって、ようやく少し言葉にすることができました。もうちょっと詳しいお話は、先日の自由が丘FMTV「みんみんの陽だまり太極道」でもお話しています。お祓いの、大祓詞の力などについてもお話していますので、よかったらお時間があるときに、見てくださいね。

 

 

お仕事体験は、仕事旅行社のサイトからできます。いろんなお仕事の体験ができるようですので、ぱらぱら見てみるのも、気になったものをちょこっと体験してみるのも、面白いですよね。本格的に、その仕事に進むための第1歩になるかもしれませんし、そうでなくても、知らない世界を体験してみるのは、思っている以上に、感じられることが広がります。何事も、行動あってこそ、ですしね。

 

わたしはキャンペーンで当選する、という面白い流れで体験しましたが、体験して、とってもよかったです。お世話になったみなさま、ありがとうございます。

 

【2月の特別クラス】

2月11日(日)14:00-16:30は「太極扇を体験しよう(第3回)」です。詳細とご応募方法はこちらから。

 

 

☀「陽だまり」とは

「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、キリリとした印象もあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

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いしい まゆみ(道号:静慧 / みんみん)

太極道家

体と心が目覚める太極拳(http://minminkung-fu.com/)

講座のご案内は、こちらからどうぞ

 



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