陰陽と左右

2018.02.08 Thursday

 

 

最初にお断りすると、今日のお話は、ちょっと頭がこんがらがるかもしれません。疲労が激しいときには、やめておいたほうがよさそうです。興味がある方だけ、続きをどうぞ。

 

お稽古の最初と最後、ご挨拶のとき、上の写真のような手の形を作ります。両手で陰陽マークを作っているのが、見えるでしょうか?

 

これは道教の修行者のご挨拶に習ったもので(武当太極拳は、道教の修行者が伝えているものだからです)、女性は写真のように右手が上、男性は左手が上になります。

 

このように”男女で違いがある”という点に、「なるほど」と納得して、今日まで約9年、疑問も持たずに過ごしてきました。

 

先日、生徒さんに「左右の陰陽は、どちらでしょうか?」と聞かれました。以前、気功を習っていたとき、「お腹に両手の平を重ねてあてるとき、女性は左手が上(ただし左手の親指を右手の下に入れる)」と習ったそうなのです。それからいくと、上の手の形は、逆に感じられるわけです。

 

はて?

 

太極拳の套路は、陰陽の転換によって動きが生まれます。下の写真は、左手が上に上がり(陽)、右手が下に下がる(陰)ところですが、この後は、左手が下に下がり(陰)、右手が上に上がります(陽)。

 

(武当五行六合功)

 

陰陽は両手だけで表現するのではありません。体が後ろ(陰)、両手が前(陽)という組み合わせもあります。下の写真は、これから両手が前(陽)に出るところです。

 

(武当64式太極拳)

 

そのため左右という固定した状態での陰陽は、気にしたことがありませんでした。ちょっと調べてみました。

 

まず、陰陽の例を見ると、

陽: 天、太陽、男、光、火、明、上、能動的

陰: 地、月、 女、影、水、暗、下、受動的

 

これに比べると、左右は、逆を向けば反対になることから、ちょっと質が違う気がします。

 

『黄帝内経』という中国最古の養生書によると、「左が陽、右が陰」です。(「黄帝内経 素問 陰陽応象大論篇」より)

 

もうちょっとわかりやすいところでいくと、「君子南に面す」、帝王は南に向かって座るものだ、という言葉があります。すると、帝王の左手が東、右手が西になります。太陽が昇ってくる東が陽、つまり左が陽、太陽が沈む西が陰、つまり右が陰となります。

 

なるほど。

 

ひな人形の飾り方にも、この陰陽説が用いられているのだそうです。古来の配置は、男雛が左(向かって右)、女雛が右(向かって左)、だそうです。

 

あれ?わたしのお雛様は逆でしたが......

 

どうやら京都を中心にした関西と、関東では違いがあるようです。関西は陰陽説どおり、向かって左から女雛、男雛ですが、

関東は逆の、向かって左から男雛、女雛が多いとか。

 

なぜ関東はこの並びになったのでしょうか?大正天皇が即位されるとき、明治時代に入ってきた西洋の流れの「右が上位」を反映して、今の”関東並びのお雛さま”のように立たれたことから始まった、という説もあるようですが、はっきりしていないようです。

 

こんがらがってきましたね。

 

陰陽とはバランスだと思っています。質の異なる陰陽が、お互いに補完しあって〇(まる)という調和した状態(円満)を作りだします。陰陽は、対象をどの視点から見るかによって、変わってきます。

 

たとえば母と息子の場合。性別で見ると、母(女性)が陰、息子(男性)が陽です。でも長幼でみると、母が陽、息子が陰です。

 

右手と左手は、固定の視点で見たら右が陰、左が陽ですが、太極拳で動き続ける場合、同じ右手が陽になったり陰になったりします。

 

そう考えると、どの視点でどんな組み合わせとして見ているかによって、どこを陰としてどこを陽とするかは、変ってくることもあり得るかもしれません。組み合わせとして対になっていて、バランスが取れるのであれば、それで良いと思うのです。

 

陰陽については、大まかな理論(陰が下がる、引く、内側、 陽が上がる、前に進む、外側)はありますが、最初にあげた手の重ね方の理屈は、今のわたしにはわかりませんが、”男女で違う”という点は、自分なりに腑に落ちています。

 

そのくらいで、いいのではないでしょうか。この世のほとんどすべてのものは、曖昧なのですし。どっちが正しいかの議論をするところではない気がします。

 

資料によっては、”左が陰で右が陽”と書いてあるものもあります。”左右問題”は、それくらい微妙なのかもしれません。

 

たまに考えてみるのは、ちょっと面白いですけれどもね。

 

 

【2月の特別クラス】

2月11日(日)14:00-16:30は「太極扇を体験しよう(第3回)」です。詳細とご応募方法はこちらから。

 

 

☀「陽だまり」とは

「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、キリリとした印象もあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

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いしい まゆみ(道号:静慧 / みんみん)

太極道家

体と心が目覚める太極拳(http://minminkung-fu.com/)

講座のご案内は、こちらからどうぞ

 



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