時空を超えること、「今」を生きること

2018.01.11 Thursday

(寒ーい和歌山の海岸で)

 

ときどき、時空を超えるテーマが含まれた映画に出会います。

 

「インターステラ―(2014年公開)」は、宇宙を舞台に親子の愛が時空を超えてつながっていき、「君の名は。(2016年公開)」は、男女ふたりの思いが、時空を超えてむすんでいきます。「メッセージ(原題:Arrival、2016年公開)」も、そうです。

 

上記3本の映画を最初に観たときの感想を文字で表すなら、「!?、!!!、???」です。心に響くものを感じながらも、よくわからないことも多く、劇場公開中に繰り返し観てしまいます。

 

最初の「インターステラ―」を見たとき、大学生だったときのテーマを、久々に思い出しました。14世紀後半、中世の英文学を専攻していて、”文学に見る占星術”をみていました。

 

天動説が信じられていた時代、生まれたときの天空の図、星の位置をもとに、人の性質や体質が解説されたり、そこから病気になったときの治療方法を引き出していったり、などなどです。当時の文学には、この占星術の要素が、色々なところに現れています。人にはもって生まれた”Destiny(日本語に訳すなら、宿命)”がある、と伝えてくれていたと思います。

 

このDestinyという単語、そうなると決まっている、という意味を持ちます。では、どうしようもないことなのでしょうか?人の自由意思はあるのでしょうか?というのが、研究テーマでした。

 

ここで出てくるのが、時間と空間の概念です。それが、”ある”世界と”ない”世界、です。

 

”ある”世界は、今、生きている世界です。時間は過去から現在、未来へと続く、線のように表現され、空間は四方八方に広がっています。

 

”ない”世界は、この世界ではなく、”あの”世界です。表現しにくいので、”神さまの領域”と言っておきます。特定の宗教を指すのではなく、人間の理屈や理解を超えた領域です。

 

神さまの領域には、時間と空間という概念がありません。だから、過去、現在、未来が、いっぺんに見えます。それに対して、人間の領域には、時間と空間という広がりがあります。

 

Destinyとは、神様さまの領域からみたら決まっているものだけれども、人間の領域では、この時間と空間という広がりがあるおかげで、自由意志を行使できるスペースができる、ということも、論文の一部に書きました。

 

当時は本を読んだ中での理解でしたが、その後、生きていく中で、このテーマを実際に体験してきていると感じます。

 

人によって体験の方法はさまざまあると思いますが、わたしの場合、太極拳を通じての体験が多く、それをベースとして広げているような感覚があります。

 

太極拳の”太極”は、おおいなるもの、この世に生まれている万物の源、と言えます。上の表現では神さまの領域に入ります。そこには時空という概念もなく、あなた、わたし、という個の区別の概念もありません。

 

太極拳をするときは、心を静めて、深く深く静かなところに入っていきます。体も、どこにも無理がなく、どんどん楽なところに向かいます。対立はなく、あるのは調和です。太極拳の套路とは、何もないところから、陰陽という二極に分かれたこの世界が生まれ、さまざまな経験をし、陰陽のバランスを時には崩し、調和を目指しながら、大いなるものとひとつに合わさっていく(合太極)道を体験することでもあります。

 

三次元のこの世の中で、時間と空間を超えたり、あなた、わたしという個の区別がなくなることはありません。でも、”あの”世界では、それはひとつなのだという感覚を、おぼろげに持ち始めたり、見えるわけでもないのに「これだ」と実感する瞬間があったり、そんな体験をしていくことで、生きる道が変わってくると思います。

 

自然とは、意外と不思議なことが多いものです。びっくりするような色の鳥や花を見て、自分の”自然”に対する認識が偏った解釈であると、気づくこともあります。

 

自分が確かだと思っているこの世は、自分の解釈で成り立っているだけ、つまり、ほぼ、幻想です。

 

最近読んだ老子の本の中に、心ひかれる文章がありました。

 

”君の見ている世界から、あらゆる解釈が消えると、そこに広がるのは、「あるがままの世界」だ。(中略)そこには「始まり」も「終わり」もない。それはつまり、時を超えた、永遠の世界ということさ。「永遠」っていうのは(中略)「時間(過去と未来)が存在しない」ってことなんだ。そう。時間もまた、実在ではなく幻想、人による「解釈(思い込み)」なんだよ。(中略)現に君も、「いま」以外に存在できたことはないだろう?(中略)「過去」があるのではない。「記憶」や「記録」が、いま、あるんだ。「未来」があるのではない。「希望」や「予測」が、いま、あるんだ。”

(出典:「ラブ、安堵、ピース 東洋哲学の原点」 黒澤一樹著 アウルズ・エージェンシー社 2016年発行)

 

どうやら、どうやっても”今”にしか、生きられませんね。でも、”今”をどう生きるかで、過去や未来は変えられます。最初にあげた映画のストーリーのように。

 

本当は、みんなひとつなのだから。

 

 

【1月の特別クラス】

※1月14日(日)14:00-16:30は「太極扇を体験しよう(第2回)」です。詳細とご応募方法はこちらから。

 

※1月21日(日)の午後は、Bouquet(逗子・葉山)「身体とこころのその先へ 〜本当の思いに触れに行く太極拳〜」(第5回:みんなが知らない太極拳ひみつ5 争いを止める太極拳)です。詳細とご応募はこちらから。

 

※1月27日(土)14:00-16:30は「体の中からキレイになろう!クリスタルボウルと六字訣」です。詳細とご応募はこちらから。

 

 

☀「陽だまり」とは

「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、キリリとした印象もあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

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いしい まゆみ(道号:静慧 / みんみん)

太極道家

体と心が目覚める太極拳(http://minminkung-fu.com/)

講座のご案内は、こちらからどうぞ

 



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