あなたは、よくやっている

2017.11.15 Wednesday

 

(2011年の春、武当山。手前が田理陽先生、すぐ右後ろがわたし。首がまっすぐでないところが、まだまだ、笑)

 

数年前、武当山にお稽古に行っていたときに、田理陽先生(武当玄武派第十五代伝人)からときどきかけていただいた言葉が、「あなたは、よくやっている」でした。

 

長めに滞在していたときで、最初の1か月は形意拳の基本の五行拳をしていました。ほかにやりたいものもあり、この先にどうするか悩んで、先生に聞いてみました。「太極扇を習いたい気持ちもあるのだけれども、このまま形意拳を続ける方が良いと思いますか?」と。

 

先生の答えは、「よくやっているし、体もできてきたし、成果も出てきているから、このまま続けるのも良いと思う。でも、太極扇も教えられるし、それも良いよ。自分で決めなさい。」でした。

 

わたしの気持ちは、形意拳を続ける方に傾いたのですが、先生はそれから、太極扇を教える準備を始めました。わたしに教える役の人を選んで、お稽古をつけ始めたのです。

 

結局、滞在期間の最後の10日間で、太極扇を習いました。最終日、先生が「見せてね」とおっしゃって、先生の前で披露することに。ほかの生徒にビデオを撮らせながら、です。

 

1回目は最初と最後が逆向きに終わってしまい(つまり、どこかで間違えています)、2回目は途中が抜けてしまい、3度目でようやくひととおり最後まで到達できた、という、やれやれな出来でしたが、先生は「10日間でこれだけできるようになって、あなたは本当によくやっている」と言ってくださいました。

 

厳しい先生で、ほめて育てるタイプではないようですが、ときおりかけてくださる「あなたは、よくやっている」という言葉に、とても勇気づけられました。

 

今、当時のわたしを振り返るならば、全然なっていないことだらけです。もちろん、先生には見えていたはずです。そんなわたしに「よくやっている」と言葉をかけてくださったことの意味を、今になって、しみじみ感じます。

 

人にはそれぞれ、段階があります。1歩目を踏まずに10歩目に行くのは、無茶です。1歩目も踏んでいない人が、100歩目の人になろうとしても、無理です。

 

1歩目を踏み出した人は次の2歩目、100歩目の人は101歩目と、それぞれの段階で進むだけです。そのペースも、人それぞれだと思うのです。

 

こうしてみると、どの段階にいる人も、今の1歩が大切なことは、同じです。それを大切に踏み出していることが、「よくやっている」ことだと思うのです。

 

お稽古中、わたしはよく、「ちょっとずつ努力する」という表現を使います。例えば、腰を回す準備運動などでも、「ずっとずっと、1ミリずつでも遠くに、という意識を持つ」と、話します。

 

「できた!」とそこに安住するのではなく、ほんのちょっとずつ先に進むのです。それは、すごくよくやっていることなのだと思います。その結果は、参考としてさらっと見ておけばよいのです。

 

どんな結果でも、それが今の自分です。100歩先のほかの人になんてなれませんし、なる必要もありません。

 

途中休憩も、もちろんありです。歩き続けられる人は、いません。

 

今、生徒さんを見ていると、みんなとってもよくやっています。その変化は、自分で気づいていけるものですが、そこに気づく前に迷子になってしまう場合も、ないわけではありません。

 

わたしの役目は、迷子になりそうな人に、ちょっとだけ「次の1歩はここだよ」と見せることと、次の1歩を踏めていたら「よくやっているよ」と声をかけてあげることだけです。

 

みんなちゃんと、自分に必要なものを自分から取りに行く力は、あるのです。

 

だから、みんなちゃんと「よくやっている」のですよ。わたしも、あなたも。そのことにいつも気づけるかどうか、それも大切ですね。

 

 

【11月の特別クラスのご案内】

11月19日(日)14:00-17:00

Bouquet(逗子・葉山)「身体とこころのその先へ 〜本当の思いに触れに行く太極拳〜」(第3回:みんなが知らない太極拳ひみつ3 自然に学ぶ)です。詳細とご応募はこちらから。

 

11月26日(日)14:00-16:30

特別クラス「太極扇を体験してみよう」(自由が丘・九品仏)です。詳細はこちらから

 

 

(田理陽先生(右端)のお誕生日。左から2番目、赤いお稽古着で笑っている方が今の先生、明月先生)

 

 

☀「陽だまり」とは

ブログタイトル「みんみんの陽だまり太極道日記」の「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると素晴らしく居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、どことなくキリリとした印象もあります。太極拳を通して、こんな時間と空間を創っていきたい、陽だまりにつつまれて暮らす人、心身ともにゆとりある人を増やしたい、と思っています。

 

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いしい まゆみ(道号:静慧 / みんみん)

太極道家

体と心が目覚める太極拳(http://minminkung-fu.com/)

講座のご案内は、こちらからどうぞ

 

 


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