ひと手間を惜しまない

2017.11.11 Saturday

 

 

太極拳を習ってきて、教えていて、大切だと感じることのひとつに、「楽をするためには、ひと手間を惜しまないこと」があります。

 

例として、もしお時間があれば下記の動画をちょっと見てください。これは先日の自由が丘FMTVの番組の録画で、中国の中国武術大会に出たときの話をしたときのものです。終わり近くで、大会での太極扇の演武ビデオを流しています。演武は50分46秒あたりから始まり、見てほしいところは、51分27秒から31秒のところです。

 

https://www.youtube.com/watch?v=wm-LloKc5LM

 

 

足を2歩、後ろに出しながら、腕をくるくると回して、片足で立つポーズにつながるところです。体がくるくる、まわっていますよね。

 

足を見ると、2歩ですが、足の位置は5回変えています。

 

開いている扇を閉じながら

1.右足つま先を内側に

2.左足を後ろに出す

3.右足のつま先の向きを内側に

4.左足のつま先を外側に

5.右足を後ろに出す

 

です。この後に、右手上で扇を開いて、左足を上げて右足で立ちます。

 

つま先を動かすときに、重心が主にその足に主に乗っていると動かしにくくなるため、体重移動も細かくしていきます。

 

こうやって細かく足の位置を変えて、体重移動をすることで、体が安定したまま、くるくる回ることができます。そうすると、腕も軽く、くるくると回せます。できると、とっても楽しいです。

 

この細かい足の踏み変えをせず、2歩後ろに下がるだけだと、体の安定は失われ、動きは遅くなります。

 

ひと手間を省くことで、体の楽さは失われ、体も緊張するのです。

 

積極的に省いているわけではないでしょう。ここで、もうひとつの問題が露見します。自分が何をやっているかに気づいていないことです。

 

数十年、一緒に生きてきた体でも、意外に自分の体は意識したとおりに動きません。例えばご挨拶の手の形を教えるとき、「親指と中指でOリングを作ってね」と言うと、半分以上、もしかしたら8割くらいの方が、親指と人差し指でOリングを作ります。「それは人差し指ですよ。」と言うと、「えっ?」

 

(見えませんが、左手は親指と中指でOリングを作っています。これは女性用で、男性は左右逆になります)

 

自分の意識と体が、つながっていないのでしょう。

 

自分が緊張していることに気づいていないのは、めずらしい話ではありません。お稽古は、その緊張を一つひとつ認識していくことから初めて、次にはそれを緩めた楽な感覚を体験していく時間でもあります。

 

続けているうちに、だんだんと体がどうなっているのか、微細な変化も捉えることができるようになります。

 

太極拳の套路(型)は、昔の人の智慧であり、贈り物だと思っています。それを真似していくことで、楽に体を使えるようになります。

 

ちょっと話は逸れますが、以前、岩がごろごろしている道を数人のグループで歩いたとき、行きは、その場所を知っている人が先頭に立ってくれました。でも帰りは、「じゃあ、近い人から下りて行ってくださいね。わたしは最後を歩きますから。」

 

帰り道に一番近いところにいた人を見ると、動きだす気配がありません。気が進まないのに先頭に立つ必要はないですよね。じゃあ、と、わたしが先に歩きはじめました。しばらく歩いた後、後ろからその方が、「みんみんの後は安心するなー。」と言うのです。

 

誰かが先に歩いてくれると、その足の置き場所やコースが参考になるので、安心して歩きやすいことも多いですよね。套路は、こんなふうに、最初はここ、次はここ、と、楽な道順を示してくれているようなものだと思うのです。

 

真似すれば、誰でも、楽な方法にたどり着きやすいでしょう。そして慣れてくれば、自分でもうちょっと楽な方法も、見つけられるようになってきます。同じ套路でも、やる人によって違う場合があるのは、そのためでしょう。

 

急がば、まわれ、ですね。ビデオの動きのように、くるくる早く体と腕をまわしたいなら、丁寧に足の踏み変えをする方法を習うこと、です。

 

これを意識して練習していくことで、日常生活でも気づけることが多くなると、感じています。

 

丁寧に生きるとは、そこにあるのだと思っています。

 

 

11月26日(日)に開催する特別クラス「太極扇を体験してみよう」では、この足の踏み変え部分も入れようかと考えています。扇をバサッと開いてみたい方、安定してクルクル回ってみたい方、なんだかやってみたい方、などなど、ご興味のある方、お待ちしています。初心者、経験者、どちらも大歓迎ですよ。(「太極扇を体験してみよう」のご案内は、こちらから)

 

 

☀「陽だまり」とは

ブログタイトル「みんみんの陽だまり太極道日記」の「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると素晴らしく居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、どことなくキリリとした印象もあります。太極拳を通して、こんな時間と空間を創っていきたい、陽だまりにつつまれて暮らす人、心身ともにゆとりある人を増やしたい、と思っています。

 

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いしい まゆみ(道号:静慧 / みんみん)

太極道家

体と心が目覚める太極拳(http://minminkung-fu.com/)

講座のご案内は、こちらからどうぞ

 

 


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