ちょこっとワーク(6)呼吸
2017.07.01 Saturday
隙間時間にできるちょこっとワーク。今回は、呼吸法をひとつご紹介します。
精神力、と言いますよね。どんな意味だか考えたこと、ありますか?
”精”は体、”神”は心を指します。つまり、心身を連動させて働く力です。その連動させる推進力は何でしょうか?
呼吸です。
中国最古の医学書「黄帝内経」では、この”精気神”(気は、呼吸です)がきちんとしていると、病気になりにくく、なっても治りやすいと言っています。それぞれをととのえる具体的な方法は、次の通りです。
精:体 →身体の鍛錬 (動功など)
気:呼吸 →呼吸法
神:心 →心の鍛錬 (静功など)
ただし、例えば動功(太極拳など)は、呼吸や心にまったく働かないかというと、そうではないと感じます。お互いに助け合う面があるため、体の鍛錬→心の鍛錬→また体の鍛錬、というように、らせん階段のように回りながら発展していきますし、体と心を結ぶ呼吸は、心身の鍛錬両方に大きくかかわってきます。
それでも、逆にだからこそかもしれませんが、いっぺんにやろうとするよりも、一つひとつの要素を丁寧に感じていくことをお勧めします。呼吸に意識をむけることで感じられるもの、変ってくるものを、じっくり味わってみることで、わかってくることがあるはずです。
呼吸法にはいろいろありますが、今回は、呼吸の通り道を繊細に感じていく方法をご紹介します。
1.楽な姿勢で横になる。両足の間は軽く開き、両手は手のひらを上にして体側に置く。
2.息が入っていく場所を、上図の1〜6の通り、段階的にしていく。
2−1:鼻先。吸う息が鼻の入り口付近に触れることを意識し、吐く。しばらく続ける。
2−2:上あごの奥。鼻の奥、上あごの奥まで息を入れて、吐く。息の通り道が、広がって自然に息が入っていくようにする。
鼻先→上あごの奥→鼻先、というように、息の通り道を繊細に感じてみる。
2−3:喉。喉までの気道が自然に広がって息が入ってくるように、意識してみる。
2−4:胸。胸骨が広がってできる空間に、自然に息が入っていくように。
2−5:お腹(丹田)。鼻先→上あごの奥→喉→胸→お腹の順に息がとおって、逆向きに出ていくのを繊細に感じてみる。
2−6:全身。足の先、手の指の先まで、全身に空気がいきわたるようにイメージする。
3.通常呼吸に戻す。
4.しばらくしたら、手先、足先からゆっくり動かしていき、少しずつ動きを大きくしていく。体が起きてきたら、どちらか横向きになって、腕で床を押して起きる。
1〜3のとき、目は閉じてもよいですが、寝てしまいやすいので、薄目の方がおすすめではあります。ただし、気持ち良く眠くなってきたら、睡眠を必要としている状態かもしれませんので、そのまま流れに任せて寝てしまいましょう。きっと良く眠れます。
わたしは眠れないときにやってみたら、(深夜にPC作業をしてしまったり、ネットを見たりすると、”交感神経”が活発になり、眠れなくなることがあります)、ふわっと緩んで眠くなってきて、穏やかに眠りにつけました。そして、体が緩んで広がった場所に、空気が入っていく様子を感じるとき、意識がこまやかで繊細になり、穏やかな心地になります。
お試しくださいませ。
(Photo by Xie Okajima)
☀「陽だまり」とは
ブログタイトル「みんみんの陽だまり太極道日記」の「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると素晴らしく居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、どことなくキリリとした印象もあります。太極拳を通して、こんな時間と空間を創っていきたい、陽だまりにつつまれて暮らす人、心身ともにゆとりある人を増やしたい、と思っています。
☀...☀...☀...☀...☀...☀...☀...☀...☀
いしい まゆみ(道号:静慧 / みんみん)
太極道家
体と心が目覚める太極拳(http://minminkung-fu.com/)
講座のご案内は、こちらからどうぞ
- ちょこっとワーク
- 11:16
- -
- -
- -
- -
- by 静慧(Jing Hui)/ いしい まゆみ