夏越の大祓と穢(気枯れ)

2017.06.30 Friday

(大宮八幡宮)

 

今日は6月30日。夏越の水無月の大祓(おおはらい)です。

 

これから暑い夏を迎えるにあたり、半年間の罪穢(つみけがれ)を祓い清めます。

 

今日、大宮八幡宮の大祓で、宮司さまのお話の中にとても印象深いことがありました。大宮八幡宮は、”東京のおへそ”とも言われ、とても気もちの良いところで、よくお参りに行くのです。

 

「穢(けがれ)は、気枯れ。気が枯れて、元気がなくなること」

「清めは、気がよみがえること」

 

わかりやすいですね。清浄を大切にしてきた日本人の背景が、よく現れているような言葉です。

 

太極拳でも、”気”を練るとか、”気”がある、とか、”気”を育てる、と言います。さて、”気”とは何でしょうか?

 

「元気」「気力」「気配」「気づかう」「気疲れ」などなど、日本語には”気”を使う言葉がたくさんありますので、感覚的にはわかりやすいと思います。

 

”気”は、生きていく力、生命を支えるエネルギーのようなものだと捉えています。

 

ランプに例えるとわかりやすいかもしれません。人の丹田のあたりにランプがあり、命の火がともっています。これには燃料が必要です。その燃料になるのが、"気(陽気)”です。

 

気には、先天の気、後天の気があります。先天の気は、生まれたときに持ってくるもの。後天の気は、生まれてから死ぬまでに自分で調達するものです。先天の気だけ燃やすと、わずか数分しか持たないと言われています。このわずかな先天の気を、寿命が来るまで持ち続けるために、後天の気で補っていきます。赤ちゃんは生まれたら自分で呼吸し、お乳を欲しがって栄養を取ろうとするように、人は生まれるとすぐに、後天の気を生成しようとします。

 

生成して継ぎ足してはいきますが、人生は、陽気の消耗のプロセスです。天寿を全うするためには、どれだけ消耗を最小限にするかが、大切です。

 

冷えやストレスは陽気を大きく消耗させます。過労死は、命を支える”気”がなくなった状態と言えます。

 

太極拳や気功は、言われているとおり、気(陽気)を育てると感じます。でも”気”は、目に見えるものではありません。どうやって練ればよいのでしょうか?

 

「気を練る練習をしていますか?」と聞かれたことがあります。わたしの答えは、「結果的には気を練ることになっていると思いますが、それを意識すると、そうはならないので、お稽古中は”気を練ろう”とは思っていません。」でした。

 

中国でお稽古する場合も、足裏で大地を踏みしめるとか、具体的にできる指摘が多く、「さあ、気を練りましょう」みたいなことはないのですよ。やるべきことをやっていけば、結果は自然に現れると思います。

 

こんな、わかりやすい表現もあります。「血が流れれば、気が流れる。気が流れれば、血が流れるのを応援してくれる。」つまり、血流が上がればよいのです。

 

自律神経の研究をされている医師の小林弘幸先生は、「真の健康とは、細胞のすみずみまで、質のいいきれいな血液を流すこと」とおっしゃっています。すると、すべての臓器の機能が良くなり、体調は良くなります。

 

血流が上がれば、体温が上がります。温かい、というのは、生命力がある証拠でもあります。生まれたばかりの赤ちゃんは、グングン成長するとおり、生命力のかたまりです。冷え症の赤ちゃんというのは、聞いたことがありません。体温があることが、成長には大切なのです。

 

ここで、「陽気があるなら陰気もあるの?」と思う方もいらっしゃるでしょう。もちろん、あります。陽気を育てるのは動功(太極拳や気功など)だとすれば、陰気を育てるのは静功(站椿功など立禅、坐禅、瞑想など)です。動功は、主に体を育てる(整える)もので、静功は、心を育て(整え)ます。

 

陰のないところに陽は育たない、と言います。陽気は陰気が転化したもの、とも言います。

 

昔の話ですが、太極拳を習う場合、最初は站椿功ばかり何年もやらされる、と聞いたことがあります。これはまずベースをつくるためです。今は、それが入門の通過儀礼になっているわけではありませんが、それでも長くやっている人は、この站椿功を大切にして、長くやり続けています。わたしの今の師匠、明月師父(武当玄武派第十六代伝承人)も、「站椿功で自分の中に力を蓄えた」と話されていて、お稽古でも毎日のメニューに入っています。

 

站椿功がベース、というのは、自分でやってきても、実感としてよくわかる気がするのです。

 

今日、宮司さまは、「人は清浄で生まれてくる。でも、大人になると、悪気はなくても罪や穢れを負ってしまう」という話をされていました。だから半年に1回きれいにして、気をよみがえらせるのだ、と。この行事も、心も、大切にしたいです。

 

そして、日々の生活では、気が枯れないように、心がけていきたいです。

 

自分が元気であれば、周りを元気にすることもできますしね。

(大祓の帰りにいただいた、七夕の笹。お願いごとを吊るそうかな)

 

☀「陽だまり」とは

ブログタイトル「みんみんの陽だまり太極道日記」の「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると素晴らしく居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、どことなくキリリとした印象もあります。太極拳を通して、こんな時間と空間を創っていきたい、陽だまりにつつまれて暮らす人、心身ともにゆとりある人を増やしたい、と思っています。

 

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いしい まゆみ(道号:静慧 / みんみん)

太極道家

体と心が目覚める太極拳(http://minminkung-fu.com/)

講座のご案内は、こちらからどうぞ

 


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