中国の文化:お茶を楽しむ

2016.11.03 Thursday

今回、武当山に行ったとき、友人のお茶屋さんで、”伝統的な茶道の作法”でお茶を淹れていただきました。めずらしいのでご紹介します。

 

まず驚いたのが、このやかん。清の時代のものだそうです。どっしりした素材に繊細な細工がほどこされています。

次に驚いたのが、水。実は武当山には水が汲めるところがあり、透明で、甘くてやわらかいのです。

 

そして、最も驚いたのが、こちら。

 

これが伝統的な茶道の作法だそうです。どんぶりのような陶器にお茶の葉を淹れ、沸かしたお湯を注ぎます。ひしゃくに穴が開いたような道具を使って、茶葉が入らないように、お茶だけすくうのです。茶こし兼、茶汲みの道具です。

 

(やらせてもらっているところ。とてもご機嫌)

 

茶海に移し、そこからそれぞれの茶杯に注ぎます。

 

(うれしくてたまらないところ)

 

茶道は、中国でも大切な文化のひとつです。学校に行くと「よく来たね」と、夕食後にお茶を淹れて歓迎してくれたり、出かけた先でのんびり過ごす時間にお茶を囲んだり。友人たちとわいわい、おしゃべりしながら夜遅くまでお茶を飲んでいたときは、目が冴えて眠れなくなってしまったこともありました。

 

中国茶と聞くと、まず烏龍茶を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実は最も多く飲まれているのは緑茶です。

発酵のさせ方により、6種類に分けられます。

 

緑茶:発酵させないタイプ。有名なのは龍井茶。

白茶:微発酵。茶葉の若葉や芽を選んで摘んだもの。茶葉が白い産毛に包まれているのが特徴。白牡丹など。

黄茶:かるく酸化発酵させた茶葉を積み上げ、湿気を堆積熱で微生物発酵させた後発酵タイプ。貴重品らしいです。

青茶:半発酵。烏龍茶はここに入ります。鉄観音、東頂烏龍茶、武夷岩茶など。

紅茶:加熱して発酵を止める作業をせず、完全な状態まで発酵させる。正山小種(ラプサンスーチョン)など。

黒茶:微生物発酵させて乾燥させ、高圧で蒸し固めたもの。プアール茶。

 

このほかに、菊花茶やジャスミン茶(茶葉に花を混ぜて加熱し、香りを移して花を取り除いたもの)などの花茶があります。

 

(写真左から、緑茶、白茶、青茶、紅茶、黒茶)

 

お茶を淹れた色はこんな感じです。

(上段左から緑茶、白茶、青茶、下段左から 紅茶、黒茶)

 

季節によっておすすめのお茶の種類は変わります。春は解毒作用のある緑茶。夏は、体内の熱をとりたいので、冷やしてくれる緑茶、白茶。秋は青茶。冬は、体を温めてくれる紅茶、黒茶がおすすめです。

 

みんなでいただく時は、小さな茶杯でいただきます。中国茶は何煎も出るので、お代わりして香りや味の変化も楽しみます。茶器が小さい理由はわかりませんが、以前、お茶屋さんが「小さい方が香りを楽しみやすい気がする」と話してくださったことがあります。日本の玉露はうまみを楽しみますが、中国茶は香りが特徴的なので、小さい方が合っているかもしれません。烏龍茶などは香りが茶杯に移るので、小さいと飲んだ後に香りを楽しみやすい、というのもあるかもしれません。

 

香りを楽しむために、特別な茶器もあるのです。聞香杯(もんこうはい)という縦長のものです。これにお茶を注ぎ、ちょっと置いてから茶杯(この場合は品茗杯(ひんめいはい))に移します。空になった聞香杯の残り香を楽しみ、お茶をいただきます。

(聞香杯)

 

ひとりでいただく場合、蓋碗(がいわん)に茶葉を入れ、お湯を注ぎ、蓋をずらして茶葉が入らないように飲みます。この蓋碗は「天地人」を表していると言います。お皿が地、蓋が天、碗が人です。教えてくれた中国人の友人が、「人が一番大きいんだよ」と笑いながら話してくれました。

 

(蓋碗)

 

茶会のときには、ホストがいます。みんなにお茶をふるまう役割で、空いた茶杯があったら注ぎ、冷たくなったお茶があれば新しくしたり、お湯が足りなくなれば沸かし、などなど、ずっと動いています。静かに手際よく、おしゃべりに水を差すことなく動きます。

 

お客さんは、お茶を注いでいただいたとき、「ありがとう」と言っても良いのですが、人差し指と中指でテーブルをトントンと軽くたたく方法もあります。これが、ありがとうの合図になります。その場の流れに水を差さず、ホストにもお礼を伝えやすい良い方法ですよね。

 

丁寧にお茶を淹れて、みんなで楽しむ時間は、心と体をリラックスさせてくれます。わたしの太極拳クラスでも、お稽古前後にお茶を淹れていただく時間を設けているのは、こんな理由もあります。ほっと一息つける時間でもあり、お稽古中に伝えきれなかったことを話す時間でもあります。こんな時間も、お稽古と同じように、大切にしていきたいと思っています。

 

(友人がホスト役をやらせてもらっていたとき、うらやましくて横から手を出したところ。)

 

参考:「中華のシンプルレシピ」パン・ウェイ著 株式会社オレンジページ(2005年)

   「元気とキレイの薬膳的暮らし」 パン・ウェイ著 PHP研究所 (2009年)

 

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いしい まゆみ(道号:静慧)/ みんみん)

太極道家

心と体が目覚める太極拳(http://minminkung-fu.com)

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