武当五行六合功

2016.07.13 Wednesday

(2012年、武当山にて。倒插杨柳の後ろ歩きのお稽古)

 

「あなたの太極拳は、外見はきれいだけれども、中が悪い。体の緊張が強すぎる。」というのは、4年前に武当山にお稽古に行ったときに、今の先生の兄弟弟子である虚谷師父(先生のことを師父と呼びます)から言われたことです。

 

「歩く練習、前、後、横、をやったことある?」と聞かれて、「ありません」と答えると、「それはだめだ。これは基本だから」と教えてもらったものが、武当五行六合功です。

 

六つの動きと、五つの歩法(立つ、前歩き、後ろ歩き、左歩き、右歩き)の組み合わせで、全部で6x5=30種類になります。

六つの動きは、次のとおりです。

1. 随波逐流
2. 立转乾坤
3. 平推古磨
4. 巧云太极
5. 倒插杨柳
6. 来日揽月

 

動きはシンプルで、覚えられないと悩むことはありません。単純な動作を繰り返すことで、不必要な緊張を取り除き、リラックスすることを覚えます。単純な形だからこそ、力が入っているところに気づきやすいのです。

 

最初は立つポジションで、上半身の動きだけを練習します。下半身も、歩法だけ、前、後、左、右、と練習します。

 

それから組み合わせていきます。上下の動きが合わさることで、体に緊張が走りがちになります。上半身の動きだけのときは上手くできていても、下半身と一緒になると腕が緊張してしまうことも、ありがちです。練習を続けることで、上下のバランスが取れて、上下がお互いに助け合う状態になってきます。

 

さらに、陰陽(陰陽の釣り合い)、昇降(登ったら降りる、降りたら昇る)、開閉(開いて、閉じて)、という要素の動きの流れも練習できるので、太極拳の基本練習としても重用されています。虚谷師父は、「これだけを40年ずっと練習する人だっている」とおっしゃっていました。わたしは今やると、以前にはなかった気づきがあります。この先も、きっと新しい発見があるのだと思います。

 

五行には、木、火、土、金、水という五つの要素があります。万物は五行から成り、お互いに影響を与え合うことによって天地万物が変化し、循環すると言われています。それぞれの要素に対応する臓器がある(肝臓、心臓、胃、肺、腎臓)ことから、この五行六合功は内臓のケアにもなると言われています。

 

武当山の武術学校によっては、「太極拳を教える前に、これをまず習わせる。この基本的な動きができるようになっていないと、太極拳を習っても『難しい、覚えられない』と、嫌になってしまうから」と言います。

 

単純な動きとは言っても、上下の組み合わせが入ると、複雑になってきます。特に横歩きは、単純に横に歩くのではなく、ステップは体をひねりながら置いていくので、これと上半身の動きを組み合わせると、かなりのポーズの練習になります。それでも、ゆっくり同じ動きを練習していくので、じっくり取り組めますし、体の緊張を取るのに役立つのももちろんですが、心を静めて自分と向き合うお稽古にもなります。

 

今の先生、明月師父は、「武当功夫の練習過程で、まず大切なのは、心を静めること、そこから悟りにつながっていく」とおっしゃっていました。

 

最近のお稽古では、五行六合功も少しずつ取り入れています。「難しい」という感想も多いのですが、これ、気持ち良いのですよ。わたしはこれで上半身の緊張を取ることを覚えましたし、体が自然につながって動いていく発見がたくさんできるものでもあります。そしてこれがちょっと身についていることで、太極拳を習う時に”見えるもの”が変わってくるのです。

 

何より、基本に還れるところ、ベースがあるのは、良いことです。表面の形を追うのではなく、表には見えないところから、です。これをやるのとやらないのでは、心身への影響と効果が大きく変わってくるのですよ。

(ひたすらひとりでお稽古。こういう時間も好きです)


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