お酒は飲んでも、飲まれない(その1)

2016.06.17 Friday

(武当山で、ニルス君のお誕生日に。左からわたし、ニルス君、トーマス君、明月師父(わたしの先生)、虚谷師父(先生の弟弟子)、張申霖師兄(先生の弟弟子)すでにほろ酔い気分。)

ところ変われば習慣も変わりますが、宴会でのお酒の飲み方も、中国と日本では異なります。わたしが経験している限りで、ご紹介してみたいと思います。カンフーにも、関係あるのですよ。

まず大きく違うポイントは、一人では飲まないことです。

必ず誰かと一緒に、目を合わせてグラスを差し出しあってから飲みます。このときに、何か言葉を添えることもあります。自分のペースで飲めなくて最初は戸惑いましたが、これ、良い習慣だと思うのです。誰かと顔を合わせて、お互いの関係に感謝したり幸せを願ったりしながらは、一人で好きに飲むのとだいぶ感覚が違います。

そして「乾杯」は、中国語では文字通り、飲み干すことになります。グラス同志をカチンとさせたら、乾杯の合図です。一気に飲み干したら、空になったグラスの内側の底を相手に向かって見せます。

あまり飲めないわたしのような場合はどうするか、と言えば...カチンとされた場合、飲めるくらいの量、たとえばグラスの上から1/4くらいを指で指して「これだけ飲み干す」と意思表示して飲んでいます。これで良いかどうかわかりませんが、みんなのペースには付き合えないので、自衛です(笑)。たくさん注がれてしまったときには、友人のグラスに移してしまうこともあります。これも、自衛です(笑)。

グラスをカチンとさせるときも、ちょっと注意です。相手が自分より目上の場合、自分のグラスを下にします。先生と乾杯する場合、当然わたしが下ですが、先生が気を使ってくださって下に持って行くことも多いため、お互いにグラスを下げる競争のようになることもあります。そんなことも、楽しかったりします。

よく出てくるお酒は、白酒(Báijiǔ)です。穀物を原料とした蒸留酒で、たいていはアルコール度数が50度以上ある強いお酒です。口当たりは良いのですが、喉を通るときに、ヒリヒリ焼けるような感じがします。特に注意なのが、英語でこれをホワイトワイン、つまり白ワインと呼んでいることです。「何飲む?赤ワイン?白ワイン?」と聞かれたら、赤ワインは本当に赤ワインですが、白ワインとは白酒のことです。その違いたるや、恐ろしや。

何が恐ろしいかと言えば、これもわたしの経験の範囲内ですが、このお酒、胃に来るのです。しかも突然です。強いとは言っても口当たりは良いので、比較的スルスルと飲めます。初体験の人、そしてお酒が強い人に多いケースは、調子よく杯を重ねていくうちに、突然ダウンするのです。その晩、もしくは翌日の朝まで胃の中のものが全部出るというひどい状態に。それでも、胃が空っぽになると復活して、気持ち悪さが後に残らないのも、ひとつの特徴です(個人差があるので、飲むときはくれぐれも注意してくださいね。)

先月、中国に行っていたときも、ドイツ人の友人、ニルス君のお誕生日をお祝いする宴会がありました。ちょうどお友達のトーマス君がドイツから遊びに来ていて、白酒初体験となりました。先生たちと男性同志、良い調子で「かんぱーい」と、どんどん進んでいきます。このときのお酒は特別で、ライチのような姿の「ヤオメイ」という実を漬け込んだものでした。虚谷師父(先生の弟弟子)のお父様が自分で摘んで3年漬け込んだとか。「体に良いんだよ」と言いますが...飲むと喉や胸が焼けるのは同じですが、口当たりはさらにまろやかです(さらに危険です)。

この実も、食べます。「体に良いから」です(本当なのか...)。当然アルコールが効いてすごい味なのです。やっとのことで1つ食べると、お酒を注ぐのと一緒に実も足されます。その場にいた中で一番”末っ子”の張申霖師兄は、みんなにいじられて、2個も3個も入れられては「助けてくれ〜」と悲鳴を上げていました(笑いながら、です)。ニルス君はボソッと、「お酒はいいけど、この実はダメだ。つらい...」。わたしはささやかに1つだけ食べ、足されたもう一つは、他の人のグラスの中にポン。

初体験のトーマス君、先生たちと調子よく酌み交わしていたら...突然、ふらふらに。身長190センチの巨体が、空いている窓にもたれかかり、ぐったりしています。先生たちは、よく見ている光景のせいか、愉快そうです。余裕です。(普段からあまり深刻な顔をしない、というのもありますが)

それでも家に帰らなければなりません。ひきずるように車に乗せ、降ろす時は、男性5人がかりで両手、両足、頭を持って、運びます。うち3人はカンフーマスターです。重すぎて「ちょっと休むぞ」と、途中でみんなに地面に下ろされるトーマス君。ぐっすり、高いびき。最後は巨体の先生が「わたしが背負う」と雄姿を見せて階段を登り切り、無事、部屋に戻れました。

翌日、すっかり回復したトーマス君、「失礼なことをしてしまった」と恐縮しまくり、先生たちに会うたびに謝っていました。でもみんなは、「そんなことないよ。一緒にお酒を飲めて、とっても嬉しかった。」というお返事です。それが本心だと信じられるのは、昨晩、トーマス君をみんなで運んでいる間もみんなニコニコだったのです。倒れちゃったよ、しょうがないなあ、運ばないとね、くらいなのです。

お酒を一緒に飲むのは、信頼関係を温める場でもあります。「また来たときには一緒に飲もうね」に、トーマス君は苦笑いしていましたが。

話の流れがタイトルの「お酒は飲んでも飲まれない」とは逆方向に進んでいますが、長くなってしまったので、残りは改めて書こうと思います。まずは、中国で(もしくは武当山で)よく見る宴会の光景のご紹介まで。
 


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