今を生きる:老子とカンフーパンダの言葉から

2016.01.19 Tuesday














とても大切にしている老子の言葉があります。

“If you are depressed you are living in the past.
If you are anxious you are living in the future.
If you are at peace you are living in the present.”

(もしあなたが落ち込んでいたら、あなたは過去に生きている。
もしあなたが心配ばかりしていたら、あなたは未来に生きている。
もしあなたが平穏だったら、あなたは今に生きている。)

この流れをくんでいるのかな、と思うセリフが、
映画「カンフーパンダ」にあります。
パンダのポーの師匠、亀仙人の言葉です。

"You are too concerend with what was and what will be.
There is a saying:
Yesterday is a History, Tommorrow is a Mystery, but today is a Gift.
That's why it is called the PRESENT."

(お前は過去と未来を気にしすぎている。
こんなことわざがある。
昨日は歴史、明日はミステリー、でも今日はギフトなんだ。
だから今日は、プレゼント(英語のpresent)と言うんだよ。)

過去を振り返ると後悔ばかり、未来を思うと心配ばかりになりがちです。
わたしにも、過去を振り返って後悔ばかりしていたこともあります。
未来を心配しすぎて、新しい一歩を踏み出せないことも、たくさんあります。

でも、過去も未来もどうにもできません。
何とかできるのは、今だけです。

今にいるために、役に立つのが体です。
頭は過去や未来に行けますが、体は行けません。
そして体の状態は、その瞬間で変わります。

先日、曹洞宗の僧侶の小杉瑞穂さんと一緒に、「心も体もゆるめる太極拳と坐禅」という
企画を実施しました。坐禅のときに参加者の方から、「意識がどこかにいってしまうのは、
どうすればよいですか?」という質問があったとき、小杉さんは
「体に意識を持っていってみてください」というようなアドバイスをされていました。
まさにこれが、今を生きる、です。

お稽古でも同じです。

わたしの例ですが、過去の成果への自信を思うと、ほぼ確実に失敗します。
「これだけやったからできるはず」とか、「以前できたから、できるはず」と、
思ったところで、力んでしまうのかもしれません。

未来の結果を期待しすぎても、うまく行きません。
「これをやったらこんな感覚がある」とか、「こんな効果がある」というのを知るのも
良いですが、それを期待しすぎると、その成果は、ほぼ、絶対にやってきません。
期待は横に置いて、とにかく今、それをするだけです。
結果は、後からわかります。焦る必要はないのですよね。

先生から、「お稽古するときに、いつもはじめてやるような感覚で臨む」と
教えていただいたことがあります。
立つことも、歩くことも、太極拳も、生まれて初めてするように。
そのときの感覚を感じていくだけです。
すごく丁寧にやろうとすると、どうやるのか、やり方がわからないこともあります。
でも、そこから得られる感覚は、すごく新鮮です。

今を生きるとき、
やりたいと思えることがあって、やれているなら、それで十分だと思うのです。

わたしと太極拳は、ずっとこんな感じで続いてきました。
「やれるかどうかはやってみないとわからないけど、今はこれをやりたいな」、です。
始めたばかりで何も知らなかった頃も、今も、同じです。

そもそも、今わかっていることは、ほんの一握りです。
ほとんどのことが、わかっていません。
知っていることなどないという方が、適切なように感じます。

どの瞬間の”今”も、これがやりたいと思えていれば、
結果として見たら、それが向いている、ということなのかもしれません。
それを才能と呼ぶことも、あるのかもしれませんよね。


(中国、武当山)

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