空腹を味わう

2015.12.18 Friday



人生初の断食をしてみました。

2泊3日、0カロリーの飲み物(水、柿の葉茶)のみで2日半を過ごします。
期間中は、座禅して休憩する、の繰り返しです。

現代人は食べ過ぎだという説もあり、断食も流行っているようですが、
目的や効果は、人によってさまざまだと思います。
宿〇を出して胃腸をきれいにする、とか、
からだの大掃除をすることによって、頭や心もすっきりさせる、とか。

わたしの一番の目的は、”食べない”経験をすることでした。

22歳でイギリスに留学していたとき、同じ寮にイスラム教徒の友人、ハリー君がいました。
ラマダーン(断食月)と呼ばれる期間、日の出から日没まで飲まず食わずで過ごします。
それまで周りにダイエットする人はいても、断食する人はいなかったため、
目を丸くして話を聞くわたしに、友人たちは
「君は断食したことがないのか!やるべきだ。あれば自分への挑戦だ!」と言うのです。

でも、わたしの心に一番残ったのは、ハリー君の言葉でした。
「これは宗教上の理由だけではない。本当にお腹がすくと、
周りの人はどうでもよくなって、”とにかく食べたい”だけになるんだ。」

わずかのパンをみんなで分かち合って、ではないということです。
正常な状態のハリー君なら、もちろんそんなことは望んでいません。

それからもう一つ、最近、友人のご高齢のご親族が内臓機能不全になって、
自分で食事ができなくなったとき、点滴などで栄養補給したりせず、
1か月くらいかけて人生の幕を閉じた、という話を聞いたこともあると思います。

そんな理由で臨んだ断食。
食べること、食べないことを、いろいろ感じることになりました。

”食べない”と決めており、終われば食べられるとわかっていることもあり、
それほど苦痛ではなく、空腹という状態をじっくり味わいました。

からだが本当に食べ物を必要としているのかなども、いろいろ感じました。
街を歩けば食べ物があふれているため、欲していないのに頭で食べたくなることや、
時間つぶしで食べていることも、たくさんあるような気がしました。

断食中、1日半たったところで野菜ジュース150CCだけ、いただけます。
人参と玉ねぎを3時間、重ね煮をしたものと、手絞りミカンという
とても丁寧に作られた野菜ジュースです。しみじみ、おいしいのです。
からだ全体に染み渡って、パワーが出てくるような気がしました。



そして、1日に何度も行う座禅。自分の呼吸に意識を向けていきます。
「息とは、自分の心と書く」という言葉は、とても響きました。

「食べない」ことで感じること、からだの反応は、人それぞれです。
わたしは3日目の朝に、食べるなんてとんでもないほど気持ち悪かったのですが、
いざ、断食明けの食事を目の前にすると、するすると入ります。
食の人、サトケンさんが主宰する断食会でもあるため、明けの食事はたっぷり、
大量の水と大根の煮汁(2リットル)を飲んだ後、生野菜、油とお砂糖なしでつくったパン、
豆乳ヨーグルト、果物などをどっさり食べます。完食。
野菜のおいしさなどはしみじみ感じましたが、良く聞く”食べることへの感動”というよりは
”するするとからだに入っていく感覚”を感じていたと思います。

食には、たとえば薬膳のように「この季節にはこの食べ物、この食べ方がおすすめ」というような
ものがあります。わたしは薬膳の考えをとても大切にしてきているのですが、
それでも、実際には人のからだはさまざまです。
何をどれだけ食べるのが良いのかは、自分のからだと相談していくしかないと思っています。

面白い話を一つ、教えていただきました。
森美智代さんという、1日に青汁1杯だけで13年を過ごしていらっしゃる方がいるのですが、
彼女の腸内環境は、牛に似ているそうなのです。

牛は草食動物です。でも、筋骨隆々です。
タンパク質を口から入れなくても生成できるということです。(牛であれば)。
それと同じように、森さんのお腹にはタンパク質のもとになるアミノ酸をつくるような
菌がたくさんあるとか。

森さんの場合、病気治療がきっかけで断食、小食を経験し、いろいろ経て今の形なったそうです。
著書では「食べる楽しみは失ったけど、生きる楽しみを得た」というようなことを書かれていました。
そして、誰もがこの形をすすめるわけではないけど、自分の場合は結果としてこれが一番よい、
とも書かれていました。

わたしの薬膳料理の先生も、「これはどのくらい食べたらよいですか?」と聞くと、
「わかりません」とおっしゃることがあります。自分のからだと相談しなさい、ということです。
その後のからだがどうなるのか、調子や冷え方など、経験を重ねていくのです。

観察して感覚を育てることは、太極拳とも通じます。
それは自分を大切にしていくことでもあると思います。
経験してみて、良かったです。

それでもやっぱり、食べることは好きです。
頭だけを満たすのではなく、心に負担をかけず、からだが満たされる食べ方を
心がけようと思います。

断食は、3日以上になると指導してくださる方なしでは危険なことがあります。
わたしは佐藤研一さん(http://ta-ki-bi.jp/)の会に参加しました。
ひとりでやるなら1日程度、ほどほどに。


(お散歩中に見た、空と光と海)
 

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