武当山日記:可能性を狭めない

2019.10.25 Friday

(武当山で。いちばん左が、先生)

 

現在の先生(武当玄武派第十六代伝人:明月師父)からは、習うことはもちろんですが、生きる姿勢など、いろいろなことに気づかせていただいています。

 

おおらかで、よく笑い、真摯なお人柄のせいか、周りに集まる人も、ニコニコ、気持ちのよい人が多いです。

 

おかげさまで今回の滞在も、特別なことがなくても、普通がとても楽しい日々でした。いつも感謝です。

 

先生の教え方にも、影響を受けています。

 

先生の教え方は、生徒の可能性を限定しない、という印象があります。可能性を信頼しているとも言えます。それには、いつも勇気づけられます。

 

どういうことかというと、初心者でも、長年やっている人でも、同じように教えるのです。

 

今回で言うと、まず30分の站椿功が1日2回組み込まれていました。站椿功は、”杭を打つように立つ”お稽古で、腕の形はいろいろです。今回は、木を抱えるように腕を前にあげるタイプです。

 

足は、膝に負担のかからないやり方を徹底するため、つらくなることはあまりありませんが、この腕のタイプは、肩や腕が痛くなりがちで、ちょっと手ごわいです。

 

途中で腕を下ろしても、怒られるわけではないので、途中で下す人もいますが、結構みんな、がんばります。

 

わたしも痛くなったときもありましたが、みんな一緒なので、続ける勇気をもらえます。腕は、上げ続けることができました。

 

お稽古は、午前と午後の他に、自主的に参加する早朝と夜もあります。そこでも站椿功をするため、多いときは1日に4回、合計で2時間やりました。

 

これまでにこんなに站椿功をやったことはなく、よい時間になりました。

 

站椿功は、腕を下げて立つだけでも意味があります。まず大切な縦に伸びる力を体得することができますし、骨の構造を活かして、無駄な力を使わずに楽に立てること、心を静めること、そして年齢とともに衰えてくる足を鍛えることなど、いろいろ役に立ちます。楽に立てると、心もほぐれるのですよ。

 

それに対して今回の腕を上げるタイプは、わたしのイメージでは、”バランスとパワー”です。

 

腕を上げるためには、命門(めいもん、背中側にあるおへその裏のツボ。)を後ろに引きます。膝は前に曲げるのではなく、膝より上が後ろに行くことで曲がり、太極拳で言う”坐る”姿勢になります。

 

この命門と腕で、前後に伸びるバランスを取り、肩やひじなど腕の関節の隙間が空いていきます。前提として、バネのように縦に伸びる力は必要です。

 

縦に伸びる他に、前後左右、四方八方にも広がる力が生まれます。バルーンがぷんっと膨らむような感じですが、もっと強く、パワーが外に広がる感じです。

 

長くいる中国人の生徒さんからも、「腕が痛い」という声が聞かれたりしました。どこかに緊張があるからで、首が縮んでいたり、命門と腕のバランスが取れていなかったりなど、原因があります。

 

バランスは、とても繊細です。続けていくうちに、だんだんその繊細さをキャッチする力(感覚)がついてくる気がします。

 

これを、短期で来る人、初めての人も含めて、みんなにやらせるというのは、なんともチャレンジングではないでしょうか。

 

しかもときどき、30分よりも長いこともあります。わたしが到着した前日、土曜日の午前中は、2時間、これだけをしたそうです。

 

先生が、それだけ「これだ」と思っている現れだと思います。

 

太極拳を習っているときも、同じです。最初から、必要なことは全部教えます。

 

ただし、動きを作りだす要素が全部分解されていて、とても明確です。この明確さは、ここ3−4年、お会いするたびにぐんぐんと伸びている気がします。わかりやすいです。

 

”動き”が分解されているのではなく”、”動きを作る要素”が分解されている、と書いたのは、見た目の動きではなく、こういう力が働いて、その結果こんな動きになる、ということだからです。

 

太極拳を教えるとき、「まず形をおぼえて、次に〇〇、そしてもっと細かく〇〇を」と、段階的に教える方もいらっしゃいます。どれが正解というわけではなく、人それぞれでいいと、思っています。

 

「初心者だから、まずはこのくらいで」というのは、ごく当然のやり方のように感じます。無理をかけすぎない、という配慮もあるでしょう。

 

自分の練習ではすることでも、「生徒にさせると嫌になってしまうかもしれないから」とおっしゃった方もいらして、それも、否定できません。

 

でも、今の先生の教え方を観ていると、「初心者だからこのくらい」と狭めることは、ある視点から視たら、その人の可能性を限定してしまうことになるのかもしれないと、思うのです。

 

優しく親切なようで、実は信頼していない、とも言えます(ただし、悪気はもちろん、ありません。)

 

信じる勇気、と、先生が気負っているとは思えず、自然体のまま「いい」と思うことをされているのだと思いますが、

 

気づかなうちに「このくらいから」と相手の可能性を狭めかねないわたしには、それが”勇気”のように映るのかもしれません。

 

そして、勇気をもらえるのですよ。いいと思うことをやろう、と。

 

そして、相手を信じることの大切さを、思い出させてもらえます。

 

これまでがどんな人で、どんな経験があるかで人を見るのではなく、

 

今、目の前にいるその人を、いつもまっさらな目で見たいと、思っています。教えるときだけではなく、日々の生活の中でも、です。

 

 

【これからの特別クラス】

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☀「陽だまり」とは

「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、りん、とした印象もあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

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いしい まゆみ(道号:静慧)/ みんみん)

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    武当山日記:型はあるけど、型ではない

    2019.10.18 Friday

    (武当山。お稽古場所から見える景色)

     

    9月末から10日ほど、中国の武当山にお稽古に行きました。

     

    今の武館(学校)は逍遥谷という観光地の奥にある、山深い静かなところで、知らない人が来ることはありません。

     

    最初の日、2年前に一緒になった中国人の友人と、会うことができました。わたしは到着、彼女は出発の間際という、ほんの2時間です。

     

    2年前と言えば、武館がお引越ししようとしていたときです。以前は南岩にありました。南岩は、ここから歩いて山頂に登る出発点でもあり、ホテルやレストラン、お店が立ち並びます。週末や祭日には観光客が押し寄せ、お稽古中も囲まれたり、写真を撮られたりと、宣伝にはなったかもしれませんが、落ち着かないこともありました。

     

    師父(先生)は、もっと静かなところで、じっくりお稽古がしたかったようです。

     

    両方に滞在したことのある友人は、「南岩は、ぶらぶら歩くのが楽しいところ。ここは、太極拳しかない。それがいい。」と話していました。

     

    わたしも滞在中は一歩も外に出ることなく、ずっとここで過ごしました。

     

    3度の食事はついていますし、生活に必要なものもそろっていますので、困ることはないのです。

     

    見えるものは同じ景色ですが、同じではありません。光や雲、風や音など、どんどん変わります。

     

    何もないけれど、すべてがある、と、感じます。

     

    今回、主に午前中は、他の生徒さんたちと一緒に36式の太極拳をお稽古しました。

     

    1〜2週間前から来ている人に合せて、最初から細かく教えていたようで、わたしが加わったときには、半分以上過ぎていました。

     

    以前、習ったことのあるものなのですが、加わってみると、「あれ?」なんだか、全然違います。

     

    それぞれが練習する時間に、「前に習ったときは、こうだった」という話をコーチ(師父のお弟子さん。師父の補佐として教えてくれます)にしたら、「そうなんだけれど、もうちょっといろいろ、あるんだよ。」

     

    過ぎてしまったところをなんとかしなければ、と、お稽古時間が終わったあと、生徒さんの一人に頼んで教えてもらいました。

     

    武館には、数か月とか1年とか、数年とか、長く滞在している生徒さんがいます。中国人が多いですが、外国人もいます。この中からお弟子さんになる人たちも出てきます。師父の教え方が良いためだと思いますが、こういう長期滞在の生徒さんたちは、とてもしっかり習っているので、こういうとき、頼りになるのです。

     

    「ここで後ろ足を押して、ここで前足を押して、命門を回して、手が回ってくる」というように(それだけ言われても、何のことやら、かもしれませんが)、順を追って、詳しく教えてもらいました。

     

    1回では覚えられないところもあるので、そういうときは「もう1回やって」とお願いしながらですが、嫌な顔せずに何度でもやってくれます。

     

    ほかのときでも、確認したくなったとき、近くにいる人を捕まえて「ここからやって」とお願いすると、みんな丁寧にやってくれます。何度でも、です。

     

    こういうところ、いいですよね。

     

    ひとりで練習しているときも、師父も、お弟子さんのコーチも、生徒さん達も、「あ、そこは違うよ」と、ちょこちょこ直してくれます。

     

    そうやって、だんだんといい感じになっていきました。

     

    (武当山。晴れの日)

     

    太極拳には、套路という型があります。

     

    でも、前回習ったものと、今回習ったものでは、全然違います。知らない人が両方を見たら、「似ているけど、違う」という感じだと思います。

     

    "違う"と言っても、変ってしまったのではなく、進化した、というほうがしっくりきます。

     

    師父は、”感覚”を大切にする方です。

     

    套路は型ですが、振り付けのようなものではなく、水がすーっと流れるように、エネルギーが流れ、力を発しながら、体が動いていくようなものです。

     

    表に現れる形は、その結果でしかありません。

     

    よりスムーズに、より力づよく、よりしなやかに、を求めて、細かい手順をみていくと、年月が経つにつれて、外から見た形は、変っていることも多くあります。

     

    長年のお稽古友達が、「前は、この套路は忘れていない、と言えたけれども、今はそう言えない。なぜなら、どんどん変わっていくから。」と言っていました。

     

    生きるとは、変っていくものだ、自然であることは、変わることなのだと、わかっているつもりですが、

     

    毎回訪れるたびに、套路の型が変わっていくと、がっかり、しょんぼりする気持ちが起きることもあります。今回も、最初の日は、そうでした。

     

    でも、淡々と、習い直して、良かったです。おかげで、進化した36式太極拳を、とっても気持ちよく、いい感じでできるようになってきました。

     

    がっかりするのは、型があると思っているからなのかもしれません。

     

    本当は、型なんてないのだ、と、思いました。

     

    あるのは、エネルギーの流れだけなのだ、と。これがぴったりくる表現なのかどうか、わかりませんが。

     

    大切なのは、まず伸びること。体がバネのようになっていることです。立っているときも、低い姿勢のときも、です。

     

    そして、陰と陽で、てこの原理で動くこと、です。上げたいときは(陽)、まず下げること(陰)。前に進みたいときは(陽)、まず退くこと(陰)。空間が広がっていきます。

     

    体は、四方八方に、膨らみながら、動いていきます。

     

    動かさなくても、自然と動いていくようになります。水が流れていくように。

     

    師父は、「自分の周囲を、すーっときれいにお掃除するような感じ」とも話していました。

     

    自分の中に空間(スペース)を作り、人との間にも空間を作り、滞っているものを履いて浄めてしまう感じです。神社の、掃き掃除みたいな感じだな、と思ったりしました。

     

    体も伸びるし、心も広がるし、とても気持ちよいです。来年くらいから、この太極拳を教えていこうと思っています。

     

    同じ36式太極拳でも、人によって、違います。同じ時期、同じ場所で、師父の兄弟弟子が、別の生徒さんに36式太極拳を教えていたのですが、全然、違いました。

     

    でもそれはそれで、ありなのです。

     

    どちらが正しい、というものでもなく、それぞれ、大切にしていることを大事にして、守るべきことを守ったり、進化させたり、しているだけです。

     

    もちろん、そこに至る前には、自分の先生がするとおりに、”しっかり、その通りに習う”ことが大切です。きちんと習った土台がなければ、進化もありません。

     

    型はあるけど、型はない、と思えたことで、またひとつ、自由になれたのかもしれないな、と思います。

     

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    10月19日(土)14:00-16:30 「はじめての武当気功詳細とお申込方法はこちら

     

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    (最終日。太極拳をお稽古しているところ)

     

     

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    「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、りん、とした印象もあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

     

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      武当山日記:ここには、いろんな人が来る

      2019.06.23 Sunday

      (武館「明月道院」の門)

       

      武当山の武館(カンフーの学校)というと、日々、武術にいそしむような人たちしかいない、というイメージを持つ方がいらっしゃるようです。

       

      わかります。わたしも初めて行くときには、「どうしよう、毎日が体育の授業みたいな学校に、わたしみたいに運動オンチで大丈夫だろうか。」と、不安に思ったものです。

       

      実際、当時のわたしの体は弱くて、練習初日に山の頂上まで登ることになり(片道4時間くらいです)、ひねってもいないのに、足首が腫れてしまったほどです。

       

      そんな人でも行ったのですから、誰が行っても大丈夫です。

       

      今回も、いろんな人たちに出会いました。外国人がいるときもありますが、今回はみんな中国人でした。

       

      映画でスタントマンをしているという男性とも一緒になりました。筋骨しっかり、よい体をしているのですが、筋力頼りになりがちのためか動きが硬く、武当功夫特有の、しなやかな強さには、苦戦しているようでした。でもだからこそ、来ているのかもしれませんね。時間は必要ですが、それは誰にとっても同じことです。

       

      息子さんが日本に留学しているという(おそらく)40代の男性は、はじめてのカンフー体験でした。体も硬く、準備運動をするだけでも息がハアハアと上がります。でも、いつも一生懸命で、何度も何度も繰り返し練習していました。日がたつにつれて、少しずつ前進する様子に、とにかく続けることって大事だと、改めて感じました。

       

      心身を健康にしたいという20代の女性もいました。とっても明るくてかわいい人なのですが、本人いわく、「口を開くと不満ばかり」とか。

       

      わたしも頭で考えてしまうクセを治したくて、ここに来たことがあることを、思い出したりしました。

       

      まじめで、站椿功や気功を、ひたすらやり続ける力があります。ただ、集中すると自分だけの世界に入ってしまうのか、「次、〇〇するよ」と声をかけても、その声が聞こえないようなときもありました。周りが目に入らなくなってしまうこと、わたしも身に覚えがあります。

       

      ある期間、普段の生活から離れて、体と向き合うことは、誰にとっても貴重な体験になります。

       

      日常から離れて、自然の中で、シンプルな生活をして、体と心と向き合っていると、そのときの自分の課題が浮き彫りになってきやすいです。

       

      見たくない自分も、しっかり見えてしまいますが、それは非日常だからこそでもあります。

       

      団体さんもいます。武当山に初めて来たというグループは、5日くらいの滞在で、半日お稽古、半日は観光というスケジュールでした。武当山と言えば、道教寺院が世界遺産に指定されている観光名所ですから、初めてだったら、いろいろ行きたい気持ちもわかりいます。

       

      そういう人たちがいる場合は、近くの風光明媚なところや、道教寺院に出かけて練習することもあります。先生は、いい雰囲気で気持ちよく練習できることも、大切にされています。そういうところ、いいですよね。気分や雰囲気は、大切です。

       

      わたしのように何度も来ている生徒とか、普段からいる生徒だけの場合は、どこにもお出かけしないで学校の敷地内でお稽古します。今はどこにもいかなくても、この静かな場所で十分満足ですが、わたしも初めてのときは、山頂に登ったり、道教寺院の境内でお稽古させてもらいました。それは良い意味で、特別感を演出してくれて、すんなりとお稽古する環境に入れたと思っています。

       

      企業研修できている方たちもいました。総勢27人です。武当山のある湖北省の企業で、そんなに若い人はいなかったので、マネージャー研修だったのでしょうか。

       

      モニターにプレゼンを映してみんなで会議していたり、小さなグループにわかれて話し合っていたり、そうかと思えば、「けんけんぱ」とか、足でける羽根遊びをやっていたり(会社の研修って、こういうのもありますよね)、なかなか興味深かったです。

       

      もちろんここは武当山ですから、太極拳とか気功の練習も入ります。みんなお揃いのお稽古着で、なかなか気合いが入っています。

       

      一緒にお稽古することはなく、それほど接点はありませんでしたが、和気あいあいとしていて、同じ場を共有していても楽しかったです。

       

      (企業研修の団体さんの、朝稽古)

       

      いろんな人がいるでしょう?

       

      「武術、やってます!」みたいな人たちではなく、結構ふつうの人たちですよね。

       

      武館は、来た人たちが居心地良く過ごせるように、元気になって帰れるように、いろいろと心を配ってくれます。

       

      先生の奥様は、武館の管理のような役割も果たしているのですが、わたしが到着してから何日かした頃、顔を見て「あ、元気になったね」と言っていました。

       

      先生もそうですが、そういうところは、とってもよく見ているのです。

       

      太極拳は、心身ともに健康に、しあわせに生きるためにあるものだ、と思っています。

       

      他人との競争ではなく、自分との競争でもありません。昨日よりも今日、できなくなることがあったとしても、それはそれです。その日、そのときに、心も体もすこやかにいられたら、いいと思っています。

       

      ここは特別なところではありますが、特別な人のための場所ではなく、誰にとっても、居場所があります。

       

      居場所があると感じられることも、大切なことじゃないかしらね。

       

       

       

       

      【これからの特別クラス】

      6月30日(日)14:00-16:30「−20歳のカラダほんとにはじめての武当太極拳」初心者から、太極拳のお稽古に悩んでいる方、武当太極拳を体験してみたい方に。詳細とお申込み方法はこちら

       

      7月7日(日)14:00-16:30  「たのしい太極扇」 詳細とお申込み方法はこちら

       

      7月21日(日)14:00-16:30「内なる自然に還る旅:魚からの進化をたどって若返ろう!」 〜最終回は、ぴょーん、ぴょーんと跳ね上がるマサイのジャンプを体験します。詳細とお申込み方法はこちら

       

      7月28 日(日)14:00-16:30「やさしい站椿功」 詳細とご申込み方法はこちら

       

       

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        武当山日記:形意拳で学ぶ勁法

        2019.06.20 Thursday

        (右が先生、明月師父(武当玄武派第十六代伝人)

         

        5月下旬に武当山にお稽古に行っていたときの、早朝練習メニューは、形意拳でした。

         

        形意拳とは、内家拳(太極拳、形意拳、八卦掌)のひとつであり、先生いわく「勁法を学ぶのによい」のです。

         

        「勁」とは、中国武術特有の用語です。ざっくり言うと「力」とも言えるのですが、一般に思う「力」とは異なります。

         

        「力」とは、もともとの筋力、そして筋力強化のトレーニングによって生み出されるもので、

        「勁」とは、全身の合理的な協調運動によって生み出される力、少ない労力で合理的、かつ最大限に発揮する力、です。

         

        この「勁」の説明は、どうにもわたしに言葉にできる力が足りず、上手く伝わらないかもしれません。力づくではなく、筋力頼りではない、と言えば、少し伝わるでしょうか。

         

        形意拳は、見た目にはハードです。直線的に進み、打法も早いスピードで繰り出されます。ときどき、太極拳と対比され、

         

        太極拳は、見た目には柔らかいけれども、中身は強く、

        形意拳は、見た目にはハードだけれども、中身は柔らかい、と表現されます。

         

        つまり、形意拳で大切なことは、緩んでいることなのです。

         

        習いたてのころは、「力」でやろうとしがちですが、力むと緊張が生まれるため、スピードも遅くなり、威力も出ません。そもそも、体が持ちません。「これでは、やっていられない、どうにかしないと」と、だんだん無駄な力みに気づいては抜いて、を繰り返していきます。

         

        そのうち、少しずつコツがつかめてきて、体の中は柔かいまま、動けるようになってきます。

         

        形意拳を最初に習ったのは、2011年の春のことです。1か月半の間、ひたすら三体式という站椿功と、五行拳という基本を繰り返しました。基本練習ですので、演武のように披露できるものではありませんが、これが自分の体を作ってくれたと思っています。

         

        そして、おぼろげながら「勁」というものに触れて、感じ始めたのも、このおかげです。

         

        太極拳は、上に書いたとおり、見た目には柔らかいのですが、体の内部には力があります。でも、見た目の柔らかさにまどわされて、内部まで柔らかいままの場合があります。

         

        それは、違うのです。

         

        太極拳をある程度やってきて、なんとなく行き詰っている方には、形意拳をやっていみるといいかもしれません。

         

         

        三体式という站椿功は、形意拳の基本練習で、手の形は「劈拳(ピーチュアン)」という、上から打ち下ろす形を使います。

         

        下記の写真は、2011年に初めて習ったときのものです。ピヨピヨの頃で、まだ力などなかった頃のものですが、形として一番わかりやすかったので、載せてみました。

         

        (三体式の站椿功。三体とは、宇宙の三宝、天、地、人のこと)

         

        簡単に、やり方をご紹介します。

         

        体重は、後ろ足7:前足3です。後ろ足は外向きに45度開き、前足はちょっとだけ内向きにします。後ろ足の踵と、前足のつま先が、同じ直線上にくるようにします。

         

        立つときには、後ろ足でぐっと前に押してから、前足をぐっと押して、この形を作ります。ただ足を地面に乗せている(体重を乗せる)のではなく、両足で地面を押すことで、逆向きの力が上に向かいます。

         

        後ろの手は、そけい部の前に置き、腕は丸く、手のひらで押し続けるようにします。

         

        おへその裏の命門は後ろに開き、前の腕の肩関節は、隙間が空いていくようにします。

         

        前の手の人差し指が遠くに向かうイメージで、中指・薬指・小指はちょっと何かをつかむような感じにします。親指は、人差し指との間を丸く自然に開けます。

         

        前の手の人差し指、前足のつま先、鼻先を結ぶと、三角形ができるようにします。

         

        あごは軽くひいて、首の後ろが伸びるようにします。

         

        力のバランスとしては、縦に伸びる力(足で地面を押して頭が天に向かう)が働いている中で、命門を後ろに開いて(引っ張って)指先が前方に向かうという横に伸びる力を出す、という感じです。天地とつながり、力が四方八方に広がり始めます。

         

        この姿勢で立ち続けます。最初は5分から。足と手を交代して、両方で10分です。

         

        けっこう大変なので、楽にできる方法やバランスを、あれこれ探ります。その間にあれこれと感覚がやってきます。ここは言葉にはなりませんが、これがいろいろ、いいのです。

         

         

        武当山で一緒に三体式をやっていた10代の少年たちは、最初は「腕が痛い、辛い」と言い、5分続けられませんでした。

         

        隣になった人の腕が下がったときに「がんばれ」と声をかけると、持ち直し、それがもう一回あって、ちゃんと最後までやり遂げたこともありました。最初は、根性も必要です。

         

        そのうち、だんだんと、そのまま5分続くようになりました。

         

        こういうものは、最初からひとりでするのは、大変かもしれません。みんな一緒だと、頑張りやすいですよね。

         

        形意拳は、太極拳とは違って、見た目には「ザ・武術」というハードさがあり、おののく方もいらっしゃるかもしれませんが、実際には女性にもおすすめです。しなやかで、頼れる体を育ててくれます。

         

        どこかのタイミングで、はじめての形意拳クラスも開催してみようと思っています。

         

         

        (形意拳には12の動物の形、十二拳があります。これはそれを組み合わせた套路で、馬の部分を習っているところ。2年前です。)

         

         

        【これからの特別クラス】

        6月30日(日)14:00-16:30「−20歳のカラダほんとにはじめての武当太極拳」初心者から、太極拳のお稽古に悩んでいる方、武当太極拳を体験してみたい方に。詳細とお申込み方法はこちら

         

        7月7日(日)14:00-16:30  「たのしい太極扇」 詳細とお申込み方法はこちら

         

        7月21日(日)14:00-16:30「内なる自然に還る旅:魚からの進化をたどって若返ろう!」 〜最終回は、ぴょーん、ぴょーんと跳ね上がるマサイのジャンプを体験します。詳細とお申込み方法はこちら

         

        7月28 日(日)14:00-16:30「やさしい站椿功」 詳細とご申込み方法はこちら

         

         

        ☀「陽だまり」とは

        「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、りん、とした印象もあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

         

        ...☆...☆...☆...☆...☆...☆...☆...☆...☆...

         

        いしい まゆみ(道号:静慧)/ みんみん)

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          武当山日記:ひざを守る

          2019.06.04 Tuesday

          画像に含まれている可能性があるもの:2人、立ってる(複数の人)、屋外

           

          今回、武当山に初めて訪れた中国人のグループと一緒になりました。

           

          一緒にお稽古する機会もありました。こういうとき、先生は大切なポイントを説明しながらお稽古してくださるので、とってもためになります。

           

          一緒にお稽古したのは「撑字訣」という気功です。「撑」とは、伸びるという意味で、「力撑八面(力が四方八方に伸びる・広がる)」という太極拳の動きを表現する言葉の中にも使われます。

           

          ひととおりで3分。グループの中には、体が硬くて前屈もなかなかできない方もいらっしゃいましたが、先生は「これを毎日2回やると、柔かくなるよ。6分でできるしね」と、おっしゃっていました。

           

          体が伸びて、開いていく感じが気もちよいのですが、やりかたにはコツがあります。

           

          それは、功夫(カンフー)をする上で、太極拳をする上でも、とても大切なポイントです。

           

          動くときに、どんな意図をもって動くかが大切です。それが自分の体を守ることにもなり、養生にもなるのです。

           

          特に丁寧に説明していたのは、膝です。

           

          日本でも中国でも、太極拳をやって膝を痛めてしまう人は、多いのです。

           

          実際、「健康になりたいと思って太極拳を始めたのに、膝を痛めてしまった」という方に、何人もお会いしたことがあります。

           

          そうならないために、膝に体重がかからないやり方を練習していきます。

           

          まっすぐ立っているときも、腰を落として低い姿勢になっているときも、どちらでも大切なのは、縦に伸びる力(竖劲 shu jing)です。

           

          足で大地を押して、頭が天に向かってぐんっと伸びる感じです。体がばねのようになっていて、立っているときも、低い姿勢のときも、上に伸びる力があります。

           

          低いときには、ばねがきゅっと縮んでいるイメージです。縮めば、びゅんっと上に伸びる力がありますよね。低い姿勢がよい、とされるのは、この力がある分、強いからだと思っています。

           

          このとき、膝を折り曲げてしまうと、ばねが縮んだ形にはなりません。

           

          膝は曲がるようにできていますが、曲げてしまうと固まってしまい、ばねにはならないのです。

           

          では、どうするか、です。

           

          お腹を収め(収腹)、おへその裏、背中側にある命門(めいもん)が、後ろにひっぱられて開いていくような感じにします。

           

          この命門が開いていること、詰まっていないこと(緊張して閉じていないこと)は、太極拳をするときにも大切です。

           

          命の門が開く、というと、それだけでもよさそうなイメージじゃありませんか?

           

          その後、「座る」という動作で、お尻が下がり、上半身が起き上がります(命門を後ろにひっぱったときには、上半身は少し前に倒れています)。丸く円を描きながらお尻が下がっていくような感じです。

           

          このとき、膝には角度がつきます。でも、膝を前に出して曲げるのとは違いますし、膝を積極的に曲げたりはしません。

           

          横から見ると、椅子に座っているような形になります。

           

          「座る」という表現は、勘違いされやすいかもしれません。実際に椅子に座るときとは、様子が違うからです。

           

          普通に椅子に座る場合、どっしり腰を下ろすと、ばねの力、上に向かって伸びる力はありませんよね。

           

          ここで言う「座る」は、ばねが効いたまま、上に向かって伸びる力を持ち続けます。

           

          文字だけで読むと、ちんぷんかんぷんかもしれませんね。実際にやってみても、はじめての場合は、ちんぷんかんぷんです。

           

          初心者に、最初からこれを教えるのは、厳しそうにも見えますが、ここはとても大切です。やってみると、違いは、明らかです。

           

          どっしり腰を下ろすような座り方で腰を落とすと、その姿勢をキープするのは大変です。我慢くべか、拷問か、になります。膝にはどしっと体重がかかります。これが、膝を痛める原因にもなります。

           

          でも、命門を後ろに開き、「座る」という動作で低い姿勢になった場合、そのままキープするのは簡単です。膝には体重が乗りません。ばねが効いていますからね。

           

          誰でも最初は、簡単にはいきません。でもこれがなかったら、養生にはならないのです。

           

          そして、誰でもやっていれば、少しずつできるようになってきます。ここを頑張ることで、その後の心身への負担は、確実に軽くなります。お稽古を続けるにしても、数年、数十年にわたるお稽古は、ずっとずっと実りあるものになります。

           

          ときどき、それなりに長くお稽古を続けていらした方で、どうしたらいいか、わらかなくなっているにお会いします。わたしもそうでした。

           

          あのときのわたしは、形にとらわれていたような気がします。本当は、形は意図をもって動いた結果の現れでしかないのに、です。

           

          その意図の部分を理解しながらお稽古を重ねていくと、怪我もしにくく(なんといっても養生ですから)、お稽古に迷い続けるようなことも、起きにくいのではないでしょうか。

           

          一生懸命にやっている人が、怪我をしたり、どうしていいかわからなくなるようなことは、避けたいと思っています。せつないですよね。

           

           

          最初はコツがつかめず、大変かもしれません。でもみんな、少しずつ、です。ちょっとでもいい方向に行くと、先生は「そうそう!」とすごく誉めてくださいます。

           

          完璧など目指す必要はありませんし、そもそも何が完璧かなど、わかりませんしね。

           

          その中で、ちょっとでも「あ、これかも!」と気づいくときは、楽しくて嬉しいものです。

           

           

           

          【これからの特別クラス】

          6月 9日(日)14:00-16:30「内なる自然に還る旅:魚からの進化をたどって若返ろう!」 〜より高く、自由な手を ゴリラ〜詳細とお申込み方法はこちら

           

          6月16日(日)14:00-16:30  「たのしい太極扇」 詳細とお申込み方法はこちら

           

          6月 30日(日)14:00-16:30「−20歳のカラダほんとにはじめての武当太極拳」

           全くの初心者、もしくは太極拳のお稽古に悩んでいる方に。太極拳とは?というお話から、基本的な体の使い方を体験できます。

           詳細とお申込み方法はこちら

           

          7月28 日(日)14:00-16:30「やさしい站椿功」 詳細とご申込み方法はこちら

           

           

          ☀「陽だまり」とは

          「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、りん、とした印象もあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

           

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