武当山の紹介

2017.08.11 Friday

 

今日、8月11日は、「山の日」です。

 

ちょうど自由が丘FMTVの「みんみんの陽だまり太極道」の放映日でしたので、「山の日」にちなんで、武当山のご紹介をすることにしました。

 

武当山はどこにあって、どうやって行くのか?から始まり、世界遺産に指定されている古代建築群(道教寺院)、わたしがお稽古に行く南岩の見どころ、山頂への道、そしてお茶や音楽、書などの文化のご紹介まで、たくさんの写真を入れながら、お話しています。現地の方に教えてもらった話や、あちらでのエピソードなども、入っていますよ。

 

何度も通っているところで、良く見ている風景ですが、それでも見るたびに違う顔を見せてくれるところは、「この瞬間は今しかないんだ」、ということを、強く感じさせてくれます。

 

自然の景色というのは不思議で、何度見ても、長く見ても、見飽きることはありません。温度、光、お天気、いろいろな要素によって、どんどん変わっていくのが、わかりやすいからかもしれません。

 

本当は、室内であっても同じで、今、この瞬間は今しかないのですけれどもね。

 

自然の中に身を置くことで、それを忘れずにいさせてくれます。

 

何はなくとも愛しい故郷。そんなことを思わせてくれる場所です。

 

お時間があるときにでも、よかったら見てみてくださいね。ちょっとした観光ガイドを楽しめるかもしれません。

 

 

また、この映像で使った写真は、Facebookに解説つきで掲載しています。こちらもよければのぞいてみてください(Facebookアカウントがなくてもご覧いただけます)。

 

 

☀「陽だまり」とは

ブログタイトル「みんみんの陽だまり太極道日記」の「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると素晴らしく居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、どことなくキリリとした印象もあります。太極拳を通して、こんな時間と空間を創っていきたい、陽だまりにつつまれて暮らす人、心身ともにゆとりある人を増やしたい、と思っています。

 

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いしい まゆみ(道号:静慧 / みんみん)

太極道家

体と心が目覚める太極拳(http://minminkung-fu.com/)

講座のご案内は、こちらからどうぞ

 

 

 

 

 

 

 


旧暦9月9日の重陽節

2016.10.25 Tuesday

 

(紫霄宮)

 

中国では旧暦の9月9日は、重陽節です。奇数を陽の数とするため、9が重なる日だから重陽と呼ばれ、日本の敬老の日にあたるようです。「秋のピクニックに行く日だよ」と、友人が教えてくれました。

 

武当山では、この日は別の意味でも特別な日です。北の守護神、真武大帝(玄天上帝)が悟りを開いて天に昇ったとされる日なのです。紫霄宮(道教のお寺)で、大きな法要が行われるというので、友人と一緒に行ってみました。

 

南岩からバスだと1つ目の停留所、道路を歩くと30分くらい、山の裏道を通れば15〜20分くらいで到着します。土地の人は、みんな裏道を行きます。近いし、景色もきれい、山道は楽しいのです。

 

紫霄宮は、もともと尼寺だったと聞いたことがあるのですが、今回の法要でちょうど中央にいらした方は、女性でした(現在は、男性も女性もいるお寺です)。剣を捧げるような場面もあり、興味深かったです。聞きなれた道教音楽と歌が生で演奏されていて、お香の香りとも混ざって、人で混雑していましたが、ほっとする、良い時間でした。

 

 

この紫霄宮が、現在の形になるように大がかりな再建が進められたのは、明の時代のことです。度重なる戦乱で焼失したり傷んだりしていた寺を、1412年、明の永楽帝が再建しました。永楽帝は真武大帝を深く信仰しており、真武大帝は明朝の護国神であったそうです。

真武大帝には、興味深い逸話が伝えられています。


真武が武当山で修業していた頃、一時、山から下りて俗世間に戻ろうとしたことがあります。「磨針井」のあたりまで下ると、一人の老婦人が太い鉄の棒を研いでいるのを見かけました。不思議に思った真武は、何をしているのかと老婦人に質問します。
すると、「縫い針を作るためだよ」と。真武はこんなに太い棒で縫い針ができるものかと不思議がっていると、老婦人は「鉄の棒を止めずに研ぎ続ければ縫い針は必ずできる」と答えます。これを聞いて悟った真武は、すぐに山に戻って修業を続け、やがて仙人になったと言われています。

 

この「磨針井」、観光名所として武当山の中腹に存在します。さらに武当山の南岩には「飞身岩」という、真武大帝がここから昇天したと言われる場所があります。ここにも逸話が残されています。

 

(飞身岩)

 

武当山で42年の修業を積んだ真武は、この崖にやってきました。真武の師匠が美しい女性に成り代わりそばにやってきたところ、真武は彼女を悪魔だと勘違いして剣で殺そうとします。彼女は嘆いて、自ら石の上から身を投げました。それを見た真武は、申し訳なく思い、彼女のために祈ろうと、その石から躊躇することなく飛び降りたそうです。彼の体は浮き上がり、五頭の龍に支えられて天に昇って行きました。そしてこの石が、「试心石」です。

 

(试心石)

 

「铁棒磨针(鉄棒磨針、鉄の棒を磨いた針)」という言葉は、学校にも掲げられています。コツコツと続ければ、いつかは達成できるという教えは、わたしの道の指針にもなっています。


武当山の頂上:金頂への道

2016.10.21 Friday

(金頂。文字通り屋根が金色に輝いています)

 

武当山の頂上は、金頂と呼ばれ、標高1612メートルにあります。

 

行き方は、ふたとおりです。山の途中までバスで行き、そこからケーブルカーか、徒歩で登ります。(注:バスの行先も2つで、ケーブルカーで登る起点と、徒歩で登る起点は違います。)

 

今回は徒歩で登りました。宿泊している南岩から、約3-4時間の行程です。道は整備されており、ほぼ、階段を登り続けることになります。整備されているのが良いのか悪いのか、山道を歩くより大変です。

 

この日は朝から小雨も降っており、レインコートを着て出発です。山登り日和とは言えませんが、小雨の降る山は、空気がことさら新鮮で、香りもたっぷり楽しめました。

 

(ずっと、こんな景色が続きます)

 

ここは道教の聖山でもあるため、頂上に登る途中にも、見どころはたくさんです。そのひとつ、朝天宮がこちらです。

 

朝天宮というのは、天に続くお寺、というような意味で、英語ではPilgrimage Palace(巡礼寺)と表記されています。”朝”は、日本語の意味とは違い、”〜に向けて”という意味なのです。“宮”は、道教のお寺という意味で、大きなものは"宮”、小さいものは”観”と教えてもらったことがあります。ここは”宮”の名前がついていますが、小さいところでした。

 

ここで道はふたつに分かれます。一つは清の時代に作られた近い道、もうひとつは明の時代に作られた道で、少し遠くて急だけれども一、二、三門と朝聖門(Celestial gate)をくぐる風光明媚な道、と言われています。いつも近道を通っていたのですが、今回は門を通る道にしてみました。

 

(朝聖門の前で)

 

一、二、三という門は、老子の「道徳経」にも書かれているように「道生一、一生二、二生三、三生万物(道は一を生み、一は二を生み、二は三を生み、三は万物を生む)」という道士たちの概念にもつながっています。道教では三は無限大を意味し、発展を示す数字だとされています。一、二、三門をくぐるこの道は、人間界と天界との境目とされています。ジグザグに進む道は人生に例えられ、喜びや悲しみなど様々なことを経験します。現実に向き合い、自然の流れに沿って生きることがわかりさえすれば、人生は幸せに満ちてくる、という解釈がなされているようです。

 

一門からニ門の間は、”360歩古神道”と呼ばれ、文字通り360歩だそうです(今回は、数える余裕はありませんでした)。この数字は、陰暦(旧暦)の1年が360日になぞらえているようで、人生の期間を象徴しているようです。

 

長い長い階段を見上げると、気が遠くなっていきます。こんなときは、次の一歩だけを見て、常に今にいるようにします。到達は、その積み重ねの結果です。(そうは言っても、つい見てしまいますが。)今、思い返すと、確かに人生と同じですね。先(将来)を見ると、気が遠くなったり、心配にかられたりしますよね。

 

途中で、一緒に登った方が、「なんで人生とかは上向きだと良い調子なのに、山は登るのが大変なんでしょうね」とつぶやいていました。これも今、思い返すと、的を得た感想ですよね。他人から見たら、もしくは過去を振り返ってみたら上り調子でも、そのときの本人は、一歩一歩、大変な思いをして登っている、ということかもしれません。

 

 

建築群が世界遺産に指定されている武当山には、観光客がいっぱいです。この日も、雨にも関わらず、中国人観光客がたくさん登っていました。途中、お話したり、長い階段を登りながら励まし合ったり、わたしたちが日本人だとわかると「ふるさと」の歌のフレーズを口ずさみ、「歌ってくれ」と言われたり。そんなひと時の交流も楽しいです。中国人は軽装で登る人が多く、靴もふつうの運動靴(確かに、山用の靴で登るような山道ではありません)がほとんどで、スカートで登る人や、ハイヒールで登る人も!

 

そんなこんなで励まし合いながら、ようやく頂上に到達です。真っ白で何も見えないかと思っていたのですが、霧がさっと動いて、すごく美しい風景が現れました。

 

 

(小さく点々と見えるのは、ケーブルカーです)

 

「来てよかったね」と、ひとこと。

 

最初の写真は、亀の頭のように見えませんか?実は、武当山を航空写真で撮ると、亀の形をしているのです。「航空写真が撮れるようになるずっと前から、ここに住む人たちは、ここが亀の形をしていると知っていたんだよ」と、学校の人が教えてくれたことがあります。

 

頂上にあるのは、太和宮と呼ばれています。武当山の別名は、太和山です。太和、という言葉で思い出すのは、前に先生の兄弟弟子が、「わたしたちはみんな”太和”、大きな家族だよ」、と言ってくれたことです。直訳ではないと思いますが、みんなつながっている、というような意味を感じます。あたたかいですよね。

 

 

登り切ってみると、いつも「来てよかった」と思います。一緒に登ってくれる人がいたり、途中でいろんな出会いがあることも、大切な要素です。人生と一緒、一人では生きていませんね。

 

今日も、一歩、一歩を大切に。気分が落ち気味だったり、心配ごとがあるときに、この道のりを思い出そうと思います。どんな道でもきっと、「来てよかったね。」

 

(登頂?記念に)

 

(参考:「Tour Guide to Wudang Mountain」Chief Editor: Chen Ying  2011年版 中国旅游出版社)


武当山での1日

2016.02.09 Tuesday


(中国、武当山。宿舎の敷地内でのお稽古)

定例のお稽古のため、4月中旬から武当山に行こうと思っています。

今日は、武当山での1日や衣食住の様子をご紹介しようと思います。
というのは、一緒に行きたい!という生徒さんが、
そこそこ過酷な状況を妄想していたことがわかったからです(笑)。

そんなに劣悪な環境ではありません。清潔ですし、食事もおいしく、居心地は良いです。

まずは行き方です。


直行便がないため、北京や上海で経由して襄阳(シャンヤン)空港まで行きます。
そこから武当山のふもとまで、車で約2時間です。
以前は長距離バスで移動したこともありますが、中国人の薬膳料理の先生に「だめ!」と
怒られて以来、安全のため、必ず学校にお迎えをお願いしています。

武当山にはカンフー学校がたくさんありますが、今の学校は山の中腹にあり、
バスで40分くらいです。山は車の入場制限があり、観光バスか、業者さんの軽トラックか、
スモークガラスのVIP車しか走っていません。

日本からは、丸1日、乗り継ぎによっては1泊2日かかります。

(武当山の山門。ここからバスで上ります。)


(武当山の中腹、南岩。ホテルやお店、レストランが並びます)


(南岩。こんな景色が、いつも見られます)

今の学校、武当玄武功夫館のお稽古は、1週間に5.5日です。
今のところ月曜の午後と火曜日がお休みです。
短期で行く場合、休日にもお願いしてお稽古してもらうこともあります。

1日のスケジュールは、

6時〜7時:朝練(自主練。ジョギング、站椿功など)

7時半:朝食

8時半〜11時:午前中のお稽古(途中、休憩あり)
・ジョギングと準備運動
・キックなどの基本功(ここまでで1時間くらい)
・それぞれのお稽古(太極拳、太極剣、気功、八卦掌、形意拳など)

12時:昼食
 その後、お昼寝

14時半〜17時:午後のお稽古(休憩、あり)
・站功(站椿功)と、放松(ファンソン)というリラックスする練習(1時間くらい)
・それぞれのお稽古

18時:夕食

時間は季節によって前後します。暑い夏は暑さを避けて昼休みが長く、日が短い冬は逆になります。


(午前中の個人のお稽古。武当太極拳。バス停の横の広場で、休日は
観光客がたくさん通ります。)


(站功。午後のお稽古。宿舎のお庭です)

食事は、中国人の生徒さんや先生たちが作ってくれます。
朝食は、おかゆ(白粥、豆粥、カボチャ粥など)、麺、パンケーキなど。
昼食と夕食は、ごはんとおかず4種類、スープなど。
お肉は少な目ですが、野菜はたっぷりで栄養もちゃんと取れます。
衛生面について言えば、食材は調理するまえにキレイに洗っていますし、
キッチンもお料理後にきれいにお掃除しています。基本、清潔です。















宿泊は、ホテルを宿舎にしています。
看板には、☆が3つ、ついています(と、言っておきます)。
一人一部屋で、トイレとシャワー付き。
お掃除は、その辺にあるモップやほうきを取ってきて自分でしますし、
シーツは頼まないと変えてくれませんが、こちらも基本、清潔です。
お洗濯も自分でします。ホテルの屋上の一部には、物干し場もあります。


(宿舎のホテル)


(中庭。ホテル内に、学校のオフィスもあります)


(お部屋の例)

(トイレとシャワーの例。先生が、娘さんを洗ってあげているところ)

武当山は歴史建造物(お寺)が世界遺産に指定されていることもあって、観光地なので、
お掃除はいきとどどいています。道路も、外の公共トイレも、わたしが普段行くところはみんな、
きれいにお掃除されています。

中国は、あまりきれいではないイメージがありがちかもしれませんが、
みんな自分が住むところは、きれいに掃除して、気持ちよく暮らしているのですよ。

何より、きれいにすることも、礼儀も、きちんと丁寧に暮らすことも、お稽古のうちです。
カンフーは、アクロバティックな動きをする場合もありますが、アクションではなく、
生きることそのものだと、わたしは思っています。



大好きな、魂のふるさと、武当山。

武当山の南岩

2015.06.14 Sunday


(南岩。自分のお部屋から見える景色)

わたしがお稽古に行く南岩は、武当山の中腹にあり、玄武大帝(道教の神様のひとり)
が、ここから天に向かって飛んだという説もある、聖なる地です。36の岩のうち、
もっとも美しいと言われています。

わたしにとってはホームのような、愛しい場所です。

ここには南岩宮という道教のお寺が、崖に建っています。
















(崖に建つ南岩宮)















(南岩宮)

ここで有名なのが、龙头香(龍頭香)です。
金頂(武当山の頂上)に向かって伸びる龍の頭の先に香台があります。

















龙头香を横から見たところ。下はけわしい崖です)



龙头香を手前からみたところ)

映画「ベストキッド2」で、師匠に連れられて修業のために山に行く場面が
ありますが、そこが武当山です。この場所も、映画に出てきました。

この龍の頭の大きさは、2.9m x 0.3mです。この先にお香の台があるため、

かつて道士たちは、ここを歩いてお香をあげていましたが、足を滑らせて落ちて
お亡くなりになる人も多かったそうです。あまりの惨事に、現在はこの上を歩くことは
禁止され、香台も手前に設けられています。

奥にはこんな場所もあります。


穴の開いた通貨の奥に、鐘があります。
手前には柵があり、ここからコインを投げて、通貨の穴を通して鐘に当たれば
願いが叶うと言われています。一度、見事に当たったことがあるのですが、
投げる前にお願いごとをしていませんでした。
「それでは意味ないよ」と笑われましたが、
結局、わたしには無欲が一番、と思っています(笑)。

南岩は、山の中でも比較的にぎやかな場所です。
ここに泊まって、朝の4時半くらいに金頂に向けて出発する人もいるため、
おみやげやさんやホテルも立ち並びます。
祭日は、バスの台数も、観光客の数も、多くなり、
山頂の向かう山道は長蛇の列になるとも聞きます。
















(おみやげやさんがならぶ通り。このだらだら登り坂、
わたしにとっては、早朝、ときどき駆け上がるランニングコース)

でも、普段は静かなところです。
毎日、違う景色を見せてくれますし、
朝、昼、夕方、夜と、変わる姿は、本当に美しいです。

南岩には、ほかにも小さなお寺などもあります。
そのご紹介は、また次の機会に。

(いつものお散歩コースから撮影した写真)
 


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