ストレスとの付き合い方
2017.03.29 Wednesday
(境界線が曖昧な、海と空)
「ストレスに強くなる」とか、「ストレス耐性がある」という言葉を聞くことがあります。
でも最近、「そのことば、ちょっと待てよ?」と思うようになりました。
ストレスとは、外部からの刺激です。ということは、常に、絶対に、あります。ただしそれは、”自分”と”外部”という区分けをしていれば、です。
以前、プラネタリーという映画を観たときにも書いたのですが、”わたしは誰で、地球とどう関係しているのか”を、改めて考えてみるときだと思うのです。(詳しくは「PLANETARY」と「体と心が目覚める太極拳」)
わたしたちの”これまでの物語”は、人が地球の上に立ち、他の生物よりもランクが”上”だと位置づけ、資源を生成するスピードよりも早く、多く、消費してきました。地球と人、人と他の生物、人と人が分断される中で、”個"が育ちます。それは競争を生み出して、社会の経済的発展を支えてきた反面、”孤独”という問題も作ってきました。
マクロな視点から見れば、人は地球という進化し続ける惑星の一部で、変化し続けるシステムの一部です。人が主導権を握っているわけではなく、すべてはひとつにつながっています。いまは、そのつながり思い出すときだと思うのです。
陰陽太極図は、白(陽)の中に黒(陰)があり、黒の中に白があります。これを人の関係に当てはめてみると、「あなたの中にはわたしがいて、わたしの中にはあなたがいる」ことになります。「他人は自分の鏡」と言うとおり、他人を見て嫌だと思う部分は、自分の中の嫌な部分であることも多々あります。そして、遠く離れている仲のよい友人が同じ時期に同じようなことを考えていたり、最近自分が気になることに関する本が出版されたり、など、個を超えたつながりの片鱗を感じられることは、実際にいろいろあると思います。虫の知らせ、というのも、ありますよね。家族など近い関係だと、特にそうです。
(陰陽太極図。Photo by Xie Okajima)
そう考えると、自分と他人の境界線も曖昧になってきませんか?つまり、これまで弾いていた”自分”と”外部”との境界線も、曖昧になってきます。
異質だと認識するからこそ、それに恐怖を感じて自分を守ろうとする結果が、ストレスを受けている状態なのだとしら、どうでしょうか?
これは、たとえば花粉症にも当てはまると思うのです。花粉を異質なもの、”外部”の”悪”と定めると、その”悪”から守るために自分を防御します。そして”悪”に戦いを挑むわけです。想像してみても、これは力が入りそうですよね。ストレスになりそうです。
でも「花粉は”悪”ではない」と思えたら、どうなるでしょうか?戦う必要はないですよね。確かにスギ花粉はバランスを崩すほどに増えすぎてしまったかもしれませんが、それでも地球という同じ船に乗っている仲間です。花粉だけ消えてくれ、というわけにはいきません。量については、長い目で見れば減らしていく(あるべき量に戻す)ことはできるのかもしれませんが、それもすぐにできることではありません。それなら、一緒に生きていくに、決まっているでしょう(と、わたしは思います)。
わたしは10年ほど自分を花粉症と認定していたのですが、それをやめて、花粉と一緒に生きていくことに”目覚め”ました。ここ数年は症状は軽いのですが、マスクだけは手放せませんでした。でも、「マスクをして防御したいものなど、ないのだ!」と、マスクをすることもやめました。ムズムズすることはありますが、それだけです。鼻水がでたら、かめばよいのです。それだけのことです。
この話をFacebookに投稿したら、わたしと同じように花粉症だと認定することをやめて、戦うことをやめて、症状が改善した、という方が何人もいらっしゃいました。
戦うのは、自分を守るためだと思います。でも、みんなが”つながり”に気づいたら、戦わなければならないことなど、本当はないのだと思います。
だからと言って、今の時代にいきなり家に鍵をかけなくても良い、という話にはなりませんが、自分が過剰防衛していないか、見直していくことは、やってみてもよいのではないでしょうか。
「ストレスに強くなる」と言っているだけでは、もっと強いストレスがやってきて、いつか押しつぶされるかもしれません。つぶされないためには永遠にストレスと戦い続けるしかありません。それよりは、ストレスだと感じなくなることを選ぶほうが、ずっと楽そうです。「ストレスだと感じなくなることが、ストレスに強くなるということだよ」と、おっしゃる方もいらっしゃるかもしれませんが、”ことだま”というように、言葉の使い方は大切です。「強くなる」という言葉は、争って負けないことを連想しませんか?
さて、ストレスと戦い続けますか?それともつながりを思い出しますか?もしこれまで戦ってきたなら、そしてそれでもストレスを感じているならば、今度は違うやり方を試してみてもよいのではないでしょうか。
今日は花粉の量も多かったようですが、とりあえずは順調です。最初は体も恐る恐るかもしれませんが、大丈夫、みんな運命共同体だからね、と、自分に声をかけてみています。どうなっていくのか、楽しみです。
(Photo by Xie Okajima)
☀「陽だまり」とは
ブログタイトル「みんみんの陽だまり太極道日記」の「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると素晴らしく居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、どことなくキリリとした印象もあります。太極拳を通して、こんな時間と空間を創っていきたい、陽だまりにつつまれて暮らす人、心身ともにゆとりある人を増やしたい、と思っています。
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いしい まゆみ(道号:静慧)/ みんみん)
太極道家
体と心が目覚める太極拳(http://minminkung-fu.com/)
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