モンゴルの夏休み:パワースポット

2019.08.02 Friday

 

今回の旅で、現地の方のおすすめで、「パワースポットですよ」という地域にも遠出しました。

 

ウランバートルから寝台列車で約10時間、ゴビ砂漠東部の中心であるサインシャンドから、日本に留学経験のあるガイドさんに、車で案内していただきました。

 

ゴビ砂漠と言いますが、現地の人からすると「砂漠ではない」のです。なぜなら、上の写真のように、ちょんちょんと草が生えているからです。「これは何と言うの?」と聞いたら、「...ゴビ」というお返事でした。

 

うだるような暑さのウランバートルを出発し、夜も熱気を保ちながら移動し、到着したサインシャンドは、さらに暑いところでした。サイン=良い、シャンド=水源、という意味があるようなのですが、雨も少なく、乾燥しています。

 

駅前には何もなく、ゆかりあるらしい人の銅像と、旧ソ連の戦車と、オボーがあるくらいです。

 

オボーとは、石を積んで山のようにしたもので、モンゴル各地で見られます。昔の人たちは、山や川にはそれぞれ神様が住んでいて、中でもいちばん偉い神様が天に住んでいると考えていたそうです。いけにえの動物をささげるとき、天の神様にわかりやすいように、石を積んで山のようしていたとか。ここを、3回、左回りに回るといいと言われています。

 

(オボー)

 

駅前から、何もない中で目を引いたのは、風力発電です。太陽光発電とともに、街の電力を支えているようです。

 

(これが、何機も連なっていました)

 

まず向かったのは、サインシャンドから南に約40辧∈叔の中に突如として現れる僧院、ハマリンヒドです。19世紀の初頭、僧侶ダンザンラブジャーが、ゴビ砂漠に仏教普及のために創った僧院で、共産主義による仏教弾圧で壊滅状態に陥りましたが、90年代後半から復旧作業が進み、現在では実際に活動しています。

 

(ハマリンヒド)

 

砂漠の真ん中にも関わらず、大人気のようで、次から次へと人が訪れます。博物館のようなところでは、色彩豊かな絵などをじっくり堪能できます。

 

(Harmonious animals という名前だったかしら。下から若い順に。鳥がいちばんの長老です。)

 

暑さ対策としてお水をたくさん飲んでいたため、行けるところでと、ガイドさんに「トイレに行きたいです」と言ってみたら、「...ここにはありません。」というお返事。僧院の中にはないのだとか。「入口にいるお坊さんに聞いてみましょう。」

 

門の外にありましたが、これがなかなか、足がすくむような体験でした。「次にこうだったら、ゴビですることを選ぶ。」と言ったら、友人たちがうなずいていました。

 

次に向かったのは、エネルギーセンターです。発電所?と思ってしまいそうですが、聞いた話によると、ここは世界のエネルギーの中心なのだとか。ここぞ、最強パワースポット(と言われている)です。

 

(エネルギーセンター)

 

スペースは広大なのですが、外からはあまり見えない作りになっている(というか、そういう地形を利用しているのかしら)ため、突如として現れ、ちょっと離れると見えなくなります。

 

そのせいなのか、なんだか不思議な感じがするところでした。

 

最初に入るところで罪を浄め、火山の赤い土の上に寝転がると、体にエネルギーを集めることができるのだとか。お勧めのとおり、寝ころんでみたら、とても気持ち良かったです。この場所だからなのか、それとも土に寝っころがるから気持ち良いのでしょうか。

 

 

「ここの前に立ってエネルギーをもらうんだよ」というスポットもあり、お勧めのとおり立ってみました。が、友人たちは遠慮していました。

 

(左の女性の立っているところが、指定の立ち位置です。ここからお顔(?)を向き、エネルギーをいただくようです)

 

さて、次に向かったのは、女性のための祈りの場、「おっぱい岩」です。この地には願掛けの山ハーリハンがあるのですが、昔は女性が登ることは禁じられていたそうです。ハマリンヒド僧院の創設者ダンザンラブジャーは、女性にも、とてもリベラルな方だったようで、代わりにここを設けたとか。

 

(おっぱい岩)

 

おっぱい岩ですから、ミルクをかけます。気温が高く、乾燥しているためか、ミルクが岩化しているような感じです。習慣に従って、ミルクをかけながら、左回りに3回、まわってみました。なかなかのミルク臭でした。

 

(ミルクを岩の上の方にかけています。上にかけろ、と言われたので、頑張りました)

 

次に向かったのは、108の岩窟です。ここも外からは見えないのですが、車を降りて下っていくと、ボコボコと洞窟があるところが現れます。昔は、ここで修行をしたのだとか。

 

 

何も食べず、何も飲まない50日間を含む、合計108日で、108の煩悩を克服するのだそうです。

 

このときも坐っている方が、おひとりいらっしゃいました。いつからなのか、今だけなのかは、不明ですが。

 

「ここに腰をこすりつけると腰痛がよくなるよ」という岩があったり(腰痛はないけれど、こすりつけてみました)、

”母の子宮口”という、入って出てくると、ピカピカな赤子のように生まれ変わるという洞窟があったり、(くぐりぬけましたが、あやうく逆子で生まれるところでした)、

 

人の悩みは、どの国でも共通していますね。

 

次は、「浄化の鐘」です。これも、砂漠の小高い丘に、巨大な鐘がぽつんとあります。日本の神社と同様、お願いごとを唱えて鐘をつくようです。ちょっと親近感です。

 

 

ここまで来たところで、暑さのためグロッキーです。「お昼ご飯を食べて休憩したい」という願いに、ガイドさんが遊牧民のゲルでのお昼休みを手配してくれました。

 

「準備が必要だから、ちょっと待って」というので、その間に「砂風呂」に行ってみました。噂には聞いていて、最初は楽しみにしていたのですが、「シャワーがない」ということで、候補からは外していました。果たして行ってみると...

 

ただの砂丘です。砂山です。ガイドさんが「裸足で歩いて!」というので、真似して5歩くらい歩いてみたら「あっつ!」無理です。靴下をはき直しました。

 

 

ガイドさんによると、ここで本当に砂に埋もれて、首だけ出して過ごすのだとか。寝転んでみたところ、けっこう気持ちよいです。サラサラ砂なので、体にまとわりつきません。

 

しかし、暑い。「この時間は無理ね。もっと日が沈まないとね。」とガイドさん。ガイドさんも裸足で砂の上を歩きながら、「あつっ、あつっ!」...やっぱり、そうですよね。

 

遊牧民のゲルに戻り、ようやくランチです。出されたものは、ノゴートイ・シェルという、ミネストローネに羊肉が入ったようなもので、とてもおいしかったです。塩がおいしく、羊がおいしいからかしらね。

 

モンゴルでは、メニューにいろいろ書いてあっても、「あるのは1種類だけ」なんてことも、よくありました。「あるものを食べる」でしたが、羊が好きなこともあり、いつもおいしくいただくことができました。

 

ぐうぐうお昼寝して、回復。ゲルに冷房はありませんが、風が通ると涼しかったです。お昼寝の間に、太陽もいい具合に傾き、暑さも和らいできました。

 

「トイレに行きたいです」とガイドさんに言ってみると、「それは...ちょっと難しいです。」という微妙な表現で、ゴビに立つ白い小さな建物をさしてくれました。

 

田舎ではよくあること、つまり”穴”です。ささやかな囲いは、あります。でも最初の僧院の近くよりは、ずっとマシです。(友人は、恐ろしすぎて『がまんする』とがんばっていました。)

 

最後の訪問地は、願いが叶う黒い山、ハーリハンです。山頂まで行けるのは男性だけで、女性は途中までです。昔は山肌を登ったようですが、今は階段が出来ています。

 

(願いが叶う黒い山、ハーリハン)

 

登った先には、オボー。みんながいろんな願掛けをしながら、お供えものを置いていくため、ここはちょっと、なかなかの香りがしました。あまり近寄りたい気にはならず...

 

ただ、ここからの眺めはすばらしく、小高いところから360°見渡せて、絶景です。願ごとが叶う縁起のよい山、とされたことも、わかる気がします。

 

この日は、ゴビ砂漠を車であちこち移動しましたが、舗装道路があるところ、ないところ、など様々でした。車がないと来られませんし、車があっても、地元の人でなければ無理そうです。ナビとかないですしね。「どうやって方向を見ているのか」とガイドさんに聞いたら、「山の形」というお返事でした。...わたしには、みんな同じに見えまする。

 

住むところが違うと、使える能力も変わってきますよね。

 

盛りだくさんの一日が終わり、夜行列車でウランバートルに帰りました。最後にちょっと、寝台列車のお話を。新しいシーツも配ってくれるので、清潔ではありますが、ムンムンと暑く、窓を開け放つと寒くて耐えられなかったりと、なかなか手ごわい環境でした。

 

列車には、もちろんトイレがついています。「閉まっているけれど、車掌さんに言えば開けてくれます」と聞いていたのですが、行きの列車で「トイレ!」と指さして訴えても、開けてくれません。(原則、モンゴル語以外通じません。)それでもトイレと訴え続けたら、手のひらをばしっと前に出してきました。5分後、ということ?

 

しばらくして行ってみたら、開いていました。どうやら主要な駅にとまるときに鍵をかけ、出発してからしばらくは施錠したままなのようです。あれは、やっぱり「5分待て」だったのですね。

 

言葉が通じない状況でいちばん心配したのは、目的地のサインシャンドで降りられるか、でした。駅には駅名がついていますが、この文字も読めません。前の駅で降りてしまったら、大変です。しかも、早朝に到着するので、寝過ごす心配もあります。

 

不安をかかえ、「次は〇〇ですか?」というモンゴル語だけメモしたり、「長距離列車で、時間が大幅にずれることはない」という予測のもと、到着予定時刻を見ていれば大丈夫、と思ってみたりしましたが、

 

実際には、降車駅に着く前に車掌さんが回ってきて、切符の半券を返してくれました。「なるほど、これで次だとわかるのだね」と言ったのですが、もっと言うと、この電車、ウランバートル発サインシャンド行きの列車でした。つまり、終点です。

 

3人もいたのに、間抜けでしたね。

 

(サインシャンドーウランバートル、と書いてあります)

 

さて、寺院やパワースポット、願いが叶う場所など、てんこ盛りに訪問した1日でしたが、わたしのエネルギーチャージや、お願いごとは、どうだったでしょうか?

 

ネットで見ていたら、エネルギーをビシビシ感じる、という話もあるのですが、わたしは鈍感なのか、そこまではわかりませんでした。とにかく暑いのです。エネルギーチャージの前に、体力は消耗します。

 

でも、砂漠の真ん中にポツポツと、寺院やスポットが現れることは、とても不思議な感じでした。「ここだ!」と思った人たちがいるわけですよね。そのことが、素直にすごい、と感じられます。あとは、土が気持ちいいなとか、眺めがいいなとか、環境すべてに力(パワー)がありますし、シンプルに満喫できました。

 

何よりも旅の安全を願っていたのですが、それは叶えてもらえました。ありがたいです。

 

叶う、叶わない、というよりも、祈る場所があること、祈る人々がいることがいいな、と感じます。このあたりのお話は、別の機会に書こうと思います。

 

(サインシャンドの駅で。夜7時半頃でも、まだ明るいです)

 

 

【8月の特別クラス】

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☀「陽だまり」とは

「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、りん、とした印象もあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

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いしい まゆみ(道号:静慧)/ みんみん)

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モンゴルの夏休み:馬と羊と、遊牧民(その2)

2019.07.24 Wednesday

(乗馬体験。いちばんうしろが、わたしです)

 

夏休みに旅したモンゴルで、印象深いことを書いてみています。

 

「未知の国、モンゴルでの夏休み」は、こちらから。

「モンゴルの夏休み:馬と羊と、遊牧民(その1)は、こちらから。

 

今回は乗馬をする機会もありました。

 

モンゴルでは、旅行者向けに遊牧民が乗馬させてくれるところはたくさんあるようなのですが、体験するときには注意が必要です。

 

なぜなら、遊牧民は馬の乗り方を教わることなく、小さな頃から当たり前のように乗り、落馬しながら学んでいくため、「馬の乗り方を教える」とか、「馬の乗り方を習う」という概念が、ないのだとか。

 

でも旅行者は、遊牧民の小さな子供とは違うので、落馬したら危険です。

 

そこで「乗馬するなら、絶対ここ」とおすすめされたのが、Normad Horse Campです。ここは、もともと遊牧民の出身の方が、「馬に乗るという文化を伝えていくことも必要」と、はじめたキャンプです。

 

「モンゴル人に『乗馬を教える』というと、『お前はおかしいんじゃないか』と言われる。でも、今の時代には必要だから。」と。

 

それでもキャンプを開いた頃は、自分は乗れるけれども、どう教えたらいいのかわからない状態だったそうです。2年かけて、教え方を修得していったのだとか。

 

乗る前に、注意事項や乗り方の説明もあり、コツも教えてくれます。シンプルでわかりやすいため、乗っているうちに、自分のできていないところも、だんだんわかってきます。

 

初心者は、遊牧民のガイドが馬を引いてくれますが、「ひとりで乗れそうだな」と判断したら、馬を引かずにひとりにさせてくれます。「その判断も、2年前はできなかったけれど、今はわかる。出来そうな人はひとりで乗せる」とおっしゃっていました。

 

モンゴルでも、ウランバートルなど都会で育つ人は、馬に乗れない人も多いそうです。

 

今のモンゴルでは、子供の頃から馬に乗ってきた人か、まったく乗れない人か、どちらかに分かれるのだとか。大人になって、乗馬を習う人は皆無だそうです。「習う」文化がありませんから、当然ですよね。

 

今のところキャンプのお客さんも、「100%外国人」だそうです。

 

できることと、教えることは違うのは、よくあることですよね。名選手が名コーチにならないとか、選手としては花開かなくても、コーチとして大成する人もいます。もちろん、両方できる人も、います。

 

また、カリスマのような存在は、教え方うんぬんより、いてくれるだけで絶大な影響力があることもあるでしょう。雰囲気から学ぶことも、あると思いますし。

 

このあたりは、人それぞれ、好みじゃないかしらね。教えたい人、そうではない人、教えたいわけではないけれども人が自然に集まってくる人、どれもそれぞれです。

 

それにしても、モンゴルの「乗馬を教えるという概念がない」というのは、驚きました。

 

その遊牧民の常識や慣習を超えて、乗馬を教える場を作るという新たな挑戦をしてきた熱意と実行力には、もっと驚かされました。

 

それは、遊牧という文化を、新たに守り、つないでいく方法のひとつかもしれません。

 

安全に乗馬体験できることももちろんですが、そんなお人柄に触れたり、お話を聞いたりできたことも、とても良かったです。

 

こちらは、日本語でも英語でも対応可能です。どの季節でも乗れますが、冬は雪が積もって真っ白になるそうです。そんなときも、遊牧民の出番です。彼らは、どこに穴があるかを把握しているため、安全に乗るために、冬は遊牧民を先頭にして一列になって進むのだそうです。ここでも、モンゴル人の(というか、遊牧民の)地形を把握する能力に、脱帽です。

 

まれに、どすっと穴に落ちることもあるそうなのですけれどもね。落ちるのは先頭の遊牧民ガイドなので、お客さんは安全ですよ。

 

(短い時間ですが、ひとりで乗せてもらえました)

 

乗馬体験のときには、同時にお料理教室にも参加させてもらい、ボーズという肉餃子を作りました。名前の由来は、中国語の包子(バオズ)、肉まんから来ているようです。作り方は、中国の餃子とほぼ同じですが、中身はたいてい、肉のみです。ただし、これも各家庭の味があるようで、このキャンプを主宰されている方のお家では、お肉とキャベツを混ぜていたそうで、日本人には食べやすい味でした。

 

(まずは皮から。棒状にして、ナイフで切り、丸めていきます)

 

中国の餃子と同じで、旧正月に各家庭で作るそうです。1000個くらい作るのだとか。皮を丸く伸ばすひと1人に対し、包む人は4人です。皮を準備するのは、その家族で、いちばん上手な人が担当するそうです。

 

たくさん作って家族で食べたり、お客さんが来たらふるまったり、それぞれの家庭の味を堪能するようです。楽しそうですよね。

 

包み方は、色々です。小龍包のように丸くするもの、バラのようするもの。春巻きくらいの大きな皮に、くるくると巻いたものものは、「なまけボーズ」というそうです。手早くできますからね。

 

(皮を伸ばすときは、まん中が厚くなるように)

 

(透かしてみると、まん中が厚いでしょ)

 

ボーズは蒸しますが、それを油で揚げたホーショールという食べ物もあります。これは、油の通りをよくするために、形が平になっており、うすーいピロシキみたいな感じです。

 

味付けは、やはり塩。お肉の味がしっかりしているせいか、はたまた塩がおいしいためか(モンゴルの塩は、有名です)、お醤油などをつけることもなく、おいしくいただけました。

 

餃子をつくるとき、皮と中身がぴったりのとき、どちらかが余ったりするとき、ありませんか?こちらでは、それで新しい年を占うようで、

 

皮が余る → 衣服に困らない

中身が余る → 食べ物に困らない

皮と中身をぴったり使い切る → 衣服も食べ物も豊かな年になる。

 

悪い年はないあたりが、素敵です。

 

(包み終わって)

 

(いただきます!)

 

遊牧民の文化は、知れば知るほど新しく、でも「そうだよね」と思えることもある、驚きと納得がたくさんでした。

 

チンギス・ハーンの生涯を描いた井上靖さんの小説、「蒼き狼」には、こんな一文があります。

 

「この自分たちが大自然の中の無力な小さい点であるという思いは、牧草を求めて転々とし、定住する家屋も、定住する土地も持たない遊牧民たちの誰もが必ず心の底のどこかに持っていて、いかなる行動もいかなる考えをも、結局はその根底に於てそれを支配する呪文のようなもの」(「蒼き狼」井上靖 著 新潮文庫)

 

放牧も、食べるときは肉をきれいにこそげとることも、山の地形で方角を見ることも、いろいろこの「大自然の中の無力な小さな点である」ことに、結びつくような気がしました。

 

”モンゴル、よいとこ、いちどはおいで。”

 

 

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モンゴルの夏休み:馬と羊と、遊牧民(その1)

2019.07.24 Wednesday

 

 

夏休みに、モンゴルに旅しました。

 

予備知識もほとんどなく行ったこともあり、驚くことも多く、また、自分の勝手な先入観や思い込みにも、気づかされる日々でした。前のブログ「未知の国、モンゴルでの夏休み」では、モンゴルとはどんなところかに、触れてみました。

 

今回は、特に印象深かったこと、遊牧民についてです。

 

旅の間、現地の遊牧民にどっぷり触れ合う機会があったかというと、そうではありません。旅行者に昼食を提供するサービスをしている遊牧民を訪問したり、旅行者用の宿泊施設として建てられたゲルに宿泊したくらいです。純粋に放牧を生業としている”遊牧民”や、その住居であるゲルは、遠くから眺めるだけでした。

 

それでも、見えてくるものや、気づかされることが、たくさんありました。

 

遊牧民たちは、放牧という形で家畜を飼育しており、そのエサを求めて、季節に合わせて住む場所を移動します。モンゴルでは、主に牛、馬、羊、やぎ、ラクダが放牧されており、山の近くではヤクも見かけました。ヤクの毛で作る靴下や手袋は、丈夫で暖かいのです。

 

 

生活は厳しく、遊牧をやめて都会で働く人も多いようです。モンゴルでは、この遊牧という文化を大切にしており、守るための補助もあるようです。たとえば何かの事情でゲル(家)がダメになったり、家畜が死んでしまったりした場合、1回だけはある程度の羊などは無償で提供してくれるような制度もある、と聞きました。

 

ゲルとは、移動できる組み立て式の天幕です。モンゴル語で「家」を意味するそうです。パオ(包)と呼ぶ場合もありますが、これは中国語ですね。

 

サイズはいろいろですが、小さいものなら、ラクダ1頭に積めるそうです。慣れた人なら、30分くらいで建てることもできるのだとか。小さいとは言っても、ベット2つ、食事用の大きめのテーブル、調理場所などがあるため、3〜4人なら十分な広さがあります。

 

遊牧民は定住しないため、ゲルを建てるために土地の所有権を得たり、借りたりする必要はありません。

 

ゲルは、ウランバートルなど都市部にもあります。都市部では土地の所有があるため、自由に建てることはできず、自治体に確認が必要です。地方から都市部に出稼ぎに来ている人が住んだり、別荘として持つ人もいるようです。

 

このほかに、旅行者が泊まれるゲルもあります。ホテルですね。ツーリストキャンプと呼ばれるところにあります。こちらのゲルは移動することはなく、基本は固定式だと思います。床も板張りで、電気もひいてあります。トイレやシャワーは部屋にはありませんが、ツーリストキャンプ内にはありますので、不便はありません。

 

どのゲルも、つくりはほぼ同じです。格子状の壁の骨組みをつくり、ドアをつけ、丸い天窓を柱で持ち上げ、布やフェルト、汚れを防ぐ白い布をかぶせて紐で締めます。

 

内部は、中心に鉄のストーブがあります。南にドアを設置するようで、右側(東)は女性や子供の場所で、キッチン部分です。お客さんがここに入ると、失礼にあたるので、要注意です。左側(西)が男性やお客さんの場所です。

 

食事は奥(北)のテーブルに出されますが、天窓をつっている2本の柱の間は、通り抜け禁止です。

 

(入って北側、奥からドアを眺めたところ。左手がキッチンです)

 

(天窓。晴れた日は青空が見えます。雨が降ったらシートをかぶせるので濡れません)

 

今回は、ハラホリンに車で向かう途中、ELSEN TASARKHAIという草原にある砂山で、遊牧民のゲルを訪問してお昼ごはんをいただく機会がありました。

(※ハラホリンとは、かつてモンゴル帝国の首都がおかれていたところで、カラコルムと呼ばれていました。)

 

向かう途中、運転手さん(日本語ができるモンゴル人です)が電話を入れたとき、「これから、お昼に出す羊をさばく」という話があったそうです。なんとも臨場感があります。

 

到着してすぐ、ラクダの隊列がやってきました。ラクダは1か月くらい放牧しておけるそうです。水を与えなくても、こぶがあるので大丈夫なのだとか。そのかわり、こぶは萎れて、くたっとなってきますが。

 

ラクダの隊列には、リーダーがいるようで、そのラクダが進めばみんなが進み、止まるとみんなが止まります。飼育されているとはいえ、知らない人間に近づくのは避けるらしく、人がいるところには近づかず、ぴたっと歩みを止めます。

 

(ラクダの隊列。モンゴルのラクダは、ふたこぶです。近寄ると蹴られるので、遠くから。)

 

モンゴル犬もいました。暑さのせいか、ずーっとお昼寝していました。天下泰平ですが、番犬の役割を果たしていませんね。

 

席に通されると、まず出てくるのはスーテイ・ツァイ(乳茶)です。茶葉を湯でわかし、牛乳を加えたもので、地域によっては塩やバターが濃いところもあります。おいしいときはおいしい、いまいちなときはいまいちで、地域の味、家庭の味があるようです。

 

遊牧民のゲルは電気がなく、ろうそくの火で過ごすそうですが、このゲルでは太陽光発電をしていました。なかなか進んでいます。

 

 

お昼ごはんは、ホルホグというモンゴル料理で、羊を圧力なべで加熱したものです。味付けは塩だけ、一緒にじゃがいもとにんじんも入っていました。

 

 

骨付き羊は、かなり豪快です。モンゴルの人は、とにかく肉食で、中でも羊をよく食べます。おいしい草をたっぷり食べ、しっかり運動している羊は、「血抜きもせず、一緒に食べる」そうで、身もしまっており、味もしっかりして、でも臭みは少なく、おいしかったです。羊が苦手な方は、ダメかもしれませんが。味付けは塩だけですが、それが素材のおいしさを引き立ててくれます。

 

さきほどまで生きていた(かもしれない)羊、命をありがたく、おいしくいただきました。

 

ワイルドな骨付き肉に、動物が苦手な友人は「こわーい」と、おびえ気味でした。すると運転手さんが小さめのナイフで、きれいに骨から身をはずし、食べやすいように一口サイズに切ってくださいました。

 

この手際が、すばらしいのです。「いつもバーベキューでやっているから」と言うのですが、お肉を取った後の骨は、きれいに真っ白。こちらの方は、お肉の扱いも本当に上手です。こんなところにも、羊と共に生きてきた歴史が見えるようでした。

 

ウランバートルを出れば、どこに行っても360°を見渡せる大地が広がります。草の生え方、色もそれぞれです。ゴビは砂漠と呼ばれることもあるようですが、本当の砂漠ではなく、短い草が生えています。現地の方に言わせると、「砂漠じゃない。これは、ゴビだ。」と。

 

広い空、どこまでも見渡せる地平線、2時間車で走っても、景色は変りますが、360°見渡せることに変わりはありません。この光景は、すばらしかったです。

 

道は、舗装道路もありますが、ただ草原を走ることもあります。モンゴルの人は、山の形で方角を見ているのだそうです。すごい能力ですよね。

 

見通しの悪い都会で育ってきた人や狭い国土で育った日本人は、この広いモンゴルのようなところでは、うまく距離感が把握できない、という話を聞いたこともあります。

 

舗装道路を車で走っていても、ときどき、羊やヤギ、馬や牛などが横断していきます。怖がらせないように車は減速して、渡り終わるのを待ちます。

 

ときどきは、車にはねられてしまうこともあります。「そういうときは、どうなるの?」と運転手さんに聞いてみたら、

 

「たぶん、昼間にはねたら、車が悪い。夜にはねたら、飼い主が悪い」という答えでした。夜は家畜たちもお家に帰りますからね。

 

放牧の様子を見ていると、いろいろと興味深いことがありました。

 

やぎと羊が混ざっていることが多かったので、聞いてみたら、「羊の群れにやぎを入れておくと、やぎが先導して家に帰ってくれる」とか。やぎは、おりこうさんなのですね。

 

木で作った丸い柵の中に、子馬が入れられているのを見かけることもありました。馬乳酒を作るためだそうです。母馬と子馬をいつも一緒にしておくと、ミルクはみんな子馬が飲んでしまいます。馬乳酒用のミルクを取るためには、昼間は子供を母馬から離して、搾乳するのだそうです。子馬は、朝晩だけお母さん馬からミルクをもらうのだそうです。

 

ただし、これは西の方のやり方だとか。

 

「西は馬乳酒を造るために、子馬は昼間、ミルクを貰えない。だからそんなに強い馬には育たない。でも、その馬乳酒を飲んで育った人は強く、モンゴル相撲は西が強い。東は、子馬は昼夜ずっとミルクを貰えるため、強い馬が育つ」と教えてもらいました。

 

馬乳酒とは、馬のミルクに種として馬乳酒を1割程度加え、馬(牛?)の皮袋の中に入れて、一晩攪拌させて作ります。「馬のミルクは甘い」というのですが、お酒になると、すっぱいので、よくわかりません。皮袋に入れるほうが、菌の作用でおいしくなるそうですが、皮袋を清潔に管理するのは大変なので、現在ではプラスチックを使うところも多いのだそうです。馬乳酒にも、各家庭の味があるようですね。

 

遊牧民のゲルでふるまわれるほか、スーパーなどにペットボトルで売られているものもあるのですが、「おすすめしない」とか。味とか質も問題もあるようです。

 

アルコール度数は2〜3パーセントで、そんなに高くないのですが、標高が高いせいか、ちょっといただいたら、ふわんふわんしてきました。

 

「初めての人は、お腹が緩くなることもあるから注意してくださいね」というアドバイスもありました。質がよい馬乳酒でも、慣れていない人は注意ですね。

 

遊牧民は、食生活の大部分を家畜に依存してきているため、馬や羊の乳製品は、とにかく多いです。ヨーグルトを乾燥させたような硬いものや、柔かくバターのような味わいのもの、いろいろです。あまりに種類が多く、それぞれで、味は食べてみないとわかりません。

(右側にあるのが、ヨーグルトを乾燥させたようなもの)

 

モンゴルの食といえば、肉と乳製品です。小麦も食べます。内陸のため魚は食べませんし、野菜は、今でこそ育てているところもありますが、歴史的にはあまり食べません。

 

土地の環境や腸内環境にもよるのかもしれませんが、「お肉とお魚、バランス良く食べないと」とか、「野菜もたくさん食べないと」というわけでもないのですね。

 

「馬は、友達であり、大事な食糧でもある。だから馬の色を現わす言葉は100種類くらいある。けれども魚は、どれもみんな”魚”。」と言っていました。

 

生活に関わってこないものは、名前もついていないというのは、どの国でもあることですが、モンゴルでは魚の他に、花も「あれもこれも、みんな”花”。それぞれの名前は、みんな知らない」そうです。

 

また、遊牧民と言えば馬に乗るイメージですが、現在では、オートバイに乗る人もいます。「その方が効率がいいから」と。遊牧民は、朝、放牧し、日が沈む前には家に連れて帰りますが、様子によっては、放牧したまま夜を明かすこともあるそうです。ただしその場合は、遊牧民が近くにやってきて、泊まるのだそうです。放置せず、ちゃんと管理しているのですね。

 

今回は乗馬も体験できました。馬の話もいろいろありますが、長くなってきたので、その2に続きます。

 

最後に、旅行者の宿泊用ゲル、ツーリストキャンプの写真を掲載します。ここは温泉地でもあり、西洋人の旅行者も多く、優雅な温泉リゾートでした。

 

(ツェンケルにあるシベート・マンハン。ツーリストキャンプです。)

 

(シベート・マンハンの温泉。イオウの香りがして、お湯はとろんとしていました。いいお湯です。モンゴル人はシャワーが一般的で、お風呂に入る習慣がなく、温泉と聞いてもぴんと来ないらしいのですが、いちど入ると、とりこになる人もいるとか。)

 

(ツーリストキャンプのゲル。旅行者用の宿泊施設です。朝晩は冷え込みますが、ストーブに火を入れてもらうと、暖かです。左手奥の建物には共同トイレがあります。広くてキレイです。)

 

 

☀☀☀モンゴルの夏休み:馬と羊と、遊牧民(その2)は、こちら☀☀☀

 

 

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☀「陽だまり」とは

「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、りん、とした印象もあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

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いしい まゆみ(道号:静慧)/ みんみん)

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未知の国、モンゴルでの夏休み

2019.07.23 Tuesday

 

7月、早目の夏休みに、モンゴルに旅しました。

 

わたしの人生に突然、現れたこの国は、友人の親族が駐在しており、誘っていただいたのです。

 

ご縁がなければ、自分から「行こう」と思わなかった場所です。ご縁とは、びっくりするような展開をもたらしてくれますね。ありがたいです。

 

さて、どんなところなのかしらと、ガイドブックで調べようとしたところ......ない。わたしが確認したところでは、「地球の歩き方」しかありません。しかも「ここに行ったらいいよ」とお勧めされたところは、まったく出ていません。

 

幸い、「少ない情報で旅のプランを決めるのは大変でしょうから」と、現地にいらっしゃる友人のご親族が、旅の案を提案してくださいました。

 

モンゴル、ほんとうに未知の国だったのですよ。それだけに、行って驚くことも、たくさんでした。

 

モンゴルの国土は日本の約4倍ですが、人口は、約300万人です。びっくりしました。300万人といったら、日本では茨城県や広島県くらいです(ちょっと足りませんが)。うち約140万人が、首都のウランバートルに住んでいます。

 

ウランバートルは、50万人を想定して作られた都市なのだとか。地方から仕事を求めて移り住む人が多いようで、あちこち、しょっちゅう工事をしていたり、何かとパンク状態なのかな、と感じる光景を見ることもありました。

 

聞いた話では、15年くらい前は街中に牛が歩いていることもあったようです。今は高いビルも建っており、すっかり都会の顔です。ここ数年で、特に大きく発展したようです。都市部の生活は、便利で快適でした。

(ウランバートルにあるボグド・ハーン宮殿博物館。ビルも立ち並びますが、仏教寺院やこのような歴史建造物もあります)

 

モンゴルまでは、毎日1便、直行便が飛んでおり、約5時間ほどで到着します。行きの飛行機の中で読んでいたのは、司馬遼太郎の「モンゴル紀行:街道を行く」です。少ない中、見つけたモンゴル情報でした。ガイドブックとしては古すぎですが、この国を知るためは、とてもいい本でした。面白かったです。

 

司馬遼太郎は、1973年の秋に、モンゴルに旅しています。ソ連(当時)経由で、新潟(1泊)→海路でハバロフスク(1泊)→イルクーツク(1泊)ここでモンゴル領事館でビザを貰う→ようやくモンゴルへ、という気の遠くなるような行程でした。途中で関所も通らねばならず、到着するだけでも一苦労だったのですね。

 

本の中で司馬遼太郎は、「モンゴルへは、おそらく今後もじかにゆけることはあるまい。ソ連を通らねばならな」と書いています。直行便の中で読むと、なかなか感慨深いものがありました。今は、短期の旅行ならビザなしで行けます。50年とは、想像できない変化をもたらすものですね。

 

到着したのは、ウランバートルのチンギス・ハーン空港です。偉大なる英雄、チンギス・ハーンに似合わず(ごめんなさい)、こじんまりしていて、入国の列も、モンゴル人、外国人とも、それぞれのレーンに4〜5人と、あっという間でした。搭乗ゲートも、ひとつしかないのですよ。今、別の場所に新しい国際空港を建設中のようです。

 

荷物を取って外に出てみると、なんだか体がふんわりします。めまいを起こすほどではありませんが、その手前くらいの感じで、ふわんふわんするのです。

 

「どうしたのかしら?くたびれているのかしら?」と思いながら、そのままお迎えに来ていただいた方の車に乗り込みました。

 

泊めていただくお宅は4階で、あいにくエレベーターが故障中でした。4階ならイケると思って登り始めたのですが......なんだか体が妙に重く、ちょっぴり息切れも。4階って、こんなに大変だったかしら?心なしか、息も浅い感じです。

 

これはちょっと気をつけないと......無理はできないな、と思っていたら、

 

原因は、どうやら標高です。ウランバートルの平均標高は、約1350mです。高いですよね。現地の方が「くたびれやすいですよ」と説明してくださいました。

 

そのせいか、旅行中に電車や車で地方に旅したときには、道中ぐうぐう寝ていました。「あんなに寝たら夜、寝られなくなるのでは」と心配されるほどでしたが、夜もぐっすり眠りました。わたしなりの本能的な対処法だったのかしらね。

 

帰る頃には、少し楽に階段を登れるようになり、「赤血球の数が増えてきたのでしょうね」と言われました。思いがけず、軽く高地トレーニングができたかしら(そこまで高くはありません)。

 

通貨はトゥグルク(Tg)で、だいたい1円=24Tgでした。銀行や両替所で日本円から換金できますが、コインがなく、すべて紙幣です。5千円で12万Tg、ちょっと多めに換金すると、すごい札束になります。「厚い札束を持っていると狙われるから、少額ずつ換金するように」と注意されました。

 

ただし、街中ではカードが使えます。現地通貨が必要なのは、地方に行くとき、それからザハと呼ばれる市場(といっても、買い付けに来るところでもあります)で買い物をするときくらいです。ウランバートルでは、ほぼキャッシュレスです。便利ですね。

 

気候は、1年を通して乾燥しており、シャンプーしても、洗濯しても、すぐ乾きます。夏の時期の気温は30℃以上に上がり、暑かったです。ちょっと歩くと汗がダラダラ、直射日光もキツく、サングラスは必須で、洋服も袖があるほうが、肌を日差しから守れて快適でした。

 

夏は雨の季節でもあり、今回も博物館にいる間に、滝のような雨が降り、雷も聞こえました。博物館内も雨漏りしていて、職員さんたちが慌てふためいていた様子を見ると、よくあることではないようですね。雨は1時間くらいでやみましたが、道路は水はけが悪く、車がものすごい水しぶきを上げながら走っていました。

 

あまり雨が降るところではないので、たまの雨のための水はけまで、整備しきれていないのかしらね。

 

道路を歩く人はあまり多くなく、たいてい車です。なんと、プリウスが多いのです。ただし中古車です。日本では車検に通らないかも、と思うような車もバンバン走っています。

 

プリウスは、日本ではけっこう良い車と認識されていると思うのですが、どうやらモンゴルでは違うようです。

 

「こちらでは、外見で判断されるから、車や服装が大事。プリウスだと信用がない」とか。プリウス、とほほですね。

 

ついでに外見の話をすると、スーパーでお買いものしていても、きれいなドレスに装飾品を身に着けた女性たちに出会いました。会社の食事会のようなとき、女性は一度帰宅して、きれいに着飾ってからやってくるのだそうです。

 

女性が華やかなのは、勢いがある証拠でもありますけどね。モンゴルと言えば、素朴な感じを勝手に想像していたのですが、全然違いました。こんな風に、旅の間は、いかに勝手な先入観を持っているか、思い知らされるような日々でした。

 

ウランバートルでは、日中は暑く、朝晩は少し気温が下がりますが、それほど冷え込みませんでした。クーラーは使わず、窓を開ければ、気持ち良い風邪が入ってきます。夏は空気がきれいなので、問題なく窓を開けられるようです。

 

7、8月を過ぎるとぐっと冷え込むようになり、大気汚染の問題もひどくなってくるようです。冬では−30℃にもなり、寒さしのぎのために、ウランバートルは街中にセントラルヒーティングを供給する施設があります。有料で、モンゴル人は安価に、外国人はそれなりの価格だそうです。格差を考えると、妥当ですね。聞いた話では、たとえばお医者さんで月収が2万円くらい(日本円換算)なのだとか。

 

地方では寒さしのぎのために、古タイヤを燃やし、それが大気汚染の原因になっているようです。一応、禁止されているようなのですが、とにかく寒いとなったら、背に腹は代えられないのでしょう。なかなか解決しにくい問題かもしれません。

 

ちなみに、ガソリンは輸入ですので、値段は高めです。日本とあまり変わらないくらいでした。

 

産業が乏しいため、スーパーに行くと、ほとんど輸入品です。これが日本なら、ちょっと高級なスーパーのように見えてしまいますが、事情が違います。海外製品が贅沢品なのではなく、国内産がないから、外国モノが並ぶ、ということですね。

 

夏の名物は、ナーダムという祭典です。ウランバートルでは国家記念日である7月11日〜13日に開催され、これに合わせて日本からツアーでやってくる観光客も多いようです。モンゴル相撲や競馬、弓射が三種競技です。

 

わたしが到着したのは12日の夜で、主要な競技はすでに終わっていたのですが、テレビでちょっと見ることができました。今では外国人が参加できるものもあり、鳥を模したような衣装を身に着け、羽ばたきながら入場し、草原のあちらこちらで相撲を取る、というような、なかなか面白い光景でした。どの国でも、おまつりはいいですね。

 

ナーダム目当ての方は、11日の開会式に間に合うように、10日までに到着されたらいいですね。

 

ナーダムは地方でも開催され、開催日は土地によって様々です。夏を通して、あちこちで楽しめるようです。(と言っても、広いので、ちょっと見に行こう!とはならないかもしれませんが。)

 

そして、モンゴルといえば、特筆すべきは遊牧民です。牛や馬、羊やヤギ、ラクダやヤクを飼い、時期によって草原を移動して生活します。

 

特定の居住地を持たず、ゲルという移動式の円筒状の天幕で生活します。ゲルとは、モンゴル語で「家」を意味するそうで、今は遊牧民の住む家をさすようです。パオ(包)とも言いますが、中国語ですね。

 

このゲル、解体するとラクダ1頭で運べる量になるのだそうです。組み立てにかかる所要時間は約30分。もちろん、遊牧民のように慣れている人ならば、です。

 

(ゲル)

 

このゲル、地方の牧草地にも見られますが、ウランバートルでも見られます。

 

遊牧民は、特定の住所を持たず、定住していません。家畜を連れて移動するため、移動先に自由にゲルを建てることができます。

 

一方、モンゴルにも土地の所有はあります。このため、ウランバートルや自治体が管理しているところでは、自由にゲルを建てることはできず、使用料などを支払う必要があるようです。

 

なんといっても驚いたのは、360°見渡せることです。遠く低い(といっても、ベースが高いですけどね)山が連なり、どこにいってもぐるっと見渡すことができる経験は、ほかではちょっとないです。

 

ひたすら広い大地、ひたすら広い空、ときには迷子になりそうですが、モンゴルに住む人々は、山で方向を見分けて、ちゃんと目的地に到着するのだとか。

 

わたしには、あちらもこちらも同じように見えてしまいましたが(苦笑)。

 

広いところに育った人々だからなのか、とにかく目がいいです。司馬遼太郎の「モンゴル紀行」では、現地の人が「〇〇がやってくる」と言ってから5分とか10分後、豆粒のようなものがうっすら見えてくる、というようなくだりがあったのですが、それも納得できるようでした。

 

モンゴルの人々は、おおむね親切でした。ただ、ニコニコするというよりは、どちらかというと無表情でそっけないので、一見、ちょっととっつきにくい感じもあります。でも実際には、親切です。無駄に笑わない、という感じなのかしらね。

 

旅行中は、ウランバートルを拠点に、ちょっと東南のサインシャンドへの寝台列車の旅と、ちょっと西のハラホリンとツェツェルグへの車への旅と、あちこち移動もありました。

 

サインシャンドはガイドブックに出ていないのですが、パワースポットとしては人気の場所です。寝台列車で、片道10時間くらいです。

 

ハラホリンは、かつてモンゴル帝国の首都がおかれていた場所で、カラコルムと呼ばれていました。日本人も協力して、遺跡もたくさん発掘されており、日本のJICAの援助で建てた博物館は、小さいながらも素晴らしい内容でした。世界文化遺産のエルデニ・ゾーという仏教寺院もあります。

 

ハラホリンから車で2時間くらい行くツェツェルグは、なんと温泉地です。西洋人にも人気のようでした。

 

実は、モンゴル人は「お風呂に入る」習慣がないため(みんなシャワーです)、温泉といっても興味を示さないらしいのですけれどもね。ただ、いちど経験すると、その気持ちよさにはまる人もたくさんいるそうです。

 

東と西の土地の違い、気候の違い、生活の違いなども、いろいろと感じられる豊かな時間になりました。

 

ゲルと遊牧民、そして美術や書の美しさ、食など、印象深かったことがたくさんです。それはまた、順に書いていこうと思います。

 

”モンゴル、よいとこ、いちどはおいで。”

 

(360°ぐるっと見渡すことが、普通の国)

 

 

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