繊細なバランス

2019.08.22 Thursday

 

(武当山)

 

撑字訣という気功をしていると、バランスとは、とても繊細なのだと、気づかされます。

 

撑字訣は、太極拳と同じように、てこの原理で動きが生まれて、力が発せられます。

 

てこの原理は、”下(陰)に押せば、自然と上(陽)に持ち上がる”です。道具の場合、片方を下に押せば、もう片方が上に上がるように、シンプルです。道具は、余計なことを考えたり、したりしませんから、素直に反応します。

 

人の場合は、ちょっと違います。考えたり、体に緊張があったり(=部分で動いたり)と、”余計なこと”をやってしまいがちです。さらに、それに気づいていないことが、ほとんどではないでしょうか。

 

陰陽の組み合わせは、体の動きで言うなら、次の2つです。

 ≪陰≫    ≪陽≫

 下  ↔ 上

 引く ↔ 進む  

 

てこは、陰から動かせば、陽は自然に発生します。

 

そのとおりなのですが、それがシンプルに素直に働くためには、体に余計な緊張がないこと、陰と陽のバランスが取れる形が取れていることが、大切です。

 

撑字訣は、まっすぐ立つことから始めます。

 

縦に伸びる力、例えるなら、上下にバネが効いている体にしてから、両手を腿の前に置き、手根(手のひらの下の方)で下に押します。縦に伸びる力が、さらに強まります。

 

縦に伸びる力を保ちながら、命門(おへその裏側、背中側)を後ろにひっぱり(=陰)、それとバランスを取るように手のひらを前に押していきます(=陽)。

 

このときの、命門と手のひらのバランスは、とても繊細です。ちょっとしたことで崩れます。その繊細さを体験できることが、この撑字訣の良いところでもあります。

 

よくあるパターンとして、後ろにひっくり返りそうになったり、足のつま先が上がりそうになります。これは手のひらを前にしっかり押していないからです。手をしっかり押していないとバランスが成り立つ形になりません。

 

体に緊張がある場合、例えば、肩に力を入れていたり、腕の筋力だけでやろうとすると(これも肩が固まります)、肩が苦しかったり、痛くなります。これもバランスが成り立っていません。

 

バランスが取れていれば、肩は、命門と手のひらの間の通過点に過ぎないので、詰まるのではなく、むしろ広がっていきます。

 

”陰を作れば、陽は自然に発生する”、とは、体に無駄な緊張がない状態で、陰を作って、それとバランスが取れる陽の方向に動く形が成り立っていれば、陽は力を伴って発生する(腕が上がるときに力がある)、というほうが正しいかもしれません。

 

わたしにとって太極拳とは、感覚を育てていくものだと感じています。

 

それは、いま何が起きているかをとらえて、体が即座に対応していく力です。

 

鍛錬の成果は、その「捉える→反応する」の細かさに、現れるような気がします。

 

たとえば上記の”腕が上がっていく(命門が後ろに引かれて、腕が上がる)”動作で見ると、初心者は、それを「1」と捉えるのに対し、鍛錬を積んでいる人は、もっと細かく、3とか、5とか、10とか、20とか100に分けて、捉えられるようになる気がします。

 

「いま、この瞬間」を、まさに瞬間ごとに捉えていくような感じです。それが細かくできるほど、バランスを崩す確率は低くなるのではないでしょうか。

 

太極拳にしても気功にしても、反復練習で動作が上手くなるのではありません。この瞬間をとらえる感覚が育つことによって、「その瞬間、その場」に対応する力が育つだけだと思っています。

 

ですから何度練習しても、常に”今”しかありません。これは「今を生きる」を体感で理解するために、役に立つのではないかしら。

 

もうひとつ、バランスは繊細ですから、簡単に崩れます。

 

こういうとき、「崩してはいけない」と思いすぎると、自分を追いつめてしまいかねません。「してはいけない」とか、「絶対に」とか言うと、体に力が入ってしまいませんか?絶対、というのは、不自然なのではないでしょうか。「とれたらいい」くらいだと、力まないですみます。

 

常に変っていくことが自然であるこの世では、絶対というのは、ないのかもしれません。

 

先日、ライオンキングを観ていたら、”微妙なバランス(Delicate balance)”という表現が出てきました。

 

ライオンは草食動物のアンテロープを食べます。ライオンが死ねば土に還り、それを栄養にして育った草を、アンテロープは食べて生きます。それを、”生命の環(Circle of life)”と言っていました。

 

それが循環していくためには、微妙なバランスが大切で、例えばライオンが、生きるため以上に他の動物を食べきってしまうと、生命の環は成り立たなくなってしまいます。

 

現実には、すでに生命の環は成り立っておらず、崩れているのだという指摘もあるようです。

 

それでも、やりすぎないという、この微妙なバランスを体験していくことは、意味があるのではないかな、と思っています。

 

それを自分の体で、数秒間の間に体験できて、やればやるほど、感じることも多くなるのは、撑字訣、やるじゃないか、と思います。

 

ここで「どんな意味があるの?」と聞きたくなった方、考えすぎかもしれません。やってみないと、わかりませんよ。

 

(映画「ライオンキング」のパンフレットから)

 

 

☀☀☀次回の「はじめての武当気功:撑字訣」は、9月14日(土)14:00-16:30です。詳細とお申込みは、こちら☀☀☀

 

 

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☀「陽だまり」とは

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いしい まゆみ(道号:静慧)/ みんみん)

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空気感

2019.08.13 Tuesday

 

(ツェンケル温泉のツーリストキャンプ)

 

先月、モンゴルに旅行したときのことです。

 

郊外のツェンケル温泉で、ゲルに宿泊した翌朝、青空の下で太極拳をしてみました。

 

行く前から、ちょっと楽しみだったのですよ。どんな感じなのだろう、と。

 

実際にやってみると、気持ち良いといえば良いのですが、なんだか軽いのです。いい悪いではなく、とにかくさらっとしていて、こういう感覚は、あまり覚えがありません。

 

そういえば、ゴビ砂漠の東部にあるエネルギーセンターに行ったときも、同じような感じでした。ここは世界のエネルギーの中心で、最強パワースポット、火山の赤い砂地に寝転がると、体にエネルギーを集めることができると言われています。

 

ここでも、ふつうに気持ち良かったです。感覚は、さらっと軽く、ずしっとくるようなものは、感じませんでした。

 

後日ネットで調べてみたら、ずんずん感じる人、そうでもない人、いろいろでした。

 

(エネルギーセンター)

 

標高が高いこともあるかもしれません。ウランバートル(標高 約1350m)に到着したときから、体がふわっ、としていました。

 

そして、ツェンケル温泉もエネルギーセンターも、有名な観光地です。人が多く訪れるところは、なんとなく「場所が疲れている」感じがあります。しかも、強い願いや期待をもって訪れる人も、多いですしね。そんなこともあるかもしれません。

 

標高は、いつもお稽古に行く中国の武当山も、たいして変わりません。武当山は標高1600mくらいで、いつもお稽古している場所も、1000mは超えていると思います。武当山で体がふわふわしたことはないですし、お稽古のときも、もうちょっと、しっかり感覚があります。

 

どうしてなのかな、と思っていたら、ヨーロッパに旅行している友人が、面白いことを言っていました。

 

人は、空気中の水分を介して外の世界と繋がっていて、日本人が感じあうことに長けているのは、水分量が多いからなのかもしれない、と。

 

気候とか空気の感じが、人に与える影響は大きい気がします。

 

旅行先で食べておいしかったものを、日本で食べると、「?」となること、ありませんか?海外の食べ物が日本に入ってくるときに、ちょっと味を変えることもありますよね。

 

日本人の味の好みもありますが、違う環境、違う空気で食べると、重さや軽さ、味わいの感じが、変ってきませんか?

 

昔、イギリスに約1年間滞在していたとき、半年を過ぎた頃に、食べ物の好みが変わりました。最初はお砂糖のアイシング衣のケーキは、ちょっとずつしか食べられず、油で揚げた衣たっぷりのフィッシュ&チップスも、衣を外して白身だけ食べていました。

 

それが、いつの間にか「おいしい!」と、どちらもパクパク食べるようになっていました。

 

乾燥した気候には、こんな食べ物が合っているのかな、と思いました。最初の頃に食べられなかったのは、わたしの体が、まだ日本仕様だったからかな、と。

 

さて、話をモンゴルに戻すと、人も、さらっとしているような気がしました。表情豊かに話すというより、淡々と表情を変えずに話す印象です。あまりニコニコ笑ったりもしません。

 

でも、とても親切なのです。さらっと、さりげなく、助けてくれます。

 

現地に駐在している方も、「モンゴル人と飲みに行くと、酔っぱらっても助けてくれるという安心感がある」と話していました。もちろん、この方の愛されるお人柄もあると思いますが、それだけではない気がします。おおむね、親切なのです。

 

それなのに(というのもおかしいですが)、この淡々とした感じは、このカラッと乾燥した気候と無関係ではないような気がしました。

 

太極拳をしたときの、さらっと軽い感覚は、わたしの体がこの土地に馴染んでいなかったからかもしれません。

 

水分量を通して外の世界と繋がる、と考えるなら、乾燥した水分量の少ないところでは、軽い感覚になるかもしれませんよね。それはたぶん、つながりが弱いというわけではないのです。

 

飛行機のおかげで、数時間で遙か遠くの異国に行けるようになりましたが、体は、そのスピードについて行けないのかもしれません。体は移動できても、感覚はもとの場所の空気感のままだとしたら、それも面白いですよね。

 

そして、もしわたしが半年とか1年とか滞在したら、違う感覚がやってくるかもしれません。

 

ひとつ付け加えておくと、わたしは太極拳や気功、站椿功などをするとき、しっかりした感覚があることが良い、とは思っていません。軽いとき、強くずっしりくるとき、いろいろですが、「今日はこんな感じ」というだけで、それに、いい悪いをつけることは、しないのです。

 

そういうものではない、という気がするからです。

 

だから、モンゴルでの太極拳や、エネルギーセンターで、かるーい感じがしても、それはそれだと思っています。

 

体験したことは、なくなるわけではありませんものね。

 

(ツェンケル温泉の朝)

 

 

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夏バテを救う站椿功

2019.08.09 Friday

(中国、武当山の逍遥谷)

 

猛暑が続きますね。

 

梅雨明けから10日間くらい、体も暑さになれていないため、いちばんキツイのだという話も聞きました。

 

わたしもグッタリしていました。

 

クラスがあるとき、そして必要な日々のことをする以外は、ダラダラやる気も出ず、ぐうぐう寝ることも多かったです。

 

ほぼ常にある「あれが食べたい!」という欲求もなりをひそめ、これは「夏バテ」というものではないかしら。

 

陰と陽の考え方に、「しっかり休めば(陰)、自然と動きは始める(陽)」があります。

 

行動することは「良し」とされ、休むことは「さぼっている」と否定的にみられることもあります。または、誰に言われなくても自分が、休む=何もしていない=生産性がない=役にたっていない、と自分を責めてしまうこともあります。これはキツイですよね。

 

わたしもつい、自分を責めそうになることもあります。ただ幸い(?)、ダメなときは本当にできないので、諦めるしかありません。

 

何でもできるわけではありませんし、「できなくていい」と、諦めることができたら、本当の意味で諦めなくて済むのではないかしらね。

 

数日前、「よし、站椿功だ」と思い立ちました。これなら、冷房のきいたお部屋で、安全にできます。

 

站椿功は日常的にもやっていますが、このときは、なんといえばいいのか、この夏バテの苦境(?)からの打開策を求めたみたいな感じです。

 

站椿功は、わたしにとっては、窮地に救いを求めるみたいな存在でもあります。悩んだとき、気持ちが落ち着かないとき、スランプのとき、など、

 

やり方など何も知らなかった10年前も、それなりにやり方がわかってきた今も、それは同じです。

 

後づけで言うなら、「基本に戻る」とも言えます。シンプルなので、やり方を知らなかったとしても、ひたすらやり続ければ、自分なりに道を見つけることができますし、それがやりやすいとも言えます。

 

動きがある場合は、動きに気がとられてしまうために、こうはいきません(わたしの場合は、です)。

 

站椿功は、良い感じのとき、なんだかダメなとき、いろいろです。でもなぜか、「良い感じだからいい、ダメだから良くない」と思ったことはなく、一喜一憂することなく、やってきました。

 

たぶんそれが、站椿功の良さだと思います。

 

さて、今回はどうだったかというと、やり始めてすぐ、体の中が温かく、めぐる感じがしました。猛暑なのに?と思うかもしれませんが、冷房による冷えも、あったのかもしれません。この温かさ、めぐる感じは、とても気持ち良かったです。

 

40分くらいしていると、「あ、もう動ける」と感じました。

 

太極拳やら気功やら、あれこれゆっくり動いてみると、なんとも気持ち良いのです。

 

太極拳の型は、套路といいますが、套路ばかりを繰り返しているよりも、站椿功に時間をかけて、そこで得た感覚を套路に反映させていく方が、「ステージが上がった」という感覚があります。

 

上がった、というよりは、変った、という方がふさわしいかもしれません。「これ、これ!」みたいな感じが、やってくるときがあります。

 

そういう変化は、套路の繰り返し練習から得られないわけではないですが、もっと基本的な站椿功や、地味な動きの気功の練習を繰り返した後に、やってくることが多い気がします。

 

それは、たまらなく楽しい瞬間です。(すっかりオタクな感じではありますが。)いいなあ、これ、とすごく思えます。

 

地味な站椿功を続けるのは、これが、目には見えない深い豊かさをもたらしてくれるからかもしれません。体の使い方も、あり方も、心の持ち様も、あり方も、意識のあり方も、です。

 

そいういうわけで、猛暑は続きますが、わたしの夏バテ期間は底を打ったようです。(といっても、まだ気をつけないと。)

 

8月8日に立秋を迎えました。日中の猛暑は変わらずですが、朝晩は涼しさを感じることもあり、また日中の風も、だいぶ心地よくなりました。

 

日当たりの良い部屋でも、冷房なしではいられなかった数日前に比べたら、窓を開けるだけでも大丈夫です。(環境にも人にもよりますから、必要に応じて冷房はつけてくださいね。)

 

夏バテから脱出できたのは、季節が移り変わったおかげも大きいですね、きっと。

 

猛暑だったり、感情の起伏だったり、きつい環境だったり、生きているといろいろなことが起きますよね。そういうとき、基盤になるもの、帰ってくるところがあることは、大事なことだと思います。

 

自分を取り戻すきっかけになります。取り戻せば、動き始めます。人は自然の一部で、それは変化し続けるものですから。

 

夏バテの人、何か基盤を作りたい人、週末にはそんな方のためのクラスがありますよ。その気になった方、タイミングが合う方は、ぜひどうぞ。

 

8月10日(土)14:00-16:30 「はじめての武当気功

 ひざを守り、体が気持ちよく伸び、楽に力を出すコツがつまった、「撑字訣」という気功を、丁寧にやっていきます。

 詳細とお申込方法は、こちら

 

8月11日(日)14:00-16:30  「やさしい站椿功」 

 キツイ、苦しい印象もある站椿功ですが、やさしく立てたら、やさしくなれます。自分にも、他人にも、環境にも。

 詳細とお申込み方法はこちら

 

 

【8月 その他の特別クラス】

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「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、りん、とした印象もあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

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やさしい站椿功:プラスするのではなく、マイナスするだけで出来ること

2019.07.30 Tuesday

 

去年の11月からはじめた「やさしい站椿功」は、月1回のペースで続いています。

 

「站椿功」は、何かと気になる方も多いようで、通常のクラスにはいらしたことのない、はじめての方もいらっしゃいます。

 

「太極拳」同様、名前は知られていますし、「何やらこれが大切らしい」と感じている方も多いようですが、その割に、やり方を丁寧に教えるクラスは、あまり多くない気がします。

 

站椿功の「站」は立つ、「椿」は、本来は樁、杭の意味です。つまり杭を打つように立つ、です。

 

立つだけですから、シンプルです。でも当たり前に「できる」と思っている「立つ」ことは、実はとても奥深かったりします。

 

 

このクラスも回数を重ねてきて、毎回まったく同じわけではなく、そのときに「これ」と思ったものを取りいれています。今回7月に開催したときは、本当にシンプルに、立つことだけに絞りました。

 

站椿功というと「腰を落とす」ことも多いのですが、何も知らずただ腰を落とすと、膝を痛めてしまいかねません。そのため、ここでは腰を落とさない方法、純粋に立つだけにしています。

 

膝を守る方法は、站椿功ではなく、気功などの練習の中で身に着けていきますが、その前に、まず「立てる」ことが大切です。

 

目指すところは、「しなやかな軸があり、押されても簡単には倒れない体」です。

 

最初に、確認のためにみなさんを軽く横から押してみると、簡単にふらついてしまいます。岩のように硬い人もいらっしゃいます。これがどう変わるか、ですね。

 

まず、骨という構造を上手く使います。積み木を積み重ねていくとき、ずれて不安定になっているのを、きれいに接面させていくように、下半身を組み立て直していきます。

 

ここで再び横から押してみると、これだけでも、ふらつかなくなりました。真ん中に軸が通ってきた感じです。

 

次は上半身です。胸を張りをなくし、腰の反りを消し、あごを引いて首の後ろ側を伸ばしていきます。

 

こう書くと、あっという間に聞こえるかもしれませんが、実際は”てんこ盛り”で、「もうパツパツで、休憩したい」というリクエストもあったほどです(すみません)。

 

人は「わかれば、使える」という特徴があるため、足裏の構造や、膝や股関節の位置などを、頭で理解してもらう部分も多くあります。それから、感覚を研ぎ澄ませて、探っていってもらいます。

 

この繰り返しですから、確かにくたびれますよね。

 

さらに、これまで「こうだ」としてきたものが、崩れてしまうこともあるわけですから、いろいろと衝撃もあるでしょう。びっくりして泣いてしまう方も、いらっしゃいます。

 

この2時間半という短い時間の中で、体は驚くほど変ります。

 

横から押してみると、それなりに軸が通っていて、ふらつきません。体が岩のようにカチンとしていた方も、柔かくなっています。

 

押したときにびくともしないのでは、ちょっと違います。岩のように固めてしまっている場合、それなりに耐えられますが、さらに強い力が加われば、砕けてしまいます。

 

理想的なのは、お水が入った袋のように、ちょっとぽよぽよ弾力がありながら、中心にしなやかな軸があり、押されても倒れない体です。人の体は6〜7割がお水ですしね。

 

もちろん、すべてが完璧なわけではなく、それぞれのちょっとしたクセが出て、「あれ?」となることもあります。人は繊細なので、ちょっとしたことで崩れます。それを知ることも、大切なことです。そもそも、人は常に変化しますので、1回できたら次もできるわけではありません。

 

常に、今に対応し続ける力をつけていくのです。

 

今回は、開始前と後に、参加者同志で後ろ姿の印象を書いてもらいました。すごく変わるのです。

 

バランスが整ったり、柔かくしなやかな印象になっていたり、とにかくなにやら、よい感じです。他の人の変化を目の当たりにするのも、良い経験ですよね。「すごーい」と言っているあなたも、すごいのです。

 

「最初と全然違う」と後ろから言われている中で、「自分では何もしている感じがしないのだけれど」とおっしゃった方がいらしたのですが、それはその通りです。

 

何か「やっている」感があると、やりすぎなのです。無駄な緊張を作っていることになります。

 

この短い時間の中で、急に筋力がつくわけではありません。今のままの体で、意識や体の使い方を変えていくだけで、体はすごく変わります。

 

参加された方の感想で、「健康になるために、という意味合いが変った気がする」という方がいらっしゃいました。(おっしゃった言葉そのままではないと思いますが。)

 

たとえば、健康になるために「運動しましょう」とか、「体幹を鍛えましょう」とか、「筋力をつけましょう」とか、何かを「する」こと、プラスする方法は、たくさん紹介されています。

 

それぞれ、よい面はあるのかもしれませんが、

 

その前に、今の体で、今のまま、できることがあると思うのです。プラスするのではなく、やりすぎていることを止めること、つまりマイナスしていくのです。

 

「何かが足りない」のではなく、「余計に抱えすぎている」だけなのですから。

 

站椿功の練習とは、やりすぎに気づける感覚を育て、それを止める実現力・実行力を育てていくことでもあります。それを、その瞬間、瞬間で対応していける力をつけることでもあります。

 

このクラスは、わたしが知りたかったこと、そして実践してきたことが、いろいろと詰まっています。立ち方のコツを中心に実践していただくため、やっていることは、意識の使い方、体の使い方が主になりますが、この先には、心のあり方、自分自身のあり方にも、大きく影響してきます。

 

敷居が高いように思われている站椿功を、「これって、いいね」と思ってくださる方が増えてきたら、うれしいです。

 

そうやってやり続けていくと、なぜこれが大切なのか、基本なのか、そしてなぜやり続けるのか、わかってくるとはずです。

 

いろいろと、よいのですよ、これ。本当に。

 

 

☀☀☀次回の「やさしい站椿功」は、8月11日(日)の午後です。詳細とお申込み方法はこちらから☀☀☀

 

 

 

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八郷での「はじめての武当太極拳」を開催しました

2019.07.03 Wednesday

 

 

6月最後の土曜日、茨城県の八郷(やさと)と呼ばれる地で、「はじめての武当太極拳」を初開催しました。

 

ここは昔、「八郷町」だったそうですが、2005年10月に石岡市と合併され、石岡市になりました。それでもこの土地のみなさんは、「やさと」という馴染みのある名前を、今も通称として使っているそうです。

 

八郷町は、昭和30年1月に1町7村が合併して誕生したところです。この名前は近隣の「8つの郷」に由来しているとか。日本の里100選にも選ばれています。筑波山のおひざ元で、日本有数のスカイスポーツのエリアでもあります。わたしが伺った日は、あいにくの雨模様でしたが、お天気の日にはパラグライダーも見られるそうです。

 

野菜や果物も豊富で、今はいちごが終わり、桃を待つばかりとか。近くの直売所にも行けたのですが、ピカピカ新鮮で、お手頃価格のお野菜や果物がたっぷりでした。

 

よいところですね。

 

さてクラスはというと、霧雨のため、屋根のある屋外で開始しました。

 

太極拳は、はじめての方ばかりでしたので、まず、みなさんの太極拳のイメージとか、参加のきっかけなどを伺って、それに答えながらはじめていきました。

 

わたしは話しはじめると、止まりません。話がとんで、「あれ?なんでこの話に?」なんてこともあります。

 

頭で考えすぎてしまうのをお休みして、体の感覚に意識を向け、心の声を聞くのが、太極拳のいいところのひとつではありますが、

 

知能のある人間は、頭でわかると、体が反応して使えるようになる面もあります。

 

このあたりはバランスですが、知恵も使いつつ、でも思考優位にならないように、体感や感覚でとらえてもらえるように、と思っています。

 

まずは体をほぐすところからです。怪我しないように準備するだけではなく、自分の体と向き合う、大切な時間でもあります。

 

ほぐすためには、方法があります。太極拳は、まず心です。心が意識を誘導して、意識が動きを生み出します。この準備体操も、意識の持ち方で、結果は変ってきます。何を意識するのかを伝えながら、丁寧にやってきます。

 

途中で雨が止んだため、近くの広場に移動しました。

 

主催してくださった(株)グリーンリーフのおおそねさんが、「気がいいから、ぜひここで」と考えてくださったところで、正面に筑波山を望み、緑の平地には梅の木がポンポンと立っています。

 

そこで、気功「撑字訣」の最初を、ゆっくり練習してみました。

 

最初は、立ち方です。

 

まず何も説明せずに、ふつうに立ってもらいます。横から軽く押してみると、グラグラ、よろけてしまいます。これでは、天地とのつながりはありません。

 

そこで、

・足はぺったり地面につけ、かかとの骨(踵骨)が地面から離れないようにし、(注:重心を乗せるのではありません)

・膝は上下の骨(大腿骨と脛骨)がお互いに押し合えるところを探り、

・腰(ウェストの後ろ)が反らないよう、胸を張らず、お腹を収めて、腰を緩め、

・顎を引いて、首の後ろを長くし、

 

さらに

・足の裏から地球の真ん中まで根っこを張るイメージを持ち、

・それとバランスを取るように、頭のてっぺんから天に向けて伸びていくのをイメージしてもらいます。

 

すると、

 

横から押されても、ふらつきません。体重をかけるように寄りかかっても、まっすぐしっかり立てています。

 

軸がしっかりあるか、ないかは、ちょっとコツの違いなのです。

 

さらに「撑字訣」の動きを続けながら、膝を痛めない腰の落とし方も、やってみます。

 

これもコツがあり、バランスを取りながらの、けっこう繊細な動作です。一人ずつ確認していき、ちょっと後ろを振り返ると、

 

ずーっと腰を落としたままの方が。

 

わかります。これ、膝に負担がかからず、とっても楽なのです。ずっとやり続けても苦しくないためか、どのクラスでも、ずーっとそのままの姿勢でいる方、結構いらっしゃるのです。「そのまま続けて」と言わなくても、自ら進んでやり続けてくださるのは、いいですよね。

 

などなど、動きは単純ですが、基本になるところを、じっくりやってみました。

 

終わったあとの感想も、とても素敵でした。

 

「筑波山を遠くに見ているのに、手前のものもはっきり見えて、意識がぼーっとしてきた」という感想は、わたしが太極拳をしているときの感覚にも似ている気がします。

 

ぼんやり夢の中にいるような感じですが、意識は覚醒していて、視界は広く、意識も広く、内にも外にも広がっています。

 

「悩んでいたことが、どうでもよくなった」という声もあり、

 

これも、太極拳や站椿功、気功などで意識が拡大していくと、日々の悩み事がとっても小さなことに思える経験に、似ている気がします。

 

嬉しかったのは、わたしがそれを話すのではなく、みなさんご自身で感じてくださったことです。すごいですよね。

 

わたしも、話しすぎることなく、みなさんの感じるままに任せた方がいいところが、もっとあるのかもしれません。

 

面白かったのは、「太極拳の先生なのですか?」と聞かれたことです。

 

なぜこの質問になったかというと、想像していた「太極拳のクラス」とは違ったからだそうです。とにかく体を動かすのだと思っていたらしいのですが(もちろん、それも大事です)、実際に受けてみたら、日々の生活のあれこれに結びつくこがいろいろあったからだとか。

 

わたしは、太極拳を教えていますが、自分でも「太極拳講師」は、しっくりきません。自分でもそう思っているのですから、生徒さんのこの質問は、するどいですよね。

 

していきたいことは、太極拳の知恵を活かして、ラクに楽しく生きる道を探っていくことです。そのためのひとつとして、「教える」も入っていますし、今のところ、大きな割合を占めています。

 

 

八郷での太極拳は「八郷のやさしい太極拳」という名称で、次回は8月24日(土)15:00−16:30に開催します。やさしい環境の中、自分にやさしく、人にもやさしく、ゆっくり育てていけたらいいな、と思っています。

 

ご参加のみなさま、ありがとうございました。

 

また、このご縁は、他のクラスに参加してくださった生徒さんからのご紹介で、始まったものです。そんなつながりも、とってもありがたいです。ありがとうございます。

 

腕をつかまれたときに、どうするか?の実践中。ニコニコしていますが、わたしが悪い人役です。

 

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八郷のやさしい太極拳」

 

日時:  8月24日(土)15:00−16:00

 

場所:  八郷(茨城県石岡市柿岡) ※屋外。雨天の場合は室内に変更します。

 

内容:  からだをゆるめる準備体操、気功、武当太極拳など

 

服装など:ストレッチのきいたトレーニングパンツなど動きやすい服装、タオル、飲み物

 

参加費: 4000円(当日お支払ください)

 

講師:  いしい まゆみ(道号:静慧)

      太極道家・第4回世界伝統武術大会(中国)太極拳 金メダリスト

              中国、武当山で武当功夫(太極拳、形意拳、八卦掌、気功)を学ぶ。

      すこやかな体と心、円満な人間関係で、楽しく生きる道として、教室を開催。

      好きなことばは、「笑う門には福来る」

      HP:http://minminkung-fu.com (体と心が目覚める太極拳)

 

お申込み:つくばハーブかふぇROOT(おおそね様) Tel: 029-893-4694

                mitiru.5422☆gmail.com(☆を@に変えてください)

 

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【7月の特別クラス】

7月6日(土)13:00-15:00  「麗屋 弘鈴庵の 立って、歩いて、太極拳」 詳細とお申込み方法はこちら

 

7月7日(日)14:00-16:30  「たのしい太極扇」 詳細とお申込み方法はこちら

 

7月20日(日)14:00-16:30  「ー20歳のカラダ❤ホントにはじめての武当太極拳」 詳細とお申込みはこちら

 

7月21日(日)14:00-16:30「内なる自然に還る旅:魚からの進化をたどって若返ろう!」 〜より遠く、人間になって高くジャンプ〜 詳細とお申込み方法はこちら

 

7月27日(土)14:00-16:00「はじめての形意拳」 詳細とお申込方法は、詳細とお申込方法は、こちら


7月28日(日)14:00-16:30「やさしい站椿功」 詳細とご申込み方法はこちら

 

 

 

☀「陽だまり」とは

「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、りん、とした印象もあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

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いしい まゆみ(道号:静慧)/ みんみん)

太極道家

講座のご案内は、こちらからどうぞ

 

体と心が目覚める太極拳(http://minminkung-fu.com/)

ブログ: みんみんの陽だまり太極道日記(http://blog.minminkung-fu.com/)

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