気功:撑字訣

2019.06.15 Saturday

 

撑字訣(チェンズジュエ)は、先月武当山に行ったときに習った気功です。

 

「撑」とは、伸びるという意味です。気功や站椿功、太極拳の力の出かたを表現する言葉のひとつ、「力撑八面」にも使われています。

 

「力撑八面」とは、力が四方八方に伸びる・広がる、という意味です。風船が膨らんでいく感じ、と言えばわかるでしょうか。力が全方向に広がるため、どこから押されても倒れにくい体になります。

 

撑字訣は、文字どおり、体が伸びていきます。無理やり伸ばすのとは違って、体が開いていく、という方が合っているかもしれません。

 

さらに、膝に負担のかからない体の使い方(詳しくは「武当山日記:ひざを守る」)、てこの原理で楽に力を出す方法、緊張を作らないコツなど、基本的な要素もたくさん入っています。

 

体が伸びてスペースが生まれれば、めぐりも良くなります。血がめぐれば、体温もあがります。体温があることは、生命力があることでもあります。

 

緊張もとれて、体もほぐれやすくなります。ほぐれることは、とっても大切です。ほぐれていたら、必要なときに必要な部位が動いてくれるようになります。しかも、部分的にではなく、全身の一部として、です。

 

帰国してからしばらく、通常クラスでは、この気功を丁寧に練習しています。みなさんの様子を見ていると、おおむねとっても良い感じです。

 

太極拳でも気功でも、意念が動作を誘導します。動きではなく、どういう意識を持つかが大切です。お稽古中は、その意識があるときと、ないときの差を感じられるような確認もします。こういう実感を得ていくことが、とっても大切です。

 

実感なく、動きだけを追ってしまうと、力がなく、押されるとよろけてしまったりします。それではせっかくのお稽古が積み重なっていかないですし、一生懸命やればやるほど、体を痛めてしまいかねません。

 

気功の良いところのひとつは、なんといっても動きが単純で、短いことです。

 

太極拳のように、「次、なんだっけ?」とか、「ああ、覚えれない」とは、なりにくいのです。

 

初心者でも馴染みやすく、自分の体と感覚に意識を向けやすくなります。

 

何度も繰り返し練習できるため、微妙な感覚の違いに気づきやすかったりしますし、基本的な要素の練習も、しっかりできます。

 

これだけでも十分なのですが、さらに太極拳の練習をする場合でも、撑字訣で得た感覚を応用できます。すると、それまでさらっとやっていた部分が、またひときわ奥深く感じられたりするのです。

 

教える方と教わる方に、「共通言語」ができる良さも、あります。「撑字訣の、この部分ね」と言えば、それが意味する動きや感覚を、思い出しやすくなります。

 

こういう単純なものほど、やる度の変化を感じやすいのです。だから、ひとつ覚えたら一生ものです。初心者でも馴染みやすい、と書きましたが、長年されている方にも、十分やる価値があります。

 

クラスで一緒にやっていると、みなさんのいろいろな気づきや質問も出てきます。それが、またいいのです。そこからみんなの気づきにつながることも、ありますしね。

 

感覚が大切ですので、「わからない」とか、「ぴんとこない」というのも、正直に声にするのも、ありです。日常で、頭で考えてわかったつもりなっていることもある中で、”わかっていないとわかること”は、大事なことだと思います。

 

みなさんが、自分のペースで、いい感じに日常に取り入れていけるものになったらいいな、と思っています。

 

 

6月30日(日)14:00-16:30「−20歳のカラダほんとにはじめての武当太極拳」でも、撑字訣を取り入れようと思っています。この特別クラスは、基本的な体の使い方を体験できます。初心者から、太極拳のお稽古に悩んでいる方、武当太極拳を体験してみたい方に。詳細とお申込み方法はこちら

 

 

【その他のこれからの特別クラス】

6月16日(日)14:00-16:30  「たのしい太極扇」 詳細とお申込み方法はこちら

 

7月21日(日)14:00-16:30「内なる自然に還る旅:魚からの進化をたどって若返ろう!」 〜最終回は、ぴょーん、ぴょーんと跳ね上がるマサイのジャンプを体験します。詳細とお申込み方法はこちら

 

7月28 日(日)14:00-16:30「やさしい站椿功」 詳細とご申込み方法はこちら

 

 

☀「陽だまり」とは

「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、りん、とした印象もあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

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いしい まゆみ(道号:静慧)/ みんみん)

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太極拳と気功の違いと関係

2019.04.19 Friday

(武当五行六合功という気功)

 

太極拳と気功、別のカテゴリーになりますが、実際にはとっても関係しています。

 

流派によってお稽古の仕方は違うと思いますが、わたしの経験では、気功の練習なくして太極拳は成り立たないと、思っています。

 

このため太極拳のクラスでも、気功や站椿功などの練習も入れています。

 

では太極拳と気功、どこが違うのでしょうか? 

 

明確に違うところは、太極拳は相手を想定した攻防であること、気功はひとりでするもの、という点です。

 

太極拳の套路(型)は、現実にペアでするものではありませんが、”ここで相手の腕を取って引いて、それから前に打つ”など、攻防の連続です。

 

それに対して気功は、相手がいません。ひたすら自分に向き合います。(注:世の中には相手をケアするような気功もありますが、ここで言っている気功は、他人を治療したりケアする目的のものではありません)。

 

攻防の連続である太極拳は、動きが多くなります。相対的に、気功は動きがシンプルで少ないです。

 

太極拳は動きが多いために、見える形に気を取られやすくなります。足はこう、腕はこう、体の向きはこっち、と、見える形を真似ていきがちです。

 

見た目でいえば、太極拳の動きはとても複雑です。例えば体と腕と、前の方に進んでいたものが、途中から腕は前に進み続け、体は後ろに少し下がったりします。

 

形をそのままコピーするのは、とんでもなく大変なことです。中国でも「難しくて覚えられない」と根を上げてしまう人がいる、と聞いたことがあります。

 

こんなとき、気功や立ち方、歩き方など、自分ひとりだけの練習が役に立ちます。基本的な体の使い方、力が出る方法、陰と陽の原理で調和を取ながら動くコツなどがわかってくると、太極拳の套路を習うとき、受け取れる情報量が変わってきます。

 

例えば上に書いた「体と腕が、最初は前に進んでいたのが、途中から腕は前、体は後ろに下がる」という動作が、そうしようとしなくても、自然にそうなるようになります新しい套路を習うときも、こういう動きを見たときに、「ここは自然にこうなる」ということがわかるようになります。するとそこは、覚える必要はありませんよね。

 

これは、体験しないとわかりにくいかもしれませんね。

 

わたしも習い始めた頃は、動きをコピーしていたと思います。足はここに出して、体重を移動して、お腹を回して、というようにです。コピーとしては頑張ったと思いますが、今、ビデオに撮っていた昔の動きを見ると、外側が動いている印象です。内側から力が伝わって動いているのではなく、動きを表面的にコピーしているだけです。

 

もちろん太極拳だけでも、続けているうちに「ここは、本当はこうなのではないかしら?」と気づいていくこともあります。ですから、太極拳だけではダメだというわけではありません。また、見た目の動きに騙されないように教えることも、できないわけではないと思います。

 

それでも、わたしの場合は、動きが少なくて単純な気功を、続けて練習しておくことによって身に着いたもの、気づいたことを、太極拳に応用していく方が、はるかに多いです。

 

ときどき、「太極拳が楽しくて続けてきたけれども、壁に当たってしまった」と言って、クラスに来られる方がいらっしゃいます。

 

そういう方は、立つこと(站椿功)や歩くこと、気功などの基本練習をしていくことで、新しく見えてくるものがあるはずです。

 

今までとは違う、意識の向け方、体の使い方をするため、最初は戸惑うことも多いでしょう。経験があるだけに、ギャップも感じて大変なこともあるでしょう。

 

でも、ここで諦めなければ、それまでやってきたことも、ちゃんと活かしていけるようになります。やってきたことは、何ひとつ無駄ではないのです。欠けていた視点や意識、体の使い方のコツなどを入れていくことで、「この動きはこうだったのか」と腑に落ちるようになります。

 

基本があることで、応用が効くといいますよね。気功や站椿功、歩く練習は基本で、太極拳が応用みたいな感じです。

 

でも、この応用があるからいいのですよ。

 

なんといっても、相手がいるわけです(見えない相手ですが)。攻防があることは、社会性があることでもあります。より実社会に近いですよね。

 

太極拳とは、人生を体現していると感じます。太極というひとつの源、すべてが調和している所から、陰陽がある世界が生まれ、陰と陽がくるくる転換しながら人生が進んでいきます。その過程では、他人との攻防があります。バランスを崩しやすい環境の中で、調和を求め続け、最後には太極というひとつの源に還っていきます。

 

ひとりだったらできることも、誰かからプレッシャーをかけられたらできないこともあります。でも、それが現実ですよね。

 

この応用があるから、また基本が大事だと思えます。

 

まずは安心できるところで、ひとりでじっくり自分を整えてから、社会に出て行く、みたいな感じでしょうか。

 

わたしにとっては、気功も太極拳も、どちらも大切です。

 

なお、武当拳には、このほかにも八卦掌と形意拳もあり、こちらも大切ですが、長くなってきたので、それについては、また次の機会に書きますね。

 

 

【特別クラスのご案内】

4月21日(日)14:00-16:30は「たのしい太極扇」です。詳細とご応募方法はこちら

 

4月28日(日)13:00-15:00は、千葉県香取市(小見川)の「立って、歩いて、太極拳」です。詳細とご応募はこちら

 

4月29日(月・祝)14:00-16:30は「−20歳のカラダほんとにはじめての武当太極拳」です。全くの初心者、もしくは太極拳のお稽古に悩んでいる方に。太極拳とは?というお話から、基本的な体の使い方を体験できます。詳細とご応募はこちら

 

5月11日(土)14:00-16:30は「やさしい站椿功」です。詳細とご応募はこちら

 

5月12日(日)14:00-16:30「内なる自然に還る旅:魚からの進化をたどって若返ろう!」第4回 より速く:草原を走る四つ足動物チーター です。詳細とご応募方法はこちら

 

 

☀「陽だまり」とは

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太極拳のあれこれ

2019.04.04 Thursday

(武当山の南岩 )

 

太極拳とひとことで言っても、実際には流派もいろいろです。

 

例えば単鞭(タンビエン)という型は、鞭をピシンと打つような動作になりますが、流派によって、やりかたは違います。

 

太極拳には、大きく分けて、伝統拳と制定拳があります。伝統拳は、伝統的に伝えられてきたもので、制定拳は、伝統的に受け継がれてきた太極拳を、もっと万人向けにしようと、中国の国家体育委員会がまとめたものです。1956年に簡化24式太極拳を制定したのが、最初だそうです。

 

制定拳のおかげで、太極拳は、中国国内でも海外でも、広く知られるようになったようです。

 

このときに伝統拳がなくなってしまったわけではなく、今も続いています。五大流派は陳式、楊式、武式、呉式、孫式、それ以外にもいろいろあり、わたしがお稽古している武当拳もそのひとつです。

 

それぞれ特徴がありますが、ありすぎるため、どれをするかは、出会いと好みかな、と思っています。

 

もちろん、はじめたときには何もわからないかもしれませんが、「これ、いいな」という自分の感覚を信じたらいいと、思います。続けていくと「いいな」の理由がちょっとだけわかったり、さらに深まることもあります。「違うな」と感じることがあれば、別の道(流派)へと進むかもしれません。

 

そもそも同じ流派でも、実際には人の数だけやり方があると言っていいくらい違います。

 

表に見える形よりも、見えない部分の感覚を大切にするものだからかもしれません。

 

以前、教えていただいた先生が、「習うときはきちんと、その通り習う。でも、自分から人に伝えるときは、それぞれ違うものになってもいい」とおっしゃっていました。

 

オリジナリティを発揮せよ、ということではありません。「守・破・離」ということばがありますが、それが自然な流れで起きるなら、それでいいくらいな感じです。「さあ、そろそろ破るときだ」みたいに意気込むのは、ちょっと違う気がします。

 

しっかり習ってから消化されて出てくるものは、人によって違うこともあり得ます。違う人間ですしね。

 

表に見える形だけ追っていると、「なんでAさんは,如■造気鵑廊△覆鵑世蹐Α廚函¬造Δ海箸發△襪任靴腓Αしっかりその通り習っていると、「Aさんは,如■造気鵑廊△覆鵑世諭△覆襪曚鼻廚澆燭い粉響曚砲覆蠅泙后Aさんのも、Bさんのも、意図がそれぞれ理解できると言えば、わかるでしょうか。

 

でも、もちろん、全部わかるとは、とても言えません。ただ、見た目が「違う」ことに戸惑いにくくなる、というだけです。

 

同じ人でも、変っていきます。わたしは今、だいたい年1回、中国の先生のところにお稽古に行きますが、そのたびに、何かが変わっています。

 

ときどきは、ひと塊の套路から、2,3の型がごっそり抜け落ちることもあります。理由は、「なくていい。」「こうしたほうがいい。」

 

そもそも物事は変っていくものであり、それが、いいところでもあります。変化を求めるのではなく、やっていくうちに自然に起きる変化に従っていく、という感じです。

 

こういう変化は、楽しいです。

 

それでも、変らないものがあります。

 

ひとつは「それが、太極拳と呼ばれるものであること」。太極とは、ひとことで言うなら、調和だと思っています。調和を求めていくことは、ずっと変わりません。

 

2つめは「いちばん楽に、いちばん大きな力を出せる動きになること。」套路(型)をひととおり覚えたら、無駄なことをずっとそぎ落とし続けるのは、このためです。ひとつの套路は一生もの、というのは、この理由からでもあります。

 

3つめは「どこから押しても倒れない、安定さが実現できていること。」これは、お稽古を続けていて迷ったときに、役立ちます。

 

4つめは、ちょっと視点が違いますが、「自分は、ほとんどのことがわかっていないと、知っていること。」これが腑に落ちていると、できないことで悩むことは、なくなりますよね。

 

話はずれますが、そのむかーし、最初の就職をしようとしていたとき、何かでお会いしたおじさまに、英文科専攻だ、という話をしました。その方は、にこにこ笑いながら、「いいねえ、なんでもできるねえ。」続いて出た言葉は、「だって何もできないものねえ。」さらにニコニコ。

 

素敵な方ですよね。

 

ちょっと年をとってきて、やってきたことも多くなると、「できる」ことに価値を置きがちになったり、「経験を活かして」なんてことも思ったりするようになり、

 

それはそれでいいですが、縛られると、逆に身動きが取れなくなります。

 

「わかっていない」は、良いとか悪いとかを超えて、永遠の真実だと思うのです。

 

4つで終わるのは、なんともおさまりが悪いので、5つめを入れるなら、「好きであること。」好きなことは、楽しいばかりではなく、大変なことも含まれますが、それでもやりたい、と思えること、かしらね。

 

 

【これからの特別クラス】
4月7日(日)14:00-16:30は「やさしい站椿功」です。詳細とご応募方法はこちら

 

4月14日(日)14:00-16:30「内なる自然に還る旅:魚からの進化をたどって若返ろう!」第3回 ワニの上陸 です。詳細とご応募方法はこちら

 

4月21日(日)14:00-16:30は「たのしい太極扇」です。詳細とご応募方法はこちら

 

4月28日(日)13:00-15:00は、千葉県香取市(小見川)の「立って、歩いて、太極拳」です。詳細とご応募はこちら

 

4月29日(月・祝)14:00-16:30は「−20歳のカラダほんとにはじめての武当太極拳」です。全くの初心者、もしくは太極拳のお稽古に悩んでいる方に。太極拳とは?というお話から、基本的な体の使い方を体験できます。

 

 

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「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、りん、とした印象もあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

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瞑想

2019.03.29 Friday

 

「瞑想、するよ」と話すと、「どんな瞑想?」と聞かれることがあります。

 

瞑想にもいろいろあり、導かれていくところも違うようです。目的に合う瞑想方法でないとなかなかうまくいかない、という話もあります。

 

わたしの場合は、目的がはっきりしているわけではありません。

 

ただ体と心をリラックスさせて、深く静かな状態に入っていくだけです。「明鏡止水」みたいな感じですね。夜、静かな湖面に、月がそのまま映っているような、透き通って、澄みとおった状態です。

 

これ自体が目的とも言えるのかもしれませんが、実際には、その先に現れる感覚というのか、意識というのか、そういうものがあるため、やっぱり目的でもなさそうです。通過地点かしらね。

 

やり方は、いろいろです。

 

静かに坐ることもありますが、習慣的には站椿功(立禅)が多いですし、「動く瞑想」と言われる太極拳も、そのひとつです。

 

坐ることは、一見、楽そうですが、体を完全にリラックスさせて坐るのは、なかなか大変です。理想は大仏さまのお姿です。不要な緊張をなくし、最低限の力で坐るには、体の構造の理解や、体の状態を把握する力、感覚なども必要だと思っています。最初からできなくても、坐りながら、育てていけばいいのですけれどもね。

 

站椿功は、5分とか30分とか1時間とか長さはいろいろですが、一定時間立ち続けるわけですから、”体をリラックスさせる”点では、少しハードルが上がります。でも、二本足で立って歩く人間にとって、構造を活かし、最小の力で最大のパワーを出す方法を得ることは、大切で、意味のあることだと思っています。

 

立ちながらリラックスできれば、坐るときもリラックスしやすいですしね。

 

坐る瞑想と、站椿功の難関のひとつは、気が散りやすいことでしょうか。体が静か(陰)で動きがないと、心は散り散り、動いてしまいがちです(陽)。

 

「何か浮かんできても、そのまま眺める。」と言われたりしますが、わたしには、これは難しいです。「眺める、眺めるうっ」と、考えてしまいます(笑)。未熟なだけかもしれませんが。

 

こんなときには、散らかる心をひとつにまとめます。「ひとつにまとめれば、いつでも消せる」と習いましたが、消せるなら、もう消さなくてもいいわけです。方法は、呼吸に意識を集中したり、耳を外に向けて大きく開いたりと、いくつかあり、そのときの状態や、やっているもの(坐る、站椿功)によって選んでいます。

 

「動く瞑想」とも言う太極拳は、体が動く(陽)ぶん、心が静まりやすい(陰)という一面もあります。ただし套路と呼ばれる型を覚えていなかったり、動くときに無駄な動きが含まれていると、体を深くリラックスさせる方向には行けません。そのため、套路を覚えたあとは(覚えている最中も)、どうやったらいちばん楽にできるか、無駄な動きがないか、もっと軽やかにできないか、常にチャレンジです。

 

明鏡止水のような状態の先には、自分の内と外の境界線が、あいまいになっていく感覚が現れます。意識は内にも外にも広がります。天地と繋がる、という言い方もできます。

 

内と外がつながっている感覚は、すべてのひとつの源である太極を体感しているときでもあります。その先の気づきは、その時々です。

 

わたしの先生(武当玄武派第16代伝人 明月師父)は、「站椿功をすると、天地と繋がって、あれこれ日常の心配事などが、どうでもよくなるよ」と、ニコニコ話してくださったことがあります。

 

ほんとうに、そんな感じです。

 

しあわせだなあ、と、ぼうっと感じることもありましたし、ボロボロ泣いたこともあります。

 

「こうしよう!」というアイディアが浮かぶこともあります。

 

何が起きるかわかりません。それが、いいところです。予測できるものは、頭で考えていますものね。

 

誘導瞑想をすることもあります。瞑想指導家の山田孝男先生の「内なる光」というCDをかけて、やさしくて深い声に耳を傾け、体を預け、心を開いていきます。

 

 

疲労が強いときは、そのまま寝落ちしてしまうこともありますが、それはそれでよし、です(瞑想の目的からは外れますが、個の場合の優先順位は、睡眠の方が上です。)

 

山田先生は、「瞑想は 人生を創造していく心の力を養う 目に見えない心の力が実は 目に見える形で人生を変えていく最大の力なのだということを 教えてくれる」と書かれています。

 

誘導に導かれて、いろいろビジョンが見えてきます。これも、いいのですよ。

 

もうひとつ「これも瞑想かな」と、思ったものがあります。

 

今日、世田谷文学館で開催されている「ヒグチユウコ展 CIRCUS」に行き、たくさんの作品をぼんやり見ているとき、外にあるもの(作品や空間)と、自分の内側が、「つながっている」と感じました。

 

この方の作品、大好きなのです。会期が3か月あり、行きやすい場所でもあったため、今日が3回目の訪問です。

 

作品が素敵なのはもちろんですが、入り口のドア、階段、柱、建物の内部まで、展示スペースではないところまで、いろいろデコレーションされていて、サーカス気分を盛り上げてくれます。

 

中に入ると、ほんとうにサーカス小屋に入ったみたいな場所もあります。手書きで「ここ座らないでね」と、かわいいイラストと一緒に注意書きがあったり、売り切れの多いグッズ売り場にも、「がんばってて作っています、すみません」ということばが、イラスト付きで張り出されていたり、

 

とにかく楽しんでもらいたい、という作り手のみなさんの心が、伝わってくるようなつくりなのです。

 

お客さまも、子供からお年寄り、男性、女性と、幅広いです。みんなにこにこ、じっくり見入ったり、驚いたり、感心していたり、陶酔していたり、いろいろですが、その雰囲気もいいのです。

 

展示会ですから、それなりにワサワサしていますが、わたしの体はリラックスし、心も静かで、作品や、そこにいる人々、空間と、自分との境界線があいまいで、つながっている感じです。

 

「心で見る」という表現も、ぴったりきます。

 

1回目は、もっとがっつり、作品に心を奪われていた気がします。文字通り、心を奪われてしまって、自分から飛び出している感じですよね。それもいいですが、3回目の今日は、もう少し客観的に、深く静かに味わえた気がします。

 

「さあ、瞑想しましょう」としなくても、いつでもどこでも、瞑想への入り口は、あるのかもしれないな、と思いました。

 

いい体験でした。

 

どんな体験がよくて、どんな体験がダメ、というのはないと思っています。みんなそれぞれ、自分なりの感覚を感じていけたら、いいですよね。

 

 

ヒグチユウコ展CIRCUS 東京会場は3月31日(日)まで。それから各地を巡業します。詳しくはこちらから。

 

 

【これからの特別クラス】

3月31日(日)/4月21日(日)14:00-16:30は「たのしい太極扇」です。詳細とご応募方法はこちら


4月7日(日)14:00-16:30は「やさしい站椿功」です。詳細とご応募方法はこちら

 

4月14日(日)14:00-16:30「内なる自然に還る旅:魚からの進化をたどって若返ろう!」第3回 ワニの上陸 です。詳細とご応募方法はこちら

 

4月28日(日)13:00-15:00は、千葉県香取市(小見川)の「立って、歩いて、太極拳」です。詳細とご応募はこちら

 

4月29日(月・祝)14:00-16:30は「−20歳のカラダほんとにはじめての武当太極拳」です。全くの初心者、もしくは太極拳のお稽古に悩んでいる方に。太極拳とは?というお話から、基本的な体の使い方を体験できます。

 

 

(展示会の入り口)

 

(展示会場の外、カフェに続くスペースで。いちいち、あれこれ、かわいらしい)

 

 

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「気づく」力を育てる方法

2019.03.19 Tuesday

(あずき袋を投げたところ)

 

太極拳は、健康を促進する面も、もちろんありますが、

 

長い目で見ると、感覚を鋭くしていくこと、つまり「気づく」力をつけることが大きいと、感じます。

 

むしろ、気づくことから心身を健やかにしていくという方が、ふさわしいかもしれません。

 

自分の状態に気づくために、他人やモノの助けを借ります。

 

太極拳の套路(型)はひとりでやりますが、実際の練習では、ペアを組んで、自分の状態に気づいてもらうことも多いです。

 

例えば、ひとりが立ち、他の人に横から前から後ろから押してもらい、倒れにくいか、倒れやすいか、とか、

 

体の使い方によって、出る力にどのくらいの差があるのか、などに、気づいてもらっています。

 

相手がいることで、違いが実感できます。

 

同じように、武器や道具も、自分の状態を教えてくれます。

 

”とっても自由なパークタイチー”という公園のお稽古には、ときどき小さなあずき袋が登場します。手のひらくらいの大きさの袋に、ずっしりあずきが入っています。

 

これで、袋の投げっこ遊びをするのです。

 

中国の武当山の以前の学校(今の先生の師匠の学校)で、ときどきやっていたものです。

 

ポイントは、受け取るときに、できるだけ音を立てないことです。

 

あずき袋には、重さがあります。それを”命”のように尊重して、飛んでくる動きを殺さないようにします。

 

たとえば、飛んでくる袋に対して、”取りに行く”と、袋と手が正面衝突するようになり、大きな音がでます。

 

そうではなく、飛んでくる袋の軌道に、受け取る手の動きを合わせることで、音はほとんど出ずに袋が自分の手に収まります。袋が落ちてくるなら、自分の手も合わせて落としながら受け取ります。

 

投げるときも、腕を肩からぐるぐる回して、円運動の延長で投げます。腕の動きの軌道に沿って袋を投げると、無駄な力を使わずに済みます。

 

最初はゆっくり、なだらかな放物線を描くように投げます。

 

だんだん慣れてくると、フェイントがあったり、早いスピードで跳んできたりします。

 

隣の人を見ながら後ろに投げる、とか、

 

足の間から投げる、とか、

 

とっても自由です。

 

フェイントがあったり、早いスピードで飛んできたりすると、大抵の人は、あわてます。そして、失敗します。

 

大切なのは、「落とさないようにする」ではなく、自分の状態に気づくことです。

 

あわてる=緊張する=体が硬くなる=心も大らかさを失う → 失敗する、に、気づくことです。

 

たいていは、「袋を落とした」とか、外で起きていることにばかり気がいって、自分の状態の変化に気づいていません。「次は、落とさないぞ」と、また外で起きることを目標にします。視野が狭くなっています。

 

 

それよりも、自分の緊張に気づいて緩めるほうが、成功する確率は上がります。

 

日常でもありますよね。すごい剣幕で何か言われると、平常心を失って同じ勢いで返してしまったり。突発的なことが起きると、あわててオタオタしたり。

 

投げる方も、同じです。「この人に投げるぞ、投げるぞ」とする場合、他の人や周りが目に入っていないこと、ありませんか?

 

フェイントをかけることができるのは、広い視野が保てているからです。見ているところ以外にも、意識が届いています。

 

そして、リラックスしている人は、早いスピードでも投げられます。

 

太極拳と同じですね。太極拳は、ゆっくり動くと思われていますし、そのとおりですが、実はいちばんゆっくり動ける人は、いちばん早く動けます。

 

気づく力が育っていれば、ゆっくりでも早くでも、自分を見失わずに反応できます。気づきやすくするために、ゆっくりからはじめます。ですから太極拳は、ゆっくり動きます。雑になったり、ごまかしたりしないように、です。

 

高いビルに囲まれて、視野が狭い都会では、一点集中になりやすいですよね。スマートフォンは便利ですが、あの小さな画面に手も意識も目も集中していると、投げるときも、投げる一点に集中しやすくなります。

 

周りが見えない、ということですよね。

 

たまには、広い外に出て、緑の香りや風の心地を感じながら、全方向に意識を向けてみるのも、いいのではないでしょうか。

 

いかに、自分が狭い世界で生きているのか、わかるきっかけになるかもしれません。

 

こういうことは、真剣に取り組むよりも、遊びながらやるほうが、いいのです。真剣に、というのは良さげに聞こえますが、周りが見えない状態になっていることも、ありますしね。それでは本末転倒です。

 

自分ひとりで生きているのではなく、社会の、自然の、宇宙の中で、生きているのですしね。

 

 

 

≪特別クラスのご案内≫

3月24日(日)13:00-15:00は、千葉県香取市(小見川)の「立って、歩いて、太極拳」です。詳細とご応募はこちら

 

3月 31日(日)14:00-16:30は「たのしい太極扇(第19回)」です。詳細とご応募方法はこちら

 

4月7日(日)14:00-16:30は「やさしい站椿功:しあわせを呼ぶ7つのステップ第6回)」です。詳細とご応募方法はこちら

 

4月14日(日)14:00-16:30「内なる自然に還る旅:魚からの進化をたどって若返ろう!」 第3回 ワニの上陸 です。詳細とご応募方法はこちら

 

 

☀「陽だまり」とは

「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、りん、とした印象もあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

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いしい まゆみ(道号:静慧)/ みんみん)

太極道家

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