足はどこから?

2019.02.14 Thursday

 

この写真は2015年の春、中国の武当山にお稽古に行ったときのものです。隣にいるのは、武当太極剣と形意八卦掌を教えてもらった兄弟子です。

 

あの頃、ずっと気になっていたことがあります。

 

わたしの腰のあたり、もっさりしていませんか?

 

お隣の方、すっきり伸びていませんか?

 

何かが違う気がして、立つ角度を変えてみたり、いろいろやってみたのです。でも、これという策はなく、いつも「うーん...」と思っていました。

 

最近、ようやく気づきました。これ、お腹や腰のあたりが緊張しているのです。

 

 

足はどこからだと思っていますか?

 

股下と言いますから、鼠蹊部の下あたりでしょうか?骨盤のあたりからという方も、いらっしゃるかもしれません。

 

解剖学的に足(もしくは脚)がどこかはさておき、意識としては「みぞおちの下あたりから」とすると、いろいろ、いい感じになります。

 

下図を見てください。

 

 

大腰筋というインナーマッスルがありますよね。上半身と下半身をつないでいる唯一の筋肉です。直立歩行するときに重要な役割を果たしていて、歩くとき、この大腰筋で足を引き上げたり、踏み出したりします。

 

年齢が上がってくると、足が上がらず転びやすくなったりしませんか?それは、大腰筋の衰えと関係しているようです。

 

大腰筋は、背骨のうち、腰椎5つと胸椎の12番(胸椎の一番下)から出て、大腿骨につながります。ですから、位置としてはだいたい、みぞおちの下あたりからです。

 

ここから足だと認識すると、お腹のあたりで左右に割れて、足がながーくなったようなイメージになります。これで歩いてみてください。(腰をわざと振らないように。緊張してしまいますから。)

 

歩幅が広くなり、ぐんぐん歩けるようになりませんか?

 

この意識を試してもらうと、膝に不安があって普段はできるだけ歩きたくない方々でも、「歩くの、楽しい!」と、嬉々として歩き続けたりします。

 

では、最初の認識にもどって、股下からが足だと思って歩いてみてください。

 

足は上がらず、ちょこちょこ、ちまちまとした歩き方になりませんか?いかにも転びそうです。意識ひとつで、ずいぶん変ります。

 

 

もうひとつ、わかりやすい動作があります。冒頭の写真のように、片足を上げてみてください。

 

,澆召ちの下あたりから足だと認識しているときと、股下から足だと認識しているときと、比べてみます。,諒が、はるかに楽に、上がります。わたしは10センチくらい違いましたし、どなたでも試してみると、違いが出るのです。筋力も何も変わっていないのに、です。

 

△両豺隋足は股下からだと認識すると、お腹や腰のあたりは無意識に固めてしまいます。緊張させてしまっています。これが、昔わたしが「腰のあたりが、もっさりしている」と感じたものの、正体です。

 

わたしなりのイメージは、こんな感じです。

 

 

,両豺隋丙検法△弔泙蠡膵筋を使って足を上げる場合は、体が縦に伸びています。足裏からは地中深くに伸び、頭は天に向かって伸びています。背骨の関節の隙間も、開いていますし、体の中にはスペースが生まれます。

 

△両豺隋扮Α法△腹や腰のあたりを緊張させて固めてしまっています。すると丸いふんわりしたボールを上下に押しつぶしたようになり、お腹まわりがもっさりします。腰は要(かなめ)というように、この上下をつなぐところを緊張させてしまうと、縦に伸びる力は生まれず、背骨の関節の隙間は詰まりますし、体の中は窮屈になります。

 

 

歩く姿を観察してみると、他にも大きな違いがあります。

 

大腰筋を使って足を引き上げて歩くと、背中(背骨)がゆるゆる動きます。大腰筋は6つの背骨にひとつずつついているので、当然ですよね。

 

股下から歩くと、背中は板のように固まります。使っていなければ、動きませんよね。

 

背骨には、たくさん関節があります。骨や筋肉は、バラバラに動くものなのですが、いろいろな理由で、ひとかたまりになっていることが、よくあります。

 

歩くときに「足はどこから」を意識するだけで、お腹や腰のあたりはほぐれ、大腰筋というインナーマッスルも日々、鍛えられます。年齢がいっても、しっかり自分の足ですこやかに歩ける可能性は、大きく上がるのではないでしょうか。

 

しかも、ぐんぐん歩けて、楽しいです。

 

もちろん、それまでに硬くしてしまったお腹や腰まわりの筋肉は、一瞬にしてほぐれるわけではありませんから、別途ほぐしていく必要はあります。でも少なくとも、これ以上の緊張を強いることは、なくなるはずです。

 

 

人の面白いところは、「こうだ」と認識すると、使えるようになることです。

 

この「足はどこから?」も、最近たくさんの生徒さんに体験してもらっていますが、みなさん、あっという間に変ります。

 

ヒトが直立して二足歩行になったとき、バランスがとりにくいために頭が発達した、と聞いたことがあります。二足歩行によって、体が上手く使えずに、あちこちコリや痛みが出たりもしているのでしょうが、一方では、発達した頭を使うことで、解消できることもあるわけです。

 

面白いですよね。

 

日々の生活の中、歩く間にほぐれていくか、常に緊張しているかは、大きく違ってくると思います。お試しくださいませ。

 

 

************************

2月16日(土)14:00-16:00 は「しあわせひきよせ ハッピーウォーク」は、足の使い方や、立つときの関節の緩み方、体のほぐし方などなど、歩くだけでしあわせ感が上がるような内容です。詳細とご応募はこちらからどうぞ。

 

************************

 

 

【特別クラスのご案内】

2月17日(日)14:00-16:30は「たのしい太極扇(第18回)」です。詳細とご応募方法はこちら

3月  3日(日)14:00-16:30は「やさしい站椿功第5回)」です。詳細とご応募方法はこちら

 

 

☀「陽だまり」とは

「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、りん、とした印象もあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

...☆...☆...☆...☆...☆...☆...☆...☆...☆...

 

いしい まゆみ(道号:静慧)/ みんみん)

太極道家

講座のご案内は、こちらからどうぞ

 

体と心が目覚める太極拳(http://minminkung-fu.com/)

ブログ: みんみんの陽だまり太極道日記(http://blog.minminkung-fu.com/)

「太極拳、あるある、ないない話」Facebookページで毎日更新:こちらから

「すきなもの」Instagramでほぼ毎日更新:Instagram(@mayuminmin927)

 


進化は、背骨に現れる

2019.02.12 Tuesday

 

先日、「内なる自然に還る旅:魚からの進化をたどって若返ろう!」の第1回目を開催しました。

 

今回は初回のため、進化の歴史と背骨に現れる変化、背骨の役割などについても、お話しました。それを、かいつまんで書いてみます。

 

人の背骨はS字カーブを描いていますよね。首のカーブ(頸前湾)、胸のカーブ(胸後湾)、腰のカーブ(腰前湾)、3か所のカーブがあります。それぞれ、その時期、その環境に適応するためにできたものです。

 

地球に生命が発生したのは、30億年以上前、海の無脊椎動物でした。

 

脊椎動物、つまり背骨を持つ生き物が出現したのは、5億年ほど前のことです。

 

魚の一種ですが、最初は、ひれを持たず、あごのない丸い口を開いたまま、海底を這うように進んでいたそうです。自然に流れ込む海水を、1本のまっすぐな消化管でろ過して、中に含まれる小さな食物を取り込んでいました。

 

この頃は、積極的に獲物を捕らえるような行動は、無かったのですね。

 

次に、ひれと顎のある魚が出現します。

 

その頃、陸が優勢になる時期と、海が優勢になる時期が、周期的に繰り返されました(造山運動)。同じ場所でも、海が優勢になると海底沈み、陸が優勢になれば陸になることが、繰り返し起きます。

 

その環境に適するように出現したのが、肺魚(はいぎょ)です。肺を持ち、水陸両方の呼吸に備える魚です。

 

その中から陸の生活に入っていくものがいました。この間、約1億年ほどかけて、行くか、行くまいかと逡巡するような。時期があったそうです。それが両生類、爬虫類へと進化していきます。

 

さて、ここまで、魚の背骨はまっすぐです。

 

上陸したときに、1番目の変化が生まれます。

 

陸に上陸すると、顎が地面に接したままでは、口が開きませんよね。頭を上げるしかありません。ここで、首のカーブができます。

 

2番目の変化は、四つ足になるときです。

 

ワニのような両生類は、足が胴体の横についていますよね。体が地面についているので、比較的安定していると言えるかもしれません。

 

それが、チーターのように四つ足になると、足が胴体の下に入り、胴体が地面から離れます。内臓が下に落ちます。それを支えるために胸のカーブができたようです。

 

人間でいうと、四つん這いの格好ですよね。ちょっと四つん這いになってみてください。背中がぺったんこだと、肩のあたりがキツく、体重を支えにくいのですが、ちょっと胸のカーブをつける(アーチ型)と、肩に力がかからず、楽に体を支えられます。

 

なお、四つ足と言いますが、前足と後ろ足の役割は、違います。後ろ足は蹴る足ですが、前足は衝撃を吸収したり、獲物を捕まえたりします。後ろ足で獲物を捕らえているチーターとかライオンとか、映像でも見たことありませんよね。

 

その前後の足役割が、もっと明確になってきたのが、ゴリラです。後ろ足だけで立つようになり、手が自由になります。でもゴリラの立ち姿は、人間のような直立ではありませんよね。

 

3番目の変化は、人間になるときです。直立するために、腰のカーブができます。

 

数億年をかけて、背骨の3つのカーブができあがり、今のわたしたちの体になっています。

 

進化は、こうして進んできました。でも、運動能力としては、人間よりも魚の方が、すごいのです。

 

たとえばマグロは、2メートルの巨体で、海中を時速100キロで泳ぎます。150キロ、という説もあるそうです。

 

チーターも時速100キロですが、わずか十数秒しか持ちません。でも走り始めて1秒で、時速70キロに到達します。獲物を捕らえるためには、最適な能力ですよね。

 

四つ足動物から爬虫類に戻って、かつてTVCMで大人気になったエリマキトカゲも、すごい運動能力です。足は人の親指と人差し指を開いたくらいしかないそうなのですが、なんと、時速27キロなのだとか。

 

魚は、頭と背骨(と肋骨)しかありません。尾びれや胸ひれは、背骨についていません。泳ぐときは背骨の力だけ、体幹だけで泳ぎます。

 

一気にスピードを上げるチーターも、基本は背骨で走ります。足は、背骨の動く力、動力を伝える拡大伝達器官です。

 

背骨、すごいです。

 

チーターのように四つ足で走るようになっても、魚が背骨で泳いでいたときの力がそのまま引き継がれているように、進化によって構造が変わっても、背骨の能力は、そのまま引き継がれています。

 

つまり、人間にも、魚の頃からの能力が、そのまま引き継がれています。

 

それを証明できることがあります。赤ちゃんです。

 

赤ちゃんは、生まれたとき、S字カーブは完全に育っていません。生まれてから1年〜1年半をかけて、作り上げられます。

 

オギャーと生まれたとき、背骨は一様に後ろにカーブしているそうです。3か月から半年、首がすわってお座りができるようになると、首のカーブができます。肺魚が意を決して上陸し、両生類になっていったときですね。進化の歴史では1億年かけましたが、赤ちゃんは3か月〜半年でやりきります。

 

寝返りをし始め、ハイハイをし始めると、チーターのように四つ足で歩くようになりますよね。胸のカーブも、ゆっくり進んでいくのは、このときでしょうか。

 

そして1歳から一歳半になると、立って歩きはじめます。このとき、腰のカーブができます。

 

数億年をかけて進化してきたものを、赤ちゃんは、わずか1年とか1年半で成し遂げます。

 

みんな、これをやり遂げて、大人になっているのです。

 

しかも赤ちゃんは、「さあ、こうやって呼吸しましょう」とか、「こうやって寝返りをうちましょう」とか、「立ち方教室」みたいなものは、ありません。能力は、誰にでも内包されています。

 

人には、人類の祖先が経験した多くが、DNAや構造に、残されています。

 

大人になると、いろいろな理由で(それは自分を守るためだったりしますが)、体が硬くなり、背中も1枚板のようになっている人も多いです。

 

本当は誰でも、体が組織通りに分化して、骨は骨、筋肉は筋肉として使えはずです。もっとしなやかに、力強く、大海原をぐんぐん泳ぐような力が、備わっています。

 

「内なる自然に還る旅:魚からの進化をたどって若返ろう!」は、背骨を使うことを忘れてしまった体に、もう一度、思い出してもらうクラスです。眠っている力が、内側から湧き上ってきます。外に何かを求めて身につけていくのではなく、内側にある自然の力を呼び起こします。それは、自らの内なる自然に還る旅です。

 

1回目の卵は、じっくりと、背骨の関節ひとつずつを、ゆっくりじっくり感じながら、動きました。動きは小さいのですが、しっかり体を動かした感じがします。

 

お話を聞いてから、体をほぐしてから始めたからか、みなさん、とってもよい感じに、丁寧に動いていました。途中、「ああ、無理っ」という声も聞こえたりして、まさに、進むか、還るか、逡巡した”あの頃”のようなことが、起きているかもしれませんね。

 

どれも、いい経験です。

 

なにしろ何億年も費やした進化ですから、クラスでも、焦らず、ゆっくり時間をかけて、ちょっとだけ進んでいきます。

 

1回目の卵に続き、2回目はいよいよ、魚です。ゆらゆら、背骨だけで泳ぎます。単発参加もできますので、タイミングの合う方、ぜひお越しください。
 

3月10日(日)14:00-16:30「内なる自然に還る旅:魚からの進化をたどって若返ろう!」第2回 人体の中にある魚

 詳細とご応募方法は、こちら

 

 

≪参考図書≫

「究極の身体」高岡英夫著 講談社+α文庫

「胎児の世界 人類の生命記憶」三木成夫著 中公新書

「『退化』の進化学 ヒトに残る進化の足跡」犬塚則久著 講談社 

 

 

【特別クラスのご案内】

2月16日(土)14:00-16:00 は「しあわせひきよせ ハッピーウォーク」です。詳細とご応募はこちら

2月17日(日)14:00-16:30は「たのしい太極扇(第18回)」です。詳細とご応募方法はこちら

3月  3日(日)14:00-16:30は「やさしい站椿功第5回)」です。詳細とご応募方法はこちら

 

 

☀「陽だまり」とは

「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、りん、とした印象もあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

...☆...☆...☆...☆...☆...☆...☆...☆...☆...

 

いしい まゆみ(道号:静慧)/ みんみん)

太極道家

講座のご案内は、こちらからどうぞ

 

体と心が目覚める太極拳(http://minminkung-fu.com/)

ブログ: みんみんの陽だまり太極道日記(http://blog.minminkung-fu.com/)

「太極拳、あるある、ないない話」Facebookページで毎日更新:こちらから

「すきなもの」Instagramでほぼ毎日更新:Instagram(@mayuminmin927)


調和

2019.02.08 Friday

 

朝の站椿功(立禅)が、好きです。

 

なにしろ、すっきりします。ごちゃごちゃしている思考や感情、体が、すっきり洗われて、1日のいいスタートになります。

 

朝は、鳥の声がたくさん聞こえます。季節によっては虫の声も聞こえます。午後になると、その声は潜まります。それはそれで、いいのですけれどもね。

 

站椿功をしているとき、耳を外に向けて大きく開きます。心を静めるための、ひとつの方法です。

 

瞑想などするとき、「心を無にする」と言うことがありますが、散り散りに乱れる心を、いきなり0(ゼロ)にするのは、大変です。

 

「散らかっている心を、ひとつにまとめる。1にすれば、それを無にすることはできる。」と、昔、気功の先生から教えていただきました。言い方を代えれば、1にできたら、無理やり消す必要もありません。

 

耳は、外に向けて大きく開きます。「聞く」意識を、手放します。

 

聴く感覚は、求心性です。開けば、入ってきます。それを積極的に聞きに行くと、逆に入ってこなくなります。

 

心身ともに静かになり、耳を大きく開いていると、いろんな音が聞こえます。

 

鳥の声、風の音、車の音や、人の声。ガッシャーンという何かが倒れた音や、自転車のブレーキ音、時間によっては工事の音も聞こえます。

 

それぞれ、関連性はありませんね。単語だけ見ると、異質な寄せ集めです。

 

でも実際には、これらの音は、驚くほど調和しています。どれもお互いを邪魔することなく、わたしも、どれにも邪魔されません。(もちろん、すぐ横で大きな工事の音がしている場合は、別です。)

 

宇宙の調和って、こういうことなのかもしれないと、感じます。

 

宇宙は柔軟で、余白があって、ある程度の生活音も、その中で調和させてしまうような気がしています。

 

これは、とってもいい体験になりました。

 

 

「予定調和」ということばがあります。

 

哲学用語と、日常で使う場合と、ちょっと意味が違うような気がするのですが、

 

哲学用語の場合は、17〜8世紀のドイツの哲学者、ライプニッツが唱えたもので、「異なる世界が神によって調和がとられていること」です。英語では、pre-established harmony (あらかじめ確立された調和)、上記でわたしが感じた調和は、たぶんこちらですね。

 

日常で使う場合は、あらかじめ誰の目にも結果が明らかで、実際に予定通りの結果になること、のようです。英語でいうと、Things happen as expected(ものごとは、予想したとおりに起こる)です。「起こる」がhappenという”偶然起こる”という意味を含む単語で、原因→結果の起こる=occurとは違いますが、それでも、as expected(予想通りに)というように、人間が予想した通りに起きることを意味しています。

 

だいぶ、イメージが違いませんか?

 

後者だと「予定調和は好きじゃない」という表現で使われたりすることもありますよね。

 

哲学的に使われている前者は、人間の予想外のことまで含まれているのではないでしょうか。

 

わたしが站椿功をしているときに感じた調和は、まさにそうじゃないかな、と思うのです。自転車のキーッというブレーキ音と、チュンチュンという鳥の声が調和するとは、予測していませんでしたから。

 

 

わたしが信じていることの中に、「美しいものは、美しく見せようと意図しないから、美しい」というものがあります。

 

太極拳にしても、「ああ、いいなあ」と感じるとき、演武している人は、「きれいにやろう」とは思っていません。

 

「きれいに見せよう」という思いは、エゴになり、飾りをつけたように不自然に見えるのかもしれません。

 

歌も、同じかもしれませんね。この前「たまうた」という「魂につながる歌い方」というワークショップに参加したときに、ガイドしてくださった方は、「たくさんの人の歌を聴いてきて思うことは、聴く人が感動するとき、歌い手は、ほとんど何も考えていない」と言っていました。

 

「感情を込めて歌おう」としないほうが、聴いている人が感動する、というのです。

 

その話を聞いたとき、島倉千代子さんの「人生いろいろ」を思い出しました。軽く、明るく、「人生、いろいろ」と歌う声には、ぐっとくるものがあります。

 

逆に、もしあれを、存分に感情を込めて歌われたら、苦しくなってしまうかもしれません。

 

感情は、そのときにしかいられません。過去の感情を、今に持ってくることはできません。過去の出来事を、苦しいと感じているなら、それは「今」、その出来事を振り返って湧いてくる感情なのです。

 

つまり感情は、都合よくも悪くも、増幅されたり、違うものにすり替えられることもあるわけです。

 

すでにある歌詞とメロディーに、自分の中にある感情を込めて歌うと、この「ずれ」が出てしまうのかもしれません。

 

歌詞やメロディーには、それ自体に力があります。さらっと歌う方が、そのパワーが表現されるのかもしれませんね。

 

 

踊りをされる方から体の使い方を習っていたとき、「天地をつなぐ透明なパイプになる」と教えていただきました。パイプが透明だからこそ、いろいろな表現が現れます。

 

それは、自分の予測の範囲を軽く超えて、驚くような感覚や、何かをもたらすことがあります。

 

それがライプニッツの唱える予定調和で、宇宙の調和の現れなのかもしれないな、と思っています。

 

 

そういえば、どなたか女優さんが、「すごく難しくて、どう言ったいいかわからないセリフがきたら、棒読みするのがいい」と言っていらしたことがあります。なんだか、すごいな、と思いました。棒読みとは、宇宙にすべてを預けることで、それが調和を働かせるコツかもしれませんね。

 

 

 

【特別クラスのご案内】

2月10日(日)14:00-16:30は「内なる自然に還る旅:魚からの進化をたどって若返ろう!」第1回 進化は背骨に現れる です。詳細とご応募方法はこちら

2月16日(土)14:00-16:00 は「しあわせひきよせ ハッピーウォーク」です。詳細とご応募はこちら

2月17日(日)14:00-16:30は「たのしい太極扇(第18回)」です。詳細とご応募方法はこちら

3月  3日(日)14:00-16:30は「やさしい站椿功第5回)」です。詳細とご応募方法はこちら

 

☀「陽だまり」とは

「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、りん、とした印象もあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

...☆...☆...☆...☆...☆...☆...☆...☆...☆...

 

いしい まゆみ(道号:静慧)/ みんみん)

太極道家

講座のご案内は、こちらからどうぞ

 

体と心が目覚める太極拳(http://minminkung-fu.com/)

ブログ: みんみんの陽だまり太極道日記(http://blog.minminkung-fu.com/)

「太極拳、あるある、ないない話」Facebookページで毎日更新:こちらから

「すきなもの」Instagramでほぼ毎日更新:Instagram(@mayuminmin927)


だんだん、わかってくる

2019.02.06 Wednesday

(中国、武当山の南天門)

 

武当拳をはじめて4年目の2012年、武当山にお稽古に行っていたときのことです。

 

先生から、「あなたの動きは外見はきれいだけど、中が悪すぎる。体が緊張して硬すぎる」と、指摘されたことがあります。

 

「がーん」という衝撃でしたが、すんなり受け入れられました。こんなにまっすぐに指摘してくれた人はいなくて、ありがたかったですし、先生の言い方や雰囲気から、真摯なものが伝わってきたからかもしれません。

 

それから体をリラックスさせるお稽古が始まりました。(そのときのお話は、こちらから「先生との出会い」)。

 

最近になって、なぜあのときそう指摘されたのか、わかった気がしました。教えているとき、今の自分なら、あのときの先生のように言えるかもしれないと、思えるようになりました。

 

7年くらいかかっていますね(笑)。

 

 

太極拳は、相手を想定した攻防の連続で型ができていて、それを套路(とうろ)とよびます。でも套路自体は、実際に相手と組むことはなく、ひとりで行います。

 

そのため、たとえば相手の腕をとって引くとか、押すという動作のときに、実際にどのくらい力が出ているのか、わかりにくいです。つまり、見た目では、力が出ているものか、ないのか、わかりにくいのです。

 

もちろん、見る人がみれば、しかもずっと見ていたら、ちょっとしたタイミングのずれなどから、冒頭の先生のようにわかると思いますが。

 

太極拳の力の出し方は、勁(けい)といいます。筋力頼りではなく、力の使い方を学んで使うことにより、自分の力を合理的に最大限に発揮させます。

 

上手く表現するのは難しいのですが、”力が通っている”感じです。

 

この勁を発するためには、条件があると思っています。

 

心体の無駄な緊張がないこと(あると、そこで力の通りが途切れてしまいます)、

勁を発する原理(陰陽のバランスや、力の元など)を理解して動いていること、です。

 

先生に指摘された頃のわたしは、このふたつとも、わかっていませんでした。わかっていなければ、やれませんよね。

 

 

太極拳のお稽古は、やればやるほど、基本が大事だと気づかされます。「基本が全然できていない」と悩むことも多かったです。

 

でも「できていない」と思うと、そこにアンテナが立つのか、いろいろと教えてくださる方との出会いがあります。

 

 

今、教えていると、「基本ができていない気がする」とか、「好きだけれども、どうやっていいかわからない」という方に、お会いすることがあります。

 

ご本人たちは悩んでいるのですが、ある見方をすれば、いいところに来ているな、とも思います。

 

わからない、と頭では思っていても、心の奥の深いところで、何か大事なことに気づいている感じがするからです。それは、続けてきたからこそ、得ている感覚なのです。

 

でも、ひとりだと煮詰まってしまって、出口が探せないこともあります。わたしがそうだったように、です。そんなとき、ちょっと違う視点をくれたり、風通しをよくしてくれる人がいると、状況は大きく変わります。

 

先生とは、そういう存在だと思います。

 

だから、悩んでいる人がいても、きっと大丈夫。自分がなんとかしたいと願っていれば、ちゃんと出会いはあるし、先は開けます。

 

だから、きっとみんな、大丈夫。

 

こういうものは、いろんな準備ができたとき、だんだん、わかってくるものです。続けていれば、必要なタイミングで、必要なものが、やってきます。

 

 

 

 

【特別クラスのご案内】

2月10日(日)14:00-16:30は「内なる自然に還る旅:魚からの進化をたどって若返ろう!」第1回 進化は背骨に現れる です。詳細とご応募方法はこちら

2月16日(土)14:00-16:00 は「しあわせひきよせ ハッピーウォーク」です。詳細とご応募はこちら

2月17日(日)14:00-16:30は「たのしい太極扇(第18回)」です。詳細とご応募方法はこちら

3月  3日(日)14:00-16:30は「やさしい站椿功第5回)」です。詳細とご応募方法はこちら

 

☀「陽だまり」とは

「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、りん、とした印象もあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

...☆...☆...☆...☆...☆...☆...☆...☆...☆...

 

いしい まゆみ(道号:静慧)/ みんみん)

太極道家

講座のご案内は、こちらからどうぞ

 

体と心が目覚める太極拳(http://minminkung-fu.com/)

ブログ: みんみんの陽だまり太極道日記(http://blog.minminkung-fu.com/)

「太極拳、あるある、ないない話」Facebookページで毎日更新:こちらから

「すきなもの」Instagramでほぼ毎日更新:Instagram(@mayuminmin927)

 


【特別クラス】やさしい站椿功(第5回):しあわせを呼ぶ7つのステップ 

2019.02.04 Monday

 

站椿功(たんとうこう)とは、ひたすら”立つ”お稽古です。

 

やればやるほど、活力を与えてくれて、心身ともに健康を促してくれます。

 

心静かに立ち続けていると、日常のあれやこれやの悩み事も、「ま、いいか」と思えるようになります。

 

とはいっても、「腕が痛くて続けられない」とか、「足がしびれてくる」とか、「集中力が持たない」など、苦手意識の強い方もいらっしゃるでしょう。

 

站椿功には、いくつかコツがあります。それを7つのステップでお伝えしていきます。

 

立つこと、站椿功は、本当はとっても人に”やさしい”のです。

このクラスに参加された方は、終了時、とってもしあわせそうに、柔かい笑顔を見せてくださいます。

 

こんな風にたてたら、毎日がとってもしあわせになるのではないでしょうか?

 

コツをお話しながら、一緒に体験してみましょう。ひとりでは難しくても、みんなでやれば、できるかもしれません。

 

これまでに参加された方も、はじめての方も、ぜひどうぞ。

 

 

 

※第1回目の様子は、こちらから→「やさしい站椿功」を、初開催しました。

※第2回目の様子は、こちらから→「やさしく立てたら、やさしくなれる:やさしい站椿功」

 

 

〜こんな方におすすめです〜

 

・站椿功に苦手意識がある方

・やってみたいけれども、二の足を踏み続けている方

・站椿功は、苦行だと思っている方

・楽な立ち方のコツを知りたい方

・体のコリや硬さに悩む方

・階段を登るのがつらい方

・過去の後悔や、将来への心配ばかりしてしまう方

・ソワソワして落ち着きがない方、心の静め方を知りたい方

・中国古来の養生法を、体験したい方

・しあわせを感じたい方

 

......................................................................

 

やさしい站椿功: しあわせを呼ぶ7つのステップ

 

日時:2019年3月3日(日) 14:00−16:30 

   ※13:30に開場します。中国茶をおいれして、お待ちしています。

 

場所:自由が丘・九品仏駅近くの会場(和室)(詳しくは、ご参加の方にお知らせします)

 

内容:・站椿功のおはなし(どんなもの?どんなことが起きるの?站椿功のコツとは?)

    ・体と心を緩める準備体操

    ・実際に、站椿功をやってみましょう

 

服装:ストレッチのきいたパンツと長袖Tシャツ、靴下 

   ※会場でお着替えいただくこともできます。

 

持ち物:飲み物、タオル

 

参加費:4000円(チケットをお持ちの方は、1回分+1500円)

 

お申込み:minminkungfu☆gmail.com(☆を@にかえてください)あてに、お名前とご連絡先、「やさしい站椿功」に参加希望とお書き添えの上、メールでご連絡ください。

 

教える人:いしい まゆみ(道号:静慧)

太極道家

第4回世界伝統武術大会 太極拳部門 金メダリスト(中国・湖北省)

2008年から毎年、中国の武当山で稽古を重ね、現在は武当玄武派第十六代伝人明月師父のもとで武当功夫(内家拳:太極拳、形意拳、八卦掌)を学んでいる。自身が太極拳を通して学んだもの、すこやかでしなやかな体と心と、そこから生まれる円満な人間関係を広めようと、教室を開催している。

 

 

☀「陽だまり」とは

「陽だまり」のイメージは、縁側にのんびり座り、暖かいお日様の光が射しこみ、ぬくぬく、まどろむような時間と空間です。縁側は、なくても生活できますが、あると居心地が良く、今、とても失われている”あそび”や”ゆとり”だと思うのです。モノも置かれておらず、いつもキレイで、りん、とした印象もあります。太極拳を通して、陽だまりのような場を創っていきたいと思っています。

 

...☆...☆...☆...☆...☆...☆...☆...☆...☆...

 

いしい まゆみ(道号:静慧)/ みんみん)

太極道家

講座のご案内は、こちらからどうぞ

 

体と心が目覚める太極拳(http://minminkung-fu.com/)

ブログ: みんみんの陽だまり太極道日記(http://blog.minminkung-fu.com/)

「太極拳、あるある、ないない話」Facebookページで毎日更新:こちらから

「すきなもの」Instagramでほぼ毎日更新:Instagram(@mayuminmin927)

 



calendar

S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
2425262728  
<< February 2019 >>

selected entries

categories

archives

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM